バカとテストと僕たちの楽園   作:ウォーズ -IKUSA-

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こんにちは・こんばんは、エクシリオンです!

はい、今回で竹原には退場して頂きます(笑)

第28話です、どうぞ!


第28話 悪党に相応しい末路(エンディング)

明久side

 

 

西村「まったく、随分と無茶をしたものだな」

 

明・省「「あはは……、すいません」」

 

優勝者が決まって表彰式の準備が進み、手当を受けてもらっている中、僕と省太は西村先生に呼び出された。

 

西村「勝ったとはいえ、さっきの戦いはなんだ。フィードバックで苦しむお前たちを見て、俺は何度止めようと思ったことか……。審判権限で不戦勝にすることも考えたぞ」

 

省太「……お言葉ですが西村先生。それをやったとして、俺たちは素直に応えると思いましたか?」

 

西村「いや……。きっと拒否しただろうな」

 

明久「それに反則行為をしていようとも、常村先輩と夏川先輩の2人にはちゃんとした形で勝ちたかったんです。僕たちに負けることが薬になると思いましたから」

 

西村「そうか……、お前たちはそういうヤツだったな。だが忘れるなよ。お前たちの身に何かあれば友人、恋人が心配する。もちろんこの俺もな」

 

明・省「「西村先生……」」

 

西村「わかったら次からは気をつけろ。生徒を守り、導くのは俺の役目だからな」

 

明・省「「は……、はい!!」」

 

僕たちの返事を聞いて、西村先生は嬉しそうにしながらその場を後にした。

 

 

 

その後表彰式が行われ、僕たちには目的の品である『白金の腕輪』と『如月グランドパーク プレオープンプレミアムペアチケット』を渡された。

 

 

表彰式が終わってすぐに腕輪のデモンストレーションが行われ、『召喚フィールド作成』と『同時召喚』の披露が行われた。

懸念事項であった暴走も起こることなく、無事にデモンストレーションは終了したのだった。

 

 

その足で僕たちは常夏コンビの下へ向かう。試合中では、碌に話ができなかったからだ。

 

常村「で? 俺らに何の用だ吉井、反田」

 

夏川「負けたことを態々笑いに来たのか?」

 

明久「違いますよ常村先輩、夏川先輩。ただ話がしたいだけです」

 

この言葉に常夏コンビは少し驚いた様な表情を見せる。

 

省太「アンタたちが竹原先生に協力した理由は、推薦書だって言ってたな?」

 

常村「ああ。それがどうかしたのか?」

 

明久「おかしいと思わなかったんですか? 普段生徒を見下す様な先生が、そんな旨い話を持ち掛けるなんて」

 

常夏「「なッ……!」」

 

明久「竹原先生は自分の目的の為なら、どんな手段を使ってでも叶えようとする人ですよ。あなたたちは竹原先生(あの人)の駒にされてたんです」

 

僕に指摘されて2人はやっと、自分たちが踊らされたことを理解した様だ。

 

省太「それにな。竹原先生は常夏先輩に妨害を依頼してた裏で、俺たちの大切な人たちを誘拐するようなことまでしてたんだ」

 

夏川「マ、マジかよ……。そんなことになっていたなんて……」

 

明久「わかりますか? 先輩たちの軽率な行動で、下手したら彼女たちの心にも身体にも傷を付けてしまうところだったんですよ?」

 

常村「そんなつもりはなかった! 俺たちはただ、進路決めて楽になりたかっただけなんだ……」

 

明・省「「………」」

 

自分たちのやろうとしたことで、取り返しのつかない事態を引き起こし掛けた事実にショックを受ける常夏コンビ。しばらく彼らを見つめた後、省太が口を開く。

 

省太「……そうか、進路か。俺たちもいずれは避けて通れない道だよな。常夏先輩は不安なんだな? 希望通りの進学先に行けるかとか、将来やりたいこととか色々な悩みが積もった矢先に竹原先生の言葉に乗っかったんだな?」

 

常村「そ、そうだ……」

 

省太「先が見えないと不安でしょうがない、ならいっそ与えられるものにでも縋りたい……。わからなくはないぜ、その気持ち。でもよ、それで良いのか? 確かに今は先輩たちにとってはキツイ時期かもしれない。だけど卒業してもこの先、今以上に嫌なこと、キツイこと、辛いこと、投げ出したいこと、逃げ出したいことがいっぱいある。それでも楽な道を選ぶのか? それで良いなら俺は止めない、アンタたちの自由だ。けど一度しかない人生なら、誰かに決められるんじゃなくて自分の足で進みたいよな。誰に何を言われようと、最終的には自分で行動するんだからな」

 

常夏「「………」」

 

明久「常村先輩、夏川先輩。あなたたちはそんなことをしなくとも、道を開くだけの力があるじゃないですか。自分にもっと自信を持って良いんですよ」

 

省太「大切なのは先のことだ。俺たちの言葉を聞いて腐るのか、それとも挽回して行くのか。それはアンタたち次第だ」

 

明久「どうするかは、2人で決めてください。常村先輩と夏川先輩なら良い選択ができるって信じますから。……省太、行こう」

 

省太「そうだな」

 

常夏コンビにこう告げて、僕たちはその場を後にした。今すぐにとはならないかもしれないが、2人はこれから良くなると信じたい。

 

 

 

 

 

 

遥祐「やあ明久、省太。優勝おめでとう♪ デモンストレーションも無事に終わって良かったよ」

 

明久「ありがとう遥祐。でも、それを言う為だけに僕たちのところに来た訳じゃないよね?」

 

遥祐「(コクッ) その通りだよ。今から“お礼”しに行くんだろ?」

 

省太「ああ。今回の黒幕には、随分とお世話になったからな」

 

遥祐「それなら、オレも一緒させてもらって良いかな?」

 

明久「いいよ、行こう。竹原先生(あの人)に沢山“お礼”してあげようか」

 

そして僕たちは教頭室へ向かう。これから行われるのは……、裁きだ。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

 

竹原side

 

 

くそッ! せっかく紅金の腕輪と蒼金の腕輪を与えたと言うのに……!! いや違う、吉井と反田を甘く見過ぎたという訳か。まったく末恐ろしいガキ共だ。どこまでも俺の邪魔をしてくれる……!!

 

竹原「やはりあの2人は障害だな。かくなる上は……!!」

 

“コンコン”

 

吉井と反田をどう始末しようか算段を立てている最中に、ドアをノックする音が聞こえた。

 

竹原「開いているよ、入りたまえ」

 

とりあえず自分を落ち着かせて、来客を招き入れる。

 

???「「失礼します」」

 

竹原「き、君たちは……!!」

 

現れたのは、俺が今1番会いたくない存在だった。

 

 

竹原side out

 

 

 

 

 

 

 

省太side

 

 

明・省「「失礼します」」

 

竹原「き、君たちは……!!」

 

竹原先生は驚いた様な表情を見せたが、また冷静さを取り戻して俺たちに向き直る。

 

竹原「失礼、吉井くんと反田くんだね。私に何の用だい?」

 

明久「はい。昨日と今日の件で“お礼”をさせてもらいたいと思いまして」

 

竹原「なんのことかな? 私は君たちに何かした覚えはないのだが……」

 

見え透いた嘘をついているが、こういうことは予想通りだ。

 

省太「心当たりがないのか? 実はもう1人、先生に“お礼”をしたい生徒がいるから呼ぶぞ。……入っていいぜ」

 

“ガチャ”

 

遥祐「失礼します、竹原先生」

 

竹原「き、君は……!!」

 

遥祐「なにをそんなに動揺しているんですか? オレですよ、あなたの愛しの神代遥祐です」

 

竹原「し、知らん! 私は君のような生徒のことは知らん!!」

 

遥祐「へぇ……。オレのことを“賢しいガキ”と呼んで、何かにつけて嫌がらせをしていた人と同一人物だと思えませんね?」

 

遥祐が入った途端に、竹原先生の様子が変わった。そして遥祐はこう続ける。

 

遥祐「それと竹原先生。オレ、面白いものを持って来ましてね。観てみませんか?」

 

竹原「何をだ……?」

 

取り出したのは音声データと映像データだった。

 

遥祐「観ればわかりますよ、観ればね……」

 

 

『さっきまでの方法では揺らがんか……。仕方ない、“あの手”でヤツらの心を乱してやろう。学園長。……必ずだ、必ずアンタをその椅子から下ろしてやるぞ。クックックッ……!!』

 

『だが、ヤツらの快進撃もここまでだ。常村と夏川が腕輪の力であの2人を打ちのめす。そしてアイツらが優勝すれば……、俺の野望は達成されるというモノだ、クックックッ……!!』

 

昨日と今日の様子と、それ以前に収められた両方のデータを見せられて、竹原先生の顔が青ざめている。

 

竹原「そ、そんなバカな! いつ仕掛けられていたんだ!?」

 

遥祐「随分と頭が悪いんですね。去年からです、アンタには色々と黒い噂があったのでね。安心して良いですよ、学園長にはちゃんと許可はもらっていますから」

 

明久「さあ。これで言い逃れはできませんよ、竹原先生。何か言うことはありますか?」

 

竹原「く、くそ……」

 

省太「まだ終わりじゃねぇぞ。俺と明久を直接狙うんならそれで良かった。だがアンタはその歪んだ野望の為に、俺たちの大切な人たちを傷つけようとした。それが何よりも1番許せねぇ!!」

 

明久「そういうこと。あなたは昨日と今日のことで完全に僕たちを怒らせました、よって慈悲は与えません。省太、遥祐……。お礼をしようか」

 

省・遥「「オーケー、明久」」

 

“ゴキゴキ”

 

俺たちが近づくと竹原先生は後退りするが、室内なのでもう逃げる余地などなかった。

 

竹原「な、何をする気だ……? よ、よせ! よせッ!! 来るな、来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竹原先生に痛みと恐怖を与えて気絶させた俺たちは、逃げないように用意していた紐で縛っておく。見る人が見ればやりすぎだと思うだろうが、ヤツの所業を考慮すればボコボコにするだけで済ませたのだから、感謝すべきだろう。

 

明久「結構派手にやったけど……、大丈夫だよね?」

 

省太「正直、これでも足りないくらいだけどな」

 

遥祐「あー、清々したよ。本当ならこういうのはオレの役目だったけど……。巻き込んでゴメン明久、省太。それと、ありがとね」

 

省太「良いって。お前も言ってただろ? お互い様、だぜ(グッ)」

 

明久「うん。僕たちも竹原先生(この人)にはウンザリしていたからね。今回のことは願ったり叶ったりさ」

 

それを聞いて、遥祐は柔らかな表情を見せた。彼としても僕たちとしても、学園の平和を守ることができて良かったと思う。

 

遥祐「あとのことはオレと学園長に任せて、2人はみんなのところに行きなよ。その様子だとまだ報告もしてないだろ?」

 

明・省「「あ、ヤバイ! そうだった!」」

 

省太「じゃあ言葉に甘えるとするか! 行こうぜ、明久!!」

 

明久「OK、省太! 遥祐。すまないけど後、お願いね?」

 

遥祐「(グッ) 行ってらっしゃい♪」

 

遥祐とはここで別れて、俺たちはみんなの待つ教室へ向かって行った。

 

 

to be continued……




いかがでしたか?

悪党に相応しいエンディングを描けていたでしょうか?
楽しんで頂けたのなら幸いです。

キャラクター募集も継続中ですので、アイディアが浮かびましたら活動報告の方へ、是非とも応募してくださいませ。

では、また次回にお会いしましょう!

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