今作が初投稿の為、至らない点が多々あるかと思いますが、
宜しくお願いします。
振り分け試験
ここ『文月学園』は、世界初の『試験召喚システム』を導入したことで注目されている進学校である。
この学園は、1年の終わりに実施する振り分け試験の結果に応じて、最高ランクのAから最低ランクのF迄のいずれかにクラス分けされる。
結果如何によっては今後の学園生活をも左右する為、当然ながら生徒たちはひとつでも上のクラスを目指す。ある者は絶対の自信を持ちながら、またある者は下位クラスに行きたくないと願いながら。それぞれの想いを胸に試験に臨むのである。
そして迎えた振り分け試験当日。試験を受ける生徒たちの中に彼、『吉井明久』もそこにいた。
明久side
「これが振り分け試験か……。難しいって聞いたけど、これくらいなら問題ないかな」
僕の名は吉井明久。文月学園の次期2年生だ。
今は2年次のクラス分けの為に、振り分け試験を受けているところだ。
1年のときはバカやってたけど、今回は違う。実際試験問題も順調に解いているし、こう言っては何だがかなり自信がある。友達と一緒にAクラスに行くって約束したしね。
左隣の席は姫路瑞希さん、右隣の席では僕の親友……反田省太。省太の隣の席は池端早代ちゃんが試験を受けているのだけど……、姫路さんとサヨちゃんの様子がおかしい。
「「はぁ……、はぁ……」」
2人共明らかに苦しそうで、今にも倒れてしまいそうな勢いだ。
そして本当に倒れてしまう正にそのときであった。
「「姫路さん(サヨ)ッ!!」」
それは多分同時だったと思う。
僕と省太は、2人が床に崩れ落ちる前に受け止めた。
「大丈夫!? 姫路さん!!」
「サヨッ! しっかりしろ!!」
「よし……い……くん……」
「しょ……うた……くん……。サヨたちは大丈夫……だから……、席に戻って……」
「少し安静にするんだ。今から保健室連れて行くぞ。明久、お前は姫路さんを連れて行くんだよな? 一緒に行こうぜ!」
「うん、わかった!」
そうして僕たちが退出しようとしたとき、この試験の担当教師に呼び止められた。
「吉井、反田! 早く席に戻れ! 姫路、池端、体調が悪いなら保健室に行っていいぞ。だが、試験途中での退出は無得点扱いになるがよいかね?」
この発言に対して耳を疑った。なぜそのようなことが言えるのかと。僕が口を開こうとしたとき、
「ちょっと待ってくれ先生!! 体調を崩して退出したら、無得点ってそれはないんじゃないか?!」
省太が真っ先に反論する。
「何を言ってるんだ、反田? これがこの学園のルールだ。体調管理も試験勉強のうち。それを怠ったのは自己責任だ、そうだろう?」
「だとしても、言い方ってもんがあるだろ!!」
教師「口答えをするな、反田! それ以上私に逆らうと、お前も吉井も無得点にするぞ! 嫌ならさっさと席につけ!!」
この発言を聞いたとき、最初のときよりも頭にきた。
「省太!! もう何を言っても無駄だよ。それよりも早く、姫路さんとサヨちゃんを保健室に連れて行かなきゃ!」
「お、お前ら……。本当に無得点にしてやるぞ!! いいのか!?」
「無得点にしたいのなら、ご自由にどうぞ。僕たちは目の前の友達を見捨ててまで試験を受けるつもりはありません、失礼いたします。省太、行こう」
「ああ、そうだな」
そのように言って退出した。僕は姫路さんを、省太はサヨちゃんを背負いながら。
後ろで教師が何か言ってた気がするが、そんなの知ったことじゃない。何とでも言えばいいだろう。
そう考えながら、僕たちは保健室に向かった。
明久side out
渚side
ぼくの名は上運天渚。文月学園の次期2年生だ。今振り分け試験を受けている最中なんだけど、何やら教師と男子生徒2人が言い争っているみたい。よく見てみると、男子生徒の腕の中に女子生徒もいる。
「ちょっと待ってくれ先生!! 体調を崩して退出したら、無得点ってそれはないんじゃないか?!」
発言した男子生徒は反田省太。ぼくの親友の1人だ。もう1人の男子生徒は吉井明久。彼もぼくの親友である。女子生徒は明久の腕の中にいるのが姫路瑞希さん。省太のは池端早代ちゃんか……。
省太の発言についてだが、ぼくだって実際そう思ってる。無得点になるのはルールだとしても、付き添いすら付けないのは……。
生徒に対する配慮がなさすぎる。
それでも傲慢な物言いをするその教師に対して、
「無得点にしたいのなら、ご自由にどうぞ。僕たちは目の前の友達を見捨ててまで試験を受けるつもりはありません、失礼いたします。省太、行こう」
「ああ、そうだな」
そう言って明久たちは退出して行った。正直、明久には感謝してる。あの言葉が無かったら、きっと殴っていたと思うから。
明久たちの姿が見えなくなった後、
「私のクラスから4人も無得点者が……。吉井明久、反田省太……。学園の面汚しめ……!!」
ん? あの教師、今何て言った? ぼくの聞き間違いじゃなければ、2人のこと面汚しって言ったよね? 聞こえないように言ったんだろうけど、ちゃんと聞こえてますよ?
これまでのやり取りの時点で、試験を受ける気力が失せていたので席を立った。
「おい上運天! 何をしている、席につけ! お前も無得点になりたいのか!!」
「え、別にいいですよ。もうこの試験、受ける意味がないと思ったので」
さらに続ける。
「それにアナタ、明久たちのこと貶しましたよね? 本人たちがいないときに。ぼく聞こえましたから。面と向かって物事言えない大人は最低ですよ。アンタそれでも教師ですか?? 人に物教える前に、自分が教育やり直した方がいいといい思いますよ。まぁ、もし改善されたとしてもアンタは願い下げだけどな!!」
そう言い残して、ぼくも退出した。後に引けなくなったがまぁいい。とりあえず、保健室に寄って行くか。
渚side out
省太side
俺は反田省太。文月学園の次期2年生だ。振り分け試験中に途中退出した後、俺の親友……吉井明久と一緒に姫路瑞希さんと池端早代を、保健室に連れて行った。
保健室で休ませている最中、自分たちの為に俺たちまで無得点になったことに責任を感じているのか、2人共「ごめんなさい」と謝り続けていた。
明久がどう慰めていたのかはわからないが、
「気にしなくていいぞ。サヨが困っているとき、助けるのは俺の役目だ。そう……、君が大切だからな……」
そう言って頭を撫でていたりしているうちに安心したのか、サヨは眠っていた。
「省太、サヨちゃんはどう?」
「今眠ったところかな。姫路さんはどうなんだ? 」
「同じ」
「そっか」
「じゃあ先生、しばらくの間お願いします」
「わかったわ」
廊下に出た後、沈黙が続いた。
「……ねぇ、省太」
「ん? どうした、明久?」
明久が口を開く。
「僕、これで良かったんだよね? 間違ったことしてないよね?」
「何を言うかと思ったら……。あの状況でお前を非難する奴は、あの教師以外いねぇよ。それに、放って置けないって思ったから助けたんだろ? それで良いじゃんか。仮に明久がやらなくても、俺がやってたしな♪」
「ありがとう」
本当に明久は優しいな。彼が親友であることを誇りに思うよ。
「でも、これでFクラスになるのは決定的だよね……」
「まぁ、あんな行動を取った訳だしな……」
「本当にそうだよねー☆」
「「えッ!?」」
いきなりの呼びかけに俺たちは驚いた。なぜなら……。
「やぁ明久、省太♪」
俺や明久と比べて小柄な少年が、気付かぬうちに現れたからである。
「渚……?」
「お前いつからそこに……。ってか、振り分け試験はどうしたんだよ?」
「今通りかかったとこだよ。試験は受ける意味がなくなったからパスした」
とても明るい雰囲気でそう言ってくるこの少年の名前は、上運天渚。明久と同じくらいに親友だ。
「そうなんだ。でも良かったの? Aクラスに行ける可能性もあったのに……」
「何言ってんのさ。明久と省太を差し置いて、ぼくだけAクラスに行けないよ。仮に行ったとしても楽しさ半減だからさッ☆」
「ふっ、それもそうかもな」
「何はともあれ、2年生も一緒だね。今後もよろしく♪」
「おう、よろしく頼むな♪」
「ぼくの方こそ、よろしくねー☆」
「これからのことは新学期になってから考えようか」
「「りょーかいッ☆」」
それから俺たちは、休んで回復した姫路さんとサヨとの5人でお喋りした後、それぞれ帰宅していった。
今、俺はサヨと2人きりだ。
「ねぇ、省太くん。サヨね、途中退出で無得点になるって聞いたとき、とてもショックだったよ……」
「ああ……」
「でも省太くんがサヨと瑞希ちゃんの為に怒ってくれたとき、とても嬉しかった。サヨ、省太くんを好きでいて間違ってなかったって、心からそう思えるの」
「サヨ……」
「だから省太くん! 希望してたクラスじゃなかったけど、今年もよろしくね!!」
「ああ! よろしくな☆」
その後サヨを送った後、帰りながら考えた。
この先どんな学園生活が待っているのか……。まぁ、色々あるけど楽しい学園生活にしていこう……。
そう思った俺は、家へと歩いて帰って行った。
省太side out
???side
「へぇ、あの3人がFクラスか。面白い。これは新学期が楽しみだな、はっはっはっ……」
やりたいことがあったから点数調整したが、これは嬉しい誤算だ。正直ちょっと厳しいって思ってたからな……。新学期に会えるのを楽しみにしているぜ、反田省太、上運天渚。そして……、吉井明久。
???side out
to be continued……
プロローグですが、どうでしたか?
こんな駄文でも気に入って頂ければ幸いです。
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