帰りたい。けれど帰れない   作:紺南

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第4話

バイト先には時間ギリギリで到着した。

ギリギリすぎて引き継ぎで若干時間が押したぐらいだ。

ブツブツと陰気な雰囲気を纏った店長が小言を言う。

いわく、「あと少しでアスカ君来ると思ったから頑張れたのに、特に理由なく時間が延びるのはとても辛いの。わかる? 辛いの」

店長は店長のくせに人前に出るのが苦手だ。

七夏に言わせればコミュ障で変態の社会不適合者。酷い言い草だが否定できないのが悲しい。

 

店長は酷く落ち込んでいたが、幸いなことに雨が降っているので客足は少ない。

引継ぎ中もその後も客は数人しか来ない。むしろそれがピークだった。

俺が店頭に立った頃には客足は完全に途絶えてしまう。

 

元々暇なバイトが天気の悪い日は余計に暇になる。

暇すぎて暇すぎてむしろ苦痛を感じる域に達したので、暇つぶしに全力で掃除することにした。

 

普段掃除しないところも、店の裏側の目のつくところも徹底的に掃除する。

あちこちを動き回る俺を迷惑がってか「そこまでしなくても……」と止められる。

バイト代貰ってるんだからその分働きまーすなんて、暇つぶしを正当化する理由を言いながら強行した。

押しに弱い店長はそう言うと二度同じことは言わずに裏に引っ込んでいく。

心配になるぐらい気の弱い店長だが、そこは夫婦でバランスを取っているのかもしれない。

 

箒を引っ掴んでレジカウンターの下をごそごそ掃除してると来店を知らせるベルが鳴る。

 

「いらっしゃいませー」

 

顔を上げる。そこには見知った顔があった。

 

「なんだ和人か」

 

「やあ、暇だったから来たよ」

 

傘から水を滴らせて笑顔で手を上げている和人。

「傘はそこな」と入り口すぐ横に置かれている傘立てを指さす。

 

「へえ」と感嘆の声を溢しながら、和人はキョロキョロと店内を見回しレジに近づいてきた。

 

「いやあ。パン屋だねえ」

 

「看板見えなかったのか」

 

「ベーカリーは読めたよ」

 

「なら十分」

 

和人は目移りしているようで、「クリームパン……クロワッサン……カレーパンもあるか……」と呟いていた。

 

「お勧めはある?」

 

「やっぱカレーパン」

 

興味深そうに品定めしている和人に角っこに置いてあるパンを勧める。

 

「こういう個人店のカレーパンは美味しいのが多いって聞くよね。美味しい?」

 

「美味いってよく聞く」

 

俺はここで買い物したこと無いから味なんてわからない。

そんなのどう考えても店員失格だが、どうせ美味い以外言えないからどうでもよかろうと思っている。

味を聞かれたら油っこくて辛いと言っておけばいい。まあ、受け売りだ。

 

「そういえば、夕飯食ったの?」

 

「いや、まだだよ」

 

「今食べると夕飯入らないだろ」

 

「一個ぐらい大丈夫だよ」

 

ついつい自分基準で考えがちだが、普段から運動している奴は夕飯前にパン一個食べたぐらいじゃ腹は膨れないらしい。

それだけでゲップが出る俺基準では、どんな胃袋してるんだと戦慄するのだが。

 

「じゃあ一つちょうだい」

 

「160円」

 

丁度の額を受け取ってレジに入力する。

 

「レシートはいるか?」

 

「捨てといて」

 

まいどあり。

 

「そうだ。ちょっとこの後いいかな?」

 

「え……何の用? 明日じゃダメなの?」

 

面倒くさいし明日でいいだろとその気持ちは確かに伝わっていたが、和人は伏目がちになりながらきっぱり言った。

 

「学校じゃちょっと言い辛いんだ」

 

「ふーん」

 

時計を見る。

バイトはあと30分で終わる。

 

「あと30分で上がるからその後で良ければ」

 

「ありがとう。じゃあこれ食べながら待ってるよ」

 

出口へ向かう和人を呼び止める。

 

「客いないしここで待っててもいいぞ。――――いいですよね店長!」

 

奥に呼びかけると「いいよー」と声が返ってきた。

言葉足らずの問いかけにこの即答。やっぱりあの人盗み聞きしてたな。

 

「いや、せっかくだけど。ちょっと一人で考えたいんだ」

 

「ふーん」

 

どことなく憂いを帯びた表情でそんなことを言われると、この後の用件が気になって仕方がない。

家族のこととか人生相談とか。あまり深刻なことを言われても俺にはどうすることも出来ないんだが。

 

和人がくぐったことでまたベルが鳴る。

窓ガラスの向こうを青い傘が通り過ぎるのを見送った後一人ごちた。

 

「なんか怖いなあ……」

 

どんなことを言われるのか。

考えるだけで胸に沈殿する不吉な予感。

考えても仕方ないことではあるが、ひしひしと感じてしまった。

 

ぞくっと悪寒が走る。

後ろを振り向くと店長がニタニタと不気味に笑いながら物陰から顔を出している。

まるでホラー映画のようだ。

 

「暇なんですか店長」

 

「……青春っていいわあ」

 

恍惚の表情でうっとり息を吐いて、また奥に戻っていく。

意図せず栄養補給になってしまったらしい。

……いつものことだけど、やっぱりあの人ちょっと頭おかしいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友達が待ってるんでしょと少しだけ早めに上がらせてもらった。

気を遣わせたように思えるが、店を閉める口実に違いない。「捗る捗る」と口ずさんでいたから、捗っているんだろう。

 

店を出たときには日はとっぷり沈んでいた。

この宵の口に雨はカラリと止んでいて、傘は必要なかった。

和人を探して店の周りをきょろきょろと見回す。

 

店から少し離れた所にある自販機で、飲み物を買うでもなくぼーっと品揃えを見ている所を発見。

光に釣られる虫みたいだ。走光性って言うんだっけ。

 

「お待たせ」

 

「待ってないよ」

 

おかしなやり取りだった。

デートしてるみたいな男女のやりとり。

男同士だぞ。

 

「で、なに?」

 

「うん……」

 

ジジジと自販機から音がする。たぶん電灯の音だ。

光りに纏わりついている蛾がバタバタと暴れている。

虫は好きじゃない。なんか気持ち悪い。霧絵みたいに新聞紙で退治するのは俺には無理だ。あいつほんとに頼りになる。

 

虫から視線を逸らした途端スーッと周囲が明るくなる。顔を上げれば曇天の隙間から月が顔を出していた。

雲が動くたびに光の切れ間が出来ている。

月光に照らされたアスファルトはそれに応じて光ったり暗くなったりと忙しない。

道のところどころに出来た水たまりを通りがかった車が跳ねた。水しぶきがキラキラと輝いている。

車のブレーキランプが光の線を描いている気がして、その行く先を見ていると和人が口を開いた。

 

「アスカは霧絵と住み始めて何年だったっけ?」

 

「――――」

 

取っ掛かりとしてはまるで予想していなかった言葉に一瞬思考が止まる。

幸いなことに、考えるまでもなくその数字は頭に浮かんでいた。

 

「5年」

 

「ああ、もうそんなに経つんだ。……そうか。アスカのおばさんたちがいなくなってもう5年か……」

 

触れられたくないところに触れられた。

胸の奥に鬱屈した感情が首をもたげる。

 

もう5年と和人は言った。

和人にとっては短い月日だったのかもしれない。

俺にとってはそうではなかった。

いつか帰ってくるだろうと信じて、一日一日を噛みしめて今日まで生きてきた。

報われないまま5年だ。短いと感じられるはずはない。

 

あははと頬を掻く和人は申し訳なさそうに笑った。

俺の心は水を浴びたように冷え込んでいる。

わざわざこの話をする理由を知りたかった。

 

「ごめんね。アスカは嫌だろうし僕も出来れば避けたかったんだけど、やっぱりどうしてもこれは言わないといけなかったんだ」

 

無言で続きを待つ。

光りに寄せられる虫が鬱陶しく、立ち話は手持無沙汰になる。どちらともなく歩き出していた。

 

「僕は小学校の時に霧絵と会ったけど、アスカはもっと前に知り合ったんだよね」

 

「うん……いや、どうだったかな。昔のことだからあんまり覚えてないな」

 

お互い俯きがちに並んで歩く。

街灯に照らされ、まだ乾いてすらいない地面は満遍なく湿っていた。

足元に転がっている石ころの一粒でさえも水に濡れている。

だと言うのに蹴れば乾いた音がする。カランと音を残して電柱の裏に消えた。

執着することなく通り過ぎた。

 

「羨ましいなあ……」

 

何がと聞こうとしたが聞けなかった。

聞くべきではないような気がして、開いた口は役目を果たすことなく閉じる。

 

「今も割とそうだけど、小学生の時はもっと変な子だったよね」

 

「覚えてねえ」

 

「そうだったんよ。喋らないし笑わないし。いっつも一人で居て、世の中全部つまらなさそうに見てた。凄く浮いた子供だった」

 

あいつ小学校の頃そんなんだったっけ?

同じ学校のはずだが、中学校以前のことはあまり覚えていない。

霧絵と初めて会った時、あいつはどんな顔をしていたんだったか。

 

「七夏は中二病って言ってたかな……いや高二病だったかな? まあどっちでも変わらないか」

 

七夏が聞けば懇々とその二つの違いを説かれそうな言い様だった。

しかしここに七夏はいない。話の主導権は和人が握っている。

それを奪うべきか迷う。

 

「とっても印象に残ってるんだ。ぜんぜん喋らないのに、凄く存在感があって……目立ってた」

 

「へえ」

 

どうでもいい話を聞かされている。

無口の餓鬼大将と言えばリュウこそがと言うイメージだ。あいつの小学生の頃なんて知らないし、そもそも餓鬼大将と言う性格ではないけれど。

 

そんな風に、ここにいない奴のことばかり思うのは着地点が見えないからだろう。

和人が言わんとすることに備えられないのは、なぜだか酷く心がざわつく。

 

「その頃は僕の方から頑張って話しかけたんだけどね。まったく相手にされなかったなあ……」

 

「今も大して変わらんだろ」

 

「いや、あれで大分柔らかくなったんだよ。アスカには分からないだろうけど」

 

棘がある言い方だった。

相変わらず話の方向性が見えず、終いにはこんな言い方されるとは。

怒ってもいいのだろうか。

 

「……」

 

「……」

 

しばし沈黙が流れる。

もう少しで十字路に着く。

俺と和人の分かれ道だ。

 

「……ずっと思ってたことがある」

 

長い沈黙の果てにようやく出てきた言葉は重苦しい口調で、いよいよ本題かと横目に和人の表情を伺った。

 

「言わずに置こうと思ってた。胸の内に秘めれば誰にも知られることはないだろうって。でも違った」

 

小説の一節にありそうな言葉の羅列。

こう見えて和人も読書家だ。霧絵や七夏といっしょで。

 

「周りから見たらバレバレだってさ。知らないのは本人たちばかりでね」

 

周りと言うのがおそらくサッカー部の連中のことなのは察しがついた。で、俺なんかは蚊帳の外だろうことも。

 

「それは思い当たる所ないけど、俺は関係ないよね?」

 

「無関係の人にこんな話するもんか」

 

俺の察しも当てにならないものだ。蚊帳の内側に置かれているらしい。

 

「僕の秘密になにか思い当たる節はある?」

 

「ぜんぜん。て言うか用件ってそれかよ。教えなくていいぞ面倒だから」

 

「言うと思った」

 

和人の秘密なんて、言い方は悪いけどどうでもいい。

他人の秘密を暴こうなんてよっぽどの理由がないとする気にならない。

例えその一片に触れようとも、自覚なくスルーするだろう。

 

和人は諦観を浮かべて苦々しく笑っている。

対して俺は一向に笑えない。何を笑えばいいのだろう。

 

すでに道は分岐点に着いていた。道の真ん中で俺たちは立ち止まる。

早く帰りたいから、用件はそれだけかと急かす様に和人に向き直った。

 

真っ直ぐ問う俺に対して、和人は目を伏せて考え込む。

その目は迷っているように見える。

何を迷っているのか。それに触れるのは秘密に触れることと同じだ。

俺からは何も言わない。和人の行動を制止することもしない。

和人には言う自由があって、俺には聞く自由がある。

その自由を行使するかはそれぞれが決めるべきだ。

 

和人はついに迷いを吹っ切ったらしい。上げた顔にはある種覚悟が宿っていた。

 

「――――フェアじゃないと思う。言わないのは」

 

それでも、その瞳は揺れている。

一緒に覚悟も揺れている気がする。

揺れ動く覚悟にどれだけの価値があるのか。

それとも揺れ動くことにこそ価値があるのだろうか。

 

「考えて考えて、考えたよ。この一年ずっと」

 

「そりゃあ重労働だ」

 

「べつに苦じゃなかったけどね」

 

いいからとっとと言うべきだ。

今日の夕飯はそばらしい。

あんまり遅くに帰ったら、食卓にはカップそばがドンと置いてあるだけなんて事態になりかねない。

「のびた」とゲップしながら聞かされるのは苦痛だ。

 

「……」

 

「……」

 

沈黙の間に遠くから明かりが近づいてくる。

徐々に大きくなるそれは車のヘッドライトだと気が付いた。

俺たちは道の端っこに移動する。すぐそこに水たまりがある。水がかからないように考えなければいけない。

 

車のライトを眩しそうに一瞥した和人はそれに背中を押されたのか、ついに意を決して口を開いた。

 

「好きなんだ」

 

「なにを?」

 

聞く間も車が近づいてきている。

エンジン音が大きい。大型のトラックだ。

 

「……僕は――――」

 

和人の口が動いたのと、すぐ隣を車が通り過ぎたのは同時だった。

ばしゃばしゃと水を跳ねながら、トラックは排気ガスを撒き散らして遠ざかって行った。

 

そのうしろ姿を見送って視線を戻す。

和人は唖然と目を見開いていた。それを見て俺は察した。

 

「ごめん聞こえなかった」

 

一転、苦虫を噛み潰したような表情になる。

バツが悪くなってもう一度繰り返した。

 

「ごめん」

 

「……」

 

なんかすごく重要な告白をしていたようなのだが、車の音ですべて掻き消された。

こんな時間まで働いている宅配員さんには悪いのだが、もう少し空気読んでほしかった。

ついでに言うなら和人ももう少しタイミングを計ってほしかった。

温めに温めてこれはもはやギャグの一種だ。

 

「じゃあ、あの、もう一回」

 

「……言えって?」

 

「言えないなら俺帰るけど」

 

ふっと鼻で笑われた。

馬鹿にしたわけではなく、自虐しただけだ。

こいつ自暴自棄になってないだろうか。

 

頭を抱えだした和人の前で、俺は帰っていいのか真剣に悩む。

 

「もう一回だね……。もう一回。なーに、一回も二回も関係ないさ……」

 

必死に自分に言い聞かせる和人が不憫でかわいそうなる。

ごめんね……。

 

「今度はちゃんと聞いてくれ。いいかい、僕は――――」

 

本日二度目の決意。それを遮って、聞こえる声。

 

「なにしてるの?」

 

「あ」

 

「え」

 

街灯に照らされながら、そこには霧絵が立っていた。

ショートパンツにノースリーブと言う軽装は家着そのままで出てきたらしい。

 

「なんでいんの?」

 

「遅いから迎えにきた」

 

その言い方にピンとくるものがある。

 

「そばがのびるのか」

 

「うん」

 

由々しき問題だった。

ガチでカップそば一歩手前じゃないか。

 

「和人。早く言え」

 

「え、あ……」

 

「今度はちゃんと聞く。さあ!」

 

俺の力強い声は霧絵の興味をひいたらしい。

「なになに?」と輪に加わってきた。

 

和人は俺と霧絵を何度か見比べて、羞恥心なのだろうか頬を赤く染めている。

やがて限界に達してしまったようで俯いて蚊がなくような声で言った。

 

「……ごめん。今は無理だ。また今度」

 

今度も糞もさっき見せた決意はどこへやったんだ。

もう一度言えと強いることは簡単だったが、和人の顔を見ているとそれがどれだけ酷なことなのかわかってしまった。

聞こえなかったとはいえ聞かなかった俺にも責任はある。本人が無理だと言うのなら、それはもう仕方がない。

 

「そうか。まあいつでも聞くから。それじゃあ」

 

「うん……ごめん」

 

和人は頷いて背を向けた。

フラフラと覚束ない足取りで家へ帰って行った。その背中を見ていると不安になる。

あいつは結局何が言いたかったのだろう。考えても分からない。

 

何かを告げていた時の和人の表情を思い出す。

その顔の真剣さは今まで見たことがないほどだった。

 

肝心な部分こそ聞こえなかったものの、そこに至るまでの会話を思いだして、ふと思った。

 

「世の中は別にフェアじゃないよな」

 

尋ねるにしては小さい声。

しかし霧絵には届いたようだ。

チラリと俺を見るその顔に、この先なんていうべきか少し迷って、やはり直截的に言うことにした。

 

「何言いたかったのかよくわかんないんだけど、あいつフェアでありたいって言ったんだ。人生は最初からフェアじゃないのに、なんでわざわざそんなこと言うんだろうって思った」

 

「……」

 

きちんと伝わったかどうか少し自信がない。

考えてみれば、自分で答えの出していない問いを他人に聞くのは初めての気がする。

 

俯いて考え込む霧絵。やがて前を向いて一歩だけ大股で踏み出した。

並んでいた距離がその一歩分だけ開く。

 

僅かに先を行く背中から声が聞えた。

 

「その通りでしょ」

 

何がと聞き返す。

霧絵の表情は伺えない。

 

「フェアでいたいから、言った。和人はアスカと対等で居たいんだよ。たぶん。知らないけど。どうでもいいけど」

 

それはまた疑問を呼び寄せる回答だった。

対等ね。考えようによっては、俺は格下に見られていたということか。

……あいつ喧嘩売りに来たのか?

 

和人のことも、霧絵の言葉にしても、色々思うことはあるけれど、それ以上聞くことはできなかった。どうしてだかはばかられる。

きっとこの答えは俺自身が出さなければいけないのだろう。

何も分からなかったが、ただ一つそれだけはわかった。

 

「蕎麦のびるよ」

 

先を行く霧絵はそれだけを言って早足に歩く。

俺も後をついて行く。家には5分もあれば着くだろう。

答えを求めるには短いが麺がのびるには十分な時間だ。

 

急ごう。そう思って小走りに霧絵の後を追いかける。

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