安直に突っ走りましたごめんなさい
ママ顔ダブルピース
銀髪美巨乳美少女は、そう簡単に口を割ろうとはしない。
既にミッション・●ン・●ッシブルのトム・●ルーズにしか見えない物理的従兄弟の尋問を、3時間に渡って受けていたにもかかわらず。
「お前の知っている事を全部吐け!これが本当に最後のチャンスだ!」
「…………………」
「何か言ってみろ…助けにはなってやれる」
「…………これで4度目の"最後"ですね。この返事もこれで4度目です。"くたばれジャガイモ野郎"」
どちらかといえば、消耗しているのはトム・●ルーズの方に見える。
彼は眉間に皺を寄せ、この3時間で初めてアヴローラから目を離してこちらを見ると、ゆっくり首を横に振った。
従兄弟がマジックミラーの存在を暴露したのは、もう尋問という第一段階が到底成功し得ないと判断したからに他ならない。
「そうか、そういうのが好みなら、お前に合わせてやる…後悔するなよ。」
やがて従兄弟はワザとらしく音を立てて席を立ち、同じくらいワザとらしい口調でアヴローラにそう言い捨てて尋問室を出た。
私は今、ロイヤルMI5の尋問監察室で、ノーカロさんやピッピ及びビス叔母さんfeat.ヒッパーと共に、従兄弟がアヴローラに"敗北"するまでの様子を伺っていた。
ノーカロさんがロイヤル・鉄血合同ミッションによる"戦利品"を観察できるのは、ホルタ会談の成果の一つでもある。
『こっちが知っている良い事は、あんたも知っておくべきだ。』
"知る必要の原則"を勘定に入れたとしても、ラインハルトにもN長官にも、この尋問による情報の共有は殊更に有益なものになり得る。
MI5も鉄血情報部も、段々とレクタスキーの情報を開示する準備をしているのだ。
今回はCIUも引き入れて、決定的な証拠を得られれば共有する。
そうすれば、北連の非人道的な計画はますます追い詰められる事になるだろう。
その為に、もちろん、ノーカロマッマだけでなく、この間私の家に来て代休の半分を奪った連中も来ている。
彼女達は別室にいて、今頃"第2段階"の為の準備体操を終えている頃だろう。
無言要塞・アヴローラを攻略するために、従兄弟はあらん限りの知恵を絞り出して健闘していたが、彼の言葉という名の機甲部隊は彼女の沈黙守備隊を打ち破る事が出来なかった。
彼女は鋼鉄の意思で持って、従兄弟の魅力的な話を一切跳ね除けてしまったのだ。
ここまでくれば、もう第2段階を使わざるを得ないだろう。
そしてそれは、この場の誰にとっても好ましいものではなかったが。
まもなく従兄弟が監察室に入り込んで来て、私も何か上手くいかなかった時にそうするように、ビス叔母さんに泣きついた。
まあ、シュールな光景である。
何たってハリウッド俳優が、金髪美女の豊満な母性に顔を埋めておいおい泣いているのだから。
「あぁ、あぁ、可哀想なラインハルト。大丈夫、あなたは何も悪くない。全てあのクソ●ッチが悪いのよ」
「うん、ぐすっ、ズビビビィィィイ!ありがとう、ビスマッマ…」
従兄弟の鼻からビス叔母さんの胸にかけて、お世辞にも上品とは言えない透明なアーチが架かっている。
兄弟よ、鼻水ぐらいティッシュで処理なさい。
そして、いい加減ヒッパーちゃんにも気を使ってあげなさい。
あの娘そろそろ貧血になるよ?
「しかしまあ、しぶといわねあの工作員。」
「ええ。…ここまで堅いとなると、手段を変えざるを得ませんね。メリーランドを呼んできます。」
ピッピとノーカロさんがそう言って、インターホンに手を伸ばす。
テロリストを素手で殴り殺せるほどの筋肉KANSENを呼び出す理由は一つしかない。
筋肉をアヴローラにぶつけ、無言要塞を文字通り物理的に撃ち壊すのである。
やがて監察室にメリーランドとワシントンがやってきた。
チーム・ユニオン、即ち"壊したくて壊したくて仕方がないお年頃のKANSEN達の集団"に属する2名が、到着早々私をあやそうとする。
その鍛え上げられた肉体美によって私はサンドされ、危うく窒息しそうになった。
「よぉ、アタシの大将!」
「ほらほらぁ、ロブ坊。たまにはあたしらの絶品ボディもいいだろぉ?」
「こ、こら、やめなさい2人とも!バニーの刑に処すわよ!」
「「げっ!」」
ノーカロが職権を振りかざし、筋肉おっぱい2名はようやく凶器ボディを引き離す。
ヘソ出しルックは全然オッケーなのにバニースーツを嫌がるあたりがよく分からないが、少なくともチーム・ユニオンの弱みを握った気がする。
「ズビビビィィィイ!だが、その、ブロ?例え尋問から拷問に切り替えたとして、彼女から情報が引き出せると思うか?」
いつのまにか立ち直りつつあった従兄弟が、今度はちゃんと鼻水をティッシュに包みながらそう言った。
たしかに。
例えアヴローラが何か喋ったとしても、それが本物の情報かはかなりあやしい。
苦痛に耐えかねて嘘をついたとしても、我々には見抜く術がないのだ。
むしろ、嘘情報を吐かれてこちらが罠にハマることになるかもしれない。
「薬剤を使用するのはどうでしょう?なんなら、今からでもCIU本部に運ばせますが?」
ノーカロさん、幻覚見えてる相手のうわ言を信じるわけにもいかんでしょうよ。
「うっ…そ、それもそうですね。でも、他に方法は…」
「なら、奴の思い通りにはならねえって、アタシらの拳で教え込んでやるしかねえな。」
うん?
"思い通りに…"
ノーカロさん!
「はい、何でしょう、ロブロブ?」
アヴローラを痛めつける前に、少し試したい事があるんだ。
「えっ、え?な、なら、メリーランド達は一度下げましょうか?」
いや、着いてきてもらうけど、私のやり方に従ってもらう。
私は思いつきを実行する事にした。
ワシントンとメリーランドは少しばかり不満げだったが、どうやらキチンと言った通りの事をやってくれそうだ。
2人はこれぞあやしの効果だ、とから言ってたが、私は断じて認めないぞ。
報復を夢見てきた対象が目の前へやってきた時、アヴローラは相当に腹立たしかった。
何が腹立たしいかと言えば、2度に渡り自身の計画をぶっ壊した相手が僅か2メートルの距離にいるのに、両手に手錠がかけられて、手を伸ばして首を締めてやれない事だ。
今彼女に出来る事は、「あら、貴方が暴力担当とはね」と皮肉めいた言葉を吐きかけてやるくらいで、それがなおの事悔しい。
でも、この執拗な尋問に耐え抜けば…
彼女は思う。
まもなくそれは、拷問に変わり、アヴローラは痛みと屈辱に浸される。
だが、その間にも同志達は計画を進めるし、彼女の黙る1秒1秒が確実にそれを援護するのだ。
いずれ、連中はしびれを切らして彼女を移送する。
その際に逃げ出してやるのも良いだろう。
後は憎き元海軍の諜報員の"マッマ"共を目の前で1人ずつ始末してやる。
いつか、絶対に………
彼女の復讐心はまさに燃え滾る暖炉の火。
当然、向こうも計画に加担した彼女に同じような感情を持ってはいるだろうと思っていた。
だから、あのクソ忌々しいロブ・マッコールが両手を挙げて、こう言ったときには少し驚いた。
負けだ、私の負けだよ、アヴローラ。
そう言った瞬間に、アヴローラの瞳孔が大きく見開くのが感じられた。
信じられない、何を言ってんだこいつは。
そんな類の考えが手に取るようにわかる。
「そう…案外簡単に折れるんですね、貴方。」
ああ、実はこう見えて脆いんだ。
我々には…少なくとも私には、これ以上情報を引き出すのは無理なように思える。
「私の指はまだ10本ありますし、貴方達は私を殴りもしていない。それすら試さずに負けを認めるのですか?」
おいおい、ここをどこだと思ってる。
ロイヤル、紳士の国。
私は文明人だし、この国には人道的なルールがある。
そして誰もが、そのルールを破る事を望んでいない。
「ハッ!資本主義の豚が、随分と笑わせるじゃないですか!で?私をどうするんです?」
どうすると思う?
「解放するしかないでしょうね…そして貴方は後悔する…ふふふふふ、それはもう、とてもとても。」
ああ、その通り。
解放するしかない。
勿論、後悔もする事だろう。
だがそうするしかない、君の勝ちだからだ。
アヴローラが目を輝かせている。
自身の勝利を確信しているのだ。
何がどうなったか知らないが、このバカなロイヤル人共は全てのカードを投げ捨てたくなったらしい。
たぶん、そんな感じの事を考えているはず。
「あははははっ!さあ!今すぐに私を解放なさいっ!そしてせいぜい気をつけるのね!あははははは!」
………たしかに、私は君を解放する。
約束しよう。
だが、更に嬉しいお知らせをしてあげよう。
「あははは…?」
ここに来てやっと、アヴローラは罠を疑い始めた。
何か"クサイ"。
この変人の早すぎる無条件降伏には興奮したが、それで理性を失うほど彼女は愚かではない。
「どういう意味?」
我々は…何の罪もない北連のKANSENを、あろう事かスパイだと思って拘束してしまったようだ。
3時間に渡り罵声も浴びせたし、"6人のお友達はデタラメな事を喋っている"。
「…………………」
我らが政府は近々声明を発表するだろう。
不当な拘束について謝罪して、君を丁重に帰すと約束する。
「………………待って」
君は今から飛行機に乗り、国賓級の待遇で北連へ送られる。
勿論、優秀な護衛が2人常に付き添って、誰にも君を傷つけさせないし、"君に傷つけもさせない"。
「ちょっと…聞いてるの?」
いやはや、本当に参ったよ。
今回は私の負けなんだ。
だから戦利品も用意しよう。
ダイヤ、サファイア、エメラルド。
ロイヤル政府の機密文書も、MI5の内部情報も贈呈させてもらいたい。
「やめて。ねえ、やめて」
空港ではきっと同志書記長閣下が君を出迎えてくれるはずだ。
いや、同志ベニヤの方かもしれないな。
ともかく君は祖国の英雄だ。
「やめて!!もう何も言わないで!!」
さて、飛行機の時間も迫ってきた事だし。
善は急げと言うじゃないか。
おーい、ワシントン、メリーランド。
彼女を送って差し上げてくれ。
「やめてって言ってるでしょ!!!この下衆野郎っ!!!」
アヴローラが、その容姿からは想像もつかない怒号を挙げる。
入室してきたワシントン達がビクついたほどで、まるで部屋中に電気が走ったような衝撃だった。
「人でなし!あんたは人でなしよっ!!何が祖国の英雄よ!何が"私の負け"なのよ!!!あんたは負けなんて認めてないっ!このド腐れ外道ッ!!!!」
おおっと、アヴローラさんメチャ怖。
でも、私の言葉は相当効いたようだ。
彼女には、私の一字一句を"正確に理解できるだけの頭脳がある"。
「ダイヤ?サファイア?エメラルド?内部情報に機密文書?ぶざけるのもいい加減にしてっ!そんなの持って帰れるわけないじゃないっ!」
どうしてそんなこと言うんだ。
欲しくないわけないんだr
「そのド下手くそな芝居もいい加減にしなさいっ!………ふざけないで、本当に。そんな物持って帰ったら、私は間違いなく、『転向者だと疑われる』ッ!!!」
そう、その通りだよ、アヴローラ。
同志スタルノフは、おそらく君が捕まって気が気でないハズだ。
理由は二つ。
一つは、彼女が彼のお気に入りだから。
これは単純だね。
もう一つは…そのお気に入りが何かを喋るか、あるいは、転向…つまり裏切られるんじゃないかと心配してるわけだ。
スタルノフは猜疑心の塊だ。
きっと痣や血塗れになって帰ってきたスパイでも信じようとはしない。
それが傷一つなく、それもダイヤの指輪をしてロイヤル政府の機密文書片手に帰ってきたらどう思うだろうか?
答えはこうだ。
『信じて送り出したアヴローラがっ!!』
アヴローラは力無く椅子に座り込み、しばらく俯いたまま動かない。
なんつーか、明日の●ョー的なサムシングが感じられる。
もう抵抗する意欲すら失ったのだろう。
やがて、彼女は顔をあげ、私の方を見る。
少なくとも、もう復讐だとかそんな事は諦めたようだった。
「わかった、認めます。私の3連敗。完全に勝負アリですね。」
そのようだね。
「………マッコール…いえ、マッコール様。貴方に、保護を求めます。」
見返りは?
「勿論、私の知り得る全て。こんな事をしてるくせに、言えた筋ではありませんが…貴方は本当に律儀な方です。信用できる。」
………よし、分かった。手を打とう。
ただ、マッコール"様"ってのはやめてくれ。
「なら…こう言いましょうか。"ミーシャ"。………私の可愛い"ミーシャ"」
ん?
「どうやら、今日から私もマッマです。さぁ、ミーシャ。マッマに何でも聞いてくだちゃいね?」
んっとね、アヴローラ。
何でそう、簡単にマッマに早変わりできるのかな、僕ちんよくわかんないんだけどストップストップストップ、ワシントン!メリーランド!ストップ!ストップ!ストップ!情報源殺そうとするんじゃない!
ちょっ!!ちょっ!!ピッピ!?ピッピ!?ピッピ!?
ノーカロさんも!?
まだ尋問中だから入って来ないで!!
つーかこの部屋武器持って入んの禁止だから!!
落ち着け!!
みんな!!
落ち着けぇぇぇぇぇ!!!!!