お話をサクサクと進めるために、ティファと三人衆の話はオリジナルアイテムで進めることにしました。
(語りにして纏める自信がないのでお許しを。)
出典は何処にもなくドラクエのアイテムとは全く関係ありませんが、それでも良い方のみお読みください。
変だ。
この篩で起きたフォルケン王の誘拐にキルは無関係だって言ったらキルの奴ルンルン声でありがとうとか言ってきた。
それも人の手をがっちり握って今にも抱き着きそうになってきて、おかげでダイ兄は剣抜きかけて皆戦闘モードになったし勘弁してほしい。
単に今までのキルを考察した私見を述べただけなのになんでだろう?
ああ~、お嬢ちゃんは本当に僕の事をきちんと見てくれて理解してくれているなんて!まるで天国の気分を味わえた!!
「そうだよ、僕はこんなちんけな策なんて弄さない、攫うのは君だけだ。」
とか言ったら、流石に大惨事になりそうだから言わないけどね。
お仕事きちんとしないとミストに怒られるのは良いど、嫌われたくはないから頑張ろう。
キルは跪いてティファの手を押しいだいてお礼を言って、懐から小さな水晶を取り出しティファに持つように手の平に乗せる。
何かの攻撃か呪いのアイテムかとダイ達がいきり立つ前にきちんと説明を始めた。
「これはね、記憶を読み込んで周囲の者達に映像を見せられる特別な水晶なんだよ。
魔界にもこれを入れてバーン様の手元には二つしかない特別製でね。」
「・・・そんな特別なものまで使って、大魔王は私に何を聞きたいのですか?」
超レアアイテムを渡されたティファは流石に気色ばみ始めた。キルは自分の実力を知りたいと言ったのに、どうも話が違ってきた。
「そうだね~。君はね、現段階で魔王軍にとってはとっても危険で要注意人物なんだよ。」
は⁈
「それこそそこの勇者君以上のね。」
ホワッツ?
「ちょっと待ってください!!」
「ん?どうかしたの?」
どうかしたのじゃないでしょ!
「なんでですか!魔王軍の作戦を悉くつぶしたのは一行の皆で!!」
「はいストップ、言いたいことは分かるよ。実力云々で君を注視しているんじゃないんだよ。君の底知れない影響力を僕らは警戒してるんだよ。
そうだね・・ここ最近だと・・そこの大ネズミ君。」
ティファに説明をしていたキルは突如としてチウに話しかけ、話をいきなり振られたチウとしてはもう天地がひっくり返るかと思った。
敵の大幹部が、こんな端のモンスターの自分に話しかけて来たのだから無理もないが、そこはチウの度胸が勝った。
「初めまして!僕にはチウと言う名前があります!!」
両足を踏ん張り、堂々と敵の最高幹部のキルバーンに対して名乗りを上げた。それもきちんと礼儀正しく挨拶から入り。
道々今回仕掛けてきたキルの狡猾さ非情なる死神にして折り紙付きの実力者だと言うのはきちんと聞かされていたが、それでもチウは精一杯の勇気を振り絞った。
尊敬するティファならばきっと・・
「成程、お嬢ちゃん・ティファの模倣をもう君はしているのか。」
「!・・どうして・・」
「なんで分かったのか不思議そうだねチウ君。君の勇気に敬意を払って僕もきちんと名乗らせてもらうね。
初めまして、僕は大魔王バーン様の側近で、軍にとっての邪魔ものと軍にとって必要のない不用品を始末する死神キルバーン。以後お見知りおきを。」
これまでティファ以外の敵に対して碌に礼を取らなかった死神が、一介の戦士見習のモンスターに対して右手を胸に当てて優雅にお辞儀までしてみせた。
この大ネズミ君もどこかお嬢ちゃんに似てとてもキラキラしていて美しい。
二人をお持ち帰りできないか、早速頭の中で算段し始めるくらいに気に入ってしまったのだから、このくらいの礼儀は初歩であろう。
それにもう一つ。
「君のおかげで説明の手間が大分省けたよチウ君。一つ聞くね、君はどうして僕に名乗りだけではなくに挨拶までしたのかな?」
「え?それは・・ティファさんが、敵のミストバーンって人にも挨拶していたから・・だから僕もそうしたいって・・」
誰に対しても礼儀を欠かさないティファの真似をしたのだと、全身を真っ赤にして両指をつんつんしながら俯きながらチウはぼそぼそと話す。
尊敬する当人の前でその人の真似をしてるなんて告白なんて死ぬほど恥ずかしい!!
言われたティファさんも真っ赤になっちゃったじゃないか!!
「ほらね、出会って間もない彼だってもう君の影響を受けちゃってるよ?」
「・・・礼儀正しいのは良い事でしょう。少しのきっかけを私が及ぼしたかもしれませんが、影響力と言える程とは・・」
「いや違うね。君は誰に対しても変えるきっかけを与えてしまえるのが怖いんだよ。」
「は?それこそ過大評価の極みと言えましょう。」
「違うね、僕の考えでは君はいるだけで話すだけで、もしかしたら君自身でなくとも関わった‐者‐か‐物‐が関わっただけでもどんどんと物事が変わっていくんだよ。」
キルは優しくティファ今回の篩の目的の話を。
「実はね、君があの竜騎衆三人とバラン君が五年前に出会ってしまったと思われる頃に、僕等はとっても大迷惑を被ってしまったんだよ。」
あの超竜軍団の側近で強いと言われる竜騎衆にお近づきになろうとした者が、三人が人間を憎んでいるのは有名な話なので人間・特に子供を幾人も多く殺したと自慢話をしたものを相手に、魔界の拠点の食堂で大乱闘をして、遂には参戦をしたその場にいた数百もの屈強な精鋭達を素手でぶちのめしてしまった竜騎衆達。喧嘩の仲裁をしてほしいとバランに泣きつきに行ったものは、何故か竜騎衆同様に不機嫌だったバランの手により半死半生にされてしまった。
似たような騒ぎはあちこちで頻繁に起き、どうも竜騎衆達は人間を多く殺した自慢話、特に子供の事を聞いた時点でぶちぎれ誰かれ構わずぶちのめしてしまい、とうとう話を聞き付け事態の対処を図った魔軍司令官の手によってバーンに反抗している者の中でも最大勢力の下に討伐に送り出された。
これで一年は帰ってこまい。その間にごたごたになった軍を立て直せると思ったが甘かった!
「なんと彼等ね、一年はなくともバーン様の予想でも半年は帰れないと予想された討伐をたったの半月で壊滅させてきちゃったんだよ。」
それも大軍勢の相手を、竜魔人化しなかったバランと竜騎衆のたったの四人でやったと言うから驚きである。
「・・その話って・・」
「そうだね、五年前で、地上での季節で言うところの夏に当たるのかな?」
・・・どうしよう。今の話と私が父さん達にさよならを言った時期ときちんとあっちゃってる!つまり私にさよならされて不機嫌になった父さんとテラン村の子供たちにそれなりに親近感湧いちゃってくれたあの三人が騒動起こして今私にとばっちり来てるの⁈・・本気で勘弁してほしい。
テラン村とティファに接した事で、調の羽ばたきの影響は魔王軍に大嵐を巻き起こしました。
上記の迷惑以外に魔王軍の被害はありますが今はこれにて。
次回いよいよオリジナルアイテムの出番です。
よろしくお願いします。