一番最初の怪文書らしきものはマブを刺したいが故に書いたものなので気にしないでください。どっちにしろ本編アフターの話だからこのシリーズには一切出ません
伏線貼りはバッチリなはず
*
………本当はね。君たちが辿る道。私は知ってたんだよ。だって、ここからはぜんぶ見えるから。
別に、アドバイスだってしても良かったの。君たちはどちらかと言えば好きな方だったし、無駄に傷つく必要なんてないと思ってたから。
柔らかい陽だまりの中で笑い合う君たちを見るのが好きだった。それはきっと、私が今も焦がれるあの景色を思い出させるから。
可愛い私の片割れの笑顔を、思い出させるから。
……なら、
君たちの物語を最後まで見届けることは出来なくても、
いつかの七夕、君たちは願った。
もしも願いが叶うなら、モンスターのみんなと、広い広い空の下で。気兼ねなく星が見たいと、そう言った。
その夢を叶えるとしたら、自分の手がいいだろう。
……だって、姉弟喧嘩の後。仲直りしてから見る星は、…とっても。泣きそうになるほど、綺麗だもの。
───To my dear sweat friends,Humans from Vegetationtale.
With love.Y.F.
*
…………………。
……………。
……。
…。
「こんにちはフロギー、調子はどう?あらまたスパイダードーナツ買いすぎたの。飲み物ないと喉詰まらせるよ?」
「ルークス、人もヒトも天狗にならずに生きるのが一番なんだよ。…そもそも天狗を知らない?」
「ベジトイドおじいちゃん新鮮な人参ありがとう。でも覚えてないかもしれないけど私ついさっきおじいちゃんにジャガイモ貰ったばっかりなんだけどこれどうすればいい?何?お夜食?」
「ナキムシ、…うーんせっかく仲良くなったのに未だにこの呼び方はちょっとな。むーちゃんって呼んでもいーい?」
「ねえチビカビぃ、そんなに足元に集まったら踏んじゃうよ。」
「ミゴちぃ~~やべーやつと遊ぶのもほどほどにしな?ぜってーミゴち厨二キャラよりギャルとかのが向いてるって。マジだってば。」
───いせきに滞在しだして一週間が経った。
一週間ともなれば、モンスターたちの警戒も解けて、今ではすっかり顔馴染みだ。もちろんこんなに長く滞在しているのにも、仲良くしているのにも目的がある。
ズバリ、情報収集とコネ作りである。
コネ作りについては後回しだが、情報収集とはそのままだ。
母さんバグから発生したタマシイで不完全なリセットをして地上に戻ったはいいけど、時間軸が確実にめちゃくちゃになってることには私たちが言うまで気づかなかったから、こう。ポンコツなんだよなって。キャラが地上に落ちたのが201X年、ひとまず2010年(仮)としよう。
いや今2016年なんだよな~~~~~母さんタイムパラドックスしてんじゃねえのってあのとき死ぬほど焦ったんだよな…懐かしい。
ひとまずはフラウィの話を聞いた限りキャラは何十年も前に死んでるわけだから、地下の時間軸はそこまでめちゃくちゃではないらしい。ズレてるのは地上の時間だけ、と仮定しておく。
しかしその他に変わってることがあるのかもしれない、ということで情報収集することになった。
彼らから聞けたことは少なかったが、少し気になる情報が入った。
「アルフィー博士が数年前からラボに
「同時期に、王様がお城から出てあちこちに出向くようになり、少し明るくなったらしい。」
フロギー、ルークス、ナキムシ、ベジトイドの話によると、いせきの外に住む彼らの親戚が、十年ほど前に王様が出した
昔はマネキンに取り憑いているおばけがメッセンジャーの役割を
手紙にあった情報は古いが、まぁまずまずといったところだ。
次にナプスタブルーク。
彼はあの性格からもう此処には来ないと思っていたが、意外と義理堅いというか、恩を感じやすい性格らしい。そういえばTPルートを行く際に攻撃していると「君が僕を攻撃しようとしたことは忘れない」、みたいなことを言うそうな。恩も恨みもしっかり覚えてるタイプなんだなあ。
それはともかく、アルフィーと王様について教えてくれたのは彼だ。
彼はいせき以外ではあまり外に出ることは少ないらしいが、わざわざゴミ捨て場の様子を見に行ってくれたようだ。少し前にご近所のアンダインがアルフィーを気にかけていたという情報で、アルフィーにとって何かショックを受けるような出来事があったというのは確定した。自殺しないといいなあ、すごく困るし。
王様もとい『毛むくじゃらのヒト』はカタツムリ牧場の常連だから割とすぐにわかった。
『お得意さん』が来なくなり、客足が途絶えてから月に何度かくらいのペースで来ていたのに、なんと5年前からは週に2回来てくれるようになったんだとか。
その時に何故こんなに来るのかを問うたとき、彼は
「いやまあ、ここまで考察材料があると大体察しはつくけど…断定にはまだ早いよなあ。」
「まだ確定までは行かないって感じなんだ。」
「なんとなあく、だけどね。あとこれが合ってたとしたらクソやりづれえから保留。モンスターに対する私の感情がまたグチャグチャになって情緒死ぬから。」
「現実逃避ってやつだろ、それ。」
「言うな。」
使い古して少しよれたノートをパタンと閉じてベッド脇のポーチにしまい、充電ギリギリのスマートフォンをポケットに突っ込んでスニーカーを履く。
ブルーと水色に桃色のリボンがカワイイ折り畳み式財布を引っ掴んで部屋から飛び出し、杖を片手にキッチンを覗きに行く。
「トリエルさあん、おやつのスパイダースイーツ買ってちょっと遊んできますねえ。」
「まあ、また…?あなたは本当にあそこのドーナツが好きなのね。」
「んふふ。最近クモさんたちのリーダー?のマフェットちゃんと文通を始めたんですよ。なんでもいせきの外でベーカリーをしてるんだとか。」
「まあ…お友達が出来るのはいいことね。いってらっしゃい、お昼までには帰ってくるのよ。今日は貴方の好きなミートソーススパゲティですからね。」
「やありぃ!チーズはありますかっ?」
「うふふ、ええ。
暖かいピンクのエプロンを着て今日の朝食分の洗い物をするトリエルに背後から声をかけ、何気ない雑談を済ませながら首元を触って自分を落ち着かせる。
最近はこうすることで喉のつっかえを適当に流せるようになった。我ながら面倒なんだよなあ、母さんの面影をちょっと見つけるとこうなんだから。顔に出なくなっただけだいぶマシか。
「フラウィいこ、許可貰ってきた。」
「今日のランチは?」
「ミートソーススパゲッティだってさ。絶対美味しいよね。」
「チーズ独り占めすんなよ。」
「ついさっき言われたよ、わかってるって。」
フラウィを腕に登らせながら財布の中身を開き、今日買う分のお金があることを確認してからいせきを出る。
そう、私がこの一週間いせきに滞在していた理由はこれ。コネ作りというか、マフェット含むクモ一族への媚売りだ。
マフェット戦は正直私のステータスでは確実に命に関わるから何が何でも回避したい。片目しか見えない上杖で片手塞がるのに、クモ糸登りながら彼女の『ペット』から逃げるに加えて上から来る子グモたちを避けるのは無理だ。集中力が切れたら死ぬのはさすがにリスクが高すぎる。
しかしコネ売りと言っても、大したことはしていない。最初は「ここで長いこと売ってるようだし、せっかくならドーナツの種類を増やしてみてはどうだろう」、とアドバイスしただけだ。要はメニューのレパートリーを増やす提案だ。
正直なところ何度確認しても「ジュースだけでなく、ほぼクモから出来ている」とほざくテキストにはドン引きしたし、だいぶ飲むのは嫌だったけど、これが意外と美味しかったのだ。
グレープを中心としたベリー系の甘酸っぱいテイストのサイダーは材料のことさえ考えなければ全然イケる味付けだった。購入した時の入れ物も
ドーナツはチョコドーナツ…本当に味はチョコレートドーナツだったし見た感じもそんな感じだった。どういうことだ本当に…の上にたっぷりとパープルピンクのアイシング…フロスティング?がされていて、味はサイダーと同じベリーの風味がほんのりと。
その上からホワイトチョコでクモの巣を丁寧に描いて、その上から薄いピンクと濃いピンクのチョコスプリンクルがかけられたまさに『ハロウィン限定スイーツ!』といった感じのキュートなスイーツ。
作中のマフェットはプライドは高かったようだけど、それ以上に大変同族思いのモンスターだった記憶があるし。クモたちの負担が減ればそれはそれで得なのではないだろうか、とカマをかけるように子グモたちに色んな提案をしてみた。
地上には紅茶やミルクを使った様々なドリンクがあること。
ドーナツは普通の生地にキャラメルを練りこんだもの、ジャムを入れたものなどでも美味しいのではないかということ。
そして、もしスイーツの種類が増えたらスイーツビュッフェが出来るのではないか?若い女の子には大ウケするのでは?
トドメになったのは「もしビュッフェがあったら絶対行きますね」と言ったことだろうか?いやそこはわからんけども。
子グモたちが単純だったのか、それとも純粋に新しいアイディアを一刻も早くボスである彼女に報告したかったのか…なんにせよクレーマーと思われなくてよかった。毎回多めに商品を買ったりあちこちでスパイダースイーツを褒めてたらパトロン認識されたらしく、無事マフェットとメル友になることに成功した。ホットランドに行ったらお茶会する約束までしたくらいだ。
メッセンジャー役をナプスタブルークが請け負ってくれたおかげでかなり距離が縮まった。
一週間でこんなに仲良くなれるって、モンスターってやっぱりアレなんだよなあ。
よく言えば優しすぎるし純粋すぎる、悪く言えばチョロくて騙しやすい。涙が出てしまいそうだ。
「お前こうなることまで全部計算して動いてんの…?」
「ハイ?ンなアホな。計算できるわけないじゃん、全部上手くいくなんて保証どこにもないんだから。保険をかけまくってるだけだよ。」
「切実にキモチワルイ。」
「うっせー。あ、やっほみんな。調子はどう?繁盛してる?」
軽くお辞儀をしてからしゃがみ、子グモを右手に乗せて目を開ける。小さな看板を掲げる子グモの頭を人差し指で撫でながら文字を読むと、なんと今日は大盛況らしい。それはよかった。
マフェットはクモたちに危険が及ばない、代金をキチンと払うという二つの条件さえ守れば信頼できるモンスターだ。プライドの高い彼女が配下に無暗に支援者の秘密を言いふらすような教育をしているとは思えないし、まぁ息抜きはできるだろう。
「今日は私とフラウィの分だけだから、サイダー2つとドーナツ3つで。57Gかな?」
まとめて払ってもいいよ、とオッケーサインを出されたので、まとめ買いするお客さん用の受け皿…一昨日トリエルがクモたちのために作ってくれた手作りの木箱。カワイイ。…に財布から取り出した代金を落として、専用の可愛らしいビニール袋に入った商品を受け取る。
ちなみに言うとこのお金はすべていせきのモンスターたちがお小遣いでくれたものだ。トリエルには絶対内緒とのこと。
「今日はちょっと寄り道していこ~。」
「なんだっけ。武器と防具が必要なんだっけ?」
「惜しいね~~、ちょっとちがう。」
売り子たちの子グモたちに手を振りながら部屋を出て右に曲がり、居眠り中のフロギーを起こさないよう静かに通っていく。
そのまま真っすぐ進んでいくと、六つの落とし穴…落とし穴?がある部屋、通称エリア17に出た。ベジトイドと最初にバトルが出来る部屋とでも呼んだ方がいいのだろうか。
部屋に入って手前から右の穴に真っ先に飛び込み、シャンと足で着地しながら辺りをきょろきょろと見渡し、…足元に、色褪せた赤いリボンが落ちているのを見つけた。
そっとリボンと地面の隙間に指を通して、優しく拾い上げて観察してみる。
元の持ち主は、幼い子供だったのだろうか。少なくとも、優しくていい子だったのだろう。これが服用のリボンなのかヘアアクセサリー用なのかはわからないけど、随分と使い込まれているし、リボンの端に名前が書いてあった。
インクが薄れて、もう読めなくなってしまったけど。
「それどうするの?防御力がほぼないゴミじゃないか。」
「アホタレ。これは遺品なんだから持ち主に返すんだよ、ちゃんとお城にあるだろ。棺桶。」
「赤の他人のお前がやって何の意味があるのさ。家族ならまだしも、お前にはなんの得もないだろ。」
さも当然のような顔で言うフラウィにマァ確かに、と思わなくもない。正直ガッツリエゴだしな~~、相手が望んでなくても普通にやろうとする自分の姿が見える見える。だから人でなしなんだよなあ、こわやこわや。
「でもさあ、」
と口を開いて、今は誰もいないエリア22の入り口で立ち止まり、不可解そうに見上げるフラウィを横目で見つめ返して続きを言う。
「私がやんなかったら、誰も弔ってくれないじゃん。」
予想外の返答だったのだろうか、フラウィがその可愛い黒々とした瞳を見開いて何度か瞬きをする。
「…や、そんなことはないんじゃないの?」
「自分たちのために死んだ子を誰ひとりとして気にもしないから遺品があっちこっちにあるんじゃな~いの?そりゃまぁ、朝ご飯のベーコンに毎日感謝しろって言われたら難しいからそれ言われたらそこまでだけど。」
「………さすがに死者を朝のベーコンに例えるなよ、キモチワルイな…」
「う~~い、めんごめんご。」
ちいちゃなおもちゃのナイフだけが、この人でなし共の会話を聞いていた。
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「あ"~~、たらふく食った。くそねみ…」
風呂上がりに水を一杯飲んでから部屋に戻り、前髪を軽くかきあげながらベッドに飛び込む。今日のパジャマはくすんだヒヤシンス色のダボついたシャツと、グレーのエアリズムパンツ。少し生地が薄いからこれで外に出るのは寒いだろうな。
「食べてすぐ寝ると牛になるって言ってなかった?」
「乙女にカロリーの話禁止…って言いたいとこだけど、まァ私だしねえ。どうせ夜中に戻しちゃうかたくさん動くかで太りはしない…と思う。」
「ふうん。人間って食べたものを吐くのが普通なの?」
「ンなこたぁない。」
うつ伏せになったままだし髪も乾かしてないけど、このまま眠気に身を任せてまどろんでいたいけど、そうはいかないと言わんばかりに蔦が首に回された。無視して枕に顔を埋めると一気に力が入って後ろに引っ張られ始めたので、わざとらしいため息を口から吐き出しながらゆっくりと体を起こしてベッドの上であぐらをかいた。
「髪べちょべちょにして寝てたのはソウマだったんだけどなー。」
「ボクはお前の弟のこと知らないからどうでもいいかな。」
ポシェットから引っ張り出した柔らかいパステルイエローのタオルで髪に残った水分を乱雑に拭い取りながら目を閉じる。意識した途端どこかから聞こえだす優しい音楽に耳を傾けていると、ふとフラウィが口を開く。
「…それで?約束通り話してくれるんだろうな。」
「……あー。そおいや、もう一週間だったわ。ゴメンゴメン。」
鉢植えの中でくつろいでるフラウィに目を向けると、あちらもつまらなそうに私を見ていたところだった。
約束と言っても大したことではない。ナプスタブルークと最初に接触したあの日、何故台風の中わざわざ山を登った理由や家族が死んでから一年も放浪していたのかと聞かれていたが、如何せん一つ一つ思い出して教えるのが面倒で今日まで後回しにしていたのだ。そういえば寝る前に教えてやるよとか言ったな私。
とんでもびっくりなおとぎ話みたいなものだし、
「んじゃァ、どこから話したものかな…」
ここで一旦区切ります〜〜〜〜〜〜フォロワー刺すための文章めっちゃ長くなってきたので…あとFAとかマブの誕生日プレゼント(2ヶ月遅れ)用の漫画描くのにも時間かかってるから……脱線って怖い…………
ところで10月29日どうした????なんでお気に入り登録者一気に20増えた??????ありがたいけどどうした?????????
一日の閲覧数の平均が5〜13だったのに556まで跳ね上がるなんてネッコ聞いてない…こわい…
情報①
アルフィー博士が研究所から出てこない。誰の呼び掛けにも応えてないため、研究所の中で自殺した可能性がある。
しかしそうなれば真っ先にメタトンが王や他の誰かに報告している可能性が高いので、生存している可能性の方が高いだろう。
まぁ、廃人になってなきゃいいけど。
情報②
王は誰かを待っているらしい。それにかなり前向きな思考でいるようだ。
アルフィー博士と同時期に変化があったらしいので、もしかすると二人は……。
…………考えるのはやめておこう、吐き気がしてくる。