転生したら妙な世界だったので、自分なりに頑張ってみることにした 作:(c" ತ,_ತ)
────転生。
実に夢の溢れる単語である。小説などの題材として用いられる際には、前世の記憶を持ったまま何かしらの能力を得る事が多い。神様やそれに準ずる存在が出ることもある。
しかしながら、そんなうまい話は往々にして詐欺だと相場が決まっている。人生山あり谷ありなんて言葉があるように、生涯における幸運と不幸は大概釣り合いが取れている。福と禍は荒縄のように絡み合い、かつ交互に訪れるもの。
ならば生まれる前に大きな幸福を得た『転生者』はどうなのか。答えは単純、
彼らもまた、そうだった。
街中をぶらぶらと、一人の少年が気ままに歩く。時間があるのはいい事だが、流石に一ヶ月も暇が続けば飽きがくる。リフレッシュと気分転換代わりに街に繰り出したものの、そういえば肉体年齢的に中高生程度だったことを思い出して若干落ち込んだ。警察に目を付けられるのは勿論、それ以上に面倒な事がある。今も視界にちらちらと入る、目に痛い原色をふんだんに使ったコスチュームを身に纏う連中────ヒーローのご厄介になる事だ。それだけは少年としては避けたかった。少年の身分的にも、感情的にも。
成熟した精神は、こういう時に面倒だ。自分が何歳なのかを時々忘れてしまう。微妙な気分のまま、少年は歩みを進めた。
かつて、中国のある一都市にて『光る子供』が生まれた事を発端に、世界各地で超常的な異能────通称『個性』を有して生まれる者が続出。それに伴い個性を用いて犯罪を犯す者達である『
個性という異物を受け入れて急速に発展した社会だが、急激な変化は歪みと闇を齎した。その闇は、強く深く根を張っている。社会に、あるいは人の心に。
少年────
上無は
ふと、耳についた遠くの喧騒に目を向ける。ヒーローと
この世界は、物語の中の存在だった『ヒーロー』が存在する世界。架空は現実となり、空想は将来の目標になり得るようになった。しかし、現実ならざるものを現実へと当てはめたが故の歪みも闇も存在する。物語で万人を救うヒーローは、しかし現実で全てを救えやしない。ヒーロー、社会が仕方なく、或いは意図的に取り零した『救われなかった』者達が社会そのものに牙を剥く。
この物語は