三船美優が隣にいる日常   作:グリーンやまこう

7 / 12
お出掛け

 さて、三船さんと連絡先を交換してから数日が経過した。季節もうつろい、本格的な梅雨のシーズンに突入したところだった。毎日が雨や曇りの日ばかりで洗濯物が乾かず、じめじめとした蒸し暑さも相まって嫌になる。

 

 三船さんと一緒に紫陽花を見に行こうと誘われたのも、そんな雨の降る日だった。

 

 

「紫陽花ですか」

『はい。丁度テレビで特集が組まれていて、見に行ってみたいと思ったので』

 

 

 電話越しの三船さんの声が少しだけ弾んでいるような気がする。今はちょうど三船さんが話したいことがあるとのことで、電話をかけてきたのだ。

 そして話したいことというのが、紫陽花を見に行こうというお誘い。

 三船さんの言う通り、紫陽花は梅雨のシーズンが一番の見ごろであり、最近はよくテレビなどで特集が組まれていたのだ。梅雨の時期なんか絶対に外へ出たくないと思う俺でも見に行ってみようかなと思うほど。あまり土砂降りの日に行くもんじゃないけど、小雨くらいならば問題なく楽しめるだろう。

 ちなみに連絡先を交換してからは、ちょくちょくメッセージアプリでやり取りをしていたりしていた。ただ、電話でのやり取りは今日が初めてである。

 

 どうでもいい話でもあるが、三船さんはメッセージの返信がえらく速い。流石に仕事中は帰ってこないけど、時間がある時は一分もしないうちに返信が来る。

 

 

「だけど大丈夫ですか? 結構有名な観光地みたいで、顔がバレたら大変なことになると思うんですけど」

『この先はしばらく雨予報なので問題ないと思いますよ。それに傘もさしますし、何より周りの方は紫陽花に夢中だと思いますから』

 

 

 自信満々の三船さん。彼女の考えは決して肯定できないけど、否定もできないから困る。デパートに出かけた時も思ったけど、普通にしてたら意外とバレないんだよなぁ。この前のデパートでのデート(?)でもそうだったように。

 アイドルがこんなところにいるわけないと思われるのか、はたまた男といるなんて考えられないのか。どちらにせよ、不思議なものである。

 

 

「うーん、いや、しかし……」

『いや、ですか?』

 

 

 やめてください三船さん。電話越しにそのお声は、俺の身体に大ダメージを与えます。

 顔が見えなくてもしゅんとする三船さんの様子が目に浮かんできてしまう。そうすると申し訳なさで断れなくなるのだ。ほんと、女性って怖い。

 

 

「……日時は?」

『っ! えっとですね、〇曜日の○時でいかかでしょうか?』

 

 

 でも、三船さんの嬉しそうな声が俺のちっぽけな不安をどこかへ吹き飛ばしてくれるから問題はない。

 というわけで、俺と三船さんは紫陽花を見に出かけることになった。

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

 そして当日。梅雨というだけあって生憎の雨模様だが、紫陽花を見るのならば雨の方が都合がいいといえるだろう。

 

 

「ふふ、楽しみですね笹島さん」

 

 

 さらに、隣にはノースリーブタイプのワンピースを身に纏った三船さんがいるという奇跡。ワンピースも薄紫色ということで、紫陽花じゃなくて隣を見てればいいんじゃないかという錯覚に陥ってしまう。

 それ程までに、今日の三船さんはお美しい。隣で並んで歩くのが本当に俺でいいのかと不安になるくらい。……今日の服装、どこかで見た事あると思うんだけど俺の気のせいかな?

 

 

「そ、そうですね。俺も楽しみです」

 

 

 そして、俺は柄にもなく緊張している。全く、彼女との初デート時の男子中学生じゃないんだから……。

 ちなみに現在は最寄り駅に到着し、紫陽花の名所である場所まで歩いている最中だ。途中、チラチラと視線を感じたけどアイドル三船美優に気付いているというよりも、その美しさに目が移ってしまうといった感じである。

 中には彼女がいるにもかかわらず、三船さんに目移りしていた男性もいたくらいだし……。その人は彼女の女性に耳を引っ張られてました。

 まぁ、服装的に三船さんのスタイルの良さが存分に出てしまうので仕方がない。どことは言わないけど主張が強い部分もあるしね。

 

 

「それにしても、今日は予報よりも雨が弱くてよかったですね」

「はい。予報だともっと強くなるはずだったので外れてくれて助かりましたよ」

 

 

 三船さんの言った通り、今日は雨でも土砂降りといった予報だったのだ。土砂降りで紫陽花を見てもなぁ、と思っていたので予報が外れてくれた良かったというわけである。

 

 

「土砂降りの予報だったので人も少なめで助かりました」

「確かに、あまりに人が多いと三船さんだってバレるかもしれませんから」

「バレそうになったら笹島さんが私を守って下さいね?」

「ま、任せてください!」

 

 

 ニッコリと微笑む三船さんに俺は自信がないながらも頷く。最悪、俺はどうなってもいいから脱出ルートをある程度考えておかなければ……。

 すると、そこで三船さんが服の袖を掴んでもじもじしている姿が目に入る。

 

 

「あの~、それでですね、1つ笹島さんに聞きたいことがあるんですけど」

「はい、なんでしょう?」

「……ど、どうでしょうか?」

「……何がですか?」

 

 

 思わず素でツッコミを入れると、三船さんの顔が赤く染まる。そして怒ったように少しだけ頬を膨らませた。

 可愛い……じゃなくて、俺は何かまずいことでも?

 

 

「きょ、今日の服装についてです!」

「あっ……あー、そうですよね。三船さんの服についてですよね!」

「……本当に分かってました?」

「分かってました、分かってました。あはは……」

 

 

 ジト目の三船さんに俺は頭をかきつつ、乾いた笑いを浮かべる。気付かなかったとはいえ、ラノベ主人公みたいなことを言ってしまったのは大いに反省しないと……。

 

 

「全くもう……そ、それで、改めてどうでしょうか?」

「え、えっと、そうですね……とてもよくお似合いかと」

 

 

 元がいいので何を着ても似合うと思うのだが、今日の服装は先ほども言った通り雰囲気にとてもあっている。346プロでカレンダーなんか出すときには是非とも、6月に今の三船さんを姿を抜擢してほしいものである。実際に発売されたら観賞用、保存用、布教用として購入する予定だ。

 しかし、三船さんはお似合いといっただけでは不満だったようで、

 

 

「ほ、他には何か気づきませんか?」

「他に、ですか?」

「はい、他にです! 多分、あることに気付くと思うんですけど」

 

 

 今日の三船さんはやけにグイグイ来るなぁ。おかげで距離が近くなって心臓に悪いこと悪いこと。

 しかし、これは下手に誤魔化せないだろう。どうやら三船さんは、今日の服装で似合っていること以外に何かを言ってほしいみたいだし。

 俺はもう一度、三船さんの服装に目を通し……やっとどこかで見た事あるなと思った事の理由に気付く。

 

 

「……あ、もしかして今日の服って、以前俺とショッピングモールへ行ったときに買った服ですか?」

「当たりです! もう、忘れているのかと思って少しだけショックでしたよ?」

「す、すいません。既視感には気付いていたんですけど、あまりに今日の服と雰囲気がぴったりだったので、すっかり忘れていました」

 

 

 人ってテンパると最近の事でも思い出せなくなるんだな。自分の意見で買ってもらったのに、最初見た時に気付けなくて申し訳なくなる。

 

 

「雰囲気とピッタリ……ふふっ♪」

「三船さん?」

「何でもないですよ。それじゃあ改めて行きましょうか!」

 

 

 上機嫌になった三船さんが歩き出し、慌ててその後を追う俺だった。

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

 目的の場所はやはり、前日の天気予報の影響か思ったよりも人は少なかった。しかし、人がいないわけではないので油断はできない。

 ただ、あまり気にし過ぎてもしょうがないのでほどほどにして俺も楽しむことにしよう。せっかく、三船さんと二人きりなわけだし。

 

 

「わぁ! 初めてきましたけど、落ち着いていてすごくいいところですね」

 

 

 本人も目を輝かせて楽しそうだしね。しかし、目を輝かせるのも分かる気がする。紫陽花の名所とはいってもそんなに咲いてないんじゃないかと思ったら、予想以上に咲き乱れていて驚いた。

 これは確かに、遠出をしてまでも来てみたいところだな。雨が降っていると余計に紫陽花が美しく感じるし。

 

 

「雨の雫が紫陽花に触れてとても美しいですね」

 

 

 三船さんが咲いている紫陽花の前に屈み、感嘆の声をもらす。思わず美しいのはあなたの方ですと、とても臭いセリフを言いそうになってしまった。

 いや、何度でもいうけど本当に周りの雰囲気と今日の三船さん、ぴったりすぎるんだよ……。

 

 

「笹島さんも見てみませんか?」

「そうですね」

 

 

 三船さんばかり見ていも仕方がないので、俺は改めて彼女の隣に屈み咲いている紫陽花に視線を移す。今まで紫陽花をじっくり見る機会なんてなかったので、なかなか面白い。

 

 

「確かに、とても綺麗ですね」

「水色と紫色のグラデーションがとても素敵です」

 

 

 そう言って三船さんが頬笑みをもらす。気付くと俺と三船さんの距離は大分縮まっていたらしい。割と近い距離の所に三船さんの整った顔がある。

 先ほど、三船さんばかり見ていてもといったばかりだが、それでもやっぱり見惚れてしまう。大ファンである以前に、ドンピシャのタイプなのだ。彼女が隣にいるなんて本当に夢のような光景で……。

 

 

「あ、あの……そんなにじっと見られると、恥ずかしいのですが……」

 

 

 恥ずかし気に頬を赤らめる三船さんに、俺は現実世界へ引き戻される。やばい、あまりに綺麗だからつい見惚れてしまった。

 

 

「す、すいません。人の顔をじろじろと見てしまって」

「ほ、ほんとですよ! 見るなら私の顔じゃなくて紫陽花にしてください」

「そうですよね。せっかく紫陽花の名所に来たんだから紫陽花を見ないと」

「……それに私の顔は何時でも見せてあげられますし」

「えっ? なんて言ったんですか?」

「何でもありませんよ。それじゃあ散策を再開しましょうか。奥の方がこの辺りよりももっと咲いているみたいですから」

 

 

 入り口付近だけでも十分に満足できるほどなのだが、奥の方がさらにすごいらしい。順路に沿って歩いていくと、道の周囲には入り口付近より多くの紫陽花が咲き乱れていた。

 

 

「いやー、これは壮観ですね」

「はい、写真で見るより何倍もすごいです!」

 

 

 いうなれば紫陽花の道とでもいうべきだろう。そのまんまな言い方だけど、それ以外に良い言い方も思いつかないので許してください。

 そんな紫陽花の道を二人で会話をしつつ、のんびりと歩いていく。

 

 

「私、雨の音が好きなんです。落ち着きます……あまり強く降られても困りますけど」

「何となく分かりますね。家の中から聞こえる雨の音とか、傘にあたる雨の音とか」

「ふふっ、分かってもらえて嬉しいです。静かで、すごくリラックスできるんですよね」

「雨の音を紫陽花に囲まれながら聞くっていうのも、なかなかない経験ですから」

「そう言ってもらえると、誘ったかいがあって嬉しいです♪」

 

 

 微笑み三船さんにつられて俺も笑顔を浮かべる。むしろ俺の方がありがたいと思っているのは内緒だ。

 

 

「ところで笹島さんの出身は東京ですか?」

「はい、そうですよ。大学までは実家に住んでたんですけど、就職を機に一人暮らしを始めたんです。いつまでも親に甘えているわけにはいかないですから」

 

 

 加えて、実家から今の職場が微妙に離れていたことも理由の一つである。毎日毎日、満員電車に揺られながら通勤するのが嫌だったからな。あれに巻き込まれるくらいなら多少、値は張っても近くに住みたいと思う。

 

 

「三船さんは確か東京の出身じゃないですよね?」

「はい。私は岩手県の出身で、以前勤めていた会社の関係で今のマンションに住み始めたんです。もしかすると私たちは随分前に出会っていたのかもしれせんね」

 

 

 こんなに綺麗な人、一目見たら絶対に忘れないと思うんだけどな。ただ、俺も入社したての頃はそんな余裕はなかったので見逃していたのかも。三船さんは人付き合いが苦手だったと言ってたから、雰囲気も今とは全然違っているだろうし。

 普段はしない世間話に花を咲かせながら、時間をかけて紫陽花を見て回ったところで三船さんが口を開く。

 

 

「笹島さんがよろしければ、このあたりのお土産屋さんを回りませんか? 事務所のみんなへのお土産も買っていってあげたいなと思っていて」

「はい、もちろん構いませんよ。俺も少しお土産屋を覗いてみたいと思っていたので」

 

 

 最終的に買わなくても、お土産屋を覗いて色々物色するのは楽しいものだ。その土地ならではのお土産もあったりして、あっという間に時間が経ってしまう時もしばしば。

 紫陽花の名所を後にし、俺たちは近くにお土産屋がないかとうろつく。

 

 

「あっ、笹島さん。あそこのお店なんていいんじゃないですか?」

「そうですね。じゃあ入ってみましょうか」

 

 

 立ち寄ったお土産屋はあまり大きなお店ではないが、内装も外装もよいお店だった。二人でお土産を見ながら店内を歩く。

 

 

「事務所へのお土産はどうするんですか?」

「やっぱりお菓子が無難なところですかね。あまり高いものを買っていってもしょうがないですから。まぁ、お菓子を買っていっても人数の関係ですぐになくなってしまうのですけど」

「346プロのアイドル部門は人数が多いですからね。あっ、これなんかいいんじゃないですか?」

「どれですか?」

 

 

 こうして並んでお土産を選んでいると、デート感が増して少しだけこそばゆい。もちろん、三船さんにそんな気がないのは分かってるけど、やっぱり意識しちゃうよな……。彼女がアイドルでなければフラれる覚悟で、告白の一つでもしていたかもしれない。

 事務所へのお土産も無事に決まったところで三船さんが何かを見つめていることに気付く。えっと、あれはお守りかな?

 

 

「三船さん、お守りを買うんですか?」

「はい。ちょっと迷っていて……あっ、これなんて柄が可愛いですよね」

 

 

 そういって三船さんが手にしたのは安産祈願のお守り。なんというか……うん。反応に困る。

 俺が微妙な表情を浮かべていることに気付いたのか、三船さんは手にしていたお守りを確認して、

 

 

「あ、ち、違うんです! これはただ柄が可愛かっただけで!」

 

 

 この人、どうしてこんなに可愛いんだろう? 慌てふためく三船さんに俺は気にしてませんからと首を振る。

 ちなみにお守りは欲しかったみたいで彼女は迷った末、縁結びのお守りを買っていました。やっぱり可愛い。

 

 

 お土産屋から出ると既に雨は上がっており、綺麗な夕日が辺りを照らしていた。お店の近くにも紫陽花は咲いており、雨上がりということもあって花びらについた水滴が宝石のように煌めいている。

 

 

「こうしてみる紫陽花もいいもんですね」

 

 

 俺がスマホを取り出して写真を撮っていると、三船さんが「そういえば……」と呟く。

 

 

「笹島さん、写真を撮りませんか?」

「分かりました。それじゃあこっちに来てもらって」

「何をしてるんです? 一緒にですよ?」

「えっ、一緒にですか? てっきり三船さんだけで撮るのかと思ったんですけど」

「一緒に来ているのに一人で写ってどうするんですか? ほら、この辺りなんかすごくよさそうですよ!」

 

 

 動揺する俺をグイグイと引っ張る三船さん。この細い腕のどこにこんな力があるんだろう?

 なんてことを考えているうちに、三船さんはスマホを取り出して準備万端といった様子だ。こうなったらもうやけである。

 それに、写真を撮るくらいなら多分大丈夫だ。三船さんなら安易にSNSなんかにもあげないだろうし。というか、あげられたら俺が社会的に死ぬ。

 

 

「じゃあ誰かに頼みましょうか……って、周りに誰もいませんね」

「周りに誰もいなくても大丈夫ですよ! この前、自撮りの仕方を美嘉ちゃんに教わったんです!」

 

 

 まさかの自撮りだった。驚く俺に三船さんは得意げに胸を張る。

 美嘉ちゃんは流石に俺でもわかる。カリスマ女子高生アイドルであり、雑誌かなんかで恋愛相談なんかもやっていたはずだ。そんな彼女に自撮りを教わる三船さん……滅茶苦茶可愛いな畜生。その様子があれば是非、DVD化してほしい。

 

 

「それじゃあ早速撮りましょうか。笹島さん、私の傍に」

「は、はいっ」

 

 

 しかし俺はすぐに自撮りを認めてしまったことを後悔した。

 

 

「もっとくっ付いてください。画面に入ってないですよ?」

「い、いや、これ以上くっ付くのは……」

 

 

 少し考えれば分かったことだが、距離がとんでもなく近いのである。誰かに取ってもらえればこんなに近づく必要はなかったのだが、自撮りだとどうしても距離を近づけなくてはならない。それが俺の心臓に多大なダメージを与えていた。

 

 

「もうっ! 笹島さんが近づかないなら私の方から近づきますからね?」

「えっ、ちょっとま――」

 

 

 逡巡している暇はなかったらしい。三船さんの方から俺との距離を詰める。肩が触れ合い、顔も頬がくっつきそうなほど。しかも腕まで組まれた。

 やめてくださいただでさえファンなのにこんなことをされたら勘違いして死んでしまいます。

 

 

「じゃあ撮りますよ。笹島さん、笑って下さい」

「は、はいっ!」

 

 

 緊張する俺なんてお構いなしの三船さんは、スマホを俺たちに向けて掲げた。スマホの画面には頬笑みを浮かべる三船さんと、ぎこちない表情を浮かべる俺が映っている。

 笑おうとは思っているのだが、距離が近すぎるせいか緊張しすぎて全く笑えない。それでも何とか笑みを浮かべたところでシャッターが切られる。

 

 

「はい、ちーず」パシャパシャパシャパシャ

 

 

 まさかの連写だった。突然のことに俺は我慢できずに噴き出してしまう。

 

 

「ふふっ! な、なんで連写なんですか?」

「あ、あれっ? この前練習したときには普通だったんですけど……」

 

 

 困ったように眉根をよせる三船さん。首を傾げながらスマホを操作する姿に再び笑いが込み上げてくる。

 

 

「も、もうっ! そんなに笑わないで下さい!」

「す、すいません。なんだかおかしくて……」

 

 

 その後は笑いすぎて三船さんが拗ねてしまったけど、何とか宥めて俺たちは帰路についたのだった。言わなくても伝わると思うけど、三船さんとのお出かけは楽しかったです。

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

「わ、私ってば少しだけ強引に行き過ぎたかしら……」

 

 

 その夜。自撮りの写真を見ながら一人、顔を真っ赤にして悶える美優の姿があったとかなかったとか。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。