勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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立ち直りは天下一品


大魔王の篩①

ダイは人生でこれほど葛藤をしたことはなかった。

今にも自分が暴走をするのではないかと危惧している親友達の手前暴走するわけにもいかない。

何で妹はロン・ベルクの懐で眠っているのだ?しかもしっかりと同じ毛布にくるまって顔を埋めて寝てる!

そんな自分の気配に気が付いたのか、ロン・ベルクの目が覚めた。

 

「うん?お前たち起きたか・・お嬢さん、起きれるか?」

「ううん・・・・や・・」

「お前さんが起きないと駄目なんだろう?」

「・・・あれ・・滅べ・・」

「俺もその意見に大賛成だが、ほれ。井戸連れてってやるから顔洗うぞ。」

 

起きるのをいやいやとぐずっているティファをそのまま抱き上げて、裏手の井戸へさっさか連れて行ったロン・ベルクに、ダイ達はぽかんとした表情で見送った。

あのティファがひとに甘えている!しかも滅べとか物騒な事を言ってしまっている!!

何があったかと問い詰めようと、戻ってきたティファは矢張りロン・ベルクに抱き上げられていた。しかも顔は泣きはらした後で少々晴れて赤くなっている。

ダイ達が絶句をしていると、ティファが話す前にロン・ベルクが昨日の事をあらかた話した。

変態的な奴の事は言ったら口が腐りそうなのと、言われたティファが思い出して心を乱さないように配慮をして大魔王の篩と場所だけを端的に。

 

「・・・・何でそんな所に行ったのさティファ!」

「ふぇ!!」

「ティ・・」

「よせダイ!俺もそうだがお嬢さんは誘き出されたんだよ、-声-に。」

 

危険なところに一人で行った事にダイがティファに腹を立てたが、弱り切っているティファはダイの怒りを受け止められずにいるのをすかさずロン・ベルクがフォローする。

昨日ティファが受けてしまったことの全容を知っているのは自分しかおらず、必然フォロー役になるのはやぶさかではない。

 

ロン・ベルクのフォローに渋々ながらもダイは引き下がり、弱っている妹を受け取りに近寄る。

 

「おいでティファ。」

「・・・いい、自分で立ちます・・」

 

そんなダイの手をティファはとらず、自分でロン・ベルクがらそっと降り立つ。

今はダイの気配すら響きすぎて落ち着かない。

 

眼鏡を取り出し顔に装着をする。自分は勇者一行の料理人だ、何があっても逃げてはいけない!

ダイ達の視線から逃げるように小屋の外に出れば、先程は気が付かなかった青空が目に飛び込んでくる。どこまでも・・どこまでも広く吸い込まれそうな青空・・・

 

      

 

 

           「コンチクショウ―――――――!!!!」

 

 

何が私が悪い子だ!何が君のせいだだ!!篩なんてする奴の方が悪いじゃないか!他人様に罪擦り付けたあいつはまじで燃やす!!!!!

 

顔をのけぞらせ、全身を震わせてティファは叫び上げる。

悲しみも怒りも全て身の内から追い出す為に、たった一言の中に様々な思いをぶつけて。

 

「ロン・ベルクさん!行ってきます!!」

唖然茫然する全員を尻目に、ティファは力強い笑みをロン・ベルクに向ける。

 

「・・・立ち直りの早いお嬢さんだな~。」

「何のこれしき!負けっぱなしはぜっったいに嫌なんです。」

 

昨日と先程と違いすぎるティファに苦笑するロン・ベルクだが、弱り切っているよりもよっぽどいいと、ティファの頭をくしゃくしゃと撫でまわす。

 

「俺も付いて行くか?」

「いいえ、招待を受けたのは私達です。それにダイ兄達がいます。」

「ティファ・・その大丈夫?」

「ごめんね兄・・心配かけたよね。ポップ兄達もびっくりしましたよね、体に違和感は?」

何となれば一服盛られたのだから、落ち着いたティファはようやくその考えに至りポップ達に声を掛ける。

ダイ達としては一服盛られたことにも気が付かなかったのかと内心では忸怩たる思いだが、体に特に変わったことはなくそれよりもパプニカが気になりすぐさま行く事になった。

 

大魔王の篩なんてぶっ潰してやる




たったの半日で立ち直りました。

大魔王の篩では創作アイテムやオリジナル設定を出しますのでよろしくお願いします。
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