バカとテストと僕たちの楽園   作:ウォーズ -IKUSA-

30 / 41
こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

決勝トーナメント第2戦の話ですが、少し短めとなります。
久々に平賀くんの登場回。

第25.5話です、どうぞ!


第25.5話 平凡な少年の大きな挑戦

平賀side

 

 

すみれ『決勝トーナメント第2試合の準備をいたします。選手のみなさんは今しばらくお待ちください』

 

平賀「ついにここまで来たのか……」

 

俺は玉野さんと一緒に控え室で待機していた。今の実力を試す為ではあったが、ここまで勝ち進むんだのは自分が1番驚いている。

 

玉野「緊張してますか、代表?」

 

平賀「ああ、大舞台まで進んだんだ。緊張くらいするさ」

 

そもそも試験召喚大会に出場した理由はFクラスとの敗戦がキッカケだ。設備は奪われなかったとはいえ、俺の失態でみんなに迷惑をかけた。このままでは代表として示しがつかない。

そう考えた俺は今まで以上に勉強に打ち込んだ。Fクラスの彼らだってできたのなら、俺にだってできるハズだ。

 

 

すみれ『では続きまして、決勝トーナメント第2試合を開始いたします! 選手のみなさんは入場してください!!』

 

選手入場のアナウンスが流れる。ここまで来たら全力でやるだけだ。

 

西村『西side。2年Dクラス、平賀源二! 玉野美紀!』

 

平賀「良し……。行くぞ、玉野さん!」

 

玉野「お供しますよ、代表!」

 

俺たちはバトルフィールドに立つ。観客席から大きな声援が響いているのを肌で感じ取る。対戦相手は誰なのか……。

 

西村『続いて東side。2年Aクラス、佐々木奈子! 2年Fクラス、上運天渚!』

 

立ちはだかったのは、今の俺にはとても大きな壁だった……。

 

 

平賀side out

 

 

 

 

渚side

 

 

西村『東side。2年Aクラス、佐々木奈子! 2年Fクラス、上運天渚!』

 

渚「行こう奈子ちゃん。どんな相手でも全力で!!」

 

奈子「ええ、もちろん!!」

 

ぼくたちの対戦相手は平賀くんと……、玉野さんだった。マジかよ、今の姿玉野さんに見せたくなかったのに。

 

玉野「あ、ナギちゃんだ! やっと私の想いに気付いてくれたのね!」

 

渚「玉野さん、なんか勘違いしてない? この格好は宣伝の為にやってるのであって、断じて君の為ではないよ」

 

和風メイド服に身を包むぼくを見るなり、テンション高めで話しかけて来る。

 

玉野「どんな理由でも、可愛い服着てるだけで私にとってはご褒美なの! 私が勝ったらナギちゃんに新しい服着せてあげる♪」

 

ダメだこりゃ。この様子だと、ぼくの言うこと聞きそうにない。絶対後から着せ替え人形にする気満々だ。

 

平賀「あぁ……。なんかゴメン、渚」

 

渚「良いよ。気にしないで、平賀くん」

 

玉野さんの暴走を平賀くんが詫びた。別に彼が悪い訳じゃないのに、こっちが申し訳ない気持ちだ。

 

奈子「大変そうなのははわかるけど、集中してね渚くん。油断が1番の敵だからね」

 

渚「ありがとう奈子ちゃん。少し冷静になれたよ」

 

奈子「どういたしまして(ニコッ)」

 

西村「対戦科目は地理。用意……始めッ!!」

 

渚・奈・平・玉「「「「試獣召喚(サモン)ッ!!」」」」

 

 

地理

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:586点

 

Fクラス

 

上運天 渚:539点

 

 

Dクラス

 

平賀 源二:283点

 

玉野 美紀:197点

 

 

ぼくたちは召喚獣を呼び寄せた。平賀くんの召喚獣は王道の勇者と言った姿で、玉野さんは弓道着と弓矢を装備した遠距離型だ。奈子ちゃんはこれまで通りで、ぼくはいつもの装備に肘当てと膝当て、2丁のサブマシンガンを腰にマウントしている。ついでに言うと、メイド服を着ているのでぼくの召喚獣は、所謂男の娘と言った姿だ。

 

渚「奈子ちゃん、玉野さんをお願い。ぼくは平賀くんと戦う」

 

奈子「わかったわ。玉野さん、悪いけど決めさせてもらうわよ」

 

玉野「くッ……。容赦ないね、佐々木さん」

 

連携を取られる前に、玉野さんを封じた。さてと……。

 

“バッ!!”

 

“ガギンッ!!”

 

渚「始めるよ平賀くん、ぼくが相手だ!!」

 

平賀「やるしかないか……! 行くぞ渚!!」

 

平賀くんのバスタードソードと、ぼくのブレードトンファーがぶつかり合う。どちらも闘志全開だ。

 

渚「たあああッ!!」

 

平賀「でええいッ!!」

 

“キンッキンッキィンッ!!”

 

渚「やるね平賀くん。何が君をそこまで強くしたのかな?」

 

平賀「お前たちFクラスに敗北したからだ。あの敗北から俺は自分を見つめ直すべく頑張って来た。代表として強くある為に」

 

平賀くんの目は活気に満ちていた。それは正に覚悟を決めた男の顔と言えた。

 

平賀「だから負けるとわかっていても、無様な戦い方はしたくない! 渚、刺し違えてでもお前を倒す!!」

 

渚「……わかった。それなら来てごらん」

 

平賀「(コクッ)」

 

距離を取ったぼくと平賀くんは、得物にありったけのエネルギーを込めて構える。

 

“ギュンッ!!”

 

渚・平「「うおおおおおおッ!!!!」」

 

“ドォォォォォォンッ!!”

 

そして最後に立っていたのは………。

 

 

 

渚「ぼくの勝ちだね」

 

平賀「くそ……ッ」

 

 

 

 

地理

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:561点

 

Fクラス

 

上運天 渚:428点

 

 

 

Dクラス

 

平賀 源二:0点

 

玉野 美紀:0点

 

 

ぼくの召喚獣だった。

 

 

 

渚side out

 

 

 

 

平賀side

 

 

西村『それまで! 勝者、2年Aクラス佐々木奈子! 2年Fクラス上運天渚!』

 

 

『『『『『うおおおおおおおおおおおッ!!!』』』』』

 

すみれ『第2試合の勝者は佐々木選手、上運天選手のペアでした』

 

遥祐『実力で劣っていても、気持ちは負けないように立ち向かう姿は立派だと思いますよ』

 

勝敗が決まって、渚と佐々木さんが近くに来た。

 

平賀「わかっていたが、敵わないな……」

 

渚「そうかもしれないね。でも平賀くん、君がぼくに敵わないと思ったように、ぼくも敵わない人がいるんだよ」

 

平賀「そ、そうなのか?」

 

渚「(コクッ) 例えば、パートナーを組んでる奈子ちゃんがね」

 

奈子「渚くん……」

 

渚「悔しかったら、もっと実力を磨いて。ぼくはいつでも相手になるから」

 

平賀「……わかった、今日からお前は俺の目標だ。いつか勝ってみせる」

 

渚「その意気だよ。もちろん、ぼくもタダで勝たせる気はないから覚悟してね」

 

“グッ”

 

俺と渚は握手して、この先も互いに切磋琢磨することを誓い合う。この後玉野さんがちょっと暴走していたが、どうにか落ち着かせた。渚も苦労してるんだな。

 

 

この日、俺に新たな目標ができた。

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか?

平賀くんの登場回数が少ないので、急遽書いた回です。
渚という目標ができた平賀くんは、この先代表として相応しくなれるかどうか……。それは彼次第ですね。

さらに加熱していく試験召喚大会。次は準決勝を予定しています。
では、また次回にお会いしましょう!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。