だってハドラーいるのにサクサクしたくない!!
・・・・うちの主人公がハドラー手放そうとしないので進まん・・
主を敬愛し、その身を使う事を厭わない武人。
そんな本物になったハドラーを手放しで喜びたくない。
だって大魔王はハドラーに-黒の核晶-を埋めているのだから
最初はどっちか分からなかった。原作通りか、それとも埋めていない方か。分かったのは死の大地で再会したあの時、ハドラーに抱えられてキルと私を帰す帰さないでもめていたあの時、ハドラーの腹部から彼の闘気とは似ても似つかない冷たい気配と魔力にゾッとした!
それは何物をも受け入れず、只々何かを壊す意思しか感じられずに即座に破壊しないといけない気配に分かってしまった。
ハドラーの腹部に黒の核晶が埋められている事を。
仕掛けたのは間違いなく大魔王で、入れたのはあのダニ野郎。そんな主と知らずに敬愛していると言われて気分が本当に悪くなる!
あの主は最初から貴方を駒にしているのだと叫び出したい程に。
だがそうもいかない。
手紙書き終え彼と話している間に黒の核晶にを私の手の中に移動させられないかと、ハイ・エントの移動能力・ラック=バイ=ラックを試しているけどピクリとも動かない。
ラック=バイ=ラックはハイ・エントの魔力をマーキングすれば、私の能力及ぶ範囲内ではは確実に物でも者でも動かせる。
死の大地で、ハドラーの体内の黒の核晶があるのが分かった時、即座に体内の核晶に魔力流し込んでマーキングはしてある。
なのに発動しないという事は、強力な結界に守らせているという事だ。
恐らく強力な敵とぶつかっても容易に爆発しない為の処置なのだろうが、まさかハイ・エントにも影響及ぶだなんて想定外だ!
ここでハドラーの体内から核を取り出し、黒の核晶を実際に知っている父さんに驚愕の中説明してもらってハドラーを説得する夢は潰えた。後は取り押さえるかどうにかして、ハドラーの腹を裂いて取り出すしかないんだけど・・・・やって結界無理やり突破して、結界張ったのが大魔王だった場合解かれたのを感づかれて問答無用で遠隔操作爆発させられたら-まだ-対処方法準備整っていない今の私では防げない。
ハイ・エントの結界術・ジ=アザーズでも零距離の核は防げない。
四方手詰まりの中、配下に非道を行う主自慢をされて、楽しむ奴はいないとはハドラーは知らないだろうけど!それでも腹が立つ!!
これ程の超一流魔王に忠誠心を捧げられても、顧みずに駒としてしか見ていない大魔王なんて・・・・
それをハドラーに言ってしまえればどれ程楽か・・・だが、主を敬愛してやまないハドラーを徒に傷つけ、否定されて不快な面持ちでこの場を立ち去るのが目に見えている。
例えハドラーが信じずとも自分に圧倒的な力があれば取り押さえるか瞬時に腹部だけきって摘出して証拠を突きつけるかすればいい。
だが生憎今のハドラーと自分にそこまでの力の差異はない。デルムリン島のあの時にはハドラーを討ってしまうか、核を取り出すかすれば危険な者排除の為に下手したらミストが来ていただろうし、死の大地でやっていたら確実に私は殺されていた。
どちらにしても手詰まりであった情況に変わりなく、今もそうだ。
私にできる事とはただ一つ、ハドラーが主の裏切りを知る事なく逝かせてあげる事だけ。
そんなティファの深い思いを知らず、ただ沈黙をするティファにハドラーは妬いている発言だけを捉え呆れた声を出す。
「お前は一体、何を考えて・・・」
バン!!
ハドラーの言葉は、扉が勢いよく開く音に遮られ最後まで言えなかった。
扉を勢いよく開けた人物はずかずかと押し入り、並み居る兵士やダイ達を押しのけティファの背後に立ち抱え上げる!
「・・・ナタリーさん⁉」
入ってきたのは分かっていたが、まさか魔王の横にいる自分のところまで来るとは思わなかった!!
「おばちゃんだろ!あんた料理の味付けもしないで何してんのさ!!」
下の食堂でハドラー達に出すお茶を用意している時、今日の夕食の味付けはして良い許可出されて二つ返事で受けたティファが、待てど暮らせど戻ってこないではないか!!
「おばちゃん!!今この場にいるの魔王なんだよ!!危険はないけど来たら駄目・・・」
「だったら!!」
ティファとしてはハドラーは信用しているが、だからといってなんの力もない一般女性が来てはいけないと考えている。だからこそメルルや戦闘技術が無い者はこの広間から出されているというのに、選りにもとってメルル以上に戦場を知らないナタリーがいる事に焦り出て行ってほしいと言う前に遮られる。
その言葉にティファは、否、ハドラー以外の大広間全員がぴたりと止まってしまった。
「たかだか十二歳の女の子のあんたが!なんだって魔王の相手をしているんだい!!」
この場には勇者が二人!大将軍も大魔導士も戦士も魔法使いもいい大人たちが揃っているというのにだ!!
「あんたも!!」
それのみにとどまらず、ナタリーは自分を見下ろすように立ち上がったハドラーの目を睨みつける。ダークルビーの双眸を、恐れげもなく燃えるような瞳で見据え、両足を踏ん張り啖呵を切った。
「立派な魔王様だって言うんなら勇者や戦士達を相手にしな!!この子は子供の、それも料理人の女の子なんだよ!!!」
今宵ここまで