勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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あともう少しでこのサブタイトルとはお別れです( ー`дー´)キリッ・・多分


大魔王の篩の篩➈

「ひっぎゃあああ!!目が目が!!!」

 

篩の塔での最高指揮官キングマキシマムは目を両手で押さえて敵であるダイ達の前でもあるにも関わらずに無様にも転がりながら悶え苦しんでいる。

 

自分達は何が入った目つぶしを投げさせられたのだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

塔の中は一階の入り口部分から人の形をした見るからに金属の敵が襲ってきた。

「ポーンヒムの劣化版ですか・・ダイ兄達に話したポーンヒムの事覚えてますか?あれに比べればさしたる強さ感じないのでダイ兄、剣反応してないでしょ?

無理に抜こうとしなくていいから、パプニカのナイフに壊さない量の闘気乗せて斬ってみて。面白いくらいスパスパ切れるよ。」

 

数の脅威に怯むどころかティファは慌てずににっこり笑って指示を出す。ダイも敵の材質がまさかオリハルコン製だとは思っていない、精々鋼位だと見積もったので可愛い妹の言う通りにして見れば本当に面白いように斬れていく。

最初は大地斬を使っていたが、さしたる技はいらないだろうと塔の天辺にいるであろうキングマキシマム専用に体力を温存しつつ斬っていくが問題なく撫で切り状態。

 

ヒュンケルも槍を閃かせ、敵の主に足の部分の切断して立ち上がれないようにしてサクサクと進める道を作っていく。

流石に素手のマァムには痛かろうとティファは違うアドバイスした。

 

「ダイ兄かヒュンケルの目の前に行くように投げ飛ばしてしまえばいいんですよ。」

 

投げるマァムに斬っていくダイとヒュンケル、クロコダインも伝説の武器と謳われる真空の斧の力をいかんなく発揮し、オリハルコン印の兵士達の手足をもぐように切り伏せていく。

 

うん!なんだか皆が魔改造化されちゃってる気がする、原作の皆ここまで強くないよ!

 

その光景を隅っこで見せられてるティファは表面笑って内心ガタガタ震えが止まらない。だってハドラーの篩であれだけヒム達に翻弄されてた勇者一行の話は、ここにいる全員には当てはまるまい。

変に気負わないようにオリハルコン製を内緒にしているが、だからと言って知らないから斬れましたと言えるほどオリハルコン製って弱くないはずだよね!

なに、私の考えが間違ってるの?知らなければ本当にあんなにスパスパ切れるもんなのオリハルコンって!誰か教えてよ!!

 

死の大地でのティファの所業を知っているものが、今のティファの内心を知ったらこう突っ込むこと間違いない。

 

手刀でオリハルコン製のヒムの胸に風穴を易々と開けたお前が言うな

 

そんなやらかしティファがドン引く程ダイ達の動きはすさまじく鬼気迫るものがある。

自分達がティファ以上になれば、ティファが標的の一番になる事はない。ここで敵の目は全て自分達に向かせる!向かないのであれば首をもいででも振り向かせていやでも注目をさせる。その為にもここにいるすべての敵は自分達のみで片を付けるべく、ティファには戦闘禁止のお達しが下された。

別に塔にいれば戦わなければいけないという禁則事項はなかろうと一行の名軍師・鬼参謀のポップが発案をしてティファ以外の全員、それこそレオナ達を含む味方一同の満場一致で決議された。

 

ティファは大人しく見ているように、することはただ一つテラン王救出のみである

 

聞いたティファは嫌だといった。自分一人が楽しているのは違うだろうと。

 

「ならお前はチウにも命かけて戦えっていうんだな。」

 

そんなティファに、ポップは事実を突きつける。

戦えるもの全員が塔で戦うのであればチウにも参戦させる事態が発生する。

今回は鬼岩城戦のような広い場所に逃げられる場はなく、ダイ達にもチウを守り切れるという保証はない。それでもいいというのなら出ても良いと、ポップはあえて悪役を買って出て厳しい口調でティファに選ばせた。

己の信念貫いて仲間を危険に晒すか、チウも出なくていいように静観しているかのどちらかを。

 

案の定ティファが下唇を噛んで俯いてしまった。

 

言い返せない、自分の信条でチウを危機に晒すわけにはいかない。

見ているのを選んだ。チウの命を危機に晒せないと。

 

納得しないが折れたティファにホッとするが、我ながら嫌な手を使ったもんだとポップは苦いものが胸中を満たして嫌になった。

戦支度の合間、ポップはチウに出しに使った事をきちんと謝った。

決してチウを低く見ているのではないこともきちんと伝えて。

 

「分かってるよポップ。ああでも言わないとティファさん戦うこと辞めなかったのは僕にも分かるさ。気にしないで。」

 

こいつの器ってマジでけえな。

 

謝ったらあっさりと笑って許してくれるチウの器の大きさにポップは心底感嘆する。自分ならば分かっていても面白くなく、少しは不貞腐れるのが目に浮かぶ。

 

こいつを見習いてえな。

 

そんなこんなで篩に指名されてしまったメルルもチウと共に塔の外でアキーム達に護衛をされている。

早く戦いが終わり全員、それこそフォルケン王も入れた味方全員が無事に帰れるように竜の神に祈りを捧げながら。その横でチウも心配そうに等を見上げるて祈る。早く終わればいいのに。

 

塔の中の三階辺りで進撃は止まり、ダイ達の斬る速度が落ち始めた。

 

 

「ふふん!やはり勇者共とはいえ吾輩の無敵のオリハルコン軍団には敵うまい!バーン様もあの者達を過剰評価されすぎたのだ。」

 

その様子は塔の最上部にいるキングマキシマムが見ていた。

悪魔の目玉を要所要所に張りつけ随時映像を送らせており、最初のダイ達の快進撃に戦慄したが、次第に勢いが無くなりはじめてからまた粋り始めた。

 

「矢張り大方参謀を気取るミストバーン辺りが大袈裟に騒いだか。あのような大魔王様の右腕を自称するものなぞ使えぬわ。バーン様!吾輩の雄姿をとくとご覧あれ。」

 

 

「・・・・・あいつ斬ってきていいですかバーン様。」

 

雄姿をご覧あれ、あの塔と死の大地奥深くの大魔王の玉座も悪魔の目玉映像で繋がっている。音声はもっぱら向こうから入るようにしてバーン達側から送れない仕様になっているが。

例えば今のようなキルの発言がマキシマムの耳に届いて厄介なことにならないように。

とは言え向こうからの言葉が聞こえるのには変わりはなく、キルとしては親友虚仮にする愚物なぞ抹殺対象でしかない。

 

「やめろキル。」

 

それを止めたのはなんとバーンではなく悪し様に言われたミスト本人だった。だんまりを時に十数年するミストがはっきりとだ。

一体何事かとキルは驚いたが次の言葉に心を打たれた。

 

「バーン様やお前が私の事を評価して下されている。私にはそれで十分だ。」

 

愚物の言葉に小動もしない信念の元、バーンと自分の評価だけで良いと知ってキルは心の赴くままに親友を抱きしめる。

 

早くそいつ始末しちゃってよお嬢ちゃん

 

内心でとんでもない願いをしながら。

 

キルの願いは早々に叶えられた。マキシマムが粋がっているそのころ、ポップが塔の五階の窓辺から眠っているフォルケン王を発見し、急いで一階の中で待っていたティファに知らせに行き、知らせを受けたティファは雪白を右腰に佩き空飛ぶ靴で急いで向かった。

 

キルの施した守りがいつ切れて人形達がとち狂って攻めてくるか分かったものではない。

 

ジャキン

 

何の気合の声も、構えもなくティファは抜刀一閃で塔の壁に人が二人悠々通れる四角い入り口を開けてみせる。

塔の材質は魔界産で材質は不明だが、仮にも大魔王が作戦で使っている物が安普請なはずが無い。つまるところ斬ったティファが凄まじいのだと横で見ていたポップはあらためて思い知らされる。

 

「王様と一緒に下で待ってる。」

 

刀を納めては、早く行こうと兄をせっつく。

ティファは今回の敵にはさして興味はない、精々兄達のステータスが暴かれないようにすればいいと思っている。

 

ポップとティファの二人がかりでフォルケン王の寝ている寝台ごと外に運び出し、そっと地面に置く。ルーラでこのままパプニカ城に連れて帰る案も出たが、それでは病弱な上にこの件で弱ったフォルケン王の体の負担が大きすぎると心配の声が多く、マキシマム討伐後に大きめの馬車に横たわって連れ帰ることになった。

 

「ここ私がいるから大丈夫だよポップ兄。それよりこれダイ兄達に渡して。」

 

敵の大将はおそらく塔の天辺にいるはず。上の階に入ったら人影見かけたら誰かは確認しなくていいのでこれを投げつけてほしい。

 

「ティファ、これなんだ?」

「煙幕みたいなものかな。全能の目っていうのを使われても、煙ってたら見えないでしょう。狡いかもしれないけれど変な能力でみんなの力量測られる前に倒してほしいの。」

「分かった、俺だって自分の今の強さ敵に知られたくねえもんな。ダイ達にも徹底させるよ。」

 

今回は本当にきれいごとを言ってはいられない!直ぐに倒す・・・はずだったのに

 

塔は八階まであり、七階を突破したダイ達は階段を上って少し奥まった所にある扉を発見し、全員気配を消して扉に忍び寄ってみれば中からハドラー以上の品のないだみ声が聞こえた。

 

あ奴らなぞ吾輩の手でズタボロにして地獄に送ってくれるわ!

 

一人称が吾輩、どうやら中にいるのがマキシマム当人で間違いあるまい。

 

マキシマムは焦っていた。

フォルケン王が敵の手で救出をされ、知らせを受けた一行は魔法使いも連なり怒涛の勢いで塔を攻略し始めあっという間に制圧をされた。

こんなのは悪夢だ、なに自分が真の実力を発揮すれば小僧共なぞ一捻りよと己を鼓舞しなければならない程に。

その鼓舞の為の一人称が致命的なミスであり敗因となるとも知らずに。

 

ダイは扉をそっと開け、ティファに渡された煙だまの様な物をマキシマムの頭部目掛けて投げつけ、マァムとヒュンケルも同じく投げた。

その気配に気が付かない程塔で起きたことに動揺していたマキシマムは当たるまで気が付かず、当たって中の-モノ-が空気中に散布された瞬間にこの世のものとは思えない絶叫がマキシマムの口から飛び出し地面に倒れ伏しのたうち転げまわり始めた。

 

一体自分達は何を投げてしまったのか

 

マァムは敵とは言えここまでの非道をするつもりはなくマキシマムの苦しみに顔を青褪めさせ、魔界でもそれなりの死線を潜り抜けてきたヒュンケルすらも顔色を変えさせたが、ダイとポップ、それとクロコダインはこの惨状にとても覚えがあった。

それは

 

父さんに投げた以上の特製目つぶしだ。苦しんでしまえ。

 

前回はハバネロ級だが、今回はドラゴンチリブレス級と、それ以上の物をブレンドした。

自分が知る限りの地球最強の激辛物ヌーク草に匹敵するものを、この前オーザム行ったときに見つけたからとっておいたもんね。

流石に父さんにあれ使うのは止めにしたけど、あいつにならいくら使っても惜しくはない。




皆様の感想欄で教えてくださった最強の激辛物が日の目を見られました( ´艸`)

教えてくださった無銘さん、シイナ リオさん、ありがとうございました\(//∇//)\

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