英雄王で異世界へ   作:ギル

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これまで勢いだけで書いていたのですが、これからは完結を意識しながらの執筆となるので投稿が遅れますが完結させたいと思っています。よろしくお願いします。

書き方を変えたので、違和感を感じるかもしれませんがご容赦ください。
今回は閑話のような物です。話は進みません。


イブの心

 私は、人生で二度生まれた。最初はお母さんから生まれ、二度目は……。

 

 物心ついたころから私に自由はなかった。奴隷として生き奴隷から解放されても王国に囚われた。

 

 10年間過ごした場所から王都に向かう途中、外で楽しそうに遊ぶ同じくらいの子供たちを見つけた。彼らは笑いながら走り回り、転んで泣いている子供を母親が抱きしめる。私の足には鎖が繋がれていて、私にはもう抱きしめてくれるお母さんはいない。彼らと私があまりに違くて羨ましくて、もしお母さんの子供じゃなかったら私も一緒に……。そんなことを考える自分が怖くて泣いた。

 

 王都に着くとある部屋に連れて行かれそこに一人の男がいた。男は私の力を王国の為に貸してくれないか。もし、貸してくれるならお母さんの名誉を回復してあげるよ、と言った。私にはよく意味が分からなかったけど、それがお母さんの為になるのだということだけは分かった。それから私はただ王国に言われるがままに行動した。お母さんの為に。

 

 それが永遠に続くと思っていた私をわたしに生まれ変わらせてくれた、かっこよくて、強くて、優しいわたしが大好きな人それは……。

 

 

◇◇

 

 

「いい加減に起きんか! 戯け!」

「ひゃあ! 何々何が起こったの!」

「ようやく起きたか。この我に起こさせるとはずいぶん偉くなったな雑種」

「お、王様。何で王様がわたしを起こして……あ!」

「……忘れていたのか。昨日あれだけ強請っておいて」

「そ、そんなことないよ! ちゃんと覚えてるよ! そんな事より早く行こ王様」

「はぁ……。よかろう。幼童の無軌道一つ許せぬなど、器が知れると言うもの」

「ありがとう! 王様!」

 

 危ない危ない。昨日いっぱいお願いして王様と一緒に行けることになったのに台無しになる所だった。今わたしと王様はエデンの中心にある広場に向かっている途中。今、広場ではあるイベントをやっていてそれに王様が出場者として参加するのだ。王様に出てもらうのは本当に大変だった。

 

「それでは第3回エデン美男美女コンテスト! 開会です!」

「司会は商業ギルド受付嬢アイシャと特別ゲスト、先のスタンピード発生を被害を出さずに食い止めた手腕の持ち主」

「冒険者ギルド、ギルドマスターヘレナです。アイシャさん持ち上げすぎですよ」

「いえいえ、魔物の死体を商業ギルドにも流してくれてギルドは今嬉しい悲鳴が止まりません。ヘレナさんには感謝しています」

「流石にあの量は冒険者ギルドだけでは捌けませんから、こちらも助かっていますよ。それより、そろそろ始めないと」

「あ! これは失礼しました。それではこれより今大会の説明をさせてもらいます」

 

 エデン美男美女コンテストとは、その名の通りエデンの美男美女を決める催しで、エデンで過去2回もこの催しが開催された理由はエデンはその土地柄、粗暴な者が多く居る。少しでもその血の気を抑えるため、気持ちを発散させるイベントが年に何回も開催されている。この催しもその一つで徐々にエデンに女性が増えてきた為作られた。参加資格は美男美女である事だけ。ミスター・ミスグランプリにはエデンの商業地区で1年間割引をしてもらえる。

エデンの人達には美男美女を見れるということで好評で今年もまた開催することとなった。

 

「審査は観客の中からランダムに選ばれた3人に独断と偏見で決めてもらいます」

「ランダムに選ばれるから不正は出来ないし。人それぞれ好みがあるから面白い結果になりそうね」

「そうなんです。それがこの大会の面白い所なんですよ。それでは最初は男性部門から行きましょう」

「ふふふ。今回の男性部門は盛り上がりそうね」

「おや? 何か知っているようですね! ヘレナさん教えてくれませんか?」

「それは見てのお楽しみと言いうことで……」

「ということなので早速一人目の参加者に登場してもらいます。どうぞ!」

 

 それから次々といろんな人が出て来た。確かに、周りのお姉さんたちがかっこいいって言ってたけどやっぱり一番は王様だよね。速く王様出てこないかなと思っていると……。

 

「女性たちのボルテージも最高潮! 名残惜しいですが次で最後となります! それでは、どうぞ!」

 

 司会のお姉さんが合図を送ると、広場に作られた舞台の袖から王様が現れた。

 

「それでは自己紹介をお願いします!」

「我が名はギルガメッシュ。我が面貌をその目にする事が出来る栄誉に打ち震えるがよい!!」

「おお! これはすごい自信を感じます! それでは、質問をしていきたいと思います。参加した理由は何ですか?」

「出てほしいと言われたのだ。乗り気では無かったがな」

「乗り気では無いということはグランプリは狙ってないということですか?」

「否、乗り気ではなかったが出た以上、我が座るに相応しい椅子は頂点ただ一つ!」

「これは……凄い自信ですね。では、これからは審査員の方たちからの質問です!」

 

 王様は審査員の人達から質問を受けていたがすべて堂々と返して、すごくかっこいい。次で最後だけど、どんな質問が来るのか楽しみにしていると。

 

「付き合ってる女性もしくは理想の女性はどういった人でしょうか?」

 

 その質問を聞いた瞬間わたしは、固まってしまった。こういう質問があるのは当然。実際、王様の前の人にも聞いていた。王様の理想の女性。すごく気になるけど今まで聞いてこなかった。どんな人かは分からない。だけどわたしじゃないということは分かるから。知りたい知りたくないそんな思いがわたしの中でぶつかり合ってる最中王様が答えようとしていた。

 

「……崇高な処女(おとめ)

「えっと……容姿のことをききたいのですが」

「……豊満な女は好みではない」

「な、なるほど。ありがとうございました。それでは、男性部門はこれで終了となります。これから1時間の休憩後女性部門の審査に入ります! ぜひお楽しみに」

 

 最初の言葉の意味は分からなかったけど、次のは分かった。豊満な女つまり胸のおっきい人ってことだよね。わたしは大きくない。これから成長するかもしれないけどお母さんも大きくなかったし多分大丈夫。希望はあるよね。すうこうなおとめ? の意味は後で王様に聞けばいいかな。

 

「王様すっごくかっこよかった!」

「……当然だ」

「あれ? 王様元気ない?」

「!?……問題ない。我は宿に戻る」

「え! 結果は見ないの? 」

「結果など知れている。興味があるなら残るがいい。我は行く」

 

 王様行っちゃった。元気ないみたいだったけどやっぱりコンテストに出たくなかったのかな? 帰ったら王様にちゃんと謝らなきゃ。それから女性のコンテストが始まった。女性のコンテストは水着審査があるみたいだ。男の人達が盛り上がっていた。王様ならどんな反応するんだろう? 女の人に鼻の下を伸ばす王様……想像できないししたくない。そんなことを考えているうちに女性部門も終わり、グランプリの発表が始まった。

 

「それでは、例年以上に盛り上がりを見せた今大会! 栄えあるグランプリの発表です! 女性部門グランプリは……」

 

 まずは女性部門グランプリから発表された。次はいよいよ男性部門グランプリ。

 

「男性部門グランプリは―――エントリーナンバー6番ギルガメッシュ!」

 

 わああ! 王様優勝した! すごいすごい!  

 

「グランプリに選ばれたお二人には後日グランプリに選ばれた証が送られます。それでは、誠に残念ながら閉会とさせていただきます!」

 

 

◇◇

 

 

「王様! グランプリに選ばれたよ。すごい!」

「当然よ。言ったはずだ結果は既に知れていると」

「そういえば! やっぱり王様はすごいなぁ……」

「何を当たり前の事を言っている。それより、明日は依頼を受ける。早く寝るがいい」

「うん! おやすみなさい王様」

 

 こうして、わたしの王様との楽しい一日は終わりを告げる。そういえば何で王様元気無さそうだったんだろう。

 

 




ギル「黒歴史だ……」
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