規格外鎮守府の日常   作:ゼルガー

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睦月・・・・・・艦娘としての練度1、にゃしいレベル1、バケモノレベルEX


外伝「魔王睦月の軌跡」

私は駆逐艦の睦月。生まれた頃からそれは私の頭に刻まれていた。

 

生まれた場所はとある鎮守府の工廠の中。俗に言う建造と呼ばれるものだ

 

ただ、生まれてからずっと目の前に映る全てが気持ち悪かった

 

私を見る司令官が気持ち悪かった

 

私を見ないで駆逐艦睦月を見てる姉妹艦が気持ち悪かった

 

私を縛る鎮守府の規律が気持ち悪い

 

戦艦だから、駆逐艦だからという理由で格差が出来ていることが気持ち悪い

 

 

 

ああ、自分自身すら気持ち悪かった

 

だから私は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生まれた鎮守府を滅ぼした

 

 

 

 

 

 

 

 

私を気持ち悪い目で見た司令官を殺した

 

姉妹艦と名乗る妹たちを殺した

 

偉そうな艦娘は殺した

 

規律で縛る憲兵も殺した

 

駆逐艦睦月という自分自信の枷の全てを殺した

 

 

 

そして私は、自由になった

 

 

 

 

 

「ああ、そうだ。この気持ちです。自由で、何物にも縛られないこの解放感こそ私が求めていたもの!」

 

 

私はその日から、独りとなり、全てを捨てて海に出た。

 

更地となった鎮守府を背にして。

 

 

 

 

 

魔王睦月は生まれつき異常だった。

 

建造によって生まれた睦月。姉との再会を待ちわびた如月たちの願いが通じ、ようやく生まれた。

 

しかし、工廠から現れた睦月は異常だった。姉妹を見ても表情を変えず、理解できない何かを見る目だった。

 

私に対しても無関心の目をしていた。いや、それどころか目を見た瞬間、生まれて初めて恐怖を覚えた。

 

コイツは駆逐艦睦月であって、駆逐艦睦月ではない何かだ。

 

私は彼女を恐れた。如月たちも恐れた。鎮守府全ての艦娘が恐れた。

 

彼女には普通ではない何かがあると思った。

 

私達は彼女を遠ざけた。解体したかったが、大本営の目があるので簡単には出来なかった。

 

なので、彼女を鎮守府に閉じ込めることにした。幸いにも練度は一切上げていない。何もさせずに閉じ込めれば安心だ。

 

 

 

 

 

それが過ちだった。私達は彼女を縛るべきではなかった。

 

それを理解した時、全てが手遅れだった。

 

 

異端の艦娘。噂は聞いていたが、存在しない迷信だと思っていた。

 

今思えば、工廠での出会いで気付くべきだったのだ。あの時点で異常だったのだと。

 

 

 

「さようなら、生みの親である司令官。貴方は特別に、鎮守府と運命を共にしてもらいましょう」

 

 

 

私の艦娘は全員が歴戦の強者だ。演習でも負けなしで姫や鬼相手でも負けが無かったし、誰も轟沈した事が無かった。

 

しかし彼女は、僅か数分で私以外の全員を皆殺しにしたのだ。

 

何をしたのかは理解できない。ただ、全員が圧縮されたかのようにペシャンコになってしまったのだ。

 

 

 

「何故だ・・・・・・・何故こんなことを!私達が何をした!」

 

「何故?決まっているでしょう。貴方達は私から自由を奪い、縛り付けた。ただそれだけです」

 

「それだけ?それだけの理由で皆を殺したのか!妹である如月たちも!」

 

「貴方にとっては些細な事かもしれません。しかし、私にとっては逆鱗に等しいんですよ。それに妹?初対面で妹呼ばわりされても情なんか芽生えませんよ。確かに私のベースは駆逐艦の睦月かもしれませんが・・・・・・私は私です。私自身を見ないアレらを姉妹とは思えません」

 

 

 

その言葉を聞いて、私達は根本的から、間違っていたのだ

 

コイツは私達が求めていた駆逐艦睦月じゃなかったのだ

 

 

私達が生み出してしまったのは、滅びをもたらす化け物だったのだ

 

 

 

 

「ではさようなら。鎮守府ごとブラックホールに消えなさい」

 

 

 

ああ、どうやら私はここまでのようだ。

 

もし神がいるなら・・・・・・英雄がいるのなら・・・・・・

 

我々が生み出してしまったこの化け物を倒し・・・・・・私達の仇を取ってくれ

 

 

 

 

 

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