英雄王で異世界へ 作:ギル
その日、エデンは混乱に陥っていた。数時間で魔物の大群がエデンに攻めてくると、冒険者ギルドから報告があったのだ。しかし、魔物の大群が攻めてくるというのに誰も逃げようとはしなかった。ギルドがら、エデンの被害は皆無に出来ると言われたからだ。それを信じられるのも、これまでの、冒険者の活躍がうかがえる。最も、万を超えると言われる、スタンピードを止めるのが、まさかたった一人とは、誰も思わないだろう。
「今、魔物の大群を監視している、部下から報告があった。本来、スタンピードというのは多くても数万匹程度だが、今回のスタンピードは既に十万を超え、今も増え続けているそうだ。」
「それで、まさかその程度の事で、この我を呼び出したのか。」
「!!!」
「言ったはずだ。この我を侮るな。我にとって、数万も数十万も大差ないわ。本能で動く獣など所詮塵、いくら集まろうと、塵にしかならん。」
俺がそういうと同時に、いきなりギルドマスターの部屋に受付嬢が入ってきた。
「申し訳ございません。たった今、魔物の大群が城壁から見えたと報告が。」
「ふっ、来たか。問答している暇はなさそうだな。先に行く。」
ギルドの外に出ると、
では、始めるか。
◇◇
エデンに迫る魔物たちを城壁から見ている冒険者たちは、まるで、大地が揺れているのではないかと思うほどの迫力を感じた。
「お、おい。ほんとに何にもしなくていいのか。」
「ギルドマスターに言われたろ、何もせずに此処にいろって。」
「そうだよ、ギルドマスターが何とかするって言ってたし。」
「ああ、第一今から何が出来るんだよ。あの大群に突っ込んでいっても、死ぬだけだぜ。」
「それはそうだけど。こんなに近づいてるのにギルドマスターが一向に現れないじゃないか。」
「それは、確かに。おかしいな。」
「だろう。今からでも何か「不要だ。雑種風情が我の獲物に手を出すな。」」
天から声が聞こえ、天を見ると、金の鎧を着た男が空で、静止しいていた。まるで、物理法則までを支配下に置いてるようだと、思うほど、この男から出る雰囲気は凄まじかった。
「貴様らはただ、我がすることを見る栄誉に打ち震えていればよい。
そういうと、男は片手をあげ、幾つもの黄金の波紋を作り出すと、そこから、剣、槍、斧、あらゆる武器を射出する。打ち出された、黄金の光は雨のように魔物の大群に降り注ぎ、魔物の体を砕き、血をまき散らす。生き残った魔物たちが天を見上げると、
「地を這う虫けら風情が、誰の許しを得て面を上げる。」
天を見上げた魔物たちが、黄金の光によって砕かれ。悲鳴を上げる。
「貴様らは我を見るに能わぬ。虫けらは虫けららしく、地を眺めながら――――死ね。」
雨はまだ、止まない。
◇◇
エデンが、自分の策で滅びる様を、見て酔いしれようと、男は魔物の大群を見ていたが、
「なんなのだ、あの男は、ありえない。20万の魔物の大群だぞ。それが、こんな、エデンの城壁に触れる事すらできないなんて、あれが
男が目にしたものは、たった一人の男に蹂躙される、二十万もの魔物の大群だった。大地を覆う程の魔物はすでになく、あるのは、砕け散った肉片と、光の雨による大地のクレーターだけだった。それを為した男は魔物を殲滅した後、すぐにどこかに飛んで行った。
「と、とにかく、この事を陛下に知らせなくては。あの男は危険だ。計画の妨げになるやもしれぬ。あれだけは、必ず成功させなければ。」
「ほう、その計画とやらについて、それと、貴様の言う陛下の事を話してもらうぞ。」
「!!! お、お前は、なぜここにいる。」
突然の声に驚き振り返ると、そこにいたのは、先ほど、魔物の大群の殲滅をして見せた、金の鎧を纏う、金髪赤目の男だった。それだけではない。男の周りから、鎖が現れ男の体を縛った。
「ふん、貴様の事は、獣どもを殲滅する前から、見えていた。隠れていたつもりかもしれんが、この我から逃れられると思うなよ。さて、もう一度言う、計画の事、陛下の事について話してもらう。」
「ふざけるな! 誰が貴様などに、言うものか。」
「案ずるな、我の手を煩わせることはない。貴様は勝手にしゃべる。」
金髪赤目の男は、宝物庫から、注射器のような物を取り出すと、男に注射すると、男は体の力を抜き、金髪赤目の男の質問に答え始めるのである。
◇◇
野暮用を済ませてギルドに戻り、ヘレナの部屋を訪ねると、ヘレナがいきなり近づいてきた。
「ありがとう。やっぱり君は勇者様だよ。本当にありがとう。」
「ふ、当然だ。冒険者ランクを上げるのはどのくらいかかる。」
「そうだね、さすがに今すぐという訳にはいかないけど、今回は魔物の死骸と多くの目撃者がいるから、二週間くらいかな。」
「遅い、一週間だ。一週間で済ませろ。」
「そんな無茶な。なんでいきなり、何かあったの。」
「ああ、帝国に用が出来た。冒険者ランクが上がったら、帝国に行く。」
「て、帝国! なんで、よりにもよって帝国に。」
「なに、少し面白い情報を聞いてな。興が乗った。」
「分かったけど、君は帰ってくるんだよね。」
「無論、この件での、報酬をすべて貰っていないからな。」
「そういえばそうだったね。それじゃ、私は一週間でランクを上げるために頑張るから、期待しててよね。」
そういって、ヘレナは何処かへ走っていった。さて、俺もイブの所へ戻ろうか。勝手に帝国に行くと決めてしまったからな、その説明もしないと。
「イブ、我のランクが上がり次第、帝国へ行く。準備をしておけ。」
「え、いきなりだね。わかった。何か持ってく物あったかな。」
「理由を聞かないのか。」
「うん、王様が話してくれるなら聞くけど、どんな理由であれ、わたしは王様について行くから。」
「ふっ、イブ、忠道、大儀である。努その在り方を損なうな。」
それから、帝国に行く理由や、目的を話し、眠り。夜が明けてからは、ギルドで依頼を受けたり、エデンをぶらついたりして、気付けば一週間が過ぎていた。
英雄王が作中で使った、自白剤ですが、オリジナル宝具です。未来の人類が作った全く新しい、自白剤と似た効果がある物ということでお願いします。
次回、諸事情により、時間が空くかもしれません。申し訳ございません。