バブールレーン   作:ペニーボイス

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番外編 幕間 赤子はつらいよ

 

 

 

 

 12月31日 23:00

 

 ロイヤル

 セントルイスファミリア鎮守府

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルイスが私を谷間に挟んだまま、海岸の岩場に片足を乗せる。

 少し前のめりなセクシィポージングで水平線を覗き、背後に控えるピッピママに背中を向けたまま口を開く。

 

 

「もうすぐ今年が終わるわね……」

 

「今年が終わるとどうなる?」

 

「知らないの?……次のあやしが始まる」

 

 

 やめろ。

 ああ、いや、あやされたくないとかじゃなくてね。

 コ●ラライクなクールスタイルで年が明けようが明けまいが変わりもしない事をさも何かが変わるかのように言わないで下さいってこと。

 

 

「もう!ミニったら!最近ノリが悪いわよ?反抗期なの?」

 

「!……ぼ、ぼ、坊やに反抗期…うっ、ぐすっ、そ、そうよね、もうそろそろそんな歳よね…」

 

 

 フハァァァァ(溜息)。

 勘弁してくれマンマ。

 

 耐えられないじゃん?

 目の前でママに泣かれたら耐えられるわけないじゃん?

 ひょっとしてだけど分かってやってる?

 まあ、たぶん分かってやってるんだろうね。

 

 あとね、なんで一々ママにそれっぽい事言われるたびに突っ込むことなく順応しなきゃいけない義務みたいなの背負わすわけ?

 あなた方のワンアクションワンアクションに従ってたら疲れるじゃん?

 たまには突っ込みぐらいさせてよ?

 それすらやらせないってんならこのSS終わらせてやるからなこの野郎。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………………

 

 

 

 

 

 

 元旦

 指揮官執務室

 

 

 

 

 

『あけましておめでとう!!』×7

 

 

「ああ〜↑坊や坊や坊や坊や坊や坊や坊や坊や坊や坊や坊や坊や坊やーーーー!!!今年も私と坊やのあやシング新年が始まるのね!」

 

「ミニ?ティルピッツは放っておいて、ル・イ・ス・マ・ッ・マ♡と一緒にハツモウデに行きましょう?」

 

「ちょっとセントルイス!いくらあなたに法的優先権があったとしても、Mon chouの独占は見過ごせないわ!私がchouとハツモウデ」

 

「皆様!このベルファスト、最近ベル☆ベル出来ておりません!ですので、ご主人様はロード画面で18禁スレっスレのセクシィ晴れ着をお披露目したこのベルファストと一緒に」

 

「私を忘れてもらっちゃ困るわ!恋愛ゲームでも、ハツモウデの王道と言ったら幼なじみでしょ!ここは私がピッコリーノとハツモウデに」

 

「ルイス〜?私と一緒に組むってのはどうかしら?私とあなたとなら、うまく行くと思うけど…ヒック!」

 

「ふぅん、少し見直したわオイゲン。見返りはミニの共同親権者入り?」

 

「もしもし、書記長、アヴローラです。新年早々申し訳ないのですが、KGVの暗殺チームを3個小隊お借りしたく…」

 

 

 

 新年最初の日からママママしいママアピール及びそれに纏わる陰謀と謀略が飛び交ってやがる。

 正直言えばもういつも通りの事だし、私に出来ることといえば相変わらずルイスママの谷間でミニラッキールーするくらいなので、ミニラッキールーする他ない。

 しかし、まあ。

 見事なまでのカオスっぷり且つとんでもない事件が起きそうな………

 

 

「chouを振り向かせる為ならっ!」

 

 …………おい!おいおいおい!!

 落ち着けダンケママン!!

 公式抱き枕と同じ格好になろうとするんじゃない!!

 下着をずらすな!

 ちゃんとシャツを着ろ!

 そして泣こうとするんじゃない!

 

「覚悟なさい、ルイス。今年こそハツモウデは私と坊やのラブラブ☆デートになるのよ!」

 

 ピッピ!!

 そのままステイ!!ステイ、ステイ!!

 お前が何故今クラウチングしてるかぐらい分かるからな?

 ルイスに文字通り突っ込もうとすんな!

 そんな特攻野郎●チームなんかされた日には私は圧に耐えられない!!

 ミンチになっちまう!!!

 

「ご主人様?ご覧ください、ベルファストの晴れ着です。このように大きくはだけた胸元であれば、ご主人様のリクライニングベルファストに…」

 

 ベル〜?

 あの……その晴れ着はどこから出してきたの?

 あのね、ロード画面でお披露目したからってね、まだ実装されたわけじゃないんだから"TKB"がギリッギリ隠れるくらいの危なっかしい着こなしでフラッフラするんじゃねえ、品位を保て。

 つーかリクライニングベルファストってなん

 

 

 >チュドオオオオオン!!

 

 

 オイオイオイ、何事オイオイオイ!

 

「もう我慢ならない!赤毛ツインテ爆乳キャラを横取りした挙句に指揮官まで狙うっていうわけ!?」

 

「横取り?何のことかしら?私はピッコリーノの幼なじみ、そしてマッマよ?あなたには関係ないでしょ、ホノルル。」

 

「黙って!あなたなんて所詮はキャラ被りの激しいジェネリックホノルルなのよ!ル族の一員として、私こそが指揮官の母親に相応しい赤毛ツインテ爆乳キャラ!」

 

 オイオイオイホノルルまでママ化オイオイオイ

 

「ハッ!ツンケンしているだけのレア艦なんかより、包容力抜群ムチムチSR艦の私の方が赤毛ツインテ爆乳キャラとしても、母親としても素晴らしいに決まってるじゃない!」

 

 オイオイオイザラママ爆弾発言オイオイオイ

 

「「こうなったら!」」

 

「どちらが真の赤毛ツインテ」

 

「爆乳マッマとして相応しいか…」

 

「「いざ、勝負!!」」

 

 

 >チュドオオオオオン!!

 >ズドドドドドドッ!!

 >ガガガガガガガガッ!!

 

 

「うぃ〜、ヒック!…ルイス?ザラとホノルルが戦っている現状を利用した方がいいんじゃないかしらぁ?」

 

「そうね。……はい、ミ〜ニ?ママ達と一緒にハツモウデしましょうね?今年もあなたの『ルイスママと一緒にずっとママママママママしていたい』っていうお願い事、私もお願いしてあげるから♪」

 

 ………去年に引き続いてコレかよ。

 と、とりあえず、この場から脱出しようよ。

 

「ええ、そうね、ミニ・ルー。それからハツモウデに行きましょう♪」

 

「あら、協定を忘れたのルイス?私にもママらせなさい。」

 

「…仕方ないわね、2人で挟みましょう。」

 

 

 

 ルイスとプリンツェフという、ユニオン鉄血代表クラスの豊満パイパイに挟まれながら、私は最早戦場と化している執務室から脱出を試みる。

 だが何事もなく脱出できるわけもなく…

 

 

Стоп!!(止まれ)

 

 あ、アヴローラ!?

 

「ミーシャ?まさかママ抜きでハツモウデしようなんて考えていませんよね?言うまでもありませんけど、ミーシャが一緒にハツモウデできるのは私だけですよ?」

 

「北連のスパイ如きが、ミニと一緒にハツモウデなんて」

 

цель!!(狙え)

 

 

 アヴマッマがルイスの言葉を遮って右手を上げ、彼女の背後から現れたKGVの工作員部隊にルイスとプリンツェフと私を包囲させる。

 …アヴマッマ?

 たまには彼らもお休みさせてあげて?

 こんなコトで徴発される彼らの身にもなってみて?

 

 

「スパイ如きなんて、あなたに言われる筋合いはありません。2人とも生きて帰りたければミーシャをこちらへ寄越しなさい。」

 

「……ルイス、何か手はないかしら?」

 

「今考えてるわ」

 

「無駄ですよ、お二人共。さあ、早くミーシャをよこしなs」

 

「ぼおおおおおおやああああああ!!!」

 

 

 クラウチングスタートを切ったピッピママが、KGV工作員を撥ね飛ばしながら突っ込んでくる。

 まるで暴走ダンプカーかバルセロナの雄牛のような状態の彼女は、アヴマッマをも押し除け、私及びルイスへと突っ込んできた。

 

 

「坊や!!坊や坊や、坊やあああああ!!!」

 

 やめろおおおお!!

 止まれティルピッピィィィイイイ!!

 圧死する!!

 ピッピとルイスの間で圧死するううう!!!

 

「させないわ、ティル!」

 

「なっ!?姉さん!?」

 

 

 私を助けようと思ってくれたのか、突進ピッピとルイスの間に割り込むビス叔母さん。

 ただし…忘れているのかどうか分からないが、ビス叔母さんの谷間には我が従兄弟ラインハルトがいた。

 哀れ彼は向かってくるピッピママに必死で両手を振っている。

 

 

「ティル叔母さん!ストップ!ストップ!ストップ!!」

 

「止まりなさい、ティル!ロブ君が圧死しちゃうわよ!?」

 

「ビスマッマ!?圧死しそうなの俺の方だからね!?ちょいちょいちょいちょい!ストオオオオオオ」

 

 

 バッフン!

 

 

 慣性の法則により、ピッピママは止まることができなかった。

 可哀想なラインハルトはピッピとビス叔母さんの谷間でサンドウィッチになってしまう。

 私の位置からはピッピママとビス叔母さんの双丘の間から、鮮やかなまでに赤い鮮血が見えたもんだから当然肝を冷やしたわけだが…何のことはない、ただの鼻血だった。

 

 

「ティル!ビス!!…他の皆も少しばかり落ち着きなさい!!」

 

 今度は何…グローセ叔母さん?

 

「元旦早々何事かと思えば…今日はおめでたい日のはずではないかしら?興奮するのは分かるけど、節度を持って、皆で一緒にお祝いするべきでは?」

 

 

 信じられないほどドデカいお胸を花魁みたいな晴れ着に包むグローセ叔母さんが、各自各々暴走気味のママ達に向かってそう言った。

 そのおかげか、マッマ達は頭を少しばかり冷やすことができたようだった…"節度"のくだりに関しては私から反論をしたいが今はやめておこう。

 

 

「………はぁ。私とした事が」

 

「chouのコトになると、いつもアツくなっちゃうのよね。」

 

「申し訳ありません…つい、ベル☆ベルできると思い、興奮し過ぎてしまったようです。」

 

「こんなおめでたい日に、親権の優先権なんて持ち出すモノじゃなかったわね…ごめんなさい、ミニ。」

 

「ヒック!私も飲み過ぎてたわ」

 

「いてててて…KGVも動員すべきではありませんでしたね…貴方達は帰ってください、ありがとうございました」

 

「…キャラ被りが激しいからって、ジェネリックはないわよね。ごめんなさい、ザラ。」

 

「こっちこそ、ピッコリーノ絡みで冷静さを欠いてたわ。ごめんなさい。」

 

「さて、皆落ち着ついたようだし…今度こそ皆で仲良くハツモウデしましょう♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………………………………………

 

 

 

 

 

 本当にありがとう、グローセ叔母さん。

 貴女のおかげで、今年も無事にハツモウデを終えることができました。

『マッマ達とずっとママママしていられますように』

 少しばかりゾっとするかもしれないが、今年もそう願った。

 何故なら私は赤ん坊。

 マッマ達とママママするのは、私の義務だからだ。

 

 

 

 ただし…ハツモウデした後、今度はグローセ叔母さんや重桜マッマズやチーム・ユニオン含めて内乱が始まったのは………別の話としたい。




あけましておめでとうございます。
令和2年もこの色々破綻しているSSをお楽しみいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
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