バカとテストと僕たちの楽園   作:ウォーズ -IKUSA-

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こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

清涼祭編のメイン、試験召喚大会本選となります。

第25話です、どうぞ!


第25話 清涼祭2日目 〜決勝トーナメント第1戦〜

明久side

 

 

〜翌日〜

 

 

“♪ピンポンパンポーン♪”

 

『これより、清涼祭2日目が始まります。生徒の皆さんは頑張りましょう! 尚、2日目のメインイベントは試験召喚大会の決勝トーナメントとなっております。こちらも併せてお楽しみください!!』

 

 

明久「みんな! 今日も気合入れて行くよー!!」

 

「「「「「おぉーーッ!!!」」」」」

 

2日目開始と共に、みんながそれぞれ持ち場に着いていく。初日に比べてかなりスムーズに進行できている。

 

僕と省太はその間に優子さん、サヨちゃんに声をかける。昨日あんなことがあったから心配だったのだが、意外にも気持ちの切り替えが早くて驚いた。

僕たちが思っている以上に心が強いのだろう。ちなみに、鈴音ちゃんと葉月ちゃんも来てくれたようだ。

 

 

 

省太「明久、今日は試験召喚大会の決勝トーナメントだ。早く準備しようぜ」

 

明久「うん、そうだね」

 

渚「ねぇ明久、省太」

 

明久「渚?」

 

渚「2人の為に衣装作ったんだ。着けてみて☆」

 

省太「……おう、わかった」

 

言われた通りに衣装を着けてみると……。

 

明久「……渚。なんかコレ、結構派手じゃない?」

 

省太「俺も思った。すごくコスプレっぽいよな」

 

渚「でもさ、格ゲーのキャラになったみたいでテンション上がらない?」

 

明・省「「(互いを見る) ……上がる!!」」

 

渚「でしょ? ぼくたちFクラスの注目も上がるよ♪」

 

省太「ふ……。ありがとよ渚。バッチリ気合入ったぜ」

 

渚「それじゃあ、ぼくは奈子ちゃんと行くからねー♪」

 

そう言って渚はAクラスへ向かって行った。

 

明久「さあ、僕たちも行こう」

 

瑞希「待ってください、吉井くん。私たちも行きます」

 

省太「姫路さんと美波も出場していたのか」

 

美波「そうよ。もし戦うことがあったらよろしくねアキ、省太」

 

明久「(コクッ) お互い頑張ろう!」

 

瑞・美「「はい(ええ)!」」

 

省太「じゃ雄二。俺たちは行くぜ」

 

雄二「おう、頑張って来い」

 

雄二の激励を受けて、僕たちは本選会場へ向かった。恐らくベスト8は相応の強豪揃いだ。一筋縄では行かないだろう。

 

明久「ここまで来たら、もう優勝しかないよね」

 

省太「当然だろ?」

 

“グッ”

 

明・省「「勝つのは僕(俺)たちだ!!」」

 

拳を空高く掲げて、僕たちは優勝を誓い合うのだった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

省太side

 

 

〜試験召喚大会決勝トーナメント会場〜

 

 

すみれ『会場の皆様、大変長らくお待たせしました! これより、試験召喚大会決勝トーナメントを開催します!!』

 

Cクラスの新野さんが決勝トーナメントの開催を宣言する。同時に、本選の選手紹介と1回戦〜3回戦の名場面集が大スクリーンに映し出された。

 

すみれ『実況は私、文月学園放送部2年新野すみれが。解説は……』

 

遥祐『2年Bクラス代表、神代遥祐が務めます』

 

すみれ『神代くん? 高橋先生じゃなくてですか?』

 

遥祐『高橋先生に急遽お願いされたんだ、やってみないかって。オレじゃ不安かな?』

 

すみれ『そんなことないです。一緒に会場を盛り上げて行きましょう!』

 

遥祐『ありがとう、それではこの2名でお送りいたします』

 

遥・す『『よろしくお願いします!!』』

 

すみれ『尚、決勝トーナメントの審判とフィールド構築者は西村先生が務めます』

 

遥祐が解説なのか。高橋先生も思い切ったことするな。

 

すみれ『神代くん。今回の決勝トーナメントについて、どう考えていますか?』

 

遥祐『今回出場する8組の選手は皆、決勝トーナメントに残るに相応しい実力者揃いですからね。予選の勢いを維持できるかにかかっていると思います』

 

すみれ『なるほど! 選手のみなさんはベストを尽くして欲しいところですね!』

 

放送が流れている間、俺たちは集中力を高めていた。少しでも緊張をほぐして、全力を出せるように。

 

省太「緊張するか? 明久」

 

明久「大丈夫、武者震いだよ……」

 

すみれ『それでは、決勝トーナメント第1試合を開始いたします! 選手のみなさんは入場してください!!』

 

新野さんのアナウンスを聞いて、俺たちはステージの入口にスタンバイする。

 

西村『東side。2年Fクラス、姫路瑞希! 島田美波!』

 

美波「行くわよ、瑞希!!」

 

瑞希「はい、美波ちゃん!!」

 

 

 

西村『続いて西side。2年Fクラス、吉井明久!反田省太!』

 

瑞希「吉井くんたちですか……」

 

美波「厳しい戦いになりそうね……」

 

 

明久「さあ……、行こう!!」

 

省太「ああ! 心が躍るぜ!!」

 

既にフィールドにいる姫路さんと美波に続いて俺たちもフィールドに立った。会場内の席は全て埋め尽くされていて、否が応でもテンションを高めてくれる。

 

すみれ『おおッ、これはいきなりの好カードですね! 神代くん、この試合についてどうお考えですか?』

 

遥祐『吉井選手と反田選手は、今大会最強候補と名高いですからね。姫路選手と島田選手の奮闘に期待したいところです』

 

西村「4人共、揃ったな? 対戦科目は物理。用意……始めッ!!」

 

瑞・美「「試獣召喚(サモン)ッ!!」」

 

 

物理

 

Fクラス

 

姫路 瑞希:446点

 

島田 美波:349点

 

 

明久「すごいね。姫路さんは当然だけど、美波はあれからとても成長したと思うよ」

 

美波「いつまでも日本語が読めないままのは、悔しいからね。みんなから日本語の読み書きを鍛えてもらって、ウチ自身も頑張ったの」

 

瑞希「そうです! “ノイン・マイスターズ”戦の後から美波ちゃん、私と一緒に勉強するようになりました! これはその努力の形です!」

 

省太「なら、その決意に俺たちも応えるぜ。……明久」

 

明久「(コクッ)」

 

明・省「「試獣召喚(サモン)ッ!!」」

 

 

Fクラス

 

吉井 明久:529点

 

反田 省太:514点

 

 

瑞希「わかっていましたが……。流石ですね吉井くん、反田くん」

 

美波「だからと言ってウチらは引かないわよ? 無理だとわかっていても、ね!」

 

省太「……だろうな。そう言うと思ったぜ」

 

明久「どっちが勝っても恨みっこ無しだよ!」

 

瑞希「……行きますッ!!」

 

姫路さんの突撃を合図に、俺たちは交戦を開始した。俺は姫路さんを、明久は美波の相手をしている。

 

“ギィンッ!!”

 

省太「同じ得物なら、こっちの方がやりやすいだろ? 姫路さん」

 

瑞希「はい……。点数に差があっても、勝つつもりですよ!」

 

省太「それで良い。それでこそ通じがいがある!!」

 

共に火が付いた俺と姫路さんは、互いに斬り合うのだった。

 

 

省太side out

 

 

 

 

 

 

明久side

 

 

省太と姫路さんが交戦している中、僕は美波と戦っていた。僕は2丁拳銃で射撃を行い、美波が弾をサーベルで弾き落としつつ、接近して行く。有効射程距離に近づいたとき、サーベルが僕の召喚獣を捉えた。

 

美波「えいッ!」

 

“ザシュッ!!”

 

 

Fクラス

 

吉井 明久:473点

 

 

島田 美波:338点

 

 

明久「くッ!!」

 

直撃は避けたが急所に近い箇所を攻められて、フィードバックによるダメージも受ける。

 

美波「……アキ、もしかして手加減してる? ウチに気を遣ってるつもりならやめなさい。本気のアキと戦いたいの。恨みっこなしって言ったでしょう? 実力差があるからって手加減されるのは1番の屈辱よ」

 

僕はハッとした。そうだった、今彼女が望むのは本気のぶつかり合い。そこに優しさは不要なんだ。

 

明久「ゴメン美波。美波の為だと思ってたことが、逆に良くないことだったなんて気付かなかった。だから全力で……行くよ!」

 

美波「ええ。来なさい!!」

 

そして僕たち2人は、怒涛の斬り合いを演じることになった。不利な状況ながらも、美波は力を振り絞って踏み止まっている。ほんの一瞬美波の注意が逸れたとき、

 

明久「ここだッ! 決めさせてもらうよ!!」

 

美波「くうッ!!」

 

“ズバァッ!!”

 

 

物理

 

Fクラス

 

 

吉井 明久:391点

 

 

島田 美波:0点

 

 

大太刀で真っ二つに斬り捨てて、美波の召喚獣が姿を消した。

 

 

明久side out

 

 

 

省太side

 

 

瑞・省「「“腕輪発動”!!」」

 

 

俺たちは腕輪の能力……姫路さんは熱線を、俺はスライプナーを変形させた砲撃形態(ラジカル・ザッパー)でメガ・ブラスター(照射)を放ち、ぶつかり合っていた。威力自体は俺の方が上だが、姫路さんはスライプナーを変形させる際のタイムラグも計算していたらしく、若干俺の方が押されている。

 

瑞希「知ってますよ反田くん、メガ・ブラスターの弱点は。砲撃形態(ラジカル・ザッパー)に変形させる少し前に発射すれば、私の方に分があります!」

 

このまま照射し続けても、事態は好転しなさそうだ。俺はわざとエネルギーを弱めて、熱線が向かって来るようにした。

 

“ギュォォォォ……!!”

 

熱線が押し切るが、そこに俺の召喚獣の姿はない。あるのは、ボロボロになったマントだけだ。

 

瑞希「どこに消えたんですか、反田くん!?」

 

省太「ここだよ」

 

姫路さんが上を見上げると、俺の召喚獣がサーフィンボード状に変形したスライプナーの上に乗っているのが見える。

 

省太「熱線に押し切られる直前に、マントを盾に使ったのさ!」

 

瑞希「そ、そんな……!」

 

姫路さんの召喚獣目がけて、急降下で突撃をかけた。

 

省太「行くぜ、“ブルー・スライダー”!!」

 

瑞希「きゃあぁぁーっ!!」

 

 

 

 

Fクラス

 

物理

 

 

反田 省太:302点

 

 

姫路 瑞希:0点

 

 

 

 

そのまま串刺しになり、体を両断して決着が着いた。

 

 

西村『それまで! 勝者、2年Fクラス、吉井明久! 反田省太!』

 

 

『『『『『うおおおおおおおおおおおッ!!!!』』』』』

 

 

瑞希「負けちゃいました……」

 

美波「これだけやっても、まだ届かないのね……」

 

明久「姫路さん、美波……」

 

美波「慰めはいらないわアキ、省太。現時点の自分の実力がわかっただけでも十分価値はあったから。ね、瑞希?」

 

瑞希「はい、美波ちゃん」

 

省太「そ、そうか……」

 

美波「そう言う訳だからあとの試合、絶対勝ちなさいよ2人共!!」

 

瑞希「応援してますね!」

 

明久「うん、必ず勝ってみせるよ」

 

すみれ『第1試合の勝者は吉井選手、反田選手のペアでした。神代くん、今の試合はいかがだったでしょうか?』

 

遥祐『とても見応えのある試合だったと思います。今年のFクラスのレベルの高さを象徴するものだったと言えるでしょう』

 

すみれ『実際にFクラスと戦ったクラスの代表らしいコメントでした。ありがとうございます!』

 

 

明久「お疲れ、省太。まずは1勝だね」

 

省太「ああ。決して楽な道とは言えないけど、誰が相手になっても気を引き締めようぜ」

 

明久「うん」

 

“コンッ”

 

互いにグータッチを交わし、俺たちは控え室へと戻って行った。

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか?

新野さんはこれが本編初登場です(笑)

次回は、準決勝の前に渚と奈子のペアの1戦を予定しています。

感想も書いて頂けると嬉しいです。楽しんでくれているのか、とても不安になるので……(汗)

では、また次回にお会いしましょう。

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