あのな、マッマ達。
何をしたいのかは分かる。
アレでしょ?
"びそく"の影響でしょ?
運営公式目の保養漫画の影響でしょ?
そんなさあ。
4人+アヴマッマで皆揃って水着に着替えてさ、クソエッロいとしか言えないような語彙力ベルリンの壁な感想しか抱けない綺麗な腋の下をアピールする暇があるならさあ。
脱出しようよ、ねえ!!
とりまこの砲弾の嵐からエスケープしようよ!?
何余裕ぶっこいて×セクシー○エロスなポージングしてるわけ!?
第一、アンタらそれを私にアピールしてどうしたいわけ!?
赤ん坊に見せつけてどうしたいわけなんじゃいゴラ!!
105mmや75mmと思わしき口径の砲弾が飛んでくる中、私のマッマ達はまるでTPOをわきまえない謎儀式に突っ走っている。
ウッ●軍曹なんか砲撃の激しさ故に転げ回りながら「大統領〜ッ!!」とか叫んでいる始末だというのに…中の人的なアレでジャッ●・バウアーになっちまったらしい。
そんな状況でグラビア撮影会をやりたがっているマッマ達は正気じゃないが、こんな戦場のど真ん中に高級車で乗り付ける方も正気じゃないと思う。
だが、安心してほしい。
この場に正気な人間なんて誰1人としていやしない。
黒いボディーに赤いラインを入れたBM●がこの砲撃の中突っ込んできて、私の真ん前で急停止する。
運転席のドアが開くと、意外な人物がそこにいた。
え、いや、プリンツェフ?
なんでここに?
「そんなことは後でもいいでしょ?脱出するわよ、あなた達。」
プリンツェフはそう言ってまるで猫でも掴むかのように私の首を摘んで持ち上げると、その豊かなスウィッツァーアルプスに私を挟み込む。
挟み込んだのは良いんだけど、助手席にはバウアーと化したウッ●軍曹が乗り込んだので、残りのマッマ5人は後部座席に寿司詰めとなってしまった。
まあ、すげえ光景である。
「こらこら、頭を出さないの。ちゃんと私の谷間に入ってないと…死・ぬ・わ・よ?」
プリンツェフはいつものキメ台詞とともに私を双丘の奥の奥へと埋め込んだ。
そしてギアをドライヴに入れ、アクセルを目一杯踏んでキリングゾーンからの脱出を図る。
高級車…鉄血28号のエンジンが唸りを上げ、後輪で泥を跳ね上げながら進み出す。
その次の瞬間には、車があった場所に軽砲弾と思わしき榴弾が着弾して炸裂した。
あっぶねー。
「攻撃してきたのは、一体どこの誰なの!?」
「大越独立派ではないでしょうか、ルイス。」
「信じてくださいミーシャ!この一件に北連は関わってません!神とミーシャに誓って!」
「そんなこと言って…。坊や、どうせ北連の仕業じゃないかしら…ねえ、アヴローラ!」
「ヴィクトル・アヴノフです!」
アヴノフ!
「なんですか、ミーシャ!」
北連が関わっている範囲はどこまでなの?
「"3年前"までです!それ以降北連はまるで関心を向けていませんでしたし、北東煌政府は大越どころじゃなくなりました!私がここにいるのもミーシャあやしたかっただけで…」
「攻撃したきたのは恐らく大越独立派だ!くそ、最悪だ!CT●に知らせないと!」
独立派連中がこれだけの砲撃を行うにはバックに誰かいないと不可能だろう!
内戦に敗れた北東煌政府や北方連合が無関与だとしたら、他の誰かが活動資金や物資を提供してるって事だ!!
軍曹、何か心当たりは!?
「アンタらもそれを調査しに来たんだろうがッ!分かれば誰も苦労しない!…ただ、こちらの情報で確実なのは、北部軍が独立派と親しい関係にあり、さらに言えば北部軍は例の貨物船から重火器を含む兵器類を政府の許可なしに調達していたってことだけだな!」
くそったれ!
これじゃあ復習にしかならない。
この地域に来てからと言うもの…いや、来る前から"ロルトシート"という名前が頭から離れないでいる。
だが、残念な事にそれは私の推測でしかないし、証拠を得るための調査を開始する前にこの始末。
おまけに…しばらくすると次の"クソ"が降ってきた。
鉄血28号からから見て左側、ウッ●軍曹の方から銃声が聞こえてくる。
後を追うように防弾仕様高級車が弾丸を弾く音が聞こえたし、その方向へ目を向けるとサブマシンガンを腰だめに撃ちまくりながら突撃してくる複数の歩兵が見えた。
「クソォッ!左から敵歩兵!!気をつけろマイソン!!」
「あの装備は北部軍!?連中、本格的に中央政府を裏切ったようね…Mon chou、南東方向へ向かいましょう!アイリス外人部隊の営舎があるはず!!」
「それはやめた方がいいんじゃない?この混乱の中で、このスピードで突っ込めば、彼らも黙ってないでしょう?誤射されない保証はない。」
「何もしないよりはマシよ、オイゲン。それに、外人部隊との合図も取り決めてあるわ!アイリスを舐めないで頂戴!」
ダンケの指示で、車はアイリス外人部隊の営舎へと向かって全速力で走り出す。
鉄血28号のエンジン音は最高潮だったが、敵の突撃部隊の勢いも最高潮だった。
プリンツェフマッマの谷間からサイドミラーを除くと、背後に大型トラックが二台迫っていて、そしてその甲板にはサブマシンガンを持った兵士が満載されている。
『警告、背後に脅威を探知。』
「なら排除しなさいな。運転は私が請け負うから、アンタは敵の排除に集中なさい?」
『はいはい、汚れ仕事はロボットにやらせるのね』
鉄血28号搭載の人口知能・プリンが戦闘モードへと移行した。
上品なセダンのトランクが開いて単砲身のFLAK38がニョキッと顔を出し、その砲口を背後の大型トラックへ向ける。
狙いをつけると、さも当然のように20mm榴弾を速射した。
一般に、輸送用の大型トラックは20mm砲弾に耐えられるようには設計されていない。
兵士満載の大型トラック2台は、満載の兵士諸共粉々になって横転した。
粉砕された大型トラックを置き去りに、鉄血28号はもうまもなくアイリス外人部隊の営舎に到達するところだった。
当然の事ながら既に厳戒態勢が取られており、営舎の外の防御陣地からは、こちらに向けて自動小銃や機関銃が指向されている。
「ちょっ!どいて!あなた達!」
ダンケママは他の4人の寿司詰めマッマ達の間からどうにか抜け出すと、サイドウィンドウを開いて上半身を曝け出す。
あぶねえあぶねえ。
心配する私を余所に、ダンケは一体どこにしまっていたのかまるでわからないシュークリームを何個も手に掴み、自動小銃を構えてこちらを狙う外人部隊兵士達に放り投げた。
「は〜い!あなた達!約束のシューよ!私達の背後から来るのは全部敵だから、やっちゃって♪」
「「「Viva la Dunke!!!」」」
放り投げられたシュークリームを受け取った外人部隊兵士達は、それを片手で食べながら、反対の手で自動小銃やサブマシンガンを射撃し始める。
放たれた銃弾は鉄血28号の遥か上で密度の高い弾幕を形成し、そしてその弾幕が北部軍歩兵の突撃を破砕した。
だが、破砕できたのは初撃のみで、すぐに次々と後続する北部軍歩兵部隊と守備を固めた外人部隊の間で本格的な銃撃戦が始まる。
もっとも、私やマッマ達はダンケの機転のおかげで外人部隊の区画の奥…つまり最前線よりかは安全な場所へと離脱を図れた。
ふぅ…ありがとうダンケ
「うふふ♪もっと褒めても良いのよ、Mon chou♪」
サンキューサンキューマジ感謝、マッマの機転に感動な拙者、溢れ出る感謝感激、ダンケの母性がマジ刺激的
「て、ことでchouは私がもらうわね、オイゲン?」
「…仕方ないわね。はい、どーぞ。」
安全な場所で鉄血28号を停車させで下車した後、プリンツェフはダンケの要求に応えるために私をその豊満な谷間から摘み出す。
そのまま寿司詰めが原因で汗だくになったと思われるビキニのアイリスマッマに引き渡すかに見えたが、しかし彼女はダンケに私を渡す直前で動きを止めた。
何事かと見てみれば、右耳にはめていたイヤホンを反対の手を当ててよく聞こえるようにしている。
何か緊急の連絡でもあったんだろうか?
「………わかったわ。少し待って。」
ダンケの「ちょっと!オイゲン!」という抗議の声を余所に、プリンツェフは私を再び谷間に戻した。
そして、彼女はそのまま右耳のイヤホンを外し、今度はそれを私の右耳に嵌めた。
……他のマッマ達が、まるで私とプリンツェフが同じスプーンでアイスクリーム食べたみたいな反応してたけどこの際無視したいけど無視できるものじゃなかったからここに書き記す令和元年九月十日。
プリンツェフのイヤホンが嵌められた右耳からは聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『セントルイスファミリア少将!私です!鏑木です!』
どうしました?
『現地の協力者から連絡がありました!アイリス植民地軍の飛行場からほど近い場所でHCRIの車列が確認されたようです!』
マ!?
『はい!こちらの強襲チームが準備中ですが、そちらの方が近い!追跡をしていただければ仕留められます!』
し、しかし、こちらも敵襲のど真ん中で…
『ええ、分かります!そちらへの北部軍の攻撃の情報は入っていますが…少将、これはHCRIを捉える唯一のチャンスです!連中を尋問すれば何か分かるかもしれない!』
………分かりました!すぐに追います!
私が答えるや否や、プリンツェフが勝手に鉄血28号に乗り込んで猛スピードで走り出す。
セダンの後方にいた他のマッマ達は泥を浴び、プリンツェフの独断専行と無礼な行為に抗議の意味で石とか投げ始めた。
ちょ、プリンツェフ?
他のマッマ達おいてけぼりだけど!?
「だから何?また寿司詰めにするの?今からHCRIの車列を追跡するのよ?そんな目立った状態が、追跡に適してると言えるかしら?」
…お、おうふ。
「………まあ、本心を言えば…」
プリンツェフが片手でハンドルを操作しつつ、私をその谷間の中で180°回転させる。
「HCRIを追跡する間…アンタは私のモノよ?」
プリンツェフは…正にオッパイのついたイケメンっぽいカッコイイ系マッマへと変貌していた。
何なの、この既に手遅れ感。