「俺とも因縁あんだろう、悪いがここでお前を倒させてもらうぞ。」
マトリフは静かに素早く魔力を体内に練り始める。
おそらく決着は互いの大魔法一発ずつ、それ以上は自分が持たない。
世界最高峰と言われても年に勝てないのがなんとも情けないが、自分の倒せそうなうちにハドラーを葬り去る!
「はぁ~、下らん。」
マトリフの宣言を聞いても、ハドラーはつまらなさそうな顔をして呟く。
「老いたな、そんなつまらんことを言うようでは妖怪じじいからただの爺に成り下がったか。」
昔のマトリフはアバン以上に飄々としていて人を馬鹿にしていながらも何度煮え湯を飲まされたことか。
大部隊を率いても、どこか余裕のある顔で事に当たっていたのが今はどうだ?
自ら戦端を開くとは愚かしい。
ハドラーはマトリフをつまらなさそうに、いや見下げはてている。
ティファが今の自分を見てくれれば-また一段と力を付けましたね。そろそろ戦う舞台を考えましょう-
位は言ってくれそうなものだ。
妖怪じじいはただのじじいになって本当に詰まらん。
通るか、散々許可を求めて礼も取ったのだからティファもうるさく言わんだろう。
ハドラーが足を踏み出したその時-イオラ!!-
ハドラーの足元めがけてマトリフが仕掛けた。
「行かせねえよ。」見下げはてられようが何だろうがこいつは危険だ!それでも今ならば自分でも!!
「そうか、戦う気はなかったが降りかかる火の粉は払わせてもらうぞ。」
自分が挑んで受ける気になってもハドラーは昂ることなく、平常心のまま魔力を溜めてゆく。
持つか今の俺の体は?
「ふぅ~ん!!」-ゴォーウ!-
あれは!!
ハドラーの技を見てポップの顔が青ざめる。
両手に爆裂呪文、あれはバルジ島で自分もくらったベギラゴンだ!!
師匠が危ないと見れば、なんとマトリフもベギラゴンの構えをとっていた!
「「ベギラゴン!!」」
同じ呪文ならばあとは術者の魔力の威力勝負になる!以下にマトリフが凄くとももう高齢なのだ!!
それに自分の目から見てもハドラーの実力がバルジ島の時よりも数段上がっているの分かる程だ!
ダイ!ダイ!!頼むから起きてくれ!このままじゃ師匠が死んじまう!!!
ポップが必死に念じたその時「ぐふぅっ!!!」
咳!どっちが!!
「師匠!!!」マトリフが血を吐いている!
「けっ!年はとりたくねえもんだな。呪文の威力に体が追い付かねえとはな。」
軽口をたたいているつもりであっても、それが真実だと分かってしまうほどマトリフの表情には焦りが浮んでしまっている。
「ふん、許可をするか黙って通せばよかったものを無理をするからだ。」
「うるせえ―――!!!」ハドラーの言葉を叩き返すようにマトリフは言葉と共にさらに魔力を上げ始める。
ポップが嬢ちゃんを命懸けて守ろうとしているのに!俺がのこのこと通すかよ!!!
自分の宝を守る為ならば命惜しむか馬鹿野郎が!!!
マトリフの内心の叫びに何かを感じたのか、ハドラーは本気を出すことにした。
「よかろう、覚悟の上ならば塵になるがいい!!」
次第にベギラゴンはマトリフの方に流れていき、遂に大爆発を起こした!
「師匠!!!」-ヒィ――ン!!-
ポップの叫びと同時に、何かが光甲高い音がする。
煙が晴れればそこには右手の紋章を全開にしてマトリフを背に庇っているダイの姿があった!!
「頭の中でポップが俺を呼ぶ声がした!!」
ポップの祈りが通じ、ザボエラの薬を吹き飛ばしたのだ。
「消えろハドラー!!俺の仲間はもう誰一人として傷つかせるものか!!!!」
ダイはもてる力と掌に受けたベギラゴンをハドラーにぶつけて退かせた。
「へへ・・間に合った・・」
無理やり覚醒した後のこれは少々きついが、ポップを助けられて良かったと安堵したダイは尻モチをつきながらホッとする。
「ポップ、マトリフさん、小屋に帰ろう。」
二度と仲間を失いたくない。
「ダイの奴も、一段と力を付けたか。」
キメラの翼でかろうじて戻ってきたが、腕二本を持って行かれた。
「このままではあ奴等には勝てんか・・」
今の自分のままでは・・「ザボエラ!!!」
ならば強くなるためにザボエラが研究をしている-あれ-にならねば!!