バブールレーン   作:ペニーボイス

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だいぶ遅れたアノ日ネタです。


拷問された男の日

 

 

 

 

『中将を見てないか、セントルイスファミリア?』

 

 見ておりません。

 

『それは本当か、セントルイスファミリア?』

 

 本当であります。

 

『中将のKANSEN達は皆口を揃えてお前んとこのKANSENが連れ去ったと言ってるぞ、セントルイスファミリア?』

 

 あのぅ…一つお伺いしてよろしいでしょうか、統合参謀本部議長閣下。

 

『どうした、セントルイスファミリア?』

 

 呼び辛くありませんか、その名前。

 

『めちゃくちゃ呼び辛いよ、セントルイスファミリア。』

 

 元の名前…マッコールで大丈夫でありますので…

 

『そうはいかん、セントルイスファミリア。もう海軍のデータベースも更新されてるなら尚更な。さて、話を戻そう。最後のチャンスだぞ。本当の事を話せ。』

 

 ………ウチのKANSENが連れ帰りました。

 

『そうか、()()()()()。』

 

 

 

 レパちゃんにマゾ中将を野に返させた後、私はウィ●ターズ総督から電話を受けていた。

 

 この人物は私の士官学校時代の恩師であり、大変優秀な高級軍人であり、そして吹き替えは役所●司である。

転生前の記憶はないが、私はどうやら士官学校時代からバブバブしたいとか零していたらしく、それもあってか私の幼児退行の結果を知った閣下はしつこいぐらいに私の新しい名前を繰り返しているのだ。

 

 電話の内容は、行方不明となってしまったある可哀想な中将に関する情報の開示要求だったのだが、まさか褒められるとは思ってもみなかった。

 

 

 

 

 

『あの中将は古狸過ぎて(こざかしすぎて)中々追い出せなくてな。これでようやく精神病扱いして放り出せる。さて、ここからが本題だぞ、セントルイスファミリア。』

 

 はぁ、本題…でありますか…

 

『中将が精神病で行方不明だ。代わりの人間がいる。』

 

 うええええ〜、勘弁してください、統合参謀本部議長!!

 

『そういう事だ。お前ならヤツの地位も引き継げると見込んでる。そもそも………おい、マ●ーキー!ランドル●ンを呼んでこい!………お前のKANSENが奴を拉致したせいでこうなったんだ。』

 

 ううぅ。

 

『そう気に病むな。権力も職務もそう変わらない。ただ、ちょっとした相談役をするだけだ。やれ燃料がない、弾薬がない、予算がない、そういった報告を受けて、こっちに回してくれればいい。』

 

 り、了解しました。

 

『よし。それ………ガル●ア!ちょっと待て!…弾は1発だけだ、1人撃ったら残りの全員が襲いかかってくるぞ………すまん、忙しくてな。それじゃあ、頼りにしてるぞ。』

 

 

 電話はそこで切られ、私は深いため息を吐く。

 絶対相談役じゃ済まんやろ。

 並々ならぬ厄介ごとしか舞い込んでこんやろうが。

 もうヤダァ。

 早く年金暮らししたぁい。

 見た目赤ん坊だけど、年金暮らしでかゆうましたぃぃぃ。

 何?私が成人する頃には年金消えてる?

 ………ちょっと奥で話そうか(子供の夢を奪うな)

 

 

 

 

 

 

 

 夕食は『セントルイスのオトナのふわふわコーンフレーク』と、『セントルイスのすっきりミルク哺乳瓶』で、特にコーンフレークがふわふわとかマジで意味が分からなかった。

 

 ミルク哺乳瓶とか原義ままなのか隠喩なのかすらわからない。

 見た目も味も普通のミルクだったのに、飲ませる時ルイスマッマが顔を赤らめるもんだから余計な疑念が浮かんで仕方ないのだ。

「よく味わって飲むのよ?」とか言われるから余計に疑念しか浮かばん。

 

 

 疑念を疑念のままにしておき、私はルイスマッマに抱えられて風呂場へ移動する。

 赤ん坊用の小さな海パンに履き替えさせられ、その後目隠しをされ、そして水着に着替え終わったルイスマッマと共にご入浴。

 ところが今日はいつもとは違う。

 そこには先客がいて、そしてそれはビキニ姿のマッマ達だった。

 

 

「きゃあああッ!ちょっ、ちょっと!貴女達!?何で先に入ってるの!?」

 

「あらルイス。遅かったじゃない。」

 

「Mon chou〜。今日は家族みんなで温まる日よ?」

 

「申し訳ありません、皆さま。このベルファスト、少しのぼせて参りましたがお風呂からは出ません。ご了承を。」

 

「もう……。指揮官くんもそれでいい?」

 

 …勝手にせえや。

 

「皆んな!指揮官くんも一緒に入りたいって!」

 

 拡大解釈すんなや。

 

 

 

 私はルイスにソー●ランドよろしくソフトリィに身体を洗われ、その後ピッピに渡され、湯船に浸かる。

 ピッピはしばらく湯船で私をあやし、その後ベルに渡した。

 

 あー、そういえば最近はベルに抱き抱えられてないなぁ。

 うんうん、ベル、抱きしめてくれてありがとう。

 でもちょっとだけでいいから力を緩めよっか。

 この狭い湯船に3人のマッマ入ってるだけでバスタブが悲鳴あげてるのに、そんなにギュウギュウ抱え込まれたら間違いなく窒息しちゃうからさ。

 君達ホント窒息プレイ好きだよねぇ〜。

 

 

 ガラガラガラガラッ

 

 

「ふぅ〜。やっぱりお風呂…あら?あんた達も入ってたの?」

 

 …プリンツェフ?頼むからあと20分ばかし待ってて?

 

「え?い・や・よ?」

 

 

 色褪せない水着姿のプリンツェフはルイスからシャワーを奪い、その豊満な身体を一通り流すと、既に満員のバスタブに無理やりねじり込んでくる。

 

 

「ちょっ、ちょっと!プリンツ・オイゲン!貴女、坊やの共同親権者じゃないでしょう!?」

 

「あらティルピッツ、親権がないと指揮官と一緒に入ってはいけないの?それはおかしくないかしら?私しか知らない指揮官のヒミツ、教えてあげても良いのよ?」

 

「なッ!!」

 

「M、Mon chouの秘密!?」

 

「私達でさえ知らない!?」

 

「ご主人様…私達に隠し事を!?」

 

「そうねぇ…例えば、この間の痔の治療とか」

 

 やめろオオオオオオオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 あのバスタブの設計者は、おそらく、使用人数を多くとも3人と見積もっていたに違いない。

 そこに5人(プラス赤ん坊1人)入ってったもんだから、バスタブの中は満員電車だった。

 特にプリンツェフ。

 あいつは私を殺す気か。

 ベルと私の取り合いをした挙句、そこにルイスが加わって押し問答になり、更にはピッピとダンケも加わろうとして、挙句私は湯船の中に落っこちたのだ。

 

 水着姿の胸とお尻って、結構得点高いポイントじゃん?(流れるようなセクハラ)

 でもね、赤ん坊と化してる私からしたら安全保障上の重大な脅威だわ。

 まず、取り合いの時点で殆ど息できてなかったし。

 ベル臭→ツェフ臭→ベル臭→ルイス臭→ピッピ臭→ルイス臭→ピッピ臭→ダンケ臭→ツェフ臭→ダンケ臭っていう夢の体臭嗅ぎ放題ツアーと共にそれぞれの谷間に投げ入れられ、引っ張りだされ。

 そして湯船に落っこちてからは、パニクるマッマの大きなお尻達にもまれにもまれた。

 まるで洗濯機の中の洗濯物。

 

 ピッピが私を見つけるのがあと10秒遅かったら、私は本当に事故ってたかもしれない。

 死因欄は『胸と尻』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、エクストリームスポーツと化した入浴も終わると、私は赤ん坊用のパジャマを着させられ、マッマ達はリビングに集合して私をあやし始める。

 

 

「はぁい、よちよち。良い子でちゅねぇ〜。私の坊やは良い子でちゅ。良い子良い子ぉ。」

 

「ティルピッツ、あと12分32秒45.87にはMon chouを渡すのよ?」

 

「ええっとぉ。それじゃあ、私が指揮官くんをあやせるまであと…」

 

 

 

 はい。

 もういつも通りですね。

 最近貴女方がママるにママってるせいで私疲れまくっておりますゆえ、大変眠とうございます。

 ですから、もう誰の谷間でもいいから寝ますね。

 おやしゅみなしゃ…

 

 

「ご主人様!」

 

 どったの、ベルマッマ。

 ぼくちんもうネムネムだからネムネムしようと…

 

「申し訳ありません。ですが、是非コレを受け取っていただきたく…」

 

 

 ベルファストがそう言いながら差し出したのはチョコレート。

 あ、そういえば今日…

 いやでもヴァレンタイン・チョコってジャパニーズオリジナルカルチャーじゃなかったっけ?

 ロイヤルのヴァレンタインって歩兵戦車のことじゃなかったっけ?

 

 ま、まあ、ありがとうベルファスト!

 

 

「クソぉッ!最悪だァッ!」

 

 ピッピママ?

 今一瞬だけCVが田中●子から小山●也になったよね、一瞬だけジャッ●・バウアーになったよね?

 

「Mon chouあやすの楽しみ過ぎて忘れてた!」

 

「なんて事…ベルファストに一番を取られるなんてッ!」

 

 

 ピッピは私を谷間に挟んだまま、ダンケとルイスはそのまんま、それぞれダッシュで冷蔵庫に向かう。

 彼女達にとっては残念(?)なことに、2番手はプリンツェフだった。

 冷蔵庫の前でマッマ3人を待ち受けた彼女は、ピッピママの谷間に挟まる私にチョコレートを差し出す。

 …………谷間に挟んだ状態で。

 

 

「ほら、受け取りなさい?」

 

 あ、あ、ありがとう、プリンツェフ。

 

「退いてプリンツ・オイゲン!ほぅら、坊やぁ。3番手になっちゃってごめんなさいねぇ。チョコレートでちゅよぉ〜。」

 

 おおっ、リン●のチョコレートから作ったの?

 ありがとう、マッマ!

 

「はい、Mon chou!私からもチョコレート!アイリス中の三つ星チョコレート…」

 

 マジ!?

 そんな高級チョコもらって

 

「…を厳選して調合して再加工して成形したチョコレートよ?受け取って?」

 

 そういえばちょっと前にアイリスからデッカい荷物届いてたなぁ。

 アレ全部チョコだったのかぁ。

 本当にありがとう、ダンケ。

 

「指揮官くん!」

 

 はい、なんでしょうかルイス=サン。

 

「私のはハー●ーがベースだけど…でも入れた愛の量はどれよりも多いはず!受け取って!」

 

 ありがとう、ありがとう、ルイスママ。

 でも他のママにナチュラルに喧嘩売ろうとするのはやめようね。

 

 

 

 ふぅ、でも良かったぁ。

 とても嬉しいよ、皆んな。

 チョコを貰えたのも嬉しいんだけど、何が一番嬉しいかって、全身チョコ塗れにして「はい、チョコレート♡」とか言い出すんじゃないかとヒヤヒヤしてたから、本当に嬉しいよ。

 

 …おい、なんだお前らその顔は。

 何か企んでやがるな?

 分かるぞ。

 普通に分かるぞ、その笑顔。

 何か良からぬ事を考えてる事ぐらい、ベリーイージーに分かるぞ、その笑顔。

 

 

「ねえ、坊や。来月は何があるか分かるでしょ?」

 

 ………ちやない♪

 あー、ごめんごめんごめんごめん。

 取り消す、取り消すからマジで圧をあげんな。

 しんどい。

 呼吸出来なくてしんどい。

 そうだねそうだね、来月はホワイトデーだね。

 

「それってぇ、つまりぃ…坊やを〜」

 

「Mon chouを〜」

 

「指揮官くんを〜」

 

「ご主人様を〜」

 

「あんたを〜」

 

 

 

「「「「「貰えるって、ことよね?」」」」」

 

 

 

 

 

 だれかこの酷い誤解を解いてやってくれ。

 

 

 

 






ちなみに当鎮守府はベルマッマでした。
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