召喚大会2回戦、あの男との一戦となります。
第21話です、どうぞ!
???side
???「それで妨害に失敗し、挙げ句の果てには返り討ちに遭って、おめおめと逃げ帰っただと……? この愚か者共が!!」
???・???「「す、すいませんッ! 」」
???「お前たちは仮にもAクラスだろう。なのに、ヤツらにいいようにされるとは何事だ! その肩書きは飾りか?」
???・???「「本当に申し訳ありません……」」
俺の前に???と???がいる。計画の駒として使っているが、2度も失敗しおって……。役立たずが……。
???「まぁいい、過ぎたことはとやかく言わん。重要なのは試験召喚大会だ、これを使え」
そう言って俺は、ある腕輪を2人に渡す。
???・???「「あ、ありがとうございます……」」
???「おそらくだが、あの2人とは必ず戦うだろう。そこで叩き潰せ、いいな?」
???・???「「そ、それはもう!」」
???「次失敗したら、“あの話”はなかったことにするからな?」
???・???「「わ、わかりました……」」
???「なら、明日に備えて準備でもしておけ。今日はもう大人しくしろ」
???・???「「はい……!」」
2人が返事をし、教頭室を後にするのを見送った。
???「ふ……。これでよし」
しかし、進学の推薦書をエサにしたらまんまと食いつくとは。単純なヤツらめ……。
???「さっきまでの方法では揺らがんか……。仕方ない、“あの手”でヤツらの心を乱してやろう。学園長。……必ずだ、必ずアンタをその椅子から下ろしてやるぞ。クックックッ……!!」
俺は藤堂カヲルが失脚し、自分が学園長となった姿を想像しながら教頭室を出た。
このやり取りが、部屋の中に仕掛けられた監視カメラと盗聴器に収められたことを知らずに……。
???side out
省太side
常夏コンビを撃退させた俺たちは、中華喫茶へ戻る。遠ざかっていた客足も、俺が率いる宣伝要員の尽力で何とか開始当初の状態に持ち直すことができた。
明久「そろそろ2回戦だよ、省太」
省太「お、もうそんな時間か。じゃあ行くぜ、明久!」
明久「OKッ!」
Cブロック会場へ向かいながら、トーナメント表を確認する。次の対戦相手を見てみると、
省太「根本と友香さんか……」
明久「まぁ、順当だよね」
フィールドの反対側には、既に到着している2人が待っていた。
根本「吉井と反田か。わかってはいたが、お前たちだったとは……」
省太「根本、俺たちは全力で相手をする。手加減は一切しないぞ」
明久「省太……」
省太「悪い明久、根本は俺にやらせてくれ」
明久「……わかった、心置きなくやっておいで。そういう訳だから君の相手は僕だよ、友香さん」
友香「そう……、ならお手柔らかに……ね?」
2回戦の教科は英語。立会人は遠藤先生だ。
遠藤「では2回戦を始めます。双方、召喚してください!!」
明・省・根・友『『『『
英語
Fクラス
吉井 明久:481点
反田 省太:469点
Bクラス
根本 恭二:403点
Cクラス
小山 友香:345点
省太「400点超え……。相当頑張ったじゃねぇか」
根本「ふっ……、いつまでも遥祐頼みじゃいけないからな。それにこれくらいできないと、遥祐の相棒は務まらない」
省太「……そうか。なら、お前の全力……、確かめさせてもらう!!」
根本「元より俺もお前と戦うつもりだ! 行くぜッ!!」
“シュッ!!”
“キィン、キィン!”
“ガギィッ!!”
俺と根本は互いの武器をぶつけ合う。遥祐の言ってたことは本当らしいな。
明久「始まったね。友香さん、僕たちもやろうか」
友香「ええ、明久くん」
その隣で、明久の大太刀と友香さんの三叉戟が火花を散らす。根本には及ばないまでも、Cクラスであることを考えると十分強い方である。
省太「なぁ根本」
根本「どうした反田?」
省太「俺がお前と戦うのはなぜか、言わなくてもわかっているよな?」
こう尋ねると、根本はとても苦い顔をしていた。Bクラス戦のことを思い出しているのだろう。
省太「作戦だったとはいえ、あのときお前はサヨを泣かせた。そのときのことを、俺はまだ許していない」
根本「……」
省太「今は無事に返せたからいいけど、お前のやったことは俺とサヨの想い出を傷付けるも同然のことだった……!」
根本「……」
刃を交えながらも、俺は根本に言葉を投げかける。
省太「遥祐から改心したことを聞かされたときも、また周りの人を裏切るんじゃないかって思ってるんだ。口ではどうとでも言えるからな……」
根本「反田……」
省太「根本! お前は遥祐頼みではいけないから頑張ったって言ったな! その言葉、信じていいんだな? 出まかせなんかじゃないんだな?!」
根本「ああ、本気だ!! 俺は散々卑怯なことをして遥祐を、友香を、みんなを踏みにじって来た! そんな俺は周りから見放されて当然だ! でもそんな俺に遥祐は、今までのことを反省してやり直すチャンスをくれた! だから俺はこれがラストだと思って本気でやるつもりだ!!」
俺の言葉を受けて、いつになく真剣に叫ぶ根本。今までの彼からは想像もつかない姿だ。
根本「今までのことがあるから、多分この先もみんなに迷惑をかけてしまうかもしれない。間違いを犯すかもしれない。……けど、それでも仲間を……相棒と助け合うことを忘れずに乗り越えて行こうと思う。だから反田……。俺の全力、お前にぶつけるぜ!!」
省太「あのときよりもずっと良い
恭二「望むところだ……、省太!!」
“キインッ、キインッ!”
“ガギィッ!!”
最初のときよりも、激しくぶつかり合う俺たちの得物。ここまで強くなっているなんてな。大したヤツだよ……。
恭二「仕掛けるか……。行くぜ!!」
省太「ふん、来いよ……!!」
恭二「“腕輪発動”ッ!!」
恭二が腕輪を発動させると、大量の針が襲い掛かる。それらをマントで防いだが……。
恭二「まだあるんだぜ?」
一瞬無防備になったスキを突いて、再度針を射出する。その内の1本が俺の召喚獣の左肩に刺さった。
省太「くっ、当てられたか!」
恭二「俺の腕輪の能力は“毒針”だ。相手の動きを鈍くして、おまけに時間経過と共に点数を削っていくぜ」
そう説明する恭二は、また苦い顔をしている。よりにもよって、かつて呼ばれた『卑怯者』を彷彿とさせる能力だったからだ。
Fクラス
反田 省太:304点
Bクラス
根本 恭二:328点
徐々にだが、点数が減っている。斬り合う時間が長引くほど俺が不利だ。
恭二「……皮肉なモンだな、漸く得た腕輪がコレだなんてよ……。でも重要なのはこれからだ。周りから何を言われようと、俺はこのチカラを正しく使う。遥祐の背中を守る刃になってやる!!」
省太「ふ……。やるじゃねぇかよ、恭二」
恭二「ありがとよ。だが、それではお前が負けるぞ?」
省太「いや、こうすりゃ良いんだよ!!」
“ガシッ!!”
そう言って俺は毒針を掴んだ。掴んでる方の手にも鈍い痛みが走る。
省太「ぐううううッ!!」
恭二「お、おい省太!!」
“ズボッ!!”
省太「だああああッ!!」
恭二「追加ダメージをカットするには針を抜くのが唯一の方法だが、下手をすれば点数消費を早めるだけだ。それでもやってのけるなんて……、すごいヤツだなお前は」
省太「そりゃどうも。でも点数は結構削られたけどな」
Fクラス
反田 省太:217点
Bクラス
根本 恭二:328点
針を抜くまで時間が掛かったのもあって、210点台まで減らされている。点数的には恭二が有利だ。
明久「まだ続いているみたいだね」
省太「明久。もう終わったのか?」
明久「うん。友香さん、点数差はあったんだけど操作技術で補っていて中々強かったよ」
省太「俺たちの中で最強の明久についていけるなんて、すごいじゃないか、友香さん!」
友香「それは遥祐くんの指導もあったからよ。私だけの力じゃ、明久くんに攻撃を当てることすらできなかったと思うわ」
お世辞でも何でもなく、本当のことだ。明久についていくだけの実力を持つ生徒は限られているから。
明久「省太! 僕の助けは必要かな?」
省太「大丈夫、俺1人でもやってみせるさ」
明久「わかった、省太を信じるよ!」
省太「サンキュ、明久。さぁ恭二、誰も邪魔はしない。白黒付けようぜ……!!」
恭二「感謝するぞ省太。お前に勝つことで俺はまた1つ、遥祐へ近づく……!!」
距離を取って武器を構える。恭二は2対の大鎌を、俺はスライプナーを変形させたブリッツ・セイバーを。
省太「………」
恭二「………」
俺も恭二もまだ動かない。お互いに腹の探り合いをしているのだ。
この状態がしばらく続き、静寂を破ったのは……。
恭二「これで決めてやるぜ!!」
恭二だった。大鎌にエネルギーを込めて突撃を掛ける。そんな状況でも俺は冷静だった。剣先を恭二の召喚獣へ向けて、飛び込んで来るギリギリのところまで待った。
恭二「この勝負、もらったぞ省太!!」
省太「それはこっちのセリフだ、“メガ・ブラスター”!!」
恭二「な、なんだとッ?!」
俺はこのときを待っていた、恭二の攻撃が俺に届く間合いに入る瞬間を。ここで腕輪を発動させ、強力なエネルギー波を叩き込んで勝敗が決まった。
Fクラス
吉井 明久:351点
反田 省太:97点
Bクラス
根本 恭二:0点
Cクラス
小山 友香:0点
遠藤「それまで! 勝者、吉井・反田ペア!!」
省太「よっしゃッ!」
明久「やったねッ!」
“パァン!”
明・省「「上出来ッ!!」」
遠藤先生が俺たちの勝利を告げる。
恭二「負けたのか……。でも良い試合だったぜ」
友香「ホントね……。だから私、もっと強くなりたいって思ったわよ?」
恭二「そうか……」
省太「恭二ッ!」
恭二「省太、あと少しでお前に勝てたけどな……」
省太「俺も勝ちたい人がいるからな、負けてやる訳にはいかないのさ」
明久「そういうこと。僕たちももっと強くなりたいからね♪」
恭二「どこまでも上を向いているんだな、お前たちは」
省太「今日戦ってみてお前の本気、確かに見させてもらった。だからあのときのことは、許すことにする。この気持ち、絶対に忘れないでくれ。あと、サヨにも謝っておけよ……」
恭二「ああ、もちろんだ。俺自身に誓おう」
そう答えた恭二の顔はとても柔らかかった。
明久「2人の戦いを見てたら、僕まで根本くんと戦ってみたくなったよ。いつか手合わせをお願いしたいね」
恭二「オイオイ。本気のお前じゃ勝てる気がしないから、もう少し待ってくれ。それから、俺のことは名前でいいぞ」
明久「OK。なら僕も名前で呼んでね、恭二」
恭二「それでいい、明久」
恭二と気軽に話せるなんて、考えたこともなかったな。心のどこかで俺たちは、これを望んでいたのかもしれない。
恭二「お前たちの実力なら、絶対に優勝を狙えるハズ。応援してるぜ」
友香「頑張ってね、2人とも」
明久「ありがとう恭二、友香さん」
省太「必ず優勝してみせるぜッ!! (グッ)」
その後の3回戦も勝利し、召喚大会1日の全試合を終えた。渚と奈子も難なく勝利を重ねて決勝トーナメントへ駒を進める。
これでベスト8が全て出揃った。
to be continued……
21話は、恭二との和解も描いてみました。私個人としてはこういうのも悪くないかと思っていますが、ちょっとやりすぎだっただろうか……(汗)
私はこの作品を読んで頂ける読者の皆様がいらっしゃるだけでもありがたいですが、感想も書いて頂けると嬉しいです。モチベーション向上にも繋がります。
では、また次回にお会いしましょう!