この日、3回目のアスピリンをピッピに飲ませてもらう。
最初に目を覚ましてから早くも24時間。
だが、当然というべきかまだ痛みは取れず、身体も自由に動かせない。
昨日目を覚ました時、頭を抑えようとしたが誰かに両手を抑えられたと思っていた。
事実は異なる。
誰かが私の行いを止めようとしたのではなく、両腕に力が入っていなかっただけだ。
しばらくは動けないだろうと、ヴェスタルさんからは言われた。
ロンドンからすっ飛んで来てくれた私の素晴らしい主治医は、今回の負傷がいかに重大なもので、それが負傷から3時間も経たないうちに目を覚ましたことにプリンツェフが衝撃を受けて電気ショックを患者に落っことすのも無理はなかったのだということを丁寧に説明してくれた。
弾丸は、頭蓋骨に沿って回り込み、私の後頭部から飛び出したらしい。
つまり、尋常じゃない硬さの頭蓋骨だったということになろう。
まあ、ほぼ間違いなくセイレーン=プロテインのおかげだろうとは思うね。
しかし、私は首にも銃弾を受けていて…そちらも貫通していたが…それが側頭部の時とは比にならない程の出血をもたらした。
ヴェスタルさんが血塗れになりながらも治療してくれて、おかげで一命を取り留めたのだ。
更に、マッマ達も総出で献血してくれて、私はまたもや助けられた。
マッマ達が時々フラついているのは、限界ギリギリの量の血液を私に輸血したからだろう。
だが、それでも彼女達は私の身の回りの世話をしてくれている。
ありがとう、本当にありがとう。
でも少し休んでほしいかな。
マッマが倒れたりしたら、元も子もないじゃん?
「んふ♡」
ピッピ?
その色っぽい笑いは何?
「優しい優しい私の坊やぁ〜。ママを心配してくれるんでちゅかぁ〜?良い子でちゅねぇ、優しい子でちゅねぇ。」
「Mon chou〜、Mon chou〜。あなたのためなら、何も辛くなんてありまちぇんよぉ?」
「指揮官くぅん、わたしの幸運、お裾分けしてあげるねぇ〜?」
「ご主人ちゃま。何なりとお申し付けくだちゃれば、このベルファストはそれで幸せなんでちゅ。」
・・・ん?
ちょっと、マズイな。
これは、いかん。
いかん。
何か、もう、母性が加速するとか、そんなレヴェルじゃないよね。
もはや母性がドリフトしてるよね。
我が子(物理)への想いがドリフトしてるよね!?
いやいやいやいや、これはアカンで、流石に。
これじゃあ、ただのBaby playじゃん。
確かに元からベイビープレイ感丸出しだったけど、更なる輸血でよりプレイ感だけ増してってない?
プレイ感だけ一人歩きどころかジェイ●ン・ステイサムしてるよね!?
トランス●ーター・プレイカンしてるよね!?
ピッピ?ピッピピッピ?
ねえ、なんで上着脱ぐの?
ねえ、なんであられもない下着姿になろうとしてんの?
ねえ、なんで私のすぐ側で横になったのしかもこっち向きで。
何故豊かな双丘の先端をこちらへ向けるのかな?ん?
それからね、皆でピッピに続こうとしないで?
理性を保って、頼むから。
やめろ、やめろ、やめてくれ。
このSSがR18指定になっちまうだろうが!
いいかい、マッマ達、ありがとう、本当にありがとう。
だけどね、私が無抵抗なのをいいことに禁断の扉へ誘おうとするのは幾ら何でも倫理に反する行いだとは思わないかな?
思わない、わかったわかった、わかったから…いやいやいやわかってないから、ステイ。
頼むから、ステイ。
ステイ、ステイ、ステイ。
「心配しなくてもいいわよぉ、坊や。優しくハジメテしてあげるから…」
ハジメテしようとすんな。
もうアウトだから。
その発言でアウト路線突っ走ってるから。
優しかろうがなんだろうがアウトはアウトだから。
「Mo〜n chou♪、ティルピッツじゃ不安よねぇ。このやさちぃやさちぃお姉ちゃまに甘えてくだちゃい♪」
誰が相手だろうとアウトはアウトなんだよ、ダンケ。
甘えるの意味が異なってくるでしょ?
色々な意味で異なるでしょ、ダンケ。
「私と一つになれば…きっと幸運も分かち合えるんでちゅよぉ、し・き・か・ん・くぅん?」
一つになるってアレかな、絵版下痢音みたく精神的に一つになる感じかな?
リグリントン♪リグリントン♪リグリントン的なノリかな?
そっちも避けたいけど、ルイスとアッチ方面で一つになるのもアウトだから避けるね、ごめんね。
「ご主人ちゃまぁ、このベルファストにおなしゃけをくだちゃいっ!」
………ベルファスト、ベイビープレイにマルキ・ド・サドを加えるとどうなるか知ってるかい?
A.ワーテルローの戦い
だから、ちょっと落ち着こうね?
どうせ100日間楽しんだってライプツィヒなんだから、落ち着こうね?
迫り来るマッマ達の誘惑とどうにか戦い続けること30分。
結局、マッマ達はそのうちに疲れて寝てしまった。
これが急な献血の反動だと信じたい。
さもないと、いずれ私のジークフリート線は耐えられなくなり、崩壊する。
ピッピ機甲師団が突破口を開き、ダンケ騎兵隊が穴をこじ開け、ルイス戦闘機が掃射して、ベル擲弾兵師団が迫ってくるようなら、私の理性はただただ蹂躙されてしまうだろう。
いや、頼むぜ、マジで。
こうやって下着姿の美巨乳お姉さん達に囲まれながら寝かされてると、側から見た場合の絵面がヤバすぎる事だろう。
もうね、確実にヤッちゃえ●産しちゃった感じだよね、ゴー●もビックリだよね、これ。
まもなく病室の扉が開いて、フランス政府がル●ーと●産の一体化を要請してきそうなぐらいの衝撃の絵面が露呈する。
ただ、露呈した相手はその絵面を見てもため息を吐いただけで、よって私は助かった。
「………まったく、この娘達は…あんたもあんたよ?しょっちゅう撃たれたりなんかするから、この娘達も暴走するの。」
あー、本当だね、ごめん、プリンツェフ。
「私に謝られても困るわ。ま、せいぜい気をつける事ね。」
プリンツェフはまだナース服を着たままで、手には薬瓶を持っている。
どうやら、私に処方させる薬があるらしい。
「即効性の回復薬よ。いつか、あんたに鉄血医療の素晴らしさを披露した事があったけど、鉄血医療は薬学においても優秀なの。
この薬があれば、あんたはもっと早く回復する。」
プリンツェフは、薬瓶から錠剤を3錠取り出して、クリス●ル・カイザーとともに私の口元まで持ってきてくれた。
ねえ…プリンツェフ?
前にも君にお薬飲ませてもらったことがあったけど…
「ああ、安心して。心配するような物は入ってないわ。主成分はセイレーンから採取した再生物質よ。」
私の口に錠剤が放り込まれ、次にユニオンの豊かな自然が流し込まれる。
うん、普通のお薬だね。
それにしても、セイレーンって…なんなんだろうか。
人類の医療に貢献しすぎじゃないか?
「それから、その娘達の≪ピーーー≫と≪ピーーー≫と≪ピーーーーーーー≫。」
ぶふぉッ!?
「はいはい、吐かない吐かない、飲みなさいっ!」
ユニオンの豊かな自然をいくつか吹き出したが、プリンツェフは有無を言わせずに飲み込ませにかかる。
錠剤は水の流れに逆らうことなく体内に吸収され、私はあまり想像したくないモノを飲み込んでしまった。
「よく効くはずよ。また飲ませに来るわ。」
プリンツェフはクスクスっと笑い、薬瓶の蓋を閉める。
いやね、プリンツェフ?
なんだって君はお薬の中にやたらと≪ピーーー≫を入れたがるの?
鉄血薬学って≪ピーーー≫が基本なの?ねえ?
「ええ、そうよ?」
そこ肯定すんの?
「悪いものじゃないもの。…………それはそうと、あんた…」
小悪魔っぽい笑みを浮かべるプリンツェフが、いきなり真顔になって私を抱きしめたのはその時だった。
私の顔をその豊かな豊かなスイスアルプスに挟んだ彼女は、私の耳元で囁く。
まるでリン●のチョコレートのような、甘く、とろけるかのような声で。
「いい加減、もう心配させないで。あんたの事を想ってるのは、この娘達だけじゃない。無理も、無茶も、無謀も厳禁。わかった?…私の……………」
プリンツェフは私を解放し、また小悪魔的な笑みを浮かべてドアへ向かう。
「続きは好きに想像なさい。それじゃあ、また来るわね?」
そして颯爽と出て行った。
なんだ、このまったく新しいニューエイジ的なバブみ(?)は。
こ、これは、言うなれば。
カッコイイ系女子のべイビープレイ?
カッコイイ系女子とはかくも良きものなのですか、神よ?
『そうじゃ』
即答かいっ!!!
ん、アレ?
今の何処かで聞いた声だなぁ…
うん、アレだね、深く考えないほうがいい。
だってさ、アレだぜ?
これがあの小麦畑から届いたメッセージとは、流石に思いたくはないだろう?