そそそそ様、鹿乃祐樹様、お気に入り登録ありがとうございます!
一騎討ちも終盤になりました。
今回は省太とリオの回となります。
是非見てください。
第9話です、どうぞ!
明久side
リオ『省太! アンタの相手は私よ、出て来なさい!!』
第7戦は僕か省太のどっちが出るか考えていた矢先、既にフィールドに立っている金子さんが省太を指名して来た。しかも、どこか怒りが混じっているかの様に呼んでいる。
明久「……省太。金子さんと何かあったの?」
省太「リオとは何故か相性が悪くてな。小学生の頃からずっとあんな感じなんだ。一応俺に非があることはわかってるけど……、思い当たることが多すぎて……よ」
明久「そ、そうなんだ……」
省太「それに宣戦布告のときも、このみちゃんたちと違って反応がおかしかったからさ……。それを確かめる為にも、俺が行かなきゃいけないだろうな」
金子さんと過去にあったことは知らないけど、ここは省太に任せた方がいいだろう。
明久「……省太、行っておいで。金子さんが態々指名してくるということは、省太が行かなきゃ解決できないことなんだと思う」
省太「明久……」
明久「いいよね、雄二!」
雄二「……わかった、このことは省太に任せよう。互いに想いをぶつけ合って来い。……その上で勝て。いいな?」
省太「ありがとよ明久、雄二。俺、行ってくる……!!」
明・雄「「ご武運を」」
省太「(グッ)」
サムズアップをしてフィールドへ向かう省太を、僕たちは見送った。
高橋「これより第7戦を行います。科目は何にしますか?」
省太「情報でお願いします」
高橋「金子さんもよろしいですね?」
リオ「……大丈夫です」
高橋「第7戦は情報です。用意……、始めッ!!」
省・リ『『
情報
Fクラス
反田 省太:614点
Aクラス
金子 理央:579点
絶対に負けられない一戦が今、始まる。
明久side out
省太side
最高点には及ばないけど、これでも充分戦えるな。リオも550点を超えている……。得意科目じゃないのに、ここまで点数を伸ばしたのは流石だと思う。
省太「すげぇよ、リオは。俺と戦う為に情報を勉強していたんだな?」
リオ「……だったら何? そう余裕でいられるのも今のうちよ……!」
省太「相変わらず厳しいぜ、リオ。けど、その方がお前らしいよ」
リオ「アンタもそういうところ、変わらないわね」
リオの召喚獣は黒を基調に、桃色のラインが入ったアーマーを全身に纏って十字戟を装備した、Aクラスに相応しい出で立ちだ。俺の召喚獣も大剣を携える。
リオ「省太。アンタには絶対に……、負けないから!!」
省太「それは俺も同じだ。勝って明久に繋げる……!!」
両者動かず、睨み合う。
省太「行くぜ、リオッ!!」
リオ「来なさい、省太ッ!!」
“バッ!!”
“キインッ! キインッ!”
“ガギィッ!!”
“ジリジリ……!!”
互いの武器がぶつかる。鍔迫り合いはこれまでの戦いよりも長く続いた。
省太「このままじゃダメか……」
“キインッ!!”
“バッ!!”
リオ「……ねぇ、省太」
省太「なんだよ、リオ?」
リオ「なんで私がアンタに怒っているか、わかる?」
省太「そ、そりゃ確かにガキの頃は怒られても仕方ないことして来たけど、今は理由が見当つかないんだよ」
まぁ、小学生時代のことは言い逃れできないが、文月学園に入学してから、リオに何かやったのか俺?
リオ「そう……、わからないのね。ずっと近くにいるのに……。違うわね、近くにいるから気付いていないのかしら……」
省太「近くに……? 何のことだ?」
リオ「わからないのなら、教えてあげる……!!」
直後にリオの腕輪が光る。同時に、
“ガシュッ、ガシュッ、ガシュッ……”
召喚獣のアーマーが分離し始めた。
リオ「“キャスト・オフ”!!」
“Cast Off”
電子音が流れてアーマーがパージされ、飛んで来たパーツを全て弾き落とすとさっきまでとは違い、召喚獣が軽装になった姿を見せる。
“Change Assault”
省太「それがリオの腕輪の力か」
リオ「半分正解で、半分間違いね。アーマーパージはついでであって、この状態からが本番よ」
省太「ってことはつまり……」
リオ「省太の考えてることはわかるわ。行くわよ!!」
“シュッ!!”
“キン、キン、キン!!”
“キン、キン、キン!!”
省太「は、速い……ッ!」
リオ「どうしたの、省太! 防ぐだけで精一杯!?」
省太「アーマーを外したことでスピードが上がっているのか……!」
リオ「上がったのはスピードだけじゃないわ!」
省太「何ッ!?」
リオ「そこッ!!」
“ズバァッ!!”
省太「くッ……!」
Fクラス
反田 省太:298点
Aクラス
金子 理央:486点
高得点に加えて、キャスト・オフで強化された重い一撃を喰らい、300点以下にまで減らされた。しかもフィードバック付きなので、俺にも3割のダメージが入る。
省太「やるな、リオ……。容赦ないな……」
リオ「省太……!」
省太「心配する必要はないぜ。これは戦争だし、この痛みは俺が望んだことだからな……」
リオ「……そうよね、それくらいは当然よね。サヨに比べたら、アンタの痛みなんて軽いモノなんだから……!」
省太「ふっ、厳しいぜ……。……ちょっと待て、なんでサヨが出てくる!?」
リオ「私が知らないとでも思ったの? サヨからは相談されてて、知ってるんだからね!」
省太「そ、そうだったのか……」
俺はサヨに直接想いを伝えてない。だからリオはこんなに……。
リオ「アンタって、小学生の頃からそうよね。その気がないクセに、女の子に思わせぶりな態度取って勘違いさせる……。あの日から何も変わってない……」
省太「………」
リオ「そうやって誰にでも気に入られたいの!? 気持ちを弄んで楽しいの!?」
省太「リオ……」
リオ「待たされるサヨの気持ちを考えたことあるわけ!? ほんっと最低よ、アンタ……!!」
省太「それは違う……!」
リオ「だったら、サヨに気持ち伝えてハッキリさせなさいよ! そんな曖昧な態度だから……、私だって安心できないじゃない……!」
そう言うリオの目からは、涙が流れていた。俺は思い出す。小学生の頃、リオからの告白を断った日のことを。
〜回想〜
省太「ゴメン……、リオのことは好きだ。けど、恋人としてお前を見ることはできない……」
リオ「………」
省太「サヨが俺の一番になりたいって、言ったことは知ってるよな? その気持ちに応えたいんだ……」
リオ「……そう」
省太「で、でもこれでも嬉しいんだぜ? リオが俺のこと好きだって言ってくれたことが……さ」
リオ「……いいわ、アンタの意志が固いことはわかった。私はちゃんと気持ちを伝えたから、後悔はしてないわよ」
省太「リオ……」
リオ「ただし、もしもサヨを泣かせたりしたら……、私が許さないんだから!」
省太「ああ、そん時ゃ本気のグーパンチで頼む」
リオ「ええ……」
〜回想終了〜
そうだった。リオとそう言う約束してたんだったな、俺。散々今日まで待たせてたんだ、殴られても文句は言えないな……。
省太「……リオ」
リオ「……何よ」
省太「この戦争終わらせたら、サヨにちゃんと想いを伝える。もちろん、リオも含めてみんなの前で」
リオ「省太……」
省太「大丈夫だ、男に二言はねぇ」
もうとっくに答えは出てるんだ。隠す必要なんてない。
リオ「わかったわ省太。アンタのその言葉……、信じるから」
省太「でもこの勝負は別だ。俺は負ける訳にはいかない」
リオ「私だって、勝つつもりで行くわ!」
俺たちは再び武器を構える。
“バッ!!”
“キン、キン、キンッ!!”
省太「はあッ!!」
“ズバァッ!!”
リオ「きゃっ!」
Fクラス
反田 省太:298点
Aクラス
金子 理央:326点
俺が大剣を振るって、リオの召喚獣にダメージを与える。直撃は避けたようだが、点数は330点以下まで削れた。
省太「リオの“キャスト・オフ”って防御力が落ちるんだな」
リオ「アンタに腕輪使われる前に決めようと思ってたからね」
省太「お互い次の一撃で終わるか……」
リオ「そうね、決めましょう……」
リオが十字戟にエネルギーを込める。俺は大剣をランチャーモードに変形させて構えた。
リオ「知ってるわ省太、アンタの腕輪の能力は。撃たれる前に落とすわよ……!」
省太「……」
リオ「これで終わりよ!!」
“シュバッ!!”
そうして特攻を仕掛ける。
省太「……リオ、お前は勘違いをしているぞ」
リオ「え……ッ?!」
省太「俺の腕輪の能力はリオの予想通りだ。……けど、俺は射撃しかできないなんて、一言も言ってないぜ?」
リオ「ま、まさか……!」
巨大なビーム刃を形成し、再びソードモードに切り替える。
省太「来い、リオ! 一振りで決着をつけよう!!」
リオ「ええ! 私が勝つ!!」
“ズバァッ!!”
互いに斬り合って、交差する。最後に立っていたのは……。
Fクラス
反田 省太:3点
Aクラス
金子 理央:0点
高橋「それまで! 勝者、Fクラス・反田省太!!」
俺だった。高橋先生が勝者宣言を告げ、勝ったことを実感する。
省太「あー、やっぱフィードバックはキツイわー……」
もちろん、リオの強烈な一撃をもらったので、痛みと引き換えだ。
リオ「省太……、大丈夫?」
省太「心配するな。大丈夫だ」
リオ「一騎討ちの最中、私、つい熱くなっちゃって……。散々言ってゴメンね……」
省太「気にすんなって。寧ろ俺が忘れていたことを気付かせてくれてたんだ、感謝してるぜ」
リオ「さっきのことだけど……。しっかりやりなさいよ」
省太「ああ。わかってるさ、リオ」
互いに言葉を交わし合うと、歓声が鳴り響く。サヨに自分の想いを届けて安心させないとな……そう思った。
省太side out
明久side
明久「おかえり、省太。金子さんとはちゃんと話し合えた?」
省太「おかげさまでな。俺の私情に付き合わせてしまってすまなかった……。けど、もう大丈夫だ」
雄二「危なげだったが、何とか勝つことができた。上出来だったぜ、省太」
省太「サンキュ、雄二」
高橋「続きまして、第8戦を開始します。出場者は前へ!」
高橋先生がそう告げると共に、神谷さんがフィールドへ入って行く。
省太「やっぱり真夏が相手になるのか……。真夏は遥祐と並んで、霧島さんと首席の座を争った猛者だ。気を付けろよ、明久」
明久「わかってるよ、省太」
省太「じゃあ、明久……」
“コンッ”
明・省「「ご武運を」」
グータッチを交わして、フィールドへ向かった。
明久「やあ神谷さん、君が僕の相手なんだね? よろしく」
真夏「ウチも君と戦えるなんて、光栄や。よろしゅうな♪」
高橋「科目は何にしますか?」
真夏「総合科目でお願いします!」
高橋「吉井くんも、それでよろしいですね?」
明久「はい、問題ありません」
高橋「第8戦は総合科目です。用意……、始めッ!!」
明・真『『
総合科目
Fクラス
吉井 明久:6857点
Aクラス
神谷 真夏:6398点
真夏「代表並みの点数……。ウチよりも点数が高いのは、男子じゃ君が2人目や」
明久「褒めてくれてありがとう。省太から聞かされていたけど、君も相当すごいじゃない?」
真夏「いや、この程度では満足せぇへん。ウチが目指すんは、常にてっぺんや!!」
明久「い、意識が高いね……」
真夏「せやからまず最初に君を倒すで、吉井くん!!」
明久「僕もみんなの期待を背負ってるんだ。負ける訳にはいかないよ!!」
最終戦に繋がるかもしれない一戦。必ず勝ってみせる!!
to be continued……
本当は第8戦まで書く予定でしたが、色々考えた結果、第7戦に丸々使うことに決めて書きました。
いかがだったでしょうか?
次で一騎討ちが完結する予定です。
では、また次回にお会いしましょう!