能力の理解はオッケー。
三歳までダイ兄と皆で島で遊びまくったので体力底なし脚力・腕力ぶっちぎりー‼
自然児特典満載。世間一般の大人になら素手でも勝てる‼・・かな?
基礎体力はこれで大丈夫になったので、いよいよ本格的な修行の開始になった。
三神様達が修行場を用意してくれた。
何とドラゴンボールの精神と時の部屋みたいな洞窟だ。
私にしか見えず、当然入れるのも私一人。
中でどれほどの時間が経っていようとも、外では五分しか流れていないという超便利さ。
神様達としては、あと一年はやらせないつもりだったらしいけど、
「神様達~、早く修行して強くなりたいんです。」
早く強くなって、単身世界を回れるようになりたいというティファの願いを、三神はくみ取りすぐさま修行場をデルムリン島に出現させた。
本当はティファの体がもう少し育ってからを考えていたのだが、ティファの熱意に押される形となって。
修行場の出現した速さに、ティファを目を丸くしながらぽつりと言ってしまった。
「こんなに凄い力を出せるなら、世界中を助ける支援もう少し増やせば・・・」
ティファにとっては何気ない一言を言ったつもりであった。これ程の凄い御業を奇跡だからと抑えるのではなくという思いを多分に乗せた。
その一言で、ティファは天神に言葉の雷を降らされた。
「よいか!!これが出来たのは転生者のお主が、天の加護を与えやすき地・デルムリン島にいるからだ!!我等とてこの技を地上に出せるのであれば・・・」
雷と共に嘆きも降ってきた。
説明聞くと、どうやら天界は長らく強制鎖国中らしい。
天界全土が不可視結界に覆われていて現神の三神様でも容易には取り払えず、やむを得ず現状に甘んじるしかなく、巨大結界の一部の隙を利用して今まで地上の支援をしていたと・・マザードラゴンと竜の騎士や神の涙・オリハルコンの武具やらを。
カールの破邪の洞窟は百年かけて少しずつ作って、完成してから出現をさせた。
他の試しの儀の洞窟・洞穴も地上にいる精霊たちに命じて同じように時間を掛けて作った苦労の末ものだって。
この洞窟が短時間でハイスペックにできた理由は転生者の私をツールにしたから結界の効力を受けずに送り込めたようだ。
天界と地上のミニ歴史授業を受けられた。
念願かなって修行場!その中は‼・・十畳ほどのごつごつ岩壁・・はて?
「三神様~説明プリーズ。」
「やれやれ、せっかちじゃの。きちんと説明するから慌てるでない。」
代表で竜じいちゃんが機能説明してくれた。
私のやりたいことに合わせて、洞窟の機能がかわるらしい。
瞑想、闘気練りの修行なら今の部屋で。
実践をしたい場合は下の階層に降りてくダンジョン版に。
その際は一つの階層攻略ごとにご褒美アイテムあり。当然階層ボスありで。
・・でも・・
「竜じいちゃん、実践でも・・罪の無いモンスター殺すのは・・・・」
ゲームのようには割り切れない・・だって私の友達大半モンスターだし・・。
「大丈~夫~!」
・・この緊迫感の欠片も無い声はたった一人。
「人の神様?」
「この洞窟内に出てくるモンスターは全部疑似生命体。
・・でも、喰らったダメージは本物だから注意してね。」
なるほど、そんならいいや!私が気をつければいいだけだもん!!
「頑張ります!!」
洞窟内一週間は闘気の修行。
内にある闘気を感じて、掌に出すのを一週間でやろうとしたら・・三日で出来た・・。
一週間分の食料貰ったので残りの四日は式の練習する事にしたら・・二日で会得。
・・見てた神様達も出鱈目を見たみたいに言われた・・気持ちはとっても分かります。
別に無双チート貰ったわけじゃ無いのに会得時間が早すぎでしょう・・。
この体のスペックどうなってんの?
余った二日でダンジョンしてみることにしたら、そっちはぼろ負け。
モンスターの中で一番弱いスライムの群れに。
・・なんかほっとした。一般常識内で収まってくれた気がして。
力あっても使い方がなっていないとそんなものだ。
自分決め期限が過ぎたので洞窟を出て、何事もなく我が家に帰る。
「じいちゃん、ご飯つくろ~う。」
「うむ、今日は・・。」
お外では料理の修行だ。
朝起きていつもの一日過ごしたら、また洞窟へ。
今回は船員さん達に貰った武術の事が書かれた本。
この世界では本は貴重品で、専門書となればさらに貴重品なのをくれた。
本当はダイ兄が貰ったんだけど、ちょいと借りた・・ていうか・・無断借りだけど。
とにかく基礎的な動きと攻撃と防御の基本を読んで反復練習の末に、スライム全部、ボコって制圧してクリアー認定。
ご褒美アイテムは銅の剣。
持った瞬間ずっしりとした感触が・・体と心に伝わった。・・そして武器特有の怖さも。
テラン編で、記憶失くしたダイ兄が、パプニカナイフを持っただけで青ざめた理由が
分かった気がする。
・・これは命を懸ける重み・・会得して戦おう。私の守りたい者の為に。
その日はそこで終了。
それから三日間は洞窟には行かずに日常生活しっかりと過ごし、いつも以上に
じいちゃんとダイ兄に甘えまくり
「ティファは仕方がないの~。」
「ティファ大好きだよ~。」
「ティファもみんな大好き~」
自分の守りたいものを心に刻み込むように過ごした。
この大好きな人達の笑顔を守るために戦う事を。
二階層は吸血コウモリの群れ。
銅の剣で斬って斬って・・洞窟の天井崩落させて数を減らしてまた斬って・・
最後の一羽を切り終わったとき、私は吐いた。
肉を・・骨を斬る感触・・生々しく感じる・・命を奪った感触を‼
吐いて・・暫くうずくまって泣いてたら竜じいちゃんが達申し訳なさそうな声で話かけてくれた。
・・きっと・・すまないと思ってくれてる。
優しい三神様・・だからこそ私は三神様と世界助ける為に強くなるんだ!!!
「大丈夫!!私は強くなる。」
へこたれてられない。
だってこれが私の進むべき道のスタート台に立ったに過ぎない。
こんな所で弱音は言ってられない。厳しい戦いが待っているんだから。
ご褒美アイテムは薬草セットと薬学に関する書物。
勇者一行は常に大怪我がつきもの。-みんな特攻精神の持ち主ですか-と言う位に、我が身を省みない人達だらけになる予定だから、この本は本当に大助かりする。
主にヒュンケルとクロコダインだ。
特にヒュンケルなんて・・原作で負ったあの骨のヒビなんて一生治んない気がする。
・・この書物は本当に宝物だ。ものにしよう。
とりあえず薬草で自分の傷を治しとこ。
日常生活を送りつつ外時間半年、洞窟時間五年で洞窟すべてを制覇した。
全五十階層で、二十五階で空飛ぶ靴を手に入れた。
五十階層では・・オリハルコンに勝るとも劣らない武器を手に出来た。
洞窟の出現を出来るのなら、何故もっと地上を助ける動きをしないのかとの説明を
書き足させていただきました。
天界を結界で覆ったのは先代の神様です。
理由は物語が進むにつれてお出ししていきたいと思います。