・・・・内容言えませんが先に謝っておく小心な筆者です・・・
「・・・ティファって・・埋めるの好きなのかしら・・」
辛うじて味方から出た言葉がそれってどうなんだろう。
マァムの呆然とした言葉に思わずティファは苦笑する。
確かに強敵相手のは今のところ埋めて対処してるな~。ミスト蹴ったぐって埋めたし、その前に鬼岩城は十二年越しの・・・怨念だか執念で埋めたし・・・・うん、そうだよ。
「埋めると静かになって便利なんです。」
一行の下に戻りながらティファはいい笑顔できっぱりと言い切る。殺さず捕縛できるし、しばらく時間稼ぎにもなるし。
「ポップ兄~、-全部-見れた?」
マホカンタできるシャハルの鏡を暴いたし、フェンブレンの全身これ剣なの分かっただろうしこれで作戦立てやすいっしょ。
「おう、助かったぜティファ。それにノヴァも。俺達だけでぶつかってたら、あの鏡の餌食だったな。」
「お役に立てたのなら何よりです。僕等はもう行きますね。」
「えっ、何処に?」
「ごめんダイ兄、皆も。あの怪我人の人達かなり不味いから私とノヴァで薬作らないといけないんだ。」
「そうか、行ってらっしゃいティファ。」
「ここは任せておけ。」
「無理はするなよティファ。」
全員にナデナデされてご満悦なティファは黒縁眼鏡を金のマジックリングから取り出し掛けて、料理人のティファになる。
「ダイ兄達も気を付けてね~。」
「皆さんご武運を。」
ティファはガルーダで、ノヴァはトベルーラで簡易砦に向かい、ダイ達は見送ってすぐ気を引き締めてヒムが飛ばされた場所と今大量に氷の礫が散乱している箇所を交互に見る。
一体どちらが先に出てくるか・・・・果たして・・・
ガラ・・・ガラガラ・・・・ドン!!
「あんの優男!!!オリハルコンの体すっぱりと切取りやがって!!!」
最初にダイ達の前に出てきたのはヒムだった。
勢いよく崖から飛び出てきたが、右肩上半身が斜めに切り取られ右腕がなかった。
防御が出来なかったとはいえ左側を斬られそうになったヒムは、咄嗟に体をよじり核がある左側を死守した結果、右肩から綺麗に斬られる形になった。
「って!!ティファとあの優男どこ行った!!」
埋まった時の体の態勢が悪く、四苦八苦してようやく出て来てみれば二人がいないってどういうことだ!!勝ち逃げなんざ許すか!!
「喧しい!!あいつはな、戦う専門じゃねぇんだよ!!」
ヒムの疑問にポップが怒鳴り返す。
「あいつは勇者ダイ一行の料理人のティファだ!専門はサポート支援で前衛荒事は俺達が本当なんだよ!!死の大地にわたる為に篩だか何だか知らねぇが律義に付き合ってただけだよ!分かったか!!!」
「・・・はぁ⁉馬鹿言ってんじゃねぇぜ!あんだけ鬼みてぇに強い奴がサポート支援ていかれてんのかお前達!!あいつはな!左腕一本で俺のこの体をぶち抜いて風穴開けたんだぞ、そんな奴が戦いませんて俺ら馬鹿にしてんのかよ!!」
ティファが聞いたら間違いなく穴があったら入りたいと縮こまる黒歴史を平然と暴露するヒム。
・・・・・・・ティファは、一行メンバーがいないところで本当に何をしているのかダイですら不安になってきた。
何をどうして戦場外でそんな事になったんだろう?
「俺達の事なめてんのかお前達!いいからあいつ呼んで来い!!」
「誰が呼ぶ・・・」
「ヒムの言う通りです!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・ガラガラガラ!!!
「お前達!はは・・良かった!無事だったか!」
出てきたアルビナス達の傍らに、ヒムは喜色満面の笑顔で瞬時に近寄る。
「ヒム・・・貴方は・・無事とは言い難いですがまだやれますね。」
「あたぼうよ!核壊されたわけでもねぇのに縁起でもねぇ。シグマ、どうせばれてんだからその鏡出しちまえよ。」
「・・・・分かっている・・」
シグマは憮然としながらシャハルの鏡を取り出し左腕に通す。
シグマ的には一行の誰かの魔法を先程の様に盛大に返しダメージを与えてからシャハルの鏡を今のように腕に付けながら伝説の鏡の名前と機能と、ハドラー様から下賜されたのだと鼻高々にしてお披露目したかったのだが・・・・あんな返しの返しなど反則もいいところではないか!魔法を物理攻撃に仕立て上げるなど何なのだあの娘は!!
しかも味方は相当な被害を食っている
ヒムは右腕はなく、格闘タイプとしては手痛いダメージを。フェンブレンは片膝を、ブロックなどは両膝の可動域にひびを入れられている。
あれでは素早く動く事も、巨体を生かした戦い方にも支障が出よう。
たった二人の子供相手にだ!!
「お前達悪い事は言わん、死の大地に帰れ。」
臍を噛んでいるところにいきなり獣王クロコダインがとんでもない事を言ってきた!
武人として生きてきたクロコダインとしては、満身創痍とは言わないが、戦力全体が半減している相手を、敵とは言え戦おうという気が起きなかった。
「今のハドラー殿ならばお前達が帰ろうとも悪いようにはせん。大人しく帰路に付け。」
それは侮りではなく言葉の中に紛れもなく労りの響きが込められている。
懐深く、戦場で命の遣り取りをせれど、弱っている者達をこれ幸いに討つ等は恥ずべき事だというのを信条にしているクロコダインにとって、今の状態のヒム達を撃つのは忍びない。
それが相手から仕掛けてきた例え命懸けの戦場のど真ん中でもあってもだ。
強さだけではなく、この懐の深さをしてクロコダインはライリンバーの覇者・天下の獣王クロコダインとまで名を轟かせ、そのクロコダインの言葉に暖かみと度量の大きさに、ティファとノヴァの二人にいいようにされたハドラー親衛隊達の中に響いてしまった。
私達は・・・ハドラー様に信頼され、勇者ダイ一行とその周辺を篩に来たというのに・・
決戦の時は近い。有象無象達がバーン様の御前を騒がせんとしている。お前達はその力をもってダイ達以外の者達が役にもたたない事を知らしめて来い。
無論ダイ達にもバーン様の御前に立つ資格があるのかどうかと問うてくるのだ
そう言われて送り出された自分達が・・あのティファともう一人の男に負けて尻尾を巻いておめおめと逃げるのか?
敵の情けに縋って見逃されるのか?
・・・・料理人という訳の分からない職業を平然と仲間達に言わせるあの・・・・あのふざけた娘がますますハドラー様の関心を集めるのをみすみす・・
「おいアルビナス!!!」
「・・・クィーン・・」
「アルビナス・・・」
「ブ・・・ブロ~・・・ム・・・」
?
「急に何ですかヒム・・・貴方達まで・・」
ヒムが大声で自分の名を、それも冷静なシグマとフェンブレン、普段滅多に言葉を発しないブロックが、どこか心配そうな・・
「お前・・・人間みたいに涙出てんぞ?」
ヒム達が驚愕するのは無理はない。金属生命体、それも冷静沈着なクィーン・アルビナスが涙を!!
仲間のヒム達もそうだが、ダイ達も驚く。自分達が以前戦ったハドラーが生んだ禁呪生命体フレイザードは、涙など流す者ではなく勝利の為なら卑劣な事を平然としてのけた者だったから無理はない。
だが一番に驚いた、いや驚きを通り越しアルビナスは指摘されダイ達も驚いている事から本当に自分が涙を流している事が分かり、屈辱を覚えた!
・・・・私が・・惰弱な人間の様に・・・それもこれも!!!
「出てきなさい!戻って来なさいティファ!!我等と・・・ああもう!繕いません!!!ハドラー様のお心を奪った貴女を!ズタボロにして引き裂いてしまいたいので私の下に戻って来なさい!!!!」
完全にアルビナスは開き直ってぶちぎれた
そうだ、命令が果たせないのが悔しいのもあるが、それ以上に敬愛する主の心の大半があのティファ一人で占められているのが許せないのだ!あの方から生まれたからこそそれはダイレクトに伝わってくる。ティファの名を出すたびにハドラー様が嬉しそうなのを!!
その顔を見て、気持ちを感じてどれ程自分の胸が黒く焼かれる事か!!
「おい!そんなのお前の・・」
「ええそうですよ!八つ当たりです!逆恨みですよ!!あの者が悪くないなんて百も承知ですよ!」
ポップの反論を最後まで言わせずに、アルビナスは堂々と言いきり噛みつき返し、ポップは勢いに押し負ける様にたじろぎ押し黙る。
なんだこの妙な勢いと威圧感は!
魔王軍の一番の敵だからなんていうのも建前だ!ハドラー様の心を捕らえて離さないティファが憎いだけだと
「ふっくっくっく・・・はっはっははは!!なんだよアルビナス!お前要はハドラー様にほの字なのかよ!!」
「な!私は・・・あの方を敬愛してるだけ・・」
「そこまでぶっちゃけちまったんだったら今更取り繕うなよ!そうかそうだよな!あの方程いい男なんてそうざらには・・・おっと、俺達を見逃そうとしてくれたあんたもいい男だぜ。」
冷たい奴だと思っていたら可愛いもんじゃねぇかと、ヒムは目をいからせ否定しようとするアルビナスの頭を無事な左手でよしよししながら、クロコダインにもいい男だとウィンクして讃辞する。
「あんたの男っぷりにもうっかり絆され掛けたがよ、悪いんだがそうもいかねぇんだわ。」
「左様、アルビナスが惚れる程の良き漢で敬愛する主からの命でな。」
「ここは引くわけにはいかぬな。」
「ブロ~ム!!」
「・・・・貴方達・・」
右腕がない?だからどうした、左腕も両足御健在だ!
「悪いがな、うちの大将の命令は絶対なんだよ。それにうちのクィーン泣かせた落とし前ティファに取ってもらうからな!改めて名乗らせてもらうぜ、俺はポーン・ヒム!」
その役割を指し示す様に親衛隊の前に立ち、名乗りを上げる。
「私はナイト・シグマ。この左腕にあるのはハドラー様から賜りし伝説の武具シャハルの鏡だ。」
少し斜め後ろからシグマが名乗り、堂々とシャハルの鏡を披露する。
「儂はビショップ・フェンブレン、お前達を全員切り刻み料理人のティファとやらの下にクィーンをお連れする。」
その横にフェンブレンが、自慢の全身の刃でこれからする事を堂々と告げる。
「ブロ~ム。」
「こいつはこれしか言えねぇんで勘弁してやってくれ。ルーク・ブロックだ。」
アルビナスを守るように後ろに立つブロックを代わりにヒムが紹介する。
親衛隊の真ん中に守られるように立つ事になったアルビナスは、ヒム達の名乗りに冷静になり、途端に自分が口走ったことが恥ずかしくなるがそれ以上に・・・
「私はクィーン・アルビナス。ハドラー親衛隊の副官を任じている者です!」
嬉しかった、馬鹿な望みを胸に秘めている自分をヒム達は下らないと蔑むどころかいいではないかと言ってくれた事が。
禁呪生命体、それも金属生命体の自分が生みの親たるハドラー様に、どうやら惚れている、様々な事で忌むべき事と思い消える時にも胸に仕舞っておこうとしていたのを・・・・あの娘のせいで抑えられなくなってしまったではないか!!
絶対に叩きのめす!!
アルビナスの健気な気持ちに触発され戦う気を起こしたはいいが・・・
「へ、ボロボロで情けねえ姿見せちまった俺達とはもう戦えねぇか勇者様よ。」
果たしてダイ達の方こそ戦ってくれるだろうか?
「・・・・情けなくなんかないよ・・」
「ん?」
「ボロボロなのがなんなのさ!流されかけたから何なのさ!そんなのいつもの俺達だって一緒だ!ヒム達だけじゃない!!俺達はいつもそうなって、でも戦い抜いてきたんだ!!」
ヒムの問いに、ダイが叫んで答える。
敵に恐れて動けなくなったポップ、相手の事情を知って戦えなくなった自分、真実から目を逸らし闇に身を堕としたヒュンケル、弱ったところに奸計に心売ったクロコダイン・・・
「俺はダイ!勇者ダイだ!!」
気力を無くしても、仲間を思う心で戦いを挑むヒムにダイは力の限り名乗り返す。
「俺は魔法使いポップ。勇者ダイの言う通り、俺らもボロボロにみっともないことになっても足掻いて戦ってきたんだわ。」
「武闘家マァム。今の貴方達を情けないっていう奴いたらのして上げるわ。」
「戦士ヒュンケル。正々堂々受けてたとう。」
「同じく戦士クロコダイン。済まなかったな、立派な心を持ったお前達を低く見て侮辱した事は詫びさせてもらおう。」
こいつらは確かにハドラー様のお眼鏡に適う奴らだ。
ティファだけではない、ハドラー様がこいつらを真の敵だと何度も言っていた訳だ。
「そんじゃァよ!第二ラウンドと行こうじゃねえかよ!!」
あああああ!!クィーン・アルビナス様を、冷静沈着・出来る女を具現化したアルビナス様を恋する乙女一直線にしていまいました!!
しかもタイトルは敵のアルビナス様の心情です
質の悪い事に謝罪掲載した筆者ですが!恋する乙女なアルビナス様を生み出せたことに悔いはないのです!!
愛は何よりも優先されてしかるべき!!!(どこまで暴走する気だこの筆者・・)
クロコダインのイケメンぶりも出せていたら筆者としては嬉しい限りです。
口数は多くなく、されど存在感と時折発する温かい言葉が、若者だらけの一行を守り、主人公の心の支えにもなってくれています。
もっとその辺の描写を出していきたいです。
次回、愛に目覚めたクィーン・アルビナスの活躍は如何に!