バカとテストと僕たちの楽園   作:ウォーズ -IKUSA-

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こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

ニワカ様、Hiro0814様、お気に入り登録ありがとうございます!
UAも2000を超えました。本当に嬉しい限りです。これからも頑張りますので、お付き合いくださいませ。

今回は戦後対談の話となります。

第11話です、どうぞ!


第11話 戦後対談と漢の告白

雄二side

 

 

高橋「それまで! 勝者、Fクラス・坂本雄二!! 只今の勝負を持ちまして、Aクラス対Fクラスの一騎討ちは、Fクラスの勝利です!」

 

『『『『おおおおおおおおおッ!!!!』』』』

 

高橋先生がFクラスの勝利宣言をすると、生徒たちの歓声が上がる。

 

雄二「よし、何とか勝てたぜ」

 

翔子「……分身に惑わされず、確実に本体を攻撃できた。流石ね、雄二」

 

雄二「まぁ、ほとんどは勘だ。失敗したら負けていたからな……。今回はたまたまさ」

 

翔子「……それでも、久しぶりに本気の雄二を見れた。嬉しい」

 

雄二「礼には及ばねぇよ、翔子……」

 

こんな風に翔子と話せたのも、しばらくぶりだ。鳴り止まない拍手と歓声の中、今だけは時間が止まってほしい。俺はそんな風に考えていた。

 

 

雄二side out

 

 

 

 

 

 

明久side

 

 

小休憩を挟んで、戦後対談の時間になった。この場にいるのは、AクラスとFクラスの生徒全員と高橋先生、西村先生、そして学園長だ。

 

雄二「さて。まずは負けた方が勝った方の言うことを聞く、っていうものを決めていくか」

 

優子「そうね……。秀吉、演劇を続けるなら勉強も両立させなさい。これがアタシのお願いよ」

 

秀吉「あ、姉上。それは……」

 

優子「不安なら、明久くんに勉強を教えてもらいなさい。アンタはアタシの弟だもの、きっとできるわよ」

 

秀吉「う、うむ。心得たのじゃ」

 

秀吉がそう答えると、優子さんは嬉しそうな顔をした。厳しく見えるけど、やっぱり秀吉のことが大事なのだと伝わってくる。

 

康太「……愛子、俺に勉強を教えてくれ。明久たちに少しでも追いつきたい」

 

愛子「もちろんだよ、康太くん。その代わり、ボクに保健体育教えてね♪」

 

康太「……いいだろう」

 

康太は工藤さんといい感じになってる。これをきっかけに成長できるだろう。

姫路さんと佐藤さんは、特に願いはないみたいだ。

 

このみ「次は私ね。サヨちゃん、省太くんのことお願いね?」

 

サヨ「このみちゃん……」

 

このみ「(頑張ってね♪)」

 

サヨ「(うんッ!) (コクッ)」

 

よくわからないけど……、春風さんとサヨちゃんは、省太のことかな?

 

奈子「うーん。今度私と付き合ってほしいな、渚くん」

 

渚「ぼくでいいならお安い御用だよ、奈子ちゃん☆」

 

奈子「ありがとう(ニコッ)」

 

省太「……リオ。さっき言ったことだけど、しっかり見ててくれ」

 

リオ「頑張んなさいよ……!」

 

省太と渚もそれぞれのお願いが決まったみたいだ。省太のが少し気になるけど、勘潜り過ぎないようにしよう。

 

明久「僕か……。真夏ちゃん、今度また再戦しよう! 次はちゃんとした戦争で!」

 

真夏「OKや! 次はウチが勝つでー!(ニッ)」

 

僕は真夏ちゃんと再戦を誓った。真夏ちゃんが言うように良き友で、良きライバルになれると思う。

 

雄二「俺のお願いの前に、Fクラスの要望から言うぜ。Fクラスの要望は……(チラッ)」

 

明・省・渚・秀・康「「「「「(コクッ)」」」」」

 

雄二が霧島さんにお願いを言う前に、Fクラスの要望を伝えることにした。アイコンタクトを送って僕たちもそれに答える。両クラスの生徒が雄二に注目していた。

 

雄二「一つ目は、Fクラス設備の全面改修だ。……いいよな、学園長?」

 

学園長「そうさねぇ。調査も終了したことだし、約束通り設備を全面改修してやるよ」

 

明・省・渚「「「ありがとうございます、学園長」」」

 

須川「ちょっと待て、全面改修ってどういうことだよ! Aクラスと設備交換するんじゃなかったのか?!」

 

雄二「何を言ってるんだ、須川。俺は設備交換するなんて一言も言ってないぜ?」

 

FクラスJ「話が違う、こんなの認めないぞ!!」

 

FクラスB「そうだそうだ! 意地でも交換を希望する!!」

 

そうして(一部を除く)Fクラス男子たちが騒ぎ始めた。その様子は正直言って、見苦しいと思う。

 

省太「静かにしろッ!!」

 

「「「「(ビクッ)」」」」

 

省太が一喝すると、みんな黙ってしまった。

 

省太「Aクラスの生徒と先生方もいる前で騒ぎ立てるなよ、みっともない。終わったから言うけど、設備交換をしないことを提案したのは俺だぞ」

 

FクラスM「なんでだよ? せっかくボロ設備からオサラバできるチャンスだってのに!」

 

省太「ったくお前らは……。設備交換しない理由はちゃんとあるぜ、教えてやろうか?」

 

反論に対して、省太が少し呆れながらも答えていく。

 

省太「まず一つ目は、勝った後のことだ。仮に今回設備交換したとしよう。そうしたら、Aクラス以外のクラスに攻められるのは確実だ」

 

FクラスH「でも、お前たち“御三家”や坂本たちもいるから何とかなるんじゃないのか?」

 

省太「そこが問題なんだ。必ずしも、一クラスだけでくるとは限らない。同盟を組んで数で攻めることも考えられるし、手負いの状態を狙ってくることだってあると思う」

 

渚「いくらぼくたちが強いと言っても、どうにもならない局面は必ず出てくる。Aクラスの設備を得るのは、Fクラスにとってハイリスクハイリターンになる……ってことだよね、省太?」

 

省太「(コクッ)」

 

渚がすかさずフォローを入れる。納得していない生徒もいるけど、理解はしたようだ。

 

省太「そしてもう一つ。……これは俺の私情も入っているが、Aクラスにいる友達にFクラスの環境を押し付けたくないんだよ……」

 

こ・真・奈・リ「「「省太(くん)……」」」」」

 

省太「なぁ明久、雄二、秀吉、康太。お前たちは、優子さん、霧島さん、工藤さんがFクラスの設備の中にいたらどう思う?」

 

明久「そうだね。僕は優子さんがあんな環境にいたら、腹が立つかな」

 

雄二「俺もだ。翔子にあの設備は似合わない」

 

秀吉「わしもそう思う。姉上が努力して掴んだ設備を追い出されるのは、耐えられんのじゃ」

 

康太「……同じく(キリッ)」

 

省太の言うことがよくわかる。優子さんたちはAクラスに行く為に努力して、その末に勝ち取った設備だ。それをたった一度の敗北で失うなんて……。ルールとはいえ、納得できるハズがない。

 

省太「だから設備交換すると、AクラスもFクラスも悲惨な結末しかない。なら、現状を把握してもらった上で、全面改修した方が双方にとっていいと思ったんだ」

 

FクラスL「そうは言っても……」

 

渚「もうッ! ここまで言って、まだわからないの!? ならもっとわかりやすく言うね? 設備と引き換えに恋人つくるチャンスを永久にドブに捨てるか、設備交換なしで青春に希望を残すか。究極の二択だよ!! さぁ、どっちを選ぶ?」

 

「「「「設備交換はいたしませんッ!!!」」」」

 

渚「はい、よくできました♪」

 

渚の言葉に漸くみんな納得した。つくづくFクラスの男子たち(一部除く)はわかりやすいと思う。

 

省太「話を遮ってすまなかった。雄二、続けてくれ」

 

雄二「ありがとよ、省太。で、もう一つの要望だが、Aクラスと同盟を結びたい」

 

翔子「……同盟を?」

 

雄二「そうだ。今回の一騎討ちもだが、Fクラスが上位クラスと渡り合えたのは、Aクラス並みの戦力が揃っていたからだ」

 

雄二はそう言って僕、省太、渚、サヨちゃん、姫路さん、単教科に限ればAクラスレベルの秀吉、美波、康太に目をやる。

 

雄二「中でも明久、省太、渚、池端、姫路はFクラスの中核その物だ。この5人がいなければ、試召戦争は勝てなかった」

 

翔子「……確かに。吉井たちは生命線」

 

雄二「だから、召喚獣の操作を明久たちがAクラスに教える代わりに、Fクラスの学力向上に協力してほしい。どうだ、悪い話ではないと思うぞ」

 

翔子「……わかった。Aクラスは、Fクラスの要望を受け入れる」

 

こうして、戦後対談は決まったのだった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

省太side

 

 

戦後対談も纏まった。なら、みんな揃っているこのタイミングしかねぇッ!!

 

省太「サ……、サヨッ!!」

 

サヨ「どうしたの、省太くん?」

 

省太「君にどうしても伝えたいことがある。き、聞いて欲しい……! ここにいるみんなが証人だッ……!!」

 

こ・真・奈・リ「「「「省太(くん)……」」」」

 

AクラスとFクラスの生徒たちは、何事かと俺たちを見ている。このみちゃんたちも同じだ。

 

リオ「(コクッ)」

 

省太「(グッ)」

 

リオと合図を交わす。もう後には引けない。

 

省太「サヨ……。小学生の頃、俺の一番になりたいって言ってたな?」

 

サヨ「うん……」

 

省太「あのとき俺、『考えさせてくれ』って言っただろ? ……でもゴメン、サヨッ!!」

 

サヨ「省太くん……?」

 

省太「あのときの俺、決心できてなかったんだ。中途半端に応えてしまったらどうしようって。今までの関係が壊れると思うと怖くて……」

 

サヨ「……」

 

省太「そうして俺はサヨの優しさに甘えて、今日まで自分の気持ちを隠してた……! サヨの気持ちを考えてなかった……!」

 

サヨが俺を見つめる。ずっと隠していた想いが溢れ出る。

 

省太「今日伝えようと思ったのも、友達の後押しがあったからだ。俺はこんな風にしなきゃできない不器用な男だ。だからこの場で言う。言わせて欲しい」

 

サヨ「省太くん……」

 

省太「……俺、反田省太は、池端早代さんが大好きです。付き合ってくれますか?」

 

サヨ「……!」

 

省太「……どうだ、サヨ?」

 

サヨ「……(ひっく)」

 

省太「サヨ、大丈夫か!?」

 

サヨが泣いているのに気付いて、思わず動揺してしまう。

 

サヨ「省太くん……。ありがと……(ひっく)」

 

省太「……え?」

 

サヨ「サヨね……、待ってたの……。ずっと……ずっと……ずっと……(ひっく)」

 

そうか……。小学生の頃から数えて5年も待たせていたのか……。こんなにも一途に想ってくれているのに……。本当大馬鹿だよな、俺。

 

省太「ゴメンな、サヨ。ずっと待たせてしまって……」

 

サヨ「ううん、平気だよ。だって省太くんはちゃんと応えてくれたから……。省太くん、大好き!!」

 

“ギュッ”

 

省太「ああ、俺もだ。サヨ……」

 

まだ涙目だったが、サヨは嬉しそうに俺に抱きつく。そんな彼女を俺も抱き締める。

Aクラスの生徒と明久たちは、この瞬間を祝福してくれた。(明久たちを除く)Fクラス男子たちは嫉妬に狂って襲い掛かろうとしたが、渚が制圧していた。

 

渚「はいはい、みっともないマネはしない! 人の幸せを祝えないヤツに幸福は訪れないよ!!」

 

女子たちはこういうのが好きなのか、感動して涙する人さえいた。

 

このみ「よかったね、サヨちゃん!」

 

真夏「やっとくっついたかぁ。男らしいでぇ、省太!」

 

奈子「おめでとう、2人とも!」

 

リオ「ちゃんと大切にしなさいよね……!(ふっ)」

 

このみちゃんたちも、それぞれの祝福の言葉を送る。ずっと長い間待たせてた。でも今日この日、サヨと両想いになれました。これまでで一番幸せだ。

 

繋いだこの手は絶対に離さない。

俺とサヨは、ここからがスタートなんだ。

 

 

to be continued……




ついに、省太とサヨちゃんが結ばれました。

これも私がこの章で書きたかった内容なので、自然と熱が入っていました。
やっぱり純愛っていいよね。

本当はこっちで試召戦争編を終了とする予定でしたが、次回に持ち越そうと思います。

それでは、また次回にお会いしましょう!

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