一応、シリアスのつもりです。。。
不快に感じるかもしれませんので、観閲注意お願いします。
昼食はピッピママが作り置きしといてくれたボローニャソーセージ2枚、それにバゲット、シュリンプサラダ、コンソメスープという簡単な物になった。
ソーセージに使う肉の選定から腸詰、燻製まで丹念にやってくれた当の本人は今ドッグでヴェスタルの治療を受けているところで、そのことを考えると食事もあまり進まない。
私の考えが甘かったのは認めざるを得ない。
慣れた海域なら後衛1、前衛3の編成でも大丈夫だと根拠のない自信にかられていたのだ。
その自信がもたらした結果はピッピママとセントルイスの負傷。
幸い2人とも軽症で済んだが、それでめだたしとはならない。
私の詰めの甘さが、彼女達の負傷を招いてしまったのだから。
考えどころか認識からして甘かったのだろう。
私は、画面上の操作から実際の陣頭指揮へと変わる、その2Dと3Dの違いさえ十分に理解できていなかったのである。
艦娘と言えども、艤装が無ければただの人間のようなものであり、負傷もすれば最悪死にもする。
疲労も感じないわけはなく、判断を誤る時もあり、よって私は突発的な不測事態に襲われる可能性があるという事なのだ。
ボローニャソーセージ越しに、私は不測事態をもたらした2人組を見やる。
友軍の誤射による負傷の報告を受けた時、私は怒りのあまりPPKを手にして「私の大事な艦娘を傷つけた大馬鹿野郎どもは始末してやる」と怒鳴ったが、実際にその大馬鹿野郎共と出会った時、その決意は急速に萎んでいった。
赤城と高雄。
私の鎮守府には所属していないが、大変優秀な戦闘艦であることは間違いない。
重桜きっての空母と重巡が、何故友軍誤射などという初歩的なミスをやらかしたのか?
答えは、彼女達の顔を見ればありありと分かる。
もはや重桜の精鋭という面影はなかった。
2人ともやつれ切り、目の下には濃い濃いクマをこしらえて、身体中に包帯を巻いている。
その包帯さえも急ごしらえも良いところで、全くもって衛生的とは言い難い。
今にも感染症にかかりそうなほど血と膿の跡がくっきりと見えるような代物だった。
とりあえず、席に着いてもらおう。
話はそれからだ。
ダンケルクとベルファストは不愉快な態度を隠そうともしなかったが、ちゃんと指示通りには動いてくれる。
ダンケルクが2人組の前に私の机に載っているのと同じソーセージとバゲットを並べ、ベルファストがルイボスティーを淹れる。
恐らく、2人組は微塵切りにでもされるとでも思っていたようで少々困惑した様子だった。
私も最初は微塵切りにしたかったが、今は違う。
悪いのは彼女達自身というより、彼女達の所属する鎮守府の指揮官だという事を今ではよく理解しているつもりだ。
2人組がソーセージを食べている間に、ピッピママとセントルイスが帰って来た。
両者共に腕に包帯を巻いているが、もちろん今ソーセージに手を付けている2人組よりは断然清潔な物だ。
その包帯を巻いた腕を上に挙げて私に手を振りながら上機嫌で「帰って来たわよ〜!」と言っているところからして、回復も早そうだ。
ピッピママは2人組を見た瞬間に私に食ってかかってくるだろうとは思っていたが、まさしくその通りだった。
セントルイスも渋い顔をしている。
「指揮官、この2人が貴方の為のボローニャを貪っている理由は!?」
マッマ、落ち着いて。
私の隣に来てくださりませんか?
今からお話しします故。
丁度、私はピッピママお手製のボローニャソーセージを食べ終えたところで、紅茶片手にマッマ2人を両隣に招く。
貴女方には後ほど謝罪をしなければならない。
だが、その前に解決すべき問題がある。
ピッピママ、ハンマーシュタインの事なら知ってるよね?
「ええ、勿論。鉄血の艦娘なら誰でも知ってるわ。」
ハンマーシュタインは冗談半分に軍隊に所属する人間を4つのタイプに分けて評価したと思ったが…知ってる?
「それも知ってるわ。一つ目は、利口で勤勉なタイプの軍人。二つ目は利口で怠惰なタイプの軍人。三つ目は愚鈍で怠惰なタイプの軍人。そして、四つ目は……愚鈍で勤勉なタイプの軍人。」
一つ目は参謀、二つ目は前線指揮官、三つ目は下士官、兵卒に向いていると彼は語ってるね。
私自身は
「「「「一つ目で決まりね!」」」」
あのぉ、マッマさん達、いくらなんでも過保護すぎやしませんか?
決してそんな優秀な人間じゃないよ私は。
今朝だってピッピママとダンケママに挟まれてビーストと化してたのよ。
そんなのが一つ目なわきゃないでしょう?
まあ、三つ目ではあっても四つ目ではないと私は思っている。
ハンマーシュタインは四つ目の人間に何の立場も与えてはならないと言った。
四つ目の人間はどんなに間違った事でもクソ真面目に実行しようとする。
頭は良くないのに、任せられたと思った仕事は、例え己の力量の遥か及ばないものであっても執着して放棄することを知らない。
それが、四つ目の人間だ。
私の見る限り、君達2人組の指揮官はこの四つ目の男だ。違うかな?
赤城は公式にもヤンデレーナな性格だというのは知っていた。
そのヤンデレーナが口を開いた時、私は正直ゾッとした。
「………指揮官様をバラバラにして側に置いたら………………」
おいおいおいおい。
ヤンデレ失望ボイスかい!
ヤンデレから永遠に一緒にいたい的な意味とは別に死ねと言われるという事は、その指揮官がよほど嫌われているに違いない。
高雄からはもっと細かい情報まで聞けた。
どうやら私のマッマ達を誤射した鎮守府の指揮官を名乗っているアホタレは、前衛1後衛1の勢力で過大な敵を相手にさせるのがこの上ない娯楽なようだ。
それも一度や二度ではなく、恒常的に、それも高レベルの周回を行う。
艦娘には休みを与えず、過度な整理を断行するせいでまともにローテーションも組めない。
節約に取り憑かれ、艦娘の為の物資購入や寮舎の整備費、果ては食事まで切り詰めて海軍参謀本部に予算を返納してしまうらしい。
サイコパスか?
自分の鎮守府の艦娘は碌な扱いもできない。
徹底して金を削りまくり、治療費でさえ細かく口を出して奪い取る。
にも関わらず、無理やり浮かせた艦娘の治療費は自分で使うでもなく参謀本部に返納している。
何をやりたいのか、私には到底理解できない。
"四番目"の軍人にサイコパスが掛け合わされれば確かに大変な物が出来上がりそうだが、目的はさっぱり分からなかった。
何を考えているのか。
何を思っているのか。
何を成し遂げようとしているのか。
何を考えているにせよ、アホタレを許す気はもはやない。
今回の件は、要するにこう言う事だ。
アホタレが艦娘をこき使い、艦娘は過負荷がかかる状態で遠距離任務へ放り込まれ、重篤な疲労の為に私の艦娘達を敵と誤認して攻撃した。
指揮官どころか管理者としてなっていない。
まさにハンマーシュタインの言うところの「何の立場も与えてはならない」人間と言ったところか。
「………たぶん、もう少しで貴殿の右手にある電話機が鳴る。」
高雄が唐突に切り出す。
その手は小刻みに震え、顔は青ざめていた。
「相手は若い男のハズだ。溌剌として、きっと貴殿から好印象を貰おうとするだろう。信じてくれ、それは真の姿じゃない。あの男は偽善者なんだ。」
高雄の言う通り、少し後に電話機が鳴った。
「…僕の艦娘達がご迷惑をおかけしたようで、本当に申し訳ありません。僕とした事が"躾"がなってなかったようですね。」
ほう、"躾"がなってない。
「ええ。そこにいる馬鹿2人はすぐに僕のところへ向かわせていただいて構いません。きっちりと躾をさせていただきますので。」
うん、頑張ってくれ。
ただ、君の"馬鹿2人"はしばらくそちらへは戻らないはずだ。
「…………お気持ちは十分に分かります。ですが、その2人は僕の鎮守府では基幹要員なんです。退役処分だけは、どうかご勘弁願えませんでしょうか?」
ダメだ、全然わかってない。
「分かってないとおっしゃいますと?」
この2人は君の基幹要員だと言ったね?
「ええ、その通りです」
君の鎮守府は味方を誤射するような困った艦娘しかいないと言うわけか?
そんな艦娘でしか編制を組めないほど……艦娘に不足してるのかな?
「僕の鎮守府のモットーは『少数精鋭』です!艦娘の維持には多額の費用がかかります!ですから、当鎮守府は極力少数の鍛え上げられた艦娘で最大の戦果を目指します!そうする事で管区は最小限の支出で高い戦果を挙げられ、結果として」
君がぶら下げる勲章が増えるわけか。
「は?」
いいかい、よく聞くんだ。
君の性格が段々と分かってきた。何をしたいのかも、何を成し遂げる気でいるのかも。
君の目的は、あれだろう。
海軍参謀本部のピッ●ブルから良く思われたいんだ。
その為に自分の艦娘をこき使い、予算・戦果共に得られた利益を総取りしてる。
「聞いてください、僕はただ」
聞くものか。
君の艦娘は躾がなってなくて誤射をしたんじゃない。
むしろ躾がなってないのは君の方じゃないのかな?
散々こき使われた艦娘は疲れのあまり誤射をしたんだ。
君は管理者として失格だし、私は彼女達を回復させて十分な休養を取らせるつもりだ。
当人達の希望がない限り帰すつもりもない。
「………」
また彼女達に"疲れのあまり誤射"なんてされちゃたまったもんじゃない。
これに懲りたらせいぜい手持ちの艦娘には
「黙れクソジジィ!!!」
(おお、どうしたどうした)
「後悔するぞ、クソ野郎!!!後悔させてやる!!!舐めやがって、このジジィが!!!俺の女だ、すぐに返せ!チンタラやってるテメエ程暇じゃねえんだよ!」
本性が現れたな。
「ふざけんじゃねえ!!この件は参謀本部に報告する!!これはれっきとした横領だ!!…俺を誰だと思ってる!?この管区じゃ危ねえ奴だと有名なんだぜ!?お前みたいなショボくれた中年指揮官なんか屁でもねえ!!耳を切り落とし、爪を剥いでやるからな!!いいか、おれは」
吠えるな若造。
貴様こそ、私を誰だと思っている?
「ああ?」
参謀本部に報告したければすれば良い。
困るのは君だ。
ピッ●ブルが艦娘を奴隷扱いするような指揮官を認めると思うか?
何なら統合参謀本部議長に報告してもいい。
いずれにしても、君の艦娘は帰ってこない。
来るなら、来ると良い。
私は・・・・・
そう言えば、私はこっちに来てからなんて名前になっているのか知らない。
元の名前かもしれないが、別の名前な可能性もある。
何か、今決めろって言う啓示が降りてる気がする。
そうだ。
こういう時は閃きが物を言う。
ある名前が浮かんだ。
こういう時にピッタリの名前。
スキンヘッドに虚無の目をした黒人の名前。
いいか、若造。
私はマッコール。
ロバッ、いや、ロブ・マッコールだ。
「そうかい、いずれ挨拶に行くさ。首洗って待ってろ。」
それだけ言って、電話は切れた。
ふうぅぅぅぅ、小便チビるとこだったぜ。
シリアス書こうとすると駄文感が増してしまいましゅ。
アドバイスいただけると嬉しいです。。。