勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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ようやく篩は終了です!(大魔王分)


大魔王の篩の篩⑩

塔の天辺は大絶叫、塔の真下は鼻歌が。

 

大絶叫はキングマキシマムが悶え苦しみ、鼻歌はティファが機嫌よく歌っている。

 

曲の中身は『星に願いを』

 

良いことがあった時、反対にささくれだった時に歌ういつもの癖。

今回は両方かもしれない。

 

最悪で心底嫌いなマキシマムが原作よりも早めに滅せそうな事に喜びを感じるが、テランのフォルケン王をここまで非道な目に合わせたことに対する苛立ちが心をささくれ立たせる。

 

さっさと滅べ

 

常にない苛立ちが、普段では思い浮かばないどす黒い欲求がティファの胸の中を荒らしまわる。

 

「・・ティファさん、大丈夫ですか?」

 

塔を包囲している騎士たちの少し離れたところにティファ達はフォルケン王のベットを置いてそこで待機している。早く敵が倒されてほしいとメルルとチウが祈っている中、突如鼻歌が聞こえて振り向いた。

この殺伐とした戦場で一体誰がと見てみれば、ベットの足元の木枠に浅く腰を掛けて冷たい瞳で塔の頂上を見上げている。

その目にはいつもの温かさは何処にもなく、ティファには少々不釣り合いな大きさの眼鏡越しでも分かるほどの怒りを浮かべて。

そんなティファが心配になり、チウは側により心配そうにティファに声を掛ける。

 

「ん?大丈夫だよチウ君。あいつはきっとダイ兄達が倒すよ。」

 

いけない、私心配かける状態なのかな?よく見たらアキームさん達やついてきた三賢者さん達も心配そうにしてるし・・私よっぽど疲れた顔してるのかね。

 

疲れではない、無意識に怒りを表している事が、チウ達にとっては心配なのだとティファは全く気が付いていない。精々心配かけないように休みを取るかくらいの軽い気持ちで-いつもの様に-笑って周りを安心させようとした矢先、塔から何かが破壊された音と同時に瓦礫の雨が取り囲んでいた兵達と、鎖で拘束されていたモンスター達に降り注ぎ、間髪を入れずに空からマキシマムが降ってきた。

 

吾輩がこれほど非道な目に合っている最中誰が歌なぞ!

禁呪生命体として生を受けて以来、こんな苦痛を味合わされたのは生れて初めてだ!

そんな中、微かに耳についた歌は癇に障った。今目の前にいる勇者達よりも先にずたずたに切り裂いてやりたいほどに!

 

激高により一時の激痛を忘れたマキシマムは、それでも視力は回復しなかった。粉一粒で人体に甚大な悪影響を及ぼすティファが作った目つぶしは、この世のものとは思えない程のやばさにより本来ならば目を潰されない限り視力が奪われることのない禁呪生命体にバグを起こさせるほどの凄まじい破壊力があり、マキシマムは粉を取り除かなければ視力回復の望みはない。

だがそんなことは知った事ではない、歌が聞こえる音を頼りにマキシマムは恥も外聞もなくただ転げまわり始めた。

 

だが、ただの物体ではない、オリハルコン製の巨体は転げまわるだけでも破壊力はあり、その変則的な動きが功を奏したのかダイ達が対処する前に壁を破壊しマキシマムは外に飛び出した。

 

衝撃で地面に激突したことが分かり、隣になにか気配がする。

自分が受けたのは-目つぶし-の類らしい。ならば目にある物体を除去すればいい。

マキシマムはすぐさま-それ-を実行した。

 

グシャリ

 

「ふ~、ようやく吾輩の目が元通りだ。塔の外ではあるが、問題はなかろう。」

 

にやにやとしながら目についた-血-を手に持っていた骸の毛皮でふき取り、終われば無造作に投げ捨てた。

マキシマムは粉をとるために、捕虜となり身動きが取れなかった魔界のモンスターの一体を気配を手繰り無造作に掴み上げて引き千切り、裂かれた体から流れ出る血で目潰しを洗い流したのだ。

 

 

・・・・あいついまなにした?

 

その光景はティファは見ていても理解が追いつかず、ポカンとする。

捕らえられ捕虜になっても味方は味方、仲間をたかが目の粉を取る為だけに殺して平然としているマキシマムは、ティファにとっては理解を超えた存在と化した。

 

「ふん!大魔王様の慈悲で生かされていた奴共が、捕虜となってもまだ生き恥を晒すか嘆かわしい。」

 

更には自身の醜態を棚に上げてマキシマムは侮蔑の言葉を、仲間とまではいわずとも同じ魔王軍の者達に投げつける。

マキシマムは大魔王にこそ忠誠を誓うが周りの者達とは軋轢しか産んでこなかった最低な男であり、弱い者と目を付ければ徹底的に見下しいたぶりに喜びを感じる。

その様は敵であるはずのアキーム達の心に怒りを灯させた。

 

「貴様!仲間を殺してその物言いはなんだ!武人としての心を持ち合わせていないのか!!」

「貴様のような輩は我らが成敗する!」

「勇者様達の剣が勿体ない!我らの力で倒れるがいい!!」

 

アキーム達を始め、アポロ達にとってもマキシマムは嫌悪し倒すべき敵となり力を溜め始める。この敵は見逃してはいけない忌むべきものだと。

ダイ達も急ぎ塔から降り臨戦態勢に入る。こいつは生かしておけない。

 

「ふん!こ奴らなぞ仲間でも何でもない、ただの使い捨ての駒共ではないか。

そんな事よりも貴様等こそたった一人の吾輩に数頼みとは恥を知れ。厚顔無恥な輩が貴様等なぞバーン様が相手にする価値もないわ。」

 

この状況を分かっていないはずはないのにマキシマムはふてぶてしい態度を取り続けダイ達に雑言を吐き続ける。自分はバーン様のお気に入りであり、いざとなれば気取った始末屋キルバーンに浮かんで逃がしてくれるだろうと、愚かで醜い算段をして。本当はバーン自身からも見限られている事も知らずに。

 

「人質取った手前が偉そうな事抜かすな!」

 

塔の上からでもマキシマムの行った非道はダイ達にもしっかりと見えた、見えてしまっていた。今までの行いとこの非道な振る舞いにポップの怒りは限界を迎えマキシマムに怒鳴りつけるが効果はなかった。

 

「偉大なる吾輩に恐れをなして逃げられたら困るであろう。」

 

自分の行いを正当化させているこいつの神経は一体どうなっているのか理解できず呆気にとられたダイ達に、マキシマムはさらに調子に乗った。

ただ呆れられて攻撃をされないだけの状態を、自分の強さに攻めあぐねている勘違いをして増長し言いたい放題をする。

 

「自分の相手にもふさわしくない、どこぞの馬の骨の三流魔王こそが貴様らの相手にふさわしわ!」

 

その言葉はマキシマムに死を呼び寄せた。

 

ガッシャン!

 

マキシマムが突如吹き飛び、塔に激突をした。

 

「もういい、お前はさっさと滅べ。」

 

吹き飛ばした人物は赤い刃を左肩に担ぎ、塔に激突をして蹲ったマキシマムの頭を踏みつける。

 

こいつの-核-は人間の脳の位置と同じだ。ここを貫けばこいつは-死ぬ-簡単な事だ。

 

マキシマムを吹き飛ばしたのはアキーム達でもましてダイ達でもない。眼鏡をはずし怒りに身を震わさるティファの仕業であった。

数々のマキシマムの非道さに、そして敵であっても敬愛するあの魔王をこいつは死にも値する侮辱をしたのだ。マキシマムが死ねば、大魔王の篩なぞという馬鹿げたことは終わりだ。

 

冷たい思考で算段をつけたティファはなんの躊躇いもなく雪白を逆手に持ち、マキシマムの頭部を踏みつけたまま一気に刀を振り下ろした。




ようやく篩の司令官打ち取る形で終わりです

え?打ち取った描写がない・・・マキシマムはいろんな意味で終わったので大丈夫です!(きっと・・)
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