よろしくお願いします。
-何⁉・・何の音!!!!-
ティファが物音に驚いたように、物音をたてた二人も驚いた。
誰もいないと思っていたが・・倒木の影から人の声が!!
あ~・・
「誰だ!!」・・誰だってこっちがききたい事だ。
「なんだ人間のガキかよ。」・・失礼な奴・・人の昼寝の邪魔した奴が何たる言い草・・。
ガルダンディーの奴はたいて全力で走って逃げ切ろうかな・・って・・あの竜・・。
「なんだこのガキぽかんと間抜けずらして。」・・失礼な!あんたの竜見てんのよ!!
「怖すぎて泣くのも忘れたか。」・・むしろ貴方の毛皮でモフモフしたいですボラホーン。
原作通りの二人だけど・・ルードの方は弱ってる。
パット見鱗も角も目も正常で目立った病気の兆候はないし・・そういえば食べて何日って。
「そこの鳥のお兄さん。」
名前知っているけど言ったら絶対何で知ってるでバトりそうなのでこう呼ぼう。
「この竜いつから食べてないの?最後に何を食べたのかわかる?」
「な・なんだ一体このガキ!!!舐めた口利いてっと・・」
・・こいつ何処のヤンキーよ。
「この仔助けたいんでしょう?一見したところ病気の兆候ないし、火袋も正常だし助けられそうなんだから教えてよ。」
・・ミーナとは大違いだ・・この仔助けたい。
ティファのあまりな怖れ知らずの物言いに、ガルダンディーは絶句をする。
普通人の子が自分たち前にして、泣かないどころか・・ルードの事を聞いてくる!!
人間憎いとはいえ自分には見境が有るつもりだ。
主の言う―大戦―とやらが始まるまでは極力人とは関わらずに・・こんなちっこいガキ位見逃してやろうと思っていたら・・鳥のお兄さんてなんじゃそりゃ⁉
見逃してやろうと思っていたら・・鳥のお兄さんてなんじゃそりゃ⁉
「・・三日だ・・」
って~!!ボラホーンの奴、何マジで答えてやがる!!
自分と同じくらいの人間嫌いの奴が!!
「・・三日・・」
「そうだ。確か最後に魚を食べてとか・・こいつが言っていた。」
しかも詳しいことを教えてる‥どう言うつもりだ・・。
ボラホーンとしても人に対しての考え方はガルダンディーとほぼ変わらないが、
この妙な子は本気でルードを心配している気配がある。
「娘よ、お前はどうにか出来るのか?」
出来るのならばガルダンディーの為にも治してやってほしいと、同じ仲間を気遣っての事。
出来なければ立ち去れせればいいだけの事だ。こんな子供一人、どうこうする気はない。
ガルダンディーも自分も、同族を人間に狩られて滅ぼされた恨みはあるが、-大戦時―に晴らすつもりだ。
晴らすつもりだ。
さて・・この娘はどう出るか・・。
「・・最後に食べたのは魚・・竜君ちょっと失礼。
・・お腹は張ってない。ゴロゴロ音も無し・・とすると・・
ボラホーン情報で分かった事を頼りにルードのお腹の音を聞いてみても異常なし。
消化器官ではない、とすると・・。
「ねえ君名前は?教えてもらっていいかな?」
「-・・ルード―・・」
「そしたらルード君、のどのあたり痛くない?」
「-いたいよ・・チクチクする‥-」
「そっか・・あの鳥のお兄さんにはその事は?」
「-いったけど何もないって‥-」
「あっちゃ~相当奥か・・ルード君私がのどの奥に入って調べるよ。原因見つけたら
取ってあげるからね。」
「-いたい?-」
・・私が入って調べるから違和感の不快感は半端ないだろうけど・・「食べられないと君死んじゃうよ?いいの?」
「-やだ!!・・やる・・。」
よし良い子だ。
「服脱いでイガイガなくすね。」
さて治療開始だ。
服脱いでパンツ一丁になって腹ばいでルード君の口の中・・小さい身で助かった。
ア・・この仔・・歯が弱い仔だ・・大きくなるまで苦労しそう・・ってそれは後々。
あった!!原因見っけ。
(何だこのガキ⁉本当に人の子か!!ルードの奴名前を教えちまってすきかってて・・
ちょっと待て!!このガキルードと普通に話してなかったか!⁉)
(・・ルードは弱っていてもガルダンディー以外は決して懐かないはず・・弱ってたとしてもここまでの事はさせないはずが‥)
ティファとルードの事で唖然茫然している二人を尻目に、ティファはさっさと治療を進めていく。
「ルード君原因の―骨―抜くね。痛いのに驚いて私食べないでね。」
「-うん分かった―」
さてと―プス・プスー・・これで・・
「-ヘ・・ヘ・・フェクション!・・すっきり-」
くしゃみの前に間一髪脱出成功!!ルード君目に見えて顔色良くなって元気になったな。
将来の敵とはいえ・・助けたくなちゃった・・ま、何とかなるか。
・・外の二人は固まってる・・薬造るから放っておこう。虫歯の処方箋も出すか。
-ゴりゴリゴリ-
「えっとホイミ草に回復の泉二滴、口のデリケート部分だから化膿止めのフレイも・・」
「おい・・」
・・このガキ俺たち怖がるどころかなにしてんだ?
「喉だし・・強すぎないように水で薄めて・・。」
「おい!!」
「さっきからおいおいって何ですか?鳥のお兄さんないてるの?」
「こっの・・ガッキー!!いい加減舐めた口利いてるとぶち殺すぞ!!!!」
「止せガルダンディー。」
「何で止んだよ!!ボラホーン!!!!」
「よく見ろ。この娘は薬を作っているんだぞ。・・ルードの薬か娘?」
「そうです。化膿しない様にもう一度ルード君の中に入って薬塗ります‥出来た。ルード君失礼。」
薬作ってうるさいヤンキー鳥は無視して、紳士ボラホーンにはきちんと返事してあげて薬塗って治療完了。
薬塗って治療完了。
「もう大丈夫だよ。」
「-うん・・ありがと・・-」
「どういたしまして。そこの鳥のお兄さん。」
「・・んだよ・・」
ガルダンディーとしてはこの訳の分からない出来事から逃げたくなってきた。
幼竜のころ、家族を人間に殺されたルードを保護してともに育ち、拾ってくれた主にも懐かなかったルードが・・人間のガキに名前を教え・・お礼を言いやがった・・・・。
あり得ない事に頭を痛める。話聞くだけ聞いてさっさと追い払いたい。何言うつもりだ。
「この瓶の薬は飲んでも患部に浸み込んで効くから三日分出すから寝る前に一本ずつ飲ませてあげてね。それからこの仔は竜の中では珍しく歯の弱い仔みたいだから、歯磨き粉の処方箋書いておいたから作って歯磨きしてね。」
野生のモンスターにも個体差はあり弱い仔強い子がいる。
稀に歯の弱い仔がいる・・野生の中では致命的でも、幸いルード君にはガルダンディーがいる。
「大きくなれば歯も丈夫になるからその日までしてあげてね。」
(・・この・・ガキ・・本当になんなんだ・・)
もはや薄気味悪くなってきた。
人間の子供に見えなくなってきたところに爆弾発言が落ちてきた。
「それとお代ください。方法はお任せします。」
その一言にガルダンディーがとうとうぶちきれた。
「てんめぇ!!!このガキ図に乗るな!!!!」
子供一人見逃してやろうと思ったがやめだ!!!
「てめえなんぞにくれてやるもんは無え!!!!ぶっ殺す!!!!」
「止めろガルダンディー!!娘よ、悪い事は言わん。早々に立ち去れ。」
「なんでまた止んだよボラホーン!!人間のガキ一匹位!!!!」
「ガルダンディー、いかにこの娘が人間でもルードの命の恩人だ。一度は見逃してやれ。
さあ、早く行け。」
「けどよ!!」
・・全くこのくそ生意気ヤンキー鳥は・・ガキガキうっさい!!
殺気出されても洞窟のボス連中に比べればそよ風程度だ。
ボラホーンは紳士的だ・・とても将来ポップを人質に・・なんてしそうにない。
この世界のボラホーンはクロコダインに似ているのかな?
でも・・この人も人間嫌いか・・父さんの配下しているんだから・・。
いい人が敵だと思うとやり辛いけどしょうがない・・戦場であったら手加減なしだ。
・・とりあえず服を着よう。いい加減寒い。
それにしてもだ・・。
「あの~。」
「大体おまえはすぐに頭に血が上って・・。」
「・・あの~・・」
「なんだと!お前だって・・」
「あのー!!」
「「なんだ!!!」」・・やっと気が付いてくれた。
「歯の処方箋の事で聞きたい事ありませんか、鳥のお兄さん。」
「・・お前・・ルードの歯よりも自分の命の心配したらどうだ。」
「・・歯も大事だよ?」せっかく上げた処方箋ぐちゃぐちゃにして!もう!!
「だからそういう事を言ってんじゃねんだよガキ!!!」
・・ああ・・もう!!ガキにガキ呼ばわりされたくない!!
拳骨で伸して言う事聞か・・森の方から竜の足音・・二頭・・一頭はゆっくり走って・・
しかも人の気配もする・・まさか!!
-ガサリ!!-
「お前達!!やっと見つけたぞ・・なんだその人間の小娘は?」
・・やっぱり・・この二人の関係者で竜に乗る人といえば・・ラーハルト!!
まだ原作よりも若いけどかっこいいな。騎竜姿も様になってる。
(何だこの人間の小娘は・・竜と俺を見ても怖れもせず・・この二人となんでいる⁉)
「ガルダンディー、ボラホーン!!これは一体どういうことだ!」
ま・・説明ほしいよね。妙な状況の自覚はあるし・・でも・・-ガサリ-
残念・・タイムアウト・・二人の関係者で・・この三人の主。
超竜軍団の長・・父さんも来ちゃった!!!!!
主人公は助けたいと思ってしまえば敵味方区別なく助けてしまい、将来周囲を悩ませます。
優しさに溢れて勝手にやらかして周りを振り回すところはソアラさんに似ちゃいましたが、
のちの物語のフラグ立てでもあります。
ガルダンディーの性格は原作通りですが、ボラホーンはこの時点で違います。
ガルダンディーも物語りが進むにつれて変わっていきます。
ルードは末っ子の甘えん坊キャラで出していきます。
思わぬ父子の再会となりましたが、果たしてバランは我が子と気付くか・・こうご期待。