勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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親衛騎団揃い踏みと初遭遇です

霧が深くなってる・・・ダイ兄達大丈夫かな?

 

今朝兄達が寝ている間に一足先にサババに出立。きちんとおじさんに挨拶はしてきた。

 

「一緒に行きゃいいだろうによ~。」

「あはっは・・・多分大歓声の中出立するんでしょう。私はああいうの苦手なんだよ。」

 

誰かに勇者一行の数に覚えられなくて済むのは内緒だが。

 

「ノヴァに何か伝える?」

「いんや、気を付けて行けよ嬢ちゃん。」

「うん、それじゃあね~。」

 

ガルーダに超高高度飛行頼んで成層圏ギリギリでカール領内に入ってそこからは低空飛行でノヴァの気配を辿ってみれば・・・ノヴァがトベルーラで迎えに来てくれたよ。

 

「ティファ!こっち!!」

「おはようノヴァ!ガルーダ、この人ノヴァっていいってティファの大切な人なんだよ。付いて行って~。」

「-承知-」

 

ノヴァの不意の出迎えにも慌てずに、ティファはノヴァの先導で今回の作戦砦になる城に案内された。

 

「ノヴァおはよう!」

「ティファおはよう!!」

 

城の中にはに降り立ち、ガルーダから降りたティファをノヴァは直ぐに抱き上げてガルーダに断ってからティファを連れて行く。

 

「ティファお借りします。」

「-・・・律儀な子だ・・好きにせよ。-」

「あんら、ノヴァに任せておけば大丈夫よ。」

「そうだよ、この二人はずっと仲がいいもの~。」

 

ノヴァ大好きの精霊達は、神獣ガルーダにも怯える事無くノヴァを売り込む。

 

精霊にここまで愛されているのもか・・・良いだろう、ティファの番候補に認めてやろう

 

ガルーダが妙な勘違いをした事を知らない二人はそのまま城内のバウンスの下までやってきた。

 

「小父様!!あ、ノヴァ降ろして・・」

「気にするな-ネイ-・・・いやティファであったな・・」

「・・・・・・・その節は偽名で通して申し訳なく・・・」

 

過去の恥ずかしい事が思い出され、赤面しながら謝ってくるティファの頭をバウンスは優しくよしよしと撫でる。

 

「名など構わん。よく来てくれた。」

「そうだね~、ティファが来てくれたらこれ程心強い事はないよ。」

「小父様・・・ノヴァ迄~。」

 

からかわれていると思いティファは赤い顔で怒るが二人は本気でそう思っている。

 

バウンスとしては、幼い頃は家族やほんの数人以外-人-を寄せ付けなかった息子が、ティファを友としてから自分から人の中に入り、話を聞いたり研究をしたり交わる事を当たり前とし、その事が騎士団に入団した時人付き合いのスキルを獲得できていたノヴァは円滑に人と付き合えたのだ。

 

大将軍たる自分とのつながりを求める者、薄暗いものを背負っている者は頑として近寄らせないが、程良き事を覚えて今ではあしらう事も覚え騒ぎは起こさず、国王の覚え愛でたく今日に至る。

 

全てはティファが、狭い世界からノヴァを外の世界に連れ出してくれたからだとバウンスは考えている。

確かに国が開発した万能薬の事もあるが、それがなくともティファはノヴァ同様に愛娘の様に思っている。

 

お泊りしたのは一度だが訓練後や休暇の時、ティファがノヴァと外でご飯を食べているのを知ればいそいそと仲間に入れてもらい、泥だらけになった小さな二人を湯船に放り込んだのは二・三度では足りない。

二人の髪を洗ってあげたのが昨日の事の様に思い出される。

 

ノヴァもティファがいればご満悦で、薬作りに励んでいる。周りの法術師や魔法使い達も万能薬試薬作りでティファと顔見知りの物ばかりで楽しそうにせっせと作っている所に襲撃の報が入り、バウンスの判断で先遣隊をノヴァに率いらせ、ティファも自分から行くと言い、サババの漁村に兵二十名とノヴァとティファの二人が出撃した。

 

 

 

「ティファ、霧が深い・・」

「うん、それに音が小さいけど斬撃や打撃音や呻き声聞こえてる・・・ハドラーの親衛隊だ。」

 

兄達早く来て・・

 

 

 

 

 

 

「妹はもう向こうに!!」

 

アキームと合流したダイ達は急いで砦に向かったが、ノヴァとティファはもういってしまったと言われてとっても焦る。

 

気球の中で装備は点検している!自分とポップの二人でサババの場所教えて貰ってトベルーラで・・・

 

「ご報告!!ノヴァ様と-ティファ様-よりの伝言です!!」

 

ダイが妹を早く追いかけようと算段していた時、兵士が一人慌てて入ってバウンスに報告をするが・・・ノヴァはともかくなんでティファも様なのと一瞬聞きたくなったが、兵士の報告の邪魔をしてはいけない。

 

「続けよ。」

「はっ!サババを襲撃せし者はハドラー親衛隊であるとティファ様からのお言葉です。・・・勇者一行の方々ですか?」

 

兵士はダイに向き直り尋ねられ、いきなりの事にあわあわするダイの代わりにポップが代わりに返答する。

 

「ああ、勇者ダイ一行だ。ティファから何か伝言か?」

「はっ!お察しの通り、ティファ様からの伝言です。

キメラの翼をお預かりしましたのでサババの一キロ手前まで自分と来るようにとの事です。」

 

一行がばらけて来て勝てる相手ではありません、全員揃って来られる様にお願いしました

 

先を読み動くティファらしい。

 

ダイ達は兵士と共に、霧に包まれたサババ漁村の一キロ手前で降り立ち、兵士は途中で救護活動をすると言って別れ、一行は聞き耳を立てて更に奥に進んでいく。

 

戦闘の音も、妹のあのハチャメチャな言葉も聞こえてこない・・・自分達が付く迄何も起こらないで欲しい。

 

だが、都合よくそんな祈りは届かないものである。地響きと共なんと巨大な船が近づいてきた!!

 

「出てこねぇな~、ブロックその大型船適当にその辺に投げつけて炙り出しちまえ!!」

「ブロ~ム!!」

 

自分達のいるのがもう知られているのかと焦ったダイ達は、せめて大型船が周りに被害を出さないように、投げる前に船を斬撃と魔法で破壊しようとポップがダイ達に指示を出す前に、その声は辺り一帯に響いた!

 

「バギクロス!!」

「ガルーダ!!最大風圧で船体後方落として!!」

 

バキバキバキ!!!

 

真空呪文最大呪文と同じ威力を持つ神獣ガルーダの固有スキルで船体を三枚おろしにして前と後ろを地面に落とし、中央の残りも忘れていなかった!

 

「ノヴァ!ガルーダ!!三人で思いっきり海の方に投げるよ!!」

「せぃの!!!!」

「-おおお!!-」

 

バッシャン!!!

 

「ガルーダ!!最大風圧出してそのまま旋回しながら上空に飛んで!!!」

 

矢継ぎ早な指示に船は解体され巨体の金属生命体から船体を取り上げ海に落とし、そのままサババを覆っていた霧を全て晴らした。

 

「物を投げて遊びたければ広い死の大地に戻って遊んでらっしゃい!!他人様の迷惑です!!!」

 

霧が晴れれば、元気一杯怒鳴るティファと、側にノヴァとガルーダの姿が上空にいるのが直ぐに見えた。

 

「ふん!いつまでもネズミみたいにちょろちょろしてるお前さんが姿見せねえのが悪いんだよ!!久しぶりだなティファ!死の大地以来だが、今日はバキバキにぶちのめさせてもらうぞ!!」

 

・・・・勇者目の前にいるのになんで私に宣戦布告って何しちゃってるのよヒム!魔王の最大の敵はあっちでしょう!!

 

 

親衛隊は五人全員揃い踏みでダイとヒム達の距離は凡そ五百メートル。上空のティファ達もその位で、ヒムもダイ達の存在は勘定に入れているので油断はせずに、それでもティファを優先してしまう。

 

 

あの者が・・・ティファですか・・

 

鋼の剣を抜いて左肩に担ぎながら上空からゆっくりと降りて来たティファを、アルビナスは食い入るように見つめる。今朝の出撃前に、矢張りハドラーから注意された事がある。勇者達は全員が強敵で油断すればすぐさま足元を掬われこちらが返りうちに遭うと。そしてもう一つ・・・ティファにペースを乱されるなと。

心理戦に長けた者かと聞いてみればどうも違うらしい。

 

あ奴の挙動に振り回されるなと、酷く疲れた様子で言っていた主を思い出すだけで胸の中が炎で焼かれる!!

 

「貴女がティファですか。」

 

話してみれば分かるだろう。

 

情報収集の一環で話し掛けてみた。ヒムと普通に話したというのなら、自分も話して為人を探りそこから戦い方のスタイルでもと思ってみたのだが、ティファは自分をつまらなさそうに見てぽつりと呟いた。

 

「芸がない上に礼儀知らずな・・・」

 

・・・はい⁉今・・・何を言われた?

 

「情報収集するにしてもせめて自分の名くらい名乗れないものですか?」

 

もう一人の男からも叱責が飛んできた⁉

 

チョいチョイ

 

「・・・・なんですかヒム・・」

「今のお前が悪いぞアルビナス。きちんと名乗りくらいしろよ、あいつ礼儀に五月蠅いぞ?」

 

・・・・ヒム迄!!!

 

まさか仲間からも注意が飛んでくるとは思わず、アルビナスははらわた煮えくりかえる思いで名乗り上げる。

 

「・・・申し訳ありません!私はハドラー親衛隊副官・クィーンアルビナス!!」

 

主に忠告して貰ったのに早々に振り回されるとは思ってもみなかったが、謝罪までして名乗ったからには文句はあるまい!!

 

 

「初めてお目に掛ります。勇者ダイの妹でティファです。」

「お初にお目に掛ります、リンガイア騎士ノヴァ。」

 

二人共本当の役職は言わずに名だけを返す。

 

ティファは-料理人のティファ-を出して、兄達から料理人戦場禁止令を出されるのを厭い、ノヴァも-色々-しているので警戒されるのを避けて。

 

「勇者ダイ一行に頼みたいことがあります!この辺り一帯は我がリンガイア騎士団が守護していた場所。故に彼等との初戦はリンガイア騎士の僕から始める事をお許ししていただきたく!!」

 

 

激突寸前であってもノヴァは律義にダイ達に確認を取る。ノヴァの言い分ももっともであり、ポップがすぐさま分かったと頷く。

 

「ポーンヒムにお尋ねします。」

 

ノヴァのすぐ後にティファも口を開く。

 

「ああ?なんだ言ってみろよ。」

「私一度死の大地に行ってますが、再上陸は貴方達と戦う必要ありますか?」

「あ~、それに関してハドラー様直々の伝言がある。」

「ヒム⁉私はそのような事・・・」

「悪ぃアルビナス、本当にあんだわ。続けるぜ、俺はな、直接ハドラー様にお前ぶちのめしていいかお願いして許可貰ったんだよ!!」

「・・・・ほぅ、ハドラーがですか。」

 

ヒムの言葉にティファの左目がピクリと眇められたが、ヒムは構わず伝言を伝える。

 

「俺が納得しなけりゃ死の大地にお前は来るなってさ!!!」

 

・・・・・・・・今すぐ死の大地行ってあの人ぶん殴りたくなってきた・・




この場をお借りしまして、前回ポップの回想シーンで偽勇者一行の魔法使いをまぞっほではなくへろへろと間違えたことをお詫びいたします 

ポップにとって、真の戦う理由を見出し飛躍した大切なシーンを間違えてしまい本当にすみません。

以降もっと丁寧に書くように気を付けていきます。
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