ハドラー達が帰ったからと言って私達は一息つける訳じゃあない。
寧ろ料理人としてはここからが本番だ!
「そちらの治療は終えた!包帯斑ぐずぐずするな!」
「黄色布はオレンジ布の治療終えてだ!ぼやっとしていると海に叩き込むぞ!!」
「内部骨折している!骨接げるものは・・・」
出城は今や野戦病院だ。それでも滞りなく治療できているのは間違いなくリンガイア兵の皆さんのおかげ。
薬作る斑、それぞれの怪我具合によって分けられて治療する班、治療を終えた後包帯や添え木をする班に分かれて効率的に治療が施されて行く。
布の言葉が聞かれたけど、あれは現代のトリアージを模した物。
赤が最優先、次がオレンジ、黄色、緑の順。最悪は黒だけど今のところ黒はいない。
黒は死亡か、助けられない為・・・いなくて心の底から安堵する。
私は薬作りを、ノヴァは現場を取り仕切ってダイ兄達も懸命に手伝ってくれてる。
瀕死の人の様態が安定したのを見計らってクロコダインと私のガルーダの脚で大きめのシーツをハンモックの様にして、後方にあるバウスン小父様のいる砦に低空引くで輸送している。
敵からの襲撃を懸念してヒュンケルとダイ兄がガルーダの背中に乗って護衛している。向こうも一枚岩じゃないし、もしかしたらザボエラが逃亡して手柄稼ぎ狙っているかもしれないと思うとあの時消しておければ憂いなかったのに。
マァムさん、メルルさん、ベほちゃんは回復呪文いかんなく発揮してくれてるけどやり過ぎないように古参の方達にそれとなく見てくれるようにお願いしたら、本当なら私達には休んでいて欲しいって言われたけどそうもいかないでしょう。一応瀕死の人はいないけど、重傷者がいつ悪化するか分からない。とりあえずオレンジ布の人まで全員治療終えたら順次キメラの翼で軽傷の人達送って、残りはガルーダたちにがんばってもらおう。
ん?治療もいいけど最大にして最悪なこと忘れていやしないかと?
まさか忘れいませんとも!此処はサババですよ、二度言いますがサババです!
もうここの所だけはダイ兄の記憶消失と同じくらい阻止もんですとも!!
ダイ兄の時は寸での所で変質者さんの邪魔入りましたが!!ここではそうはいかせませ・・・
「ティファさん!パピィと一緒にこの辺の偵察・・・・」
「却下!!チウ君!それ以上言うならパピィ君とスラちゃんと君を問答無用で筒に入れるよ!!もう少ししたら軽傷さん達キメラの翼で送ってもらうからそっちして!!」
「・・・分かりました・・・」
「砦に全員戻ったらその時は君とパピィ君に上空哨戒してもらうからね。」
「ノヴァ!!」
「本当ですかノヴァさん!!分かりました!パピィ達に伝えてきます!!」
・・・びしっと敬礼してチウ君張り切って行っちゃったよ・・・・
「・・・・・ノヴァ・・」
「ティファ、無理に止めても納得しないよ。それよりも役割があった方がいいでしょう。大丈夫、精霊達にも応援頼むから。」
「・・・・むぅ・・・」
サババ最大の出来事は私の中では篩じゃなくてチウ君を死の大地に偵察に行かせない事。知識で海底の中に魔宮の門があるの知っているのに、チウ君の命を掛けさせるわけなし。仮に知らなくとも私が単身で行った方がいい。この一行の中で隠密行動取れるの私が一番だしね。
ハドラーに抗議に行く前にチウ君にがっつりと釘は刺していった。
「チウ君、獣王の笛クロコダインから貰っているだろうけど、その笛で飛行モンスター呼んで偵察しようかなとかしないでね。」
「いや・・・はっはっはティファさん・・そんな無茶僕しません・・」
そんな言葉は信用しませんとも。二段構えでチウ君の姿見掛けなかったら直ぐに探してほしいとメルルさんにも包帯斑で手が空く人にも、皆にお願いして行ってダイ兄達と戻ったらメルルさんに懇々と説教されてるチウ君発見。
やっぱり偵察に行こうとしてパピラスと勝負して、何故か近くにいたスライムを配下にすべく勝負したら、あっという間に勝ったとか。
そして死の大地に飛び立とうとしたところをチウ君の姿が見えないと速攻で探しに来た兵士さんと、占いの直感がますます冴えたメルルさんに見つけ出され三人とも御用になったと・・・・・チウ君!!
「偵察なんて行かないで!君が一人で行っていい場所じゃないんだよ!!!」
地下には大魔王達がいる所に偵察に行ってタダで済むはずが無い!
「ティファさん!それでも僕は皆さんの・・・」
「チウ君!!!・・・・拘束されたい?」
冷ややかな瞳でチウを見据える本気のティファに、誰も何も言えなくなりさしものチウも震えあがる。
「ティファ、その位にして上げなよ。チウ君、君が仲間にした子達は中にいていいから君は包帯巻きの手伝いをして。あの子達は精霊達に見てもらうから大丈夫、ここの兵達は僕がモンスターを友達にしているの知っているから理解ある人大勢いるからね。」
「・・・・分かりました。」
心底怒っているティファのフォローをしたノヴァの言葉にチウも落ち着き、自分がしようとした事の危うさもヒュンケル達に優しく説かれ悄然とし、ティファ達に詫びを入れる。
ちなみに原作通り死の大地に行っていたらチウは速攻で死んでいた。
今のフェンブレンの機嫌が最悪で、敵を弄ぶより憂さ晴らしの為チウとスライムとパピルスを瞬時に惨殺をしていただろう。
ティファ達にいいようにされ死の大地に戻った自分達を、死神キルバーンが待ち構えていた。
「君たちのせいでお嬢ちゃんからとんだとばっちりを言われる羽目になっちゃったじゃないか。しっかりしてよね。」
親衛隊達の不甲斐無さにいい迷惑だと主の前で抗議され面目丸つぶれもいいところだ。
「・・・ティファが言ってた変質者死神ってあんたの・・・」
ギロリ
ヒムが思いいたったティファの発言の真相を、選りにもよって本人に聞こうとし死神の不興を本当に買ってしまった。
「その言葉はね、あの子が言うから僕は許しているんだよ。ハドラー君の配下の君が言っていい言葉じゃ~ないね。」
言葉遣いは優しいが、重苦しい殺気が弱った親衛隊達に襲い掛かろうとしたのをハドラーが守るように前面に立つ。
「済まなかったキルバーン。」
ティファの時とは違い、兜こそ取らなかったがキルにしっかりと頭を下げて詫びを入れる。
「うん、ハドラー君が詫びてくれるならそれでいいよ。次は気を付けてね、シ~ユ~。」
ハドラーには優しい笑顔で労い飄々と去っていき、重苦しい空気を一変させるようにハドラーも次は気を付けろとヒム達に力強い笑みを向け治療するぞと部屋に連れて行き、フェンブレンだけが一人残った。
先程の光景が、ヒム達がどう感じたかは知らないが、フェンブレンは全てティファが元凶だと忌々しく感じた。
あんな綺麗ごと、戦場で通るはずが無い。戦闘員だろうがそうでなかろうが関係ないではないか!
もしも敵の誰かが偵察に来たら-俺-がなます切りにしてやる
ティファの阻止行動のおかげで、チウ達は命拾いをした。
サババフラグはへし折りましたが、獣王遊撃達の土壌はしっかりと残しました。
海に潜る必要はないのでマリべぇではなくスライムのスラちゃんとなりました。