勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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少し暗号化したものをそのままタイトルにさせていただきました(* ´艸`)


三匹のモグラと氷が北に行く

「ノヴァ、モグラちゃん三匹行きたい。」

「あ、そっちで行く。ティファ、モグラ君早いだろうけど二匹目の時-北-に行きたい。」

「え~・・・下?上?」

「上で。」

「む~・・・分かった。」

 

ヒムの言葉に憮然としたティファは、一度死の大地の方向を思いっきり睨みつけ、なんと子供がよくやる-い~っだ!!-の顔を向けて気を取り直す。

 

「おいおい、俺じゃあ不服ってか?」

「貴方に文句はありませんが・・・」

 

どう見てもハドラーの物言いに不機嫌になったのはダイでも分かるが、ヒムに文句を言っても仕方がない。

 

「文句なら直接あの人に言いに行きます、タッグ戦でここにいるノヴァと一緒にやります。」

 

仲良しコンビのお通りだい

 

「いいのかよ?勇者様達と一緒じゃなくてよ。」

「安い挑発はみっともないと知りなさい。ノヴァ、いい?」

「ティファと一緒に出来る事に文句なんてないよ。僕にも異存はありません。」

 

・・・・こんなひゅろっこい優男がね~。

 

ノヴァの物柔らかさに、ヒムは完全にノヴァの実力を見誤る。無論クィーン・アルビナスはヒムの様に敵を侮りはしないが、どうしても目がティファの方に行ってしまい、自分達を観察するように見ているノヴァの目に完全に気が付かず、二人が打ち合わせなのかなんなのかよく分からない言葉を数度発しって決まった様子を見た後、こちらの先鋒も決めた。

 

「ヒム、ハドラー様からの許可を無駄にしないように!!」

「お、イイね!分かってんじゃねえかよ!!!」

 

クィーンの許可に、ヒムは内心小躍りしながらティファとノヴァに対峙する。

絶対にティファのして死の大地に連れて帰って戦利品として認めてもらうんだ!!

 

野望満載なヒムの出鼻を、ノヴァが期せずして挫いた。

 

「その前に!リンガイア兵!!」

 

不意にノヴァが自軍に呼び掛け、どこにいたのかという程の兵士たちが姿を現す。

 

何だこの野郎!!タッグ戦じゃねえのかよ!!

 

ヒム同様ダイたちも、宣言と違う事をするのかとノヴァを驚いて見る。清廉潔白そうだが、戦いの時は問答無用なのだろうか?

だが、ノヴァの次の指示でその誤解は直ぐに解ける。

 

「この場の怪我人を症状関係なく担架で一斉に運び出せ!一分で済ませろ。」

「は!ノヴァ様!!」

 

有無を言わさぬ命令に、兵士たちは答えながらも手を止める者は誰もいなかった。

今回はリンガイア兵団・騎士団から選りすぐりの歴戦の者達を連れてきており、こんな場で敬礼を返す無様なひよっこは存在しない。

 

「勇者様達失礼を!!」

 

よく見ればダイ達のすぐ後ろにも怪我人はおり、兵達が素早く戸板や布地で作った担架に乗せて連れて行く。

 

その様子をヒム達はあっけに取られて見る。戦場で救護活動って後じゃね?

 

この世界では動けないものは自分の判断ミスであり、よほどでない限り戦闘終了後に助けるものだとヒム達の生まれながらにして持っていた知識ではそうなっているので今の事態に面食らう。

 

「皆さん~ん、速度もいいですが揺らさないようにお願いします。」

 

ティファも一度鋼の剣を地に突き刺し、両手で口を囲い兵達に届くようにしてる・・・・何でリンガイアの兵達に指示出してんだ⁉

 

「ご心配なくティファ様!我らこの時の為の日ごろの訓練でありますれば!!」

「ティファ様!ノヴァ様もご武運も。」

 

そして一分後には辺りは静寂に包まれた

 

「・・・・本当に一分だった・・・」

「もう少し縮められるかな?」

「・・・・・・やめて上げようよノヴァ・・・」

 

ノヴァがちょっと怖い・・・

 

「おい!これでいいだろう!!さっさとやろうぜお二人さん!!!」

「せっかちは嫌われますが・・・いいでしょう!!」

 

ヒムの誘いの言葉に剣を再び肩に担いだティファは、左に位置をずらした。-射線-を開ける為に

 

「ヒャダイン!!!」

 

いつの間にか剣を鞘に納めたノヴァが、氷系呪文中級を放つ。

 

「おや、騎士の分際にしてはなかなかな魔法を使いますね。ふふ、ですが甘いですよ。シグマ!!」

 

迫る吹雪にアルビナスは動じず、どこかノヴァを小馬鹿にしたような嘲りの言葉の後に、ナイト・シグマを出す。

呼ばれたシグマもにやりと笑い、ヒムの前に立ち-胸部-を開けた。

 

中にある鏡が、ヒャダインを受け止め反射させた!!

 

「マホカンタの類くらい警戒すべきでしたね~。」

 

吹雪は反対にノヴァたちを襲う中、アルビナスはにんまりと嘲笑う。話に聞いていたティファとやらも、実際は大したことは無いのだと。

 

 

マホカンタ・・・そんな事・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノヴァどうしたの?暗い顔して。

ティファ~、魔法師団の子達が、僕が精霊と仲良くなっているのは無駄だって。・・

何それ?

強い威力があっても!魔法跳ね返す奴に遭ったら味方全滅させる役立たずだって!!

・・・・マホカンタなんて使えるの今の世の中人間にいないよ、モンスターだって滅多には・・

でも・・・知らずに出遭って・・・・皆を殺しちゃったら・・・

ノヴァは優しいね、悪口言っている子も助けようとして。

ティファ・・・・強い呪文使わない方が・・・

大丈夫!!

ティファ?

精霊の加護付きの呪文はティファと一緒の時はバンバン使って!!

でも!・・・返されたら・・・

大丈夫だよ、今思いついたあのね・・・

 

 

 

 

 

 

 

「あああ!!!土龍閃!!!!!!」

 

吹雪が返される前からティファはノヴァの前に立ち、左上方に剣を振り上げ十八番の土龍閃の構えを取っていた!

 

白い闘気を通常の倍に練り込み地面の岩石を抉り飛ばし、吹雪にぶつけて相殺させる。

 

「おや、意外とやりますね。」

 

止めるくらいの技は持っているようで感心してあげるかと、どこまでも上から目線なアルビナスを打ち砕く言葉が響き渡る。

 

「二連撃!!!」

「なっ⁉」

 

岩石の塊と吹雪がぶつかり氷の礫となった岩石が落ちる前に、ティファは二度目の土龍閃を飛ばし再びヒム達にぶつけに行く。

 

たかが岩石の塊くらい!!

 

ヒムが拳を、シグマがランスを構えた時、その呪文は紡がれた。

 

「マヒャド!!!!」

「いっけぇ!!!」

 

一度目のヒャダインは中級呪文なのを差し引いても、このマヒャドは別格であったと後のポップが語った。

 

ノヴァは-氷の精霊王・ハイキング-の加護を持ち、リンガイアにいる氷の精霊達から愛されている。

このマヒャドは、国から離れてもノヴァに付いてきた精霊達の加護が上乗せされている。

 

仮にそれでも魔法に変わりないとマホカンタや、シグマの鏡で跳ね返そうにも跳ね返せるものではない。

 

マヒャドは敵を攻撃するためではなく、敵に襲い掛かっているティファの土龍閃の岩石を更に大きな礫にすると同時に速さとばら撒かれる範囲を拡大する為の物だった。それは最早魔法ではなく、圧倒的で暴力的な物理攻撃と化していた!!

 

巨大な氷の礫は人以上の大きさに一様に成長し、ヒム達に襲い掛かる。

 

拳で対処するヒムの横に、いきなりティファの姿があった!!

 

飛ぶ礫と共に加速し隠れて近寄りヒムを上空高く蹴り上げる!!

 

「貴様!!!!」

 

仲間を蹴り上げられたシグマは怒りと共に礫ではなくティファに向かってランスの一撃を突き入れようとしたが、蹴り上げた後すぐさま体制を整えたいたティファにランスを踏み台にされ流れるような蹴りを右頬にもろに喰らい体勢を崩され、成すす術なく飛来する礫の餌食になる。

 

無論ティファは後方で高みの見物をしている者達を見逃すつもりはなく、礫の範囲はアルビナス達にも届いているが、ビショップ・フェンブレンが、全身を刃に特化させた機能を余すことなく発揮し礫を様々な方法で斬り裂き、クィーンとルークを守っている。

 

だが後方から攻撃されたら?

 

一番上空からルーク・ブロックの頭上を越える礫を見定めたティファは、吹雪で視界が効かないのを利用し音もなく見定めた礫に乗り予想通りブロックの後方に行けると同時に降り立ち、三度目の土龍閃を放ち、フェンブレンとブロックの足の関節部分を過たず打つ。

 

ティファ単独の闘気が練り込まれた礫が、オリハルコンの体にヒビを入れフェンブレンの片膝とブロックの両足を崩し、膝をついた二人にアルビナスを守りきる術はなく、前方のシグマ諸共に埋まっていく。

 

土竜閃は膝を崩す為ではなく、ブロックの後方足場を大陥没させ仰向けにし、暫くは出てこられない質量の礫が辺り一帯に散乱する。

 

 

流石だねティファ

 

地上の吹雪と土竜閃の轟音で搔き消されていたが、上空に飛ばされたヒムを待ち受けていたノヴァが、得意のオーラブレイドを展開し必殺技を放っていた。

少し離れた切り立った崖に技の威力をしのばせる。

 

ヒムは上空でろくに防御できず喰らってしまい、技の威力で吹き飛ばされ激突して埋め込まれた箇所は巨大な十字の穴が開いている。

 

ノーザン・グランブレードは確かに敵の体を斬った手応えがあった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マホカンタ使える相手かどうかはともかく、先に弱いヒャド系使って様子見るんだよ。

それって・・・返されたら同じじゃない?

ここからが違うんだよ!その後にティファが土竜閃を撃つから。

土竜閃・・・あの地面削って岩飛ばせるの?

そうそれ!マホカンタか道具で跳ね返されなくても魔法と物理攻撃で敵が大ダメージでしょう。

そうだね・・

その後ね、

まだあるの?

うん、これが大切なんだよ

大切?

 

 

 

「マホカンタで返された時は、土竜閃で相殺の為に一撃、相手に返す為に一撃、モグラが二つ行く前に僕の最大の氷系呪文をぶつけて加速か・・・・うまくいったねティファ。」

 

 

上空から敵が直ぐに出てこないか警戒しつつ、ゆっくりとティファの横に降り立とうとするノヴァは、遠い昔タッグ戦の為の自分達の技を開発した時の言葉を誰に言うでもなくそっと呟く。

 

自分の事を思って作ってくれたティファの技を愛しむ様に




過去があり現在があり未来をより良くしようとして成功したお話でした。

読んでくださった方はもうお気づきだと思いますが蛇足に冒頭の部分の暗号(?)
解説をさせていただきます


モグラ=土竜=土竜閃

北=北の偉大なる刃=ノーザン・グランブレード

上=敵を一体上に飛ばす

下=そのまま埋まった敵にノーザン・グランブレードで止めを刺す

でした。

少しちゃっちい暗号だと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
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