バカとテストと僕たちの楽園   作:ウォーズ -IKUSA-

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遅くなってしまい、申し訳ございません。
リアルが忙しかったのと、ちょっとしたスランプになっていました。

最後に投稿したのが1ヶ月前……。時間の流れは早いですね(汗)
こんな状態でもお気に入りを維持してくれた読者様には感謝です。これからも投稿スピードが遅くなると思いますが、気長にお待ち頂けるとありがたいです。

それでは第13話です、どうぞ!


僕たちの日常編
第13話 2人の時間


省太side

 

 

Aクラスとの一騎討ちが終わった週の土曜日。休日だが俺は早起きした。サヨとデートする為だ。

思えば文月学園に入学してから……、もっと言えば中学の後半からは遊びに行くことなんて、あまり無かったからな。まぁ、このみちゃんたちと一緒ってときは結構あったけど。

だから2人きりで遊びに行くのは、本当に久しぶりなのだ。

 

省太「……よし、準備はバッチリだ。待たせちゃいけないから、もう出るか。行ってきまーす!」

 

家から出発した俺は、待ち合わせ場所の公園に向かった。

 

公園に着くと、既にサヨが待っているのが見える。

 

省太「おーい、サヨー!」

 

サヨ「あっ、省太くーん! こっちこっち!!」

 

こっちに気付いて手を振っているサヨの元へ駆け寄って行く。

 

省太「悪りぃサヨ、待ったか?」

 

サヨ「ううん。着いてからそんなに経ってないから大丈夫だよ」

 

省太「………」

 

サヨ「……? 省太くん?」

 

省太「つい見惚れててな。それを着けてくれるって思わなかったからよ……」

 

サヨ「言ったでしょ? 着けてくるってね♪」

 

Bクラス戦後に取り返したあの髪飾り。今日着けてきたのは、いい意味で予想外だ。

 

省太「今でも似合ってるぜ、サヨ」

 

サヨ「えへへ……」

 

省太「じゃあ、行こうか」

 

サヨ「うんッ! ……ねぇ、省太くん」

 

省太「どうした?」

 

サヨ「手……、繋ご?」

 

省太「いいぜ」

 

“ギュッ”

 

サヨ「久しぶりだね、こういうの」

 

省太「お、おう……」

 

俺たちは手を繋いで、繁華街へと向かって行った。

到着して暫くすると……。

 

サヨ「省太くん、省太くん!」

 

省太「どうした、サヨ?」

 

サヨ「あれを見て!」

 

サヨが指を指した方向を見ると、渚と奈子がいるのが見える。

 

サヨ「2人もデート……、なのかな?」

 

省太「……かもな」

 

渚「ん? おーい! 省太ー、サヨちゃーん!」

 

どうやら渚も気付いたらしく、こっちを見て手を振ってきた。

 

渚「やあ、お2人さん。言うまでもないと思うけど、デートでしょ?」

 

省太「ああ。それで渚と奈子は?」

 

奈子「えっと……、この間の約束……かな?」

 

渚「そうそう♪ 今やってる映画なんだけど、一緒に観る人がいないからぼくを誘ってきたんだって☆」

 

省・サ「「(それってデートなんじゃあ……)」」

 

奈子「省太とサヨもまず映画から行くの?」

 

サヨ「そうだよ。目的が同じなら一緒に行かない? いいよね、省太くん」

 

省太「俺は構わないぞ」

 

奈子「決まりね。なら行きましょう」

 

渚「行こ行こー☆」

 

こうして最初の目的地である、映画館へ向かって行った。

 

 

 

 

そして現在。俺たちは今、映画のポスターが掲示されているところにいる。

 

省太「で、渚たちはどれを観るんだ?」

 

奈子「これよ」

 

そう言って奈子が指したのは、『ブレイヴエンペラー THE MOVIE』というロボットアニメだった。

 

省太「あー、OVAでやってたやつの続編かあ。でも何で?」

 

奈子「福引で当てたチケットがこれだったの……。私、こういうのは割と好きなんだけど、流石に1人で観に行くのが恥ずかしいから渚くんを誘ったのよ……。ダメだった?」

 

渚「ううん、ぼくも好きだから何の問題もないよ♪」

 

奈子「そう、よかった。じゃあ受付に行こっか?」

 

渚「うんッ。もう楽しみだよ☆」

 

奈子「私たちは先に行くわ。またね、省太、サヨ」

 

サヨ「じゃあね、2人とも」

 

そうして渚と奈子は先に劇場へ入って行った。

 

 

サヨ「省太くん! これを観ようよ♪」

 

サヨが指したポスターは、『僕の一番大好きな君へ』という今春の目玉作品の一つと話題の映画だ。

 

省太「そうだな。じゃあ行こうか」

 

俺たちもチケットを購入して、劇場へ入った。

 

 

映画のストーリーは、悲惨な未来を変えるべく、主人公が奮闘し様々な障害が立ち塞がるも友の助けも借りて、最終的にヒロインと結ばれるという内容だった。

 

サヨも楽しそうで良かったし、俺も主人公に感情移入して観ていたから、とても楽しかった。

 

サヨ「楽しかったね、省太くん! サヨ感動しちゃった♪」

 

省太「俺もだ。楽しかった映画は結構あるけど、感動したのは久しぶりだったぞ」

 

サヨ「うんッ!! (ニコッ)」

 

省太「じゃあ、次はアクセサリーショップに行こうか」

 

サヨ「(何だろう?) ……いいよ♪」

 

こうして俺たちは、アクセサリーショップへ向かって行った。そして目当ての品を選んだ。

 

省太「すいませーん、これ2つください。あと、ネームも入れてもらえませんか?」

 

店員「はい。では、お客様のお名前を教えて頂けますか?」

 

省太「半田省太。隣の娘は池端早代です」

 

店員「畏まりました、ネームを入れますので今しばらくお待ちくださいませ」

 

30分くらい経っただろうか。出来上がったようで、店員さんが呼んできた。

 

店員「お待たせしました、お客様。会計は2500円になります」

 

省太「サヨ、俺が払うから大丈夫だ」

 

サヨ「でもそれじゃ、省太くんに悪いよ。サヨも出すから」

 

省太「いいって。これは俺の奢りだからさ」

 

サヨ「ありがとう」

 

店員「2500円丁度ですね。ありがとうございます」

 

省太「どうもです(ペコ)」

 

店員「ありがとうございました、またお越しくださいませ」

 

商品受け取りと会計を済ませて、アクセサリーショップを後にした。

 

サヨ「何を買ったの、省太くん?」

 

省太「これだよ」

 

サヨ「あ……、指輪……」

 

そう、アクセサリーショップで買ったのはペアリングだった。リングには俺とサヨの名前を入れてもらった。

 

省太「小学生の頃、大人になったら結婚しようって言っただろ? けどそれまで待てる気がしないから、ちょっと早いけど贈ることにしたんだ」

 

サヨ「省太くん……」

 

省太「だから今はこの指輪を俺とサヨで持っていよう。本当に結婚する時が来たら、ちゃんとした指輪を贈るからさッ♪(ニッ)」

 

サヨ「……省太くん、ありがとう。サヨ、とっても嬉しいよ!! 結婚……、約束ね♪」

 

省太「ああ、約束だ」

 

昔交わした結婚という約束。あのときは小学生だったから、そこまで本気じゃなかったと思う。

でも、自分の気持ちをハッキリ示した今は違う。知らない人からすれば子供の戯言に聞こえるかもしれないが、俺は本気だ。単なる口約束じゃなく、現実にしてみせる。そう思った。

 

 

再び繁華街を歩いて行くと、明久に会った。真夏とリオもいる。

 

明久「やぁ省太、サヨちゃん」

 

サヨ「こんにちは、明久くん。真夏ちゃんとリオちゃんも一緒なんだね!」

 

省太「珍しいな。どうしたんだ?」

 

リオ「別に。特に予定もなかったから、真夏ちゃんが遊ぼうって誘って来たの」

 

真夏「他にも誰か誘ったんやけど、みんな予定が入ってたから明久くんを呼んだんよ」

 

明久「省太とサヨちゃんはデートだったんだね。この後予定とかあるの?」

 

省太「いや、これから決めるところだ」

 

真夏「それやったら、ウチらと遊びに行かへん? きっと楽しいで〜♪」

 

省太「オイオイ、一応俺たちデートなんだけどな……」

 

サヨ「ねぇ省太くん! せっかく誘ってくれたから行こうよ」

 

省太「サヨ……」

 

リオ「私は構わないわよ? 遠慮する必要はないからね」

 

サヨ「ほら! リオちゃんもこう言ってくれてるから、ね?」

 

省太「よし、わかった。じゃあ行こうぜ」

 

真夏「よっしゃ! ほな全力で楽しむでー☆」

 

そうして女子3人は歩いて行った。後ろで明久が声をかける。

 

明久「省太。……サヨちゃんとのデート、どうだった?」

 

省太「久しぶりで楽しかったぜ。明久、お前も早く優子さんとくっつけよ?」

 

明久「うんッ。やってみるさ☆」

 

途中でいつもの(?) メンバーで遊ぶことになったけど……、まぁいいか。サヨがとても楽しそうだしな。恋人が笑顔でいられるのはとても大切なことだ。俺が感じているこの気持ちを、明久もいつか感じてくれたらいいな……。

 

そう考えながら、俺たちは今日この日を全力で楽しむのだった。

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか?

今回からこの日常編を開始します。

だいたい4話程度を予定しています。あくまで予定なので、長くなったり短くなったりするかもしれないという点はご了承くださいませ。

では、また次回にお会いしましょう!

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