勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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今までの繋がりフルに使います


歩いてきた道が繋がる時①

その人達はいつも三人でいたはずなのに・・・

 

父さんの呼びかけで、入ってきたのは二人。鳥の獣人・ガルダンディー、半魔のラーハルト二人・・・・竜の血で蘇った?精神力の強い人達だから早くなった?でもそしたら・・・

 

「ボラホーンさんは?」

 

ぽつりとしたティファの言葉に、入ってきた二人はみじろぐ。

 

矢張り我ら両名のみが蘇った事を、この子供は見逃さない・・・

 

ダイとポップもティファと-三人-の仲を知っているだけに二人しかいない事態に焦りを覚える!

 

ポップの時の様に竜の血の奇跡が働いたのだろうが・・・三人いなければティファがますます傷つくではないか!実は三人蘇り、合わせる顔がないとあのグレートオーラスが言って逃亡しているのならば早く探しに!

 

 

 

「ティファ!!!」

 

 

 

ダイ達の奇跡的な再会は、ノヴァの悲鳴にも似た声に斬り裂かれる。

 

断りもなく砦に入ってきた三人を一瞥したきりノヴァは何も言わずにティファを抱き上げ奥に戻る。今は声を出すのも惜しいとばかりに

 

「ちょ・・・ノヴァどうしたの!!」

 

礼儀をここまで欠くノヴァに驚くティファに、さらに驚く言葉がノヴァから発せられた。

 

「重軽傷者問わずに大勢の人達が毒化したんだ。」

 

 

 

最初に気が付いたのはベほだった。小さい体を駆使してひしめく患者たちの様態を観察していると、軽症者がいきなり震え出し、痺れ毒に当たった症状となりすぐさまべほは患者の下にマァムを引っ張って症状を見てもらい、キアリクが出来る者をすぐに呼んでもらい治療したが、周りも一様に同じ症状になり、治してもすぐに同じ症状になる。

 

どう見ても異常事態だ!本来ならば麻痺解除呪文で治るはずが・・・

 

「・・・・推測だけど、傷口から入ったクィーン・アルビナスの針が見つからないから中で悪さしてるんだと思う・・」

 

ヒュンケルが撃ち落とした針は鎧の隙間に一本あったから見せてもらったけど、原作よりもさらに細くて小さかった。

 

血が流れている間は痺れ毒も流れ出て症状が出ずに、反対に傷が塞がった事で毒が本来の役割をはたしていたら…これ不味い!!痺れをとるために全身キアリクしている間に他の人が痺れ毒全身に回って神経や呼吸器までに行ったら死んでしまう!!

 

「・・・ノヴァ、毒の万能薬確か・・・」

「全身にいきわたるようにしてある。」

「今から痺れ毒に特化したのは?」

「・・・・マトリフ様の頭脳があれば・・」

「そう・・・」

 

 

バン!

 

 

勢いよく扉を開け、ティファは外していた眼鏡を再び掛けなおす。

 

私を全て脱ぎ捨て料理人のティファになる為に

 

「ポップ兄!裏にいるマァムさんとメルルさんを至急呼んできて!ダイ兄はレオナ姫を!ノヴァ、そのままキアリクを出来るだけ大勢の人達に掛け続けて!!手元にある痺れ用の万能薬を薄めて症状が出ていない人にも飲ませて!チウ君、ヒュンケルとクロコダイン探してきて此処に呼んで欲しい。」

 

「分かった!」

「レオナだね、行ってくる!!」

 

兄達を始めとし、誰もティファの指示に疑問を持たずにすぐさま実行に移す。先程の少女とは思えぬほどの迫力に、バラン達は気圧されながらもその光景を黙ってみている。

ティファの真剣な表情が、ただ事ではないと告げている。

 

「ティファ!一体何があったのです?」

 

今後の打ち合わせをしていたレオナは、ダイのただならぬ様子に打ち合わせていたバウスンも伴い息せき切ってティファに尋ねる。

 

走って辿りついた時、ティファは机をリングから取り出し書き物をしていた。

一秒でも時間が惜しく、レオナの呼びかけに一旦手を止め顔を上げる。

 

「姫様、砦の怪我人の大半が痺れ毒に見舞われています。」

「それは!直ぐにキアリクを!!」

「いいえ、それでは根本的な治療にならないのです。」

 

ティファは取っておいたアルビナスの含み針とその特性をレオナに話す。

アルビナスはヒュンケルを威嚇し足止めする為に、あえて痺れる事を明かし警戒させたのがここでは功を奏した。

 

「そんな・・・それではキアリクを全身に・・・」

「それでは間に合わないものが出て死人が出ます。実は少し前に毒用の万能薬開発に成功し、マトリフ様の力があれば痺れ特化も出来るのです。」

「では・・」

「その為にこの砦の全指揮権を一時私に預けて欲しいのです!!」

 

痺れの万能薬を作る間の対処法、必要な道具の買い付け、その他諸々の事を指示する為に、レオナのお伺いをしている時間はない!

 

「ティファ!!」

「おい!!」

 

さしものティファの発言にダイとポップですら顔色を変える。自分達も王族と接していくうちに、ティファの今言った事に発言の大きさが分かってしまったから。

如何に勇者の妹とは言え、自分達に指示を出すのと一つの砦の指示を出すのでは全く違う!

 

「分かりました。」

 

だがその言葉を、レオナは冷静に受け止める。

 

「バウスン将軍、勇者ダイ一行とみなに告げます!パプニカ王代理レオナ王女の名の下に、今よりのこの砦全員は勇者ダイ一行の料理人ティファの指示に従いなさい!!ティファ、貴方は正しいと思う事全てをしなさい。」

 

「有難く!!早速、メルルさんはベンガーナのデパートに。コンシェルジュのアクバルさんにこの手紙をお届けください。中身はデパートに在庫がある八割の痺れ毒に効く薬草と薬作りに使う道具も同じくらい売ってもらうように書いてあります。キメラの翼を渡すので父さん!!」

 

メルルに指示を出しながらティファは急にバランを呼び、部屋の隅でガルダンディーとラーハルトと邪魔にならぬようにいたのだが、注目を集めて驚く。

 

「ティファ・・・彼等は・・」

「姫様、今は黙認していただけませぬか・・」

「私は・・」

「姫、ティファも、我らリンガイアの民は彼等を敵視しない。だから安心して指示の続きを。」

 

リンガイアを攻めた事でティファもレオナもバラン達をバウスンが一時でも見逃してくれないかと見た瞬間、察したバウスンが先に許可を出す。

理由はパプニカでノヴァが話したのと同じだ。

 

「分かりました。父さんこちらに。」

「・・・うむ・・・・」

 

バウスンの言葉にバランは驚いたが今はそんな時間はないようだと直ぐに動く。

 

「メルルさんの護衛をお願いします。」

「な!ティファ・・・」

「父さん、魔王軍も一枚岩ではないようです。この機に乗じてあちこち動く私達の誰かを人質に取らんとするものが出てもおかしくはありません。その為と、メルルさんがデパートで物資を待っている間にテランの回復の泉で、この水瓶一杯まで入れて来てください。その後デパートに戻ってメルルさんと戻ってきてください。」

「分かりました!」

「・・・・そなた・・・良いのか?」

 

ティファの指示にメルルはすぐさま頷くが、そんなメルルにバランの方が戸惑う。先の戦い時、自分はダイとティファ以外全て殺し尽くそうとしたのを忘れているわけではあるまいに。

 

「龍の騎士・・・いいえバラン様!ティファさんとダイさんは貴方を許し助けることを決め、私達も貴方達を信じる事にしたのです。ティファさんが貴方を信頼しています。ですので、私も信じます。」

 

そこにあるのは信頼、ただその一言に尽きる。自分もあの戦いの全てを見ている。バランの憎しみも悲しみも苦悩も、罪を自覚した時の絶望も、そしてティファとダイがすくい上げた事を。

 

そして人間と敵対しないと言ったバランの言葉を自分も信じようと。

 

「分かった。ティファ、全力でこの娘を守ろう。」

「行ってきます!」

 

指示を受けた二人は手紙とマジックリングを空ぞれ受け取り、往復分のキメラの翼を受け取りすぐさま出掛ける。

 

「ダイ兄はこの手紙をもってベンガーナ王様に会ってきて。自国のデパートの重要品をほぼ買い占めるから許可とってきて。デパートの手紙には事後で許可貰うって書いておいたらから慌てなくて大丈夫。」

 

書き終えた手紙を封書に入れ蜜蠟で封をしダイに渡す。

 

「手紙を読み終えたらもしかしたらベンガーナ王は無償で出すっていうかもしれないからその時は黙って受けて。お礼はこの世界を救う事で払おう。」

「分かった!」

「チウ君はおじさん呼んできて、詳しい事はこの手紙に全部書いてある。」

「分かりました!」

「ポップ兄はパプニカに行って、王城から何人かキアリク使える人貸してもらえるか聞いてきて。全員いいって言われても・・・後ロムス様貸すって言われてもそこは断って来てね。」

「任せとけ!」

「あと・・・レオナ姫、三賢者はキアリク使えますか?」

「大丈夫よ!エイミとマリンを・・」

「姫様、三賢者で一番-誰-がキアリクが得意ですか?」

「っ!アポロね・・・けど・・」

「ポップ兄、エイミさんとアポロさん二人お借りできるかも合わせて聞いて。駄目ならせめてアポロさん一人で。」

「ティファ!・・・けどよ。」

「分かってる、おじさん辺りでしょ私とアポロさん会わないようにしたの。後でおじさん説得するからお願いします。」

「・・・・分かった、行ってくる!!」

 

ティファだとてぼんくらではない。アポロと一度も会っていない事、城内が自分に気を使うというより刺激しないように遠巻きに見ていた視線の意味で何となく察した。

大魔導士が手を回して自分を守ってくれているのが。

 

感謝しているが、この緊急事態には使える人手はいくらでも欲しい!

 

「兵士の皆さんは痺れが特に酷い人を部屋の最前列に移動を!!」

「薬が作れる空間と、直ぐに届けられる経路の確保を!」

「大勢の人達が直ぐに来ます、大まかな説明だけしか受けていないので詳しい説明が出来る人を!」

「マァムさん、ロモスの迷いの森にある毒に良く効く薬草の場所は?」

「知っているからすぐに取ってくる!」

「お願いします!護衛にヒュンケルお願いします!」

「承知!」

 

・・・・これで全部か?必要でみんなに回せる仕事は・・・

 

「・・・ガキンチョ、その・・」

「俺達に出来る事はないか?」

 

ティファの行動に、口を挟まなかった二人が自分達にも何かできる事はないかと尋ねる。

自分達もティファの役に立ちたい!

 

「ガルダンディーさん・・・分かりました!ガルダンディーさんは・・」

「さんいらねえよ。」

「・・ガルダンディーはこの城に近づく敵いたら容赦しないで!これ・・」

「筒・・・これって!!」

「ルード君・・・・出してあげて・・」

「行ってくらぁ!!!」

「ラーハルトさんは手先は?」

「器用な方だ。」

「そしたら薬作りの時は手伝ってください。その間は患者の皆さんの移動や場所作りの用意を・・・・皆さん・・・」

 

半魔のラーハルトを受け入れて欲しいとティファが顔を上げれば、先手を打たれた。

 

「私はバウスン将軍の副官でホルスと申します。よろしくお願いしますねラーハルト殿。」

「俺を・・・分かった、俺はバラン様の配下ラーハルト。よろしく頼む。」

 

ホルスの導きにより、ラーハルトはすぐさま兵達と行動を共にする。人間だなんだだの、今は時間が惜しいとリンガイア医療チームは燃えている!!

 

「ティファ、貴女はどうするの?」

「少々あちこち動きます。一人当てがありますが、私は別件でその人に帯同できません。ガルーダに乗ってこさせるのでそれを見印に信頼してください。」

「・・・・せめて容姿は?」

 

・・・・・・・・・どうしよう、ザムザさんモシャス出来るの知ってるけど容姿聞いてなかった




今宵ここまで

今までのフラグと出会いを一気に活用します

尚キアリクの価値をこの作品では高い位置にさせていただきました。
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