バカとテストと僕たちの楽園   作:ウォーズ -IKUSA-

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省太「よっ、読者の皆様! 如月グランドパーク編、楽しんでくれているかな?」

明久「前回に続いて今回も前書きに出てるけど、本当に僕たちにやらせる気かな、エクシリオンさんは……」

渚「尻拭いじゃないなら、ぼくは歓迎だよー☆」

明久「今回も楽しんでくれると嬉しいね。ということで、第33話……」

明・省・渚「「「始まるよー!」」」


第33話 ドキドキ? デート大作戦! 〜中編〜

省太side

 

 

奈子《では、そこのお2人様! こちらの席へお願いいたします♪》

 

言われるがままに、俺たちは解答台へと向かって席に着く。

 

サヨ「省太くん。これ、どういうことかな?」

 

省太「俺もそれを知りたい」

 

今ひとつ状況が理解できない中、奈子の説明が入る。

 

奈子《ルールの説明です! 内容は簡単、こちらが出題する全部で5問の問題を答えていただき、全問正解ならウエディング体験をプレゼントいたします☆》

 

 

サヨ「クイズに全部正解したらウエディング体験……。省太くん、頑張ろ!」

 

省太「サヨがいつになく本気だ……!」

 

ルールを聞いてサヨにスイッチが入る。こんな姿を見るのは、多分初めてかもしれない。

 

渚《それでは早速行きますよー! Are you ready?》

 

サヨ「イェーイ! ほら、省太くんも♪」

 

省太「い、イェー……イ」

 

渚《はい、ありがとうございます♪ では第1問!》

 

俺とサヨの返事を聞いて満足した渚が、出題に入った。どんな問題が出るか……。ちょっと楽しみだったりする。

 

渚《お2人の出会いはいつでしょうかッ?》

 

省太「えッ!?」

 

まさか俺たちに関係することが出題されるなんて夢にも思わず、動揺してしまう。

 

“ピンポーン!”

 

その間にサヨがボタンを押す。

 

渚《はい、答えをどうぞッ!》

 

サヨ「小学4年生のときのバレンタイン間近!」

 

渚《正解ですッ!》

 

省太「(正解なのか!? 確かにそうだけどよ……)」

 

おかしい、これは一部の人しか知らないハズだ。そんなことを考える間もなく、次の問題が来る。

 

奈子《第2問! 2人の馴れ初めは何でしょうか?》

 

“ピンポーン!”

 

サヨ「廊下で壁ドン!」

 

渚《正解ですッ!》

 

省太「そんなことまで聞くのかよッ!?」

 

 

これまでの答えに頭を抱えつつ視線を変えると、それに気付いた渚と奈子は、俺だけがわかるようにVサインを送る。完全な出来レースだろうが仕方ない、ここまで来たら最後まで行ってみよう。

 

 

渚《さてさて! 第3問ですが、こちらは池端早代さんに答えていただきます!》

 

サヨ「サヨが?」

 

奈子《反田省太さんに思いをぶつけたときのセリフを、実演してください!》

 

省太「もはや問題ですらないッ!」

 

“ピンポーン!”

 

渚《はい、お願いしますッ!》

 

サヨ「省太くん……、今まで色々ごめんなさい。サヨ……、やっと間違ってたって気付いたの。……サヨ、省太くんの1番になりたい!」

 

渚《グゥレイトッ! 一途に1人の男性(ひと)を想い、そして溢れ出る気持ち! こんな言葉を掛けられる省太さんは、実に幸せ者です、ブラボーッ!》

 

うおッ……。なんて言うか、すごくくすぐったい。

 

奈子《その勢いのまま、第4問! 次は反田省太さんが答える番です!》

 

省太「俺もやるのかッ!?」

 

渚《池端早代さんに告白したときのセリフを、“心を込めて”実演してください!》

 

な、なんという公開処刑だ。恥ずかしくて死にたくなる。

 

“ギュッ”

 

サヨ「(省太くん、頑張って!)」

 

俯いていた俺の手を握って、励ましてくれるサヨ。大好きな女の子が側にいてくれるんだ、ここは意地を見せないとな!

 

“ピンポーン!”

 

渚《では、熱い答えをどうぞッ!》

 

省太「俺はこんな風にしなきゃできない不器用な男だ。だからこの場で言う。言わせて欲しい。……俺、反田省太は、池端早代さんが大好きです。付き合ってくれますか?」

 

渚《エクセレントッ! これは先程の池端早代さんの言葉に対する6年越しの回答です! 長い間、悩んで悩んで悩み抜いた末に出した答えが、漸く身を結んだ瞬間! 羨ましいぞぉーッ!!》

 

渚が司会という立場を忘れて興奮し、観客の盛り上がりも凄まじいものになっている。そうだ、全てはこの言葉を言えたからなんだ。あのときの気持ちを思い出させたこと、今回ばかりはみんなに感謝しよう。

 

奈子《さぁ、いよいよ最終問題です。これを正解するとウエディング体験を勝ち取れます、頑張ってください!》

 

サヨ「ここまで来たら、絶対正解しようね!」

 

省太「ああ!」

 

奈子が最終問題を読み上げようとした、そのときだった。

 

???『ねぇ。ワタシたちも結婚する予定なのに、なんでその子たちが特別扱いなのかしら?』

 

声の主はギャル風の女性で外見こそ美人だが、非常識さを漂わせていて、隣の彼氏と思わしきチャラ男もイケメンではある。でも正直、外見相応のマナーの持ち主と言った感じだ。2人はそのまま司会者席へ近付いて行く。

 

渚『お客様? イベントの最中ですので、どうかお静かに願います』

 

チャラ男『んなこたぁわかってんだ! オレたちも“お客様”だぞぉ?』

 

ギャル『ワタシたちもウエディング体験、させて欲しいんですけど?』

 

奈子『いえ……、そう言われましても……』

 

チャラ男『あぁもうウゼェな! オレたちも参加してやろうってんだよッ!』

 

ギャル『じゃあこうしましょ! ワタシたちがあの子たちに問題を出す。で、間違えたらワタシたちの勝ちで良いわね?」

 

渚『コイツら……ッ』

 

怒りに震える渚を無視して壇上に上がったバカップルは、奈子が持っていたマイクを引ったくる。その拍子に奈子が転びそうになるも、それを察知していた渚が瞬時に抱き寄せていた。

 

この様子を見て、とりあえず一安心した俺は、バカップルに視線を移す。

 

 

サヨ「省太くん……」

 

サヨは不安そうに見つめていたが、手を握ると少しは表情が和らいだ。

 

チャラ男『じゃあ問題だ、ちゃんと聞けよ?』

 

一体どう言う問題なのか、俺なりに気を引き締めていると―――

 

 

チャラ男『アフリカの首都はどこだ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちの時が一瞬止まった。

 

 

 

 

 

 

 

チャラ男『ホラどうした! 答えられねぇのか?』

 

サヨ「(ねぇ、省太くん)」

 

省太「(ん? どうした、サヨ)」

 

サヨ「(あの人が言ってることって、南アフリカ共和国のことかな?)」

 

省太「(違う。多分、本気でアフリカを国だと思ってるぜ)」

 

サヨ「(でもアフリカって、首都はないハズだよね……?)」

 

省太「(その通りだ。アフリカは国というカテゴリじゃないから、首都なんてある訳がない。これくらい、FFF団でもわかる)」

 

チャラ男に聞こえない声でそう話した。あの2人以外の全員が呆れた表情をしている。

 

奈子《えぇ、あの……。反田省太さん、池端早代さんに如月グランドパークウエディング体験をプレゼントします。おめでとうございます!》

 

渚からマイクを受け取った奈子が、効果音と共に伝える。

 

チャラ男『おい待て! あのガキ共答えられなかったじゃねぇか!』

 

ギャル『そうよ、ワタシたちの勝ちでしょう! あの司会、バカじゃないかしら!?』

 

月影「ふん……。バカはお前たちだ……」

 

バカップルには聞こえないように、でも俺たちには聞こえる声で月影がそう言った。そいつらは何か騒いでいたが、みんなウエディング体験の準備があるので無視した。

 

 

新郎と新婦でそれぞれ着替える為、係の人に付いて行く。で、係の人を良く見ると。

 

省太「お前か、レイ」

 

レイ「そう。わたしだよ♪」

 

レイは、とても柔らかい表情でそう答える。

 

省太「なんかおかしいと思ってたけど……。これ、学園長も絡んでるだろ」

 

レイ「うん、わたしがおばあちゃんに頼んだの。喜んでもらえたかな?」

 

省太「おかげさまで……な」

 

レイ「どういたしまして(ニコッ) でも本番はこれからだから、行こうよ」

 

省太「OKだ」

 

そのまま控え室へと向かって行った。

 

 

 

〜控え室〜

 

 

省太「ふぅ……。タキシードを着る機会なんて滅多にないから、自分じゃないみたいだ」

 

鏡に映る自分を見てこう呟く。見た目こそ様になっているが、中身はどうかと考えてしまう。

 

凌汰「よう、省太」

 

親友兼ライバルの1人、凌汰が控え室に入って来た。

 

省太「凌汰か。どうした?」

 

凌汰「みんなを代表して様子を見に来たのさ。本当は明久に行って欲しかったけど、俺に譲ってくれたんだよ」

 

省太「そうか。ありがとな、今日来てくれて」

 

凌汰「礼には及ばないぞ。そう思うんなら、サヨを大切にするんだ」

 

省太「わかってる」

 

凌汰「それと……。タキシード、似合ってるぜ」

 

省太「サンキュ」

 

スタンバイ前に言葉を交わす。凌汰とはリオ絡みで仲が悪かった時期もあったけど、この関係を維持できてる。凌汰がまだリオを好きでいるなら、手助けしてあげよう……。そう思った。

 

 

 

 

〜10分後〜

 

 

優子《それでは本日のメインイベント、ウエディング体験です! まずは新郎の入場となりますので、皆様拍手でお迎えください!》

 

優子さんのアナウンスと共に、園内全てに響き渡るかと思えるくらいの拍手が聞こえてきた。周囲の熱気に押されて、この一大イベントを一目見ようと一般入場客もたくさんいるようだ。

 

省太「良し、行くか」

 

俺は意を決してステージへと向かう。ステージを上がり切ると、その眩しさに堪らず目を瞑る。

漸く周囲を確認できるようになると、まるで本当の結婚式を意識したセットになっていて、思わず圧倒された。

 

「こ、これは……。たかがイベントだと思っていたら、想像以上だぜ……」

 

 

優子《それでは新郎のプロフィールの紹介を――――》

 

 

あ、プロフィール紹介か。こんなところも本格的にやるのな。

 

 

優子《あくまで体験なので、控えさせていただきます》

 

 

安心したような、ちょっと残念なような。こう考えていると。

 

 

チャラ男『ふん、紹介する必要はないよなぁ』

 

ギャル『興味ないわ』

 

チャラ男『ここがオレたちの結婚式に使えるかどうかが大事だぜ』

 

ギャル『そうよね〜』

 

最前列からそんな声が聞こえてきたので確認してみると、

 

省太「(またコイツらか!)」

 

さっき騒いでいたバカップルだった。しかも態々最前列でこんな行動を取る当たり、非常識なのは間違いない。

 

優子《恐れ入ります。他のお客様のご迷惑となりますので、大声での私語はご遠慮くださいませ》

 

ギャル『もしかして、ワタシたちのコト言ってるのかしら?』

 

チャラ男『まさかな。オレたちは“お客様”だからよ』

 

ギャル『そうよね』

 

チャラ男『それに、オレらだとしても気にすんなって。要はオレらの気分が良いか悪いかの問題だ、違うか?』

 

ギャル『そうそう☆ タカシ、良いコト言うわね!』

 

調子に乗った不快な笑い声が一層大きく響き渡る。

周囲のお客さんはバカップルを睨みつけていて、真夏と鈴音からは紅いオーラが見える。それをこのみちゃんと霧島さんが止めていたから、一応大丈夫なようだ。

 

優子《続きまして新婦の入場です。こちらも拍手でお迎えください!》

 

俺のときと同じかそれ以上に拍手が鳴り響いた。心なしか音量が上がったBGMとアナウンスが流れ、同時に会場の電気が全て消える。

スモークが足元に立ち込め、否応なしに会場の雰囲気が盛り上がっていく。

 

優子《本イベントの主役、池端早代さんです!》

 

このアナウンスと同時に幾筋ものスポットライトが壇上の一点を照らし出す。暗闇から一転して輝き出す壇上で、またしても目を瞑る。

そして再び目を開けたときに見えた姿に、俺は見惚れていた。

 

 

『…………綺麗』

 

 

静まり返った会場からため息とともに漏れ出た、誰かのセリフが静かな会場に広がった。

余程入念に製作したのか、純白のドレスは皺一つ浮かべることなく着こなされている。僅かに銀が煌めくスカートの裾は床に擦らない限界ギリギリの長さに設定されていて、俺の元へ近づくまでに一度も床に触れていなかった。

 

 

サヨ「……省太くん……」

 

省太「サヨ……なのか……?」

 

サヨ「そうだよ……」

 

 

白銀のティアラとヴェールの下に素顔を隠し、シルクの衣装に身を包んだサヨが真っ直ぐな瞳で見つめる。

そして相変わらず見惚れている俺に、恥ずかしげに問いかけた。

 

サヨ「ねぇ……、似合ってるかな……? 変……じゃない……?」

 

省太「―――似合ってる。今までで1番、綺麗だよ」

 

サヨ「省太くん、ありがとう……」

 

明久《はい! 新郎と新婦が揃ったところで、スペシャルゲストをお呼びします☆ 皆様、特設ステージをご覧ください!》

 

“パチンッ!”

 

明久のアナウンスと同時に白いシートが降りて、シートが完全に降り切ったとき。

 

明久《それではご紹介します! 本日のスペシャルゲスト、“Tear drop”の皆さんです!》

 

お客さんの声援に応えて姫冠ちゃんを中心に、かむい、まな、我紋、剣聖で構成するバンド“Tear drop”のミニライブが始まる。最初は『Little Busters! -Ecstasy Ver』、最後は『光差す未来』を演奏した。

誰もが姫冠ちゃんの歌声に聞き惚れ、あのバカップルですら茶化すのを忘れるほどのステージだった。

挨拶が終わった後、姫冠ちゃんが俺とサヨを呼んでこう言った。

 

姫冠『本日は、このイベントでライブができて良かったです! 反田省太さん、池端早代さん。あなたたちの未来が輝くものでありますように……。ありがとうございました!』

 

続いて剣聖、我紋、まな、かむいも一礼し、お客さんからあたたかい拍手が送られた。

 

優子《Tear dropの皆さん、素敵なステージをありがとうございました。引き続き、ウエディングプログラムをご覧くださいませ》

 

優子さんのアナウンスの後、俺とサヨは再び向き合う。

 

サヨ「省太くん、覚えてるかな? 小学生の頃、サヨの夢がお嫁さんって言ったこと」

 

省太「ああ、覚えてるさ」

 

サヨ「ちょっと早いけどサヨの夢、叶っちゃった♪ ……ねぇ、夢じゃないよね? どうか覚めないで欲しいな……」

 

サヨは嬉しそうな、だけど不安そうな顔をする。

 

“ギュッ”

 

サヨ「省太くん?」

 

省太「サヨ。俺の手、どうだ?」

 

手を握ってサヨにこう聞いてみた。

 

サヨ「あたたかいよ」

 

省太「温もりを感じられるなら夢なんかじゃない、現実だ。そして、この時間は……永遠だよ……」

 

サヨ「うん……」

 

キザなセリフを言って思わず俯いた俺を、サヨは満面の笑みで見つめていた。

 

優子《見ている私たちにも、お2人の想いが伝わって来ます。優しい気持ちになれますね》

 

優子さんも見事な司会ぶりを見せていて、周囲も穏やかな雰囲気になる。

 

渚と凌汰と龘吏に至っては、男泣きをしている。そんな微笑ましい光景が広がっていたときだった。

 

 

 

 

ギャル『つまんない』

 

 

 

 

観客席から大きな声が上がる。

 

ギャル『ホントつまんないわね、このイベント。あの子たちのノロケは興味ないから、早く演出とか見せて欲しいわ』

 

チャラ男『言えてる。オメーらのことは、どーでも良いんだよ』

 

声の主はあのバカップルだった。まだやるつもりなのか、コイツらは。

 

ギャル『てか何、この娘? ちょっとどころかかなりキモいんですけど!』

 

チャラ男『だな、あんなガキが良いだなんてよ! そう言えばあのオンナいくつだ? キャラ? それともスタッフの脚本か?』

 

ギャル『どっちにしても、頭大丈夫ですかって感じだよね〜。ギャグのつもりかしら?』

 

チャラ男『そうだ! これコントじゃね? あんなキモい夢、持ってるヤツなんている訳ねーよなぁ!』

 

ギャル『コントぉ〜? もしそうならちょーうける〜!』

 

などと勝手なことを大声でのたまい、サヨを指差して下品に笑うバカップル。すると……。

 

 

 

 

“ガァンッ!!”

 

 

 

 

 

 

渚『今2人のことを笑ったのは、誰だぁ!!!』

 

 

 

 

大きな音と共に渚が、観客席の最前列へ近付く。その姿を見たお客さんは戸惑ったり、怯えたりする人でいっぱいだ。

 

渚『お前か!!』

 

チャラ男『なんだテメェは!』

 

渚『それはこっちのセリフだ!! なんなんだよ、さっきから邪魔ばっかして! 2人のこと何も知らねぇくせによぉ!! お嫁さんになりたいって夢がそんなにいけないことか!? 好きな人の側にいたいと願うのは尊いんだぞ! それがキモいだって!? テメェの物差しで省太とサヨちゃんを侮辱するなぁッ!!!』

 

渚の口調がいつもと違うものになった。これは本気で怒っている。

 

チャラ男『バカかテメェは。キモいモンをキモいって言って何が悪いってんだ?』

 

渚『っざけんなぁぁぁぁッ!!!!』

 

この発言に怒りを爆発させ、今にも殴り掛かろうとしたときだった。

 

遥祐『渚ッ!!』

 

龘吏『やめろッ!!』

 

遥祐と龘吏が渚を押さえる。もう少し遅かったら、チャラ男を殴っていたところだ。

 

渚『離せぇぇぇッ!! このクソ野郎だけは許しておけないんだッ!!!』

 

月影「だが殴ったら、お前の立場が悪くなる。……丈瑠」

 

丈瑠「(コクッ) 失礼だが、ここはお引き取り願わないか?」

 

丈瑠が一歩前へ出て、チャラ男にこう告げる。

 

チャラ男『あ? オレたちは“お客様”だぞ!』

 

ギャル『そーよ、そーよ!』

 

丈瑠「周りを良く見た方がいい。この状況では、お前たちは“招かれざる客”だ。だから、お引き取り願おう」

 

チャラ男が周囲を見回すと、ギャル以外の全員が顔を顰めている。

 

チャラ男『な……。なんだよ、どいつもこいつもそんな目で見やがって! 行くぞ、サチエ』

 

ギャル『そーね、タカシ』

 

渚『くそぉぉぉぉぉぉッ!!!』

 

渚の叫びを尻目にその場を去って行くバカップル。このやり取りしている間に、

 

優子《は、花嫁さん? 花嫁さんはどこにいかれたのですかッ!?》

 

サヨは会場から姿を消していた。

さっきまで立っていた場所にブーケ、白銀のティアラとヴェールを残して。

 

 

省太「サヨ……」

 

 

落ちていたヴェールを拾う。それは羽根のように軽いはずなのに、サヨの涙で少し重くなっていた。

 

 

優子《池端さん? 池端早代さーん! 皆さん、花嫁を捜してください!》

 

スタッフがサヨの捜索へ動き出したとき、俺は明久のところに近寄った。

 

省太「悪りぃ明久。俺、サヨを捜して来る」

 

俺は明久にこう告げた。残念だが、イベントは中止だろう。

 

省太「ついでに、アイツらシメるよ」

 

明久「良いよ、行って来て。僕も同じ気持ちだから」

 

省太「それと、渚を頼む」

 

明久「OKだよ、省太」

 

省太「サンキュ、明久」

 

さぁ。この落とし前、キッチリ付けさせてもらうぞ……!!

 

 

to be continued……




渚「え、ここで終わり? なんかやきもきするなぁ……」

明久「で、でも早めに投稿されるはずだから大丈夫だよ! ……多分」

省太「なんか気になる言い方だな……。まぁ良いや。次も俺のターンだ! 」

渚「あと、活動報告も、良ければ覗いてみてね!」

明久「ちゃっかりしてるなぁ……。 じゃあ、また次回に会おうね♪」

明・省・渚「「「ばいばいッ☆」」」

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