勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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今回は今作品で一番のご都合主義発動注意報です。
そんなのあり得ないと思われる方読むの注意です。
一度くらい無茶苦茶設定をお見逃しください。


鬼岩城・・ですが・・

今回ばかりは敵が巨大すぎる。

濃い霧が晴れて露になった動く城は、パプニカ城ほどの大きさでしかもまだ湾内におり上陸されたときの大きさがどれほどの者か考えたくもない代物だった。

だからと言って逃げるという選択は頭になく、

「メッラゾーマー!!」ゴォオウ!!

「道を開けた!チウ!!今のうちに山の方に行け!」

「ハァアアア!!!」ガッシャー!!

「今のうちに逃げて!!」

「獣王会心撃!!!」ズバァー!!

「避難を早く!!」

ポップは空中からメラゾーマを、マァムとクロコダインは地上にて武術必殺技を駆使して人もモンスターをも守り通そうと奮戦をする。

勇者一行の活躍に応えるように王国軍も奮起をし、自軍の大砲が通用しなかったと心折れかけたベンガーナの軍・敵うのかと絶望しかけたリンガイア・ロモス王国の軍人達も獅子奮迅の活躍を始め、チウもモンスター達を励まし叱咤して避難役を必死にこなす。

今までこんな恐ろしいことにあってこなかった。

せいぜい人に殴られ忌み嫌われる程度で、昨日のロモスでの出来事がどうでもいいように感じる。

それでも逃げようなぞという考えは欠片も浮かばず、仲間の期待に応えようと駆け抜ける。

上空では攻撃しつつも的確に避難指示を出すポップがいる。

マァムもクロコダインも多勢の敵に臆することなく戦っている。

倒しても倒しても減らない敵に「ちっくしょう!きりがねえ!!」

ポップが切れて叫べばいきなり台地が割れ多数のさまよう鎧の軍団が飲み込まれた。

避難を終えて戦いに戦場に出ていきなりの光景に目を丸くして亀裂のもとをたどってみれば、

「どうしたポップお前らしくもない、来た敵をすべて倒せばいい事だろう。」

槍を地面に突き刺した銀髪の偉丈夫がさらりととんでもないこと言ってる。

「うるせえ・・ちと疲れただけだよ。」

みっともないところを見られたとポップはバツの悪い顔をしながら銀髪偉丈夫の側に降り立つ。

「マァム・おっさん、いったん集まれ。チウもこっちだ。」

 

ヒュンケルの変わらずのドンピシャタイミングと、相変わらずのでたらめな強さのおかげで一息つけるとホッとしたポップは、周囲を警戒しつつも現状と今回の作戦をヒュンケルとクロコダインにつたえる。

「いい案だ、ダイが来るまでと分かればペース配分がしやすくなる。」

「うむ、それにティファを戦場に出さずに済むな。」

ヒュンケルとクロコダインの手放しの称賛にポップは赤くなるが、敵はお構いなく突撃をしてきてすぐに戦闘再開、問答無用である。

 

敵が減らないからくりは、鬼岩城内部のラングの間で新たにさまよう鎧が生み出されており、破壊しない限りほぼ無尽蔵である。

そろそろ鬼岩城を上陸をさせて人間に絶望を与えようとミストは操縦者のシャドーに命を出す、上陸せよと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨大な城がとうとう動き出した!城下町は蹂躙される!!

そう誰もが覚悟をしたが(さて、仕掛けを動かすか)ジュブ!ズブズブ!!

「なん!!」鬼岩城がパプニカに上陸をして数歩歩くか歩かないかでなんと地面が鬼岩城を飲み込んでいった!

それはヒュンケルが先程さまよう鎧達を亀裂に落としたようなものでは全くなく!潰された家が仕返しとばかりに鬼岩城を飲み込んでいったのだ。

遠くから見ているレオナ達、地上からいきなり鬼岩城が縮んでいくように見えるポップ達は唖然茫然であり、急いで事態を調べに行ったミストは絶句をした。

なんと地面が泥状化をし、鬼岩城がめり込んでしまっている!!

硬い岩ならば砕ける、如何なる水圧にも耐えられるように設計をされている鬼岩城とても、泥に飲み込まれるなぞは全くの予想の範囲外であり、さすがのミストにも成す術がなかった。

一体なぜ地面が泥状化をしたのか!鬼岩城が上陸をする前には確かに家がきちんと建つほどの硬質な地面であったはずなのに!!

鬼岩城が胸あたりまで泥に沈んだところでようやく沈下が止まったが、周囲は少なくとも50メートル同じく泥状と化しており、しかもたかだか泥のはずなのにかき分けて動くように指示を出しても無類の破壊力を持っているはずの鬼岩城がピクリとも動かずにいる!!

シャドーからも操縦がきかないと悲鳴に近い報告が来てミストの混乱に拍車をかけた。

一体・・何が起こったのだ。




今夜はミストの驚愕で終了です。

次回は謎解きです。(うまいこと書けるかな・・)

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