勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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筆者がポンコツ化して大変長らくお待たせしました 

サクサク進めますのでよろしくお願いします(;^_^A


大魔王の篩③

鏡の通信文字が送られたこと自体はさほど驚かれはしなかった。

各国にも先のハドラー大戦でも前例があるので、血文字であっても大騒ぎにはならない。

それでもティファと翻訳で呼ばれた学者たちは頭を抱えている。

 

送られて来た血文字の字が汚さすぎて

 

「・・・・翻訳不能です。」

 

意気揚々と翻訳してさっさとテラン王を迎えに行くと鼻息荒くしたティファが早々に白旗を上げ、おっとり刀でやってきたパプニカの魔道研究三兄弟の長男インス・次男ワイズ・三男フォスも見て早々に諦めた。

 

「「「「こんな汚い字は読めません」」」」

 

書いた本人としては書体を流麗に崩して書いたつもりのようだが、たんにバッチい字にしか見えない。これから察するに、送った本人は理知的だと思い込んでいる馬鹿であるとのプロファイルが精々できたくらいだと、ティファと三兄弟の意見が一致した。

 

何とか解読できないかものか。

最早翻訳ではなく解読と呼べるほどの汚い字をティファはじっくりと見つめる。

 

ダイ達も何か手伝いたくとも専門外もいいところで、多少はかじっているポップも邪魔にならないように距離を置いてい見守っている。

 

だからこそまたしても侵入者がティファの側に寄ることを許してしまった。

 

「本当だ酷い字だねこれは。」

「そうなんです。せめてとっかかりさえつかめれば。」

「それに内容が間違っている。肝心な内容が書かれていない。」

 

・・・・は⁉

間違っているって・・・私誰と・・・!!!

「今日はお嬢ちゃん♪」キル!!!

 

どう謝るかは結局決められなかったので、出たとこ勝負でティファに会うかと空間を通ってパプニカ王城のど真ん中に出現したキルは早々に愚物の間違いをこき下ろす。

 

「てんめぇ!」

「キルバーン!今日こそは・・・」

バッガァン!!!

 

ダイが剣を抜く前に、ポップが怒声と共にメラゾーマを放つ前に、勇者一行全員攻撃が始まる前にキルは壁まで吹き飛び、激突をされた壁は四方一メートルに亀裂が奔る。

無論そんな事では何のダメージにもならないキルではあるが、自分を()()()()()()()()を信じられないものを見る目で見つめて呆然としてしまった。

無論蹴り飛ばした人物はそんなキルの隙を逃すはずはなく、青のリングから大量の大瓶を取り出しキルに投げつけ、ついで部屋中に投げつけた。

 

ティファの素早すぎる行動にダイ達はなすすべなく呆然と見ていれば、敵のキルバーンどころか部屋一体が水浸しになった。

床や壁は無論の事、天井も濡れていないところはなく、一連の出来事で静寂した部屋には天井から滴り落ちる水音のみが響いた。

 

その静寂は、小さな足音にかき乱される。

パシャパシャと、雨後の道を歩くようなゆっくりとした歩を進めてティファはキルにゆっくりと近づきながら雪白を具現化し、座り込んでいるキルの顔の右のすぐ横に突き立てる。

 

「おはようございますキルバーン、逃げられるものならばどうぞご自由に。今この部屋からあなたが出られればの話ですが。」

 

こんな時にもティファは挨拶を忘れないが、冷たい瞳がキルバーンを射すくめる。

これは本気で出直すべきだとキルは()()()()()()空間を通って退出をしようとしたが・・「!」

 

「開かないでしょう。」

「・・どうして・・」

「今私が一帯とあなたにかけた水は、聖水を私独自の製法で濃度と効能を上げた代物です

。魔族や高魔力を帯びたものは外には出しませんよ。」

「そんな物が・・」

「あるはずが無いと言おうとも現に貴方は外には出られていない。」

 

雪白を壁から抜きつつ、ティファは冷たい目をキルに向けたまま告げる。

 

「貴方は今捕らわれの身だ、何もかもを話していただこうキルバーン。」




お待たせして申し訳ございませんでした。

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