黒咲兄妹ってこんな感じでええんかな〜?とか思いつつ書いてる。
評価バーが赤色なことに震えております。ありがとうございます。
出来心で散歩に行って滅茶苦茶怒られた楠遊都です。すごく足が痛かった。正座は…苦手だな。
あれから数日経ったがまだ覇王黒竜を手放せてなかったりする。遊馬先生に渡してしまいたいのだが、なかなか彼に会えない。というか、会うにしても怪しまれないように偶然を装う必要がある。学年も性別も違う、同じ委員会や部活に所属しているわけでもない。この現状から知り合いになり、ナンバーズを持っていることをそれとなく気付いてもらって、軋轢を生むことなく渡す?それなんて無理ゲー?
そんなことより前回のシリアスな展開はなんだったのか?……何の話だ。もしかして未来の……いや、メタい話はやめよう。私は何も聞いていない。
気を取り直して、私は今何処にいるでしょう?
正解はーー(ここでドラムロール)
「これなんかどう?可愛いわよ」
「…………いや、私には似合わないだろう」
にこやかにパステルピンクの可愛らしいスカートを勧めてくる瑠璃。
今のでヒントになったかはわからないが、最近オープンしたばかりのショッピングモールに来ている。もちろんwith黒咲兄妹。
息抜きが出来ず鬱憤が溜まっている私を思ってか瑠璃が誘ってくれたのだ。これ、完全に
服を見てみたり雑貨を見てみたりと結構楽しんでいる。この施設、かなり広くて探索しがいがあるのだ。これからも休日には遊びに来ることになるだろう。
「瑠璃、そのワンピースもやめてくれ。せめてもっとシンプルなのに……」
絶対瑠璃が着た方が似合うじゃないか。
どんどん服を勧めてくる瑠璃にタジタジになってはいるものの、何だかんだで楽しかったりする。これでも女子だからな。
しかし隼は本当に退屈なんじゃ……えっ?それはスカート丈が短いからこっちにしろ、だと?何故お前まで参戦するんだ……。
彼ら(9割は瑠璃)との攻防を繰り広げながらも、色々な店を見て回る。あまりこの街になかったような系統の店も多く、眺めるだけでも楽しい。軽く見て回るだけでもすぐに時間が経ってしまいそうだ。
ーーそこでふと、とある店が目に入った。
「あ、あれは……!」(カン☆コーン)
「うん?何かいいものでもみつけたの?」
瑠璃が首を傾げて尋ねてくるが、そんなんじゃない。あれは……
「都会の商業施設とかにたまにある『いつ着るんだ?』って服が売ってる店だ!」
「いくらなんでも偏見が過ぎるだろう」
隼に正論を言われた。田舎に住んでたことなんてなかっただろう、と呆れた顔で続けられる。それもそうだ。
だが、私たちの普段の服装を思い出してもらいたい。主にARC-Vの回想シーンとか。
どうだろう、思い出していただけただろうか?
GUート、ユニクロ咲、むじるり良品。
ーーそう、あまりにも普通なのだ。
アニメなんかでは、平和だった時は地味で無難な服、非日常の時にはインパクトのある服という対比が良いのだろう。が、これではただ単に普通の服装の子だ。瑠璃は割とオシャレだが、私と隼はアレだ。
まあ、そんな無難ファッションしかしない人間からすればいつ着るのかがよくわからない服、と称せるだろう。
二宮○鳥が着てそう(偏見)な服。熊本弁の方っぽい服や、
色々並べ立てて見たものの、言いたいことはひとつ。……実はそういう服が少し、ほんの少しだけ気になるんだ。
自分で言うのも何だが若干患ってる感じのものが好きだ。14歳だし別にいいじゃないか、と開き直っている。
だってほら、
幻影で騎士団って……ファントムでナイツって……最高じゃないか。†幻影騎士団†……いや、なんでもない。一部の人の胸を抉るような事はやめよう。
……話が逸れてしまったな。とにかくあの店が気になるんだ。
ときめく感情を隠しつつ、2人にそれとなく提案してみることにした。
「瑠璃、隼。ちょっと見てきていいか?」
「そこまでそわそわしながら言われて断ったりしないに決まってるじゃない。一緒に見ましょ。ほら、兄さんも」
全然隠せてなかった。恋ではないが、『しのぶれど』というやつかな。
瑠璃がにこにこと応えてくれるものの何故か胸が痛い。私はまだ中学2年生だから大丈夫だ、きっと。
隼も嫌なそぶりひとつせずに頷く。あれは、明らかに女物しかないような店よりはマシって顔だな。
「おぉ…」
「へぇ〜こういうお店ってあんまり見たことなかったわね」
ほんの少しだけ(強調)感動していると、瑠璃も未知との遭遇といった様子で見渡している。
隼はどうだろうと振り向いてみると、
「隼?どうかしたのか」
「これは動き辛いんじゃないか?」
「あー……こういうのは機能性は二の次なんだろう」
マネキンが身に纏ったゴスロリのような衣服を見て不思議そうにしていた。
若干私に聞かれても困る、と思ったのは秘密だ。複雑な構造な上コルセットもあるから着るのにも時間がかかりそうだ。不便そうだがオシャレは忍耐ってやつかもしれないな。
隼から離れて色々と商品を見てみる。
アクセサリー系も置いてあるな。
「腕シル、だと……?」
腕に巻くシルバーを見て、つい口に出してしまった。聞かれてないからセーフ。だが腕シルはちょっと欲しい。
よくわからないデザインの格好いいリングとかネックレスとかもいいな。眼帯……は日常生活どころかデュエルの邪魔にもなるから絶対にダメだ。
小物系だけでなく衣服も悪くない。腕の部分の無駄にたくさんベルトが付いている服や新品なのに裾がボロボロになっている上着。うん。
ーーこれは、もしかしなくとも、もしかするのでは?
ひとつひとつでは、私好みの系統だとしか思わなかったが『おや……?』と思うものもあり、色々と揃えて見る。
あと必要なのは……あれだな。
お目当の物も手に取り、瑠璃たちに声を掛ける。
「瑠璃、隼。ちょっと試着してくるな」
2人が頷いたのを横目にすぐに試着室へ入った。早く着てみたい。
「ユートってば随分とはしゃいでたわね〜」
「ああ、試着室は逃げないのにな」
おもちゃを手にはしゃいでいる幼い弟妹でも見守るような2人の様子には気が付かなかった。
◇◇◇◇◇◇
「ん……よし」
上着に少々手間取ったが、着替えることができた。
鏡に映る全身を確認すれば達成感に思わず口元が緩んだ。何故かって?
深緑のワイシャツに黒のスラックス。黒い外套。手に持ったままのネクタイを胸元に当ててみる。
ーーユートの完成だ
細かいところは違うだろうがそこまではわからないし、気にならない。
くるりと回ってみればふわりと外套の裾が揺れるのが視界の端に映った。我ながら、見れば見るほど物凄く似合っているのがわかる。
2人にもお披露目したい。
シャッ、とカーテンを開け近くにいた2人を呼ぶ。
「これ、どうだ?似合っているか…!?」
「わっユートってそういう格好も似合うのね!素敵よ」
「うわっ何だそれ」
同じ『わっ』が含まれていてもこの温度差である。瑠璃はありがとう、めちゃくちゃ嬉しい。
「…………駄目なのか?」
「いや、違う。悪くはないと思うが。何というか男っぽくないか?」
「んー。じゃあどれか変えてみない?……これとか」
彼女はそう言って近くにあったスカートを手渡してくれる。
「いいな。ちょっと着てみる」
試着室に戻り、改めてスカートを見る。
黒を基調としたミニスカートで決闘王っぽい鎖も付いている。さす瑠璃。
「どうだろうか」
「似合う、似合うわ!首元が寂しいと思って持ってきたんだけど、」
「ああ」
瑠璃はウキウキした様子でチョーカーを見せてくる。黒のベルトチョーカーだ。それっぽい。さす瑠璃(2回目)
「ユート、その長さのマントはいくらなんでも目立つだろう。こっちにしないか?」
ケープを手にした隼がそう問いかけてくる。レースはついているが黒一色でシンプルなものだ。ボタン1個で留めるタイプでネクタイも隠れない。
「そうだな、貸してくれ」
外套から着替えてみれば案外悪くない。良きチョイスだ。
「うん、最初のも良かったけどこっちの方がいいわね」
「ああ、新鮮だがいいと思うぞ」
「……褒められたら褒められたで照れ臭いな」
少し顔が熱くなっているのがわかる。ベタ褒めはやめてくれ、調子に乗るぞ。
「このまま着て行く?」
「いや、流石に全部は買えないな……これとこれと、これだけ買おうかな」
瑠璃にそう訊ねられるが、金銭的な問題がある。散財してストレス発散しようとお金はいつもより持ってきたが、使い過ぎも良くない。
ワイシャツとネクタイとスカート。この組み合わせだけでも着れそうだ。
「えっ」
「えっ」
何故そんなに驚くんだ?隼も目を丸くしているし。
「私がこれ買うわ」
「なら俺はこれだな」
「どういう…ことだ…」
チョーカーを握り締めた瑠璃が言えば、隼もケープを指差す。こういうとき息がぴったりなんだよな、この兄妹。ってそうじゃない。
「いやいやいや。私の分は私が買うべきだろう」
「だって似合うんだもの!買わなきゃ損よ?むしろ買わせて」
「誕生日も近いしそれ用でどうだ?」
その執拗なまでのゴリ押しは何なんだ……?
ーーハッ!?まさかこれが修正力?私を原作(服装)に近付けようという……?
とかなんとかふざけてないとやってられない。その情熱を他に注いでくれ。
とにかく説得だ。私なら出来る。2人だってしっかり説得すれば考えを変えてくれるはずだ……!
頑張って説得してみたものの暖簾に腕押し、豆腐に鎹。変化といえば隼の担当がケープからブーツに変わったことくらいだ。
軽く揉めていることに気付いた店員が話を聞いてくれたんだが、
『そのコーデに合う靴も必要だと思います』
なんて全く関係のないアドバイスをしてきた。それっておかしくないかな?
今着てるもの(何やかんやケープも自分で買った)とチョーカーをお買い上げ後、他の店舗で合う靴を購入という流れになってしまった。
いやまあブーツの方が安かったし、次の2人の誕生日に私も奮発すれば……いや流されたら駄目だろ私。
こうして私はユートスタイルとなったのであった。
……いや本当にこれで終わって欲しい。ナンバーズ争奪戦とかバリアンとの戦いとか関わりたくないからな。黒竜持ってる時点で手遅れな気もするが。
◇◇◇◇◇◇
とある店で商品を受け取りレジから離れようとした時だった。
「わっ……」
焦ったような声とともに小銭特有の金属音が響く。
どうやら誰かが財布の中身をぶちまけてしまったようだ。私の足元まで散らばってくる。
足元の小銭を拾い集め、同じようにしゃがんでいた少年に声を掛ける。
「はい。これで全部だろうか?」
「あっ、ありがとう……!」
小銭を手渡し顔を上げてみれば、水色の髪に可愛らしい顔立ち。
は、ハルト!!??
何故ハルトがここに…逃げたのか、自力で家出(?)を?
彼はハルトではない(無言の腹パン)
勿論ハルトじゃないぞ。龍亞でも零羅でもない。
髪は水色だが、それくらいの髪色は割とよくいる。1色な時点でかなり普通だ。事実、身近なところでも
というか目の前の彼は私と同じくらいの歳なんだからハルトなわけがなかった。
などと頭の中でふざけていると、彼は眉を下げ困ったように頰をかく。
「……えっと、僕の顔に何かついてたりする?」
「ん、いやすまない。誰かに似てる気がしただけだ」
その少年はそっか、と納得がいったとばかりに頷く。不審者扱いされなくてよかった。
……本当に誰かに似てる、というより見たことがあるような顔の気がする。いや、こんな育ちの良さそうな美少年に似た知り合いなんていないな。どこで見たんだろうか?……っと、これ以上じろじろと見るのは失礼だな。
「それじゃ、落とさないように気をつけて」
「うん、ありがとう」
また礼を言われるが、本当にそれほどのことじゃない。軽く首を振りその少年と別れ、親友たちの元へ向かった。
その後?それまでと同じように色々見て回ったぞ。すごく楽しかったし、ストレス発散にもなったな。
流れ的にこんな話挟んでいいのか?とも思いつつ、地味な服で決闘させるわけにはいかねえ!みたいな気持ちが勝ちました。明らかに尺の使い方間違ってるけどいいのかこれ……?だらだら長くなりそうだったんで最後はぶつ切りみたいにしてしまった。
加減を間違えると遊都が黒咲サーの姫みたいになってしまう……。裏話としては遊都がストレスが溜まって元気ないのとその理由を知った黒咲家の親が、隼がものすごく迷惑かけてるんだからお詫びに何か奢って差しあげろ(意訳)みたいな感じで諭吉を2人に渡してたみたいな。ハクションの世界とかならよくありそう。
アニメで使ってないカードの口上とか考えるのは楽しいがクソダサい。どうにかしろ遊作!