ルイスマッマ…貴女からの愛は本当にありがたい。
いや、いいや、本当にありがたいと思ってるよ。
いつでもどこでもあやしてくれるし、いつでもどこでも助けてくれる。
第一、ルイスマッマの良い匂いを嗅げるだけでも本当に僕ぁ幸せモンだとつくづく思う。
だからね、ルイスマッマ。
増えないで?
私は指揮官執務室で、あまりの出来事に辟易していた。
新しく建造が完了したKANSENを迎える事になったこの日、私は彼女達との初対面を自らのオフィスで行ったのだが………どうしてこうなる?
「良かったわね、ミニ・ルー!あなたが私の息子になったから幸運も着いてきたのよ、きっと。」
ルイスマッマは何故か嬉しがっていた。
これを幸運と受け取って良いのだろうか?
ラッキー・ルーならぬラッキー・ミニ・ルーとなってしまった私だが、何か、こういう事を引きつけてしまう運命にあるのかもしれない。
目の前にはセントルイスが7人。
あの、どこをどう間違えても間違わなくてもグラビアアイドルとポルノスターが五言絶句するレベルのサキュバスお姉さんが7人増えてしまったのだ。
嬉しいよ、本当に。
セントルイスはレア度高めで、転生前は私の好きなKANSENトップ5にはどのシーズンを通しても入っていた。
あの歩く18禁みたいなナイススタイル、素敵な笑顔、東煌ドレス時のサキュバスチックな表情の数々、年上のお姉さんな言動…
どれをとっても、ピッピ、ダンケ、ベルに並び立って大好き。
でもさすがにコレはやり過ぎだ。
ユニオンの大量生産能力を鑑みたとしてもやり過ぎだ。
月産軽空母、週産輸送船してたとしてもやり過ぎだ。
戦車5万両作って、随伴する軍用車両も数揃えて、その上レンドリースしてたとしてもやり過ぎだ。
何なの、お前ら。
しかも初期設定から「ミニ・ルー」で来るじゃねえよ。
初期設定からルイスマッマが親権あるなら私たちも当然親権あるでしょチックなスタイルで責めてくるんじゃねえよ。
私はどうすれば良いんですか?
この間セントルイスBとセントルイスC加えたルイス三人衆で地獄のあやされ風呂したばっかりなのに、今度は計10人でやる気なのかお前ら?
笑顔で肯定すんなよぉ〜。
1人ぐらいは「えぇ〜」とかそういう反応しようぜ、お前ら。
「ミニ・ルー!牛さんがちょっと風邪気味みたいなのうわっ姉さんがたくさんWhat's the fuck!?」
ほら見なよヘレナちゃんもドン引きじゃん。
思わず到底使いそうもない言い回しするレベルでドン引いてんじゃん。
無理もないけどね。
寧ろ全力で同情するレベルだけどね。
「本当に…全部本物の姉さん?」
「ええそうよ、ヘレナ」×7
「本当の本当に?」
「勿論!何なら…触ってみる?」×7
セントルイス達はヘレナを笑顔で迎え、そのままそれぞれパイタッチさせていく。
本物かどうかの確認の仕方が、記憶の一致とかじゃなくてパイタッチなのはもはや今更ながらにサイコパス。
しかも触られる時のセントルイス達の反応が、東煌ドレスの時の顔タッチと同じような感じという…。
顔を赤らめて目を閉じて、最後ちょっとだけ片目を開ける的なアレ。
もう十分にアダルトビデオですありがとうございました。
そしてその後マジキチみたいなフル笑顔するヘレナちゃんもサイコの気がある。
「姉さんが…姉さんがいっぱい!私とっても嬉しい!」
「ヘレナが喜んでくれて嬉しいわ♪」×7
「………この人数ならミニ・ルーの完全包囲も夢じゃないわ…」
「ええ、ヘレナ。お姉ちゃんと一緒にミニ・ルーを保護しまくりましょうね?」×7
スターリングラードかよ。
レニングラードか?
どちらでも良いけど、その凶悪ボディを早速悪用しようとするんじゃねえ。
「それじゃ、皆んな。とりあえず荷物を整理してもらえるかしら。その後は…」
ルイスマッマがウインクして、セントルイス達とヘレナがウインクで返したが、私は軽く身震いしてしまった。
後で何をしでかす気なんだお前らは。
何故かは上手く言えないが、何か途方も無いような事に巻き込まれる気がしてならな過ぎる。
「ご主人様、新しく転任してきた娘がご挨拶にうわっセントルイスがいっぱいWhat's the fuck!?」
ベルマッマが私の執務室に入ってくるときに、セントルイスの集団と入れ違いになって驚愕の声を挙げている。
彼女も彼女であと4人のドッペルゲンガーがいるはずなのだが、そのベルマッマですら驚くレベルの出来事らしい。
「………失礼致しました…」
うん、ベル。
大丈夫だから。
いつものことでしょ、もはや。
私は君が回復してくれた姿を見れただけでも十分だから。
現実に立ち向かえる気がしてきたから。
「ご心配をお掛けしてしまい、申し訳ありませんでした…」
いいから、いいから。
で、ご用件は?
「転任してきたKANSENが、ご挨拶に参ります。」
おお、そうか。
………またセントルイス?
「いえ、そうではありませんのでご安心を。ホノルルさん、ご挨拶をお願いします。」
ベルマッマに促されて、赤毛の、ツインテールの、セントルイスみたいな娘がご入室してくる。
何故か青い顔をしているが…彼女にとっても衝撃だったのだろう。
セントルイスの集団という光景が。
「指揮官…ごめんなさい、まずルイスと話してもいい?」
どうぞ。
「ルイス…久しぶりね。一つ聞きたいんだけど…アレは、何?」
「何って…見れば分かるじゃない。私よ、私。」
「細胞分裂でもしたっていうの…?」
「いいえ、建造の結果よ。……ねえ、ホノルル。貴女もル族の一員なら分かるでしょ?」
「ル族って何!?」
「貴女も今日から私たちの家族………貴女も家族よ?」
「……………」
あー。
えーっと、ホノルル君?
まずは寮舎に入って長旅の疲れを癒すといい。
ゆっくりとお風呂に入って、食事をとりなさい。
その後はもう、今日はゆっっっくりと休んで、明日からこの現実と戦う英気を養っておくのだ。
「……気遣いありがとう、指揮官。私はとりあえず………部屋に戻るわ。」
ホノルルはまだ小刻みに震えたままで部屋から出て行った。
まあね、旧知の仲なら尚更ショックだろうね。
おっちゃんも旧い友達がドッペルゲンガーしてたら耐えられんわ。
裸足だろうが全裸だろうが全力で逃げ出す自信しかない。
「さて、ミニ・ルー?私達の仕事に戻りましょう。」
うん、そだね、ルイスママ。
「昨日の件、やっぱり実行犯は…」
スラム街の海賊被れだろ。
「私もそう思うわ。海賊行為をより効果的に行うには、海の秩序を取り締まる海軍のやり方を掌握する事も大切。」
海軍大佐ならその辺は十分に知っているだろう。
ただ、問題は…連中が重火器を装備していたこと。
ハンバー装甲車を破壊したのはバズーカ砲だったね…立派な正規品の。
「ご主人様、私は大佐も一枚噛んでおられるのではないかと思います。タイミングがあまりに完璧過ぎる。」
考えすぎじゃないかな、ベルマッマ。
海賊行為の詳細情報を読めば、連中が交通省のデータベースを元に襲撃計画を練っていたこともわかる。
交通省の役人を抱き込んでいたなら、ほかにも情報源はあるはずだ。
大佐自身にそんな事させなくてもいいし、そもそも彼が誰かに電話するような素振りさえ無かったろう?
「……確かに、そうですね。」
ベルマッマが立ち直ってくれたのは本当に嬉しい。
冷静な状況分析を行える程度には回復しているようだ。
彼女がどうやって立ち直ったか?
知らない方がいい。
………私を30分間に渡り腋の下に挟んだだけ。
それだけでベルが立ち直るなら安いものだが…なんだかなぁ。
ベル臭が鼻から取れない。
「誰が賊共に武器を流したのでしょう…」
ベルマッマ…こいつは私が思ってるよりも厄介な問題かもしれない。
「と、仰いますと?」
海軍だよ。
おそらく、連中の武器自体、大半は海軍経由で流れたものだろう。
先月、旧式の武器を横流しした馬鹿野郎が捕まった。
主な取引相手はウクラニアのギャング団だったそうだが、何も
「ご主人様…下手をすると、海軍全体の根底から掘り返す必要があるという事ですね。」
うん、ベルマッマ。
その通り。
戦争は利益を生む。
銃弾1発作るのにも人手がいるし、関連企業は利益を上げ、使用者の中にはそれを犯罪の道具にして甘い蜜を吸う者もいる。
セイレーンとの戦いの長期化は、海図のみならず人の心まで蝕んでいたのだろう。
そのツケが溜まってきているし、最悪、私がそのパンドラの箱を開けなければならない。
あのよぉ、私一応赤ん坊なんだけどよぉ。