なんだろう・・・・一大決戦なのに切なくなってきた・・
寝る前に-色々書き物-して少し寝て、起きた後ガルーダと一緒に-各方面-によろしくしに行って戻ってきてみれば監禁まっしぐらな目に・・・・出掛けて良かった・・
そのままのこのこ出たら確実に捕まる事請け合いでダイ兄と父さんが魔宮の門を破壊した後自分も雪白出して一点集中縦一文字で結界を斬り裂くと同時に中に突入成功。
ノヴァに教わった闘気剣がこんなに役に立つだなんてジンとする。他にも闘気の扱い方教わって助かることが山ほどあるけど。
前回ハドラーに身嗜み怒られたからきちんと着替えてたらフェンブレン来て、戦闘不能にしてハドラーとダイ兄達の激突防げたけど・・・
「あの~・・」
ダイの手で着替え終わり、いつのもスカート姿にシルクの白ズボンと靴をきちんと履いたティファは、兄と共に広間に戻る。
何やらお騒がせて申し訳ない、そう謝罪しようとした自分達にイオの嵐が突如として襲ってきた!
「ディーノ!ティファ!!」
イオはコスパの低い初級呪文で上級者は溜めを必要とせず、それ故にバランはハドラーからの攻撃を完全に見過ごしてしまった!
「ティファ!!避ける・・」
妹に避ける様に指示したダイは、なんとティファの手でバランの胸元に放り投げられる。
兄を放り投げたティファは落ち着いて空飛ぶ靴の機能を発動させ浮かび上がり、イオの軌道を読んで避けていく。
当然イオに当たらずともその爆風や破壊されたものが当たってのダメージもあるがティファは全て計算に入れて後ろに下がり、爆発の粉塵で見失ったハドラーの気配を探している。
滅茶苦茶に撃っているようでいて次第に自分を壁際迄押し込もうとしている、とはいえハドラー自身が動き回るも自分の所に来る気配がない。
成る程、飛来物が来ても避ける範囲を限定したいか。案の定
ジャララララ
「地獄の鎖!!」
爆炎と煙で視界零な所に鎖が一直線に迫ってきたか、今なら!!
ズダン!!
飛来する鎖が自分を巻き取る形になる直前に前に出て鎖を右足で踏みつけ、伸びきったところをリングから取り出した剣でぶった斬る。
先端を無くしたハドラーと繋がっている鎖は無視し、斬った鎖をそのまま剣に巻き付け見つけたハドラーの気配の先に無造作に剣を一閃させて送り返し、闘気を纏ってその場で回転を始めた。その威力はバギ程度の威力があり、風を起こして煙をはらす。
視界が戻ればそこには上空にいるハドラーの頬に傷がついているのが見て取れ、天井には鎖がめり込み落ちる気配が全くしなかった。
「・・・・なんですかハドラーあの温い攻撃は?私の事馬鹿にしてます?」
回転を止めたティファの瞳は冷たく、先程までドタバタを繰り広げさせた人物とは思えない程の様変わりをしていた。
「お前こそ俺の攻撃を雪白とやらでなく鋼の剣で防ぐとはな。他人の事をとやかく言えんのではないか?」
ハドラーも上空からゆっくりと降りながら、ティファの武器が決戦に相応しい物では無いだろうと詰る。
確かに地獄の鎖でティファをどうこう出来るとは露ほども考えていないが、だからといってこの場でそんな代物を出されるのは不愉快だと鼻を鳴らして応える。
「あの程度の攻撃とも呼べないお粗末な行為で雪白を拝もうだなんて一千年早いんですよ。小細工の手にはこの鋼の剣で十分でしょう。」
言外にさっさと超魔生物になれと促す。
「ちょっと待ってよティファ!!」
「待ちなさい!!」
いきなりの攻防にバランとダイは出遅れたが、今ならまだティファを止めるのは間に合う、ハドラーが超魔生物になる前に説得しようと試み、ハドラーとティファの間にバランが剣を構えて塞ぎ、ダイが妹にやめる様に懇願しようとした矢先、ティファがダイに優しい顔を向けて拒絶する。
「駄目だよダイ兄、これはハドラーとの約束や私の私情が入っているけど、間違いなく-料理人のティファ案件-なんだよ。」
「ティファ・・何言っているのさ!料理人のティファならなおさら戦ったら!!」
「-料理人の仕事は一行の者達を無傷では無理でも軽傷で最大の敵の下に送り届ける-ダイ兄、ハドラーがどんなに強くても彼は今回の最大の敵ではないんだよ。彼の奥にいる、まだ誰も本当の実力を知らない大魔王バーンこそが、勇者達の力がいる相手なのを忘れたの?」
「あ・・・・」
「ここで勇者と竜の騎士を消耗させるわけにはいかない。ハドラーが魔界の神と敬っている相手は万全のダイ兄と父さんがいないと無理でしょう。」
「そんな・・・そしたら俺達三人で!!」
「それも駄目、魔法や闘気も温存して欲しい。万能薬も限りがある。分かるでしょうダイ兄。
先の大戦と違って勇者が門番と戦った後でも最大の敵と戦って勝てる相手じゃ無いって。」
勇者アバンがそれをできたのは当時のハドラーが三流魔王でお互いの実力を知り尽くしていたからこそ出来た事で、大魔王バーン相手に通じるはずもない事をダイも知っているだろうとティファは優しく諭す。
そう言われてしまって、生来勘が鋭く自頭もいいダイには分かってしまった。
この場にはほかの仲間はいない。自分達を温存するのであれば戦えるのはティファしかいない!!
父もティファの言葉に苦悩の表情を浮かべている。この中で唯一、大魔王バーンの恐ろしさの一端を知っているであろう父も、ティファの言葉に頷かざる得ない様子で。
「どうして・・・ティファなのさ・・・」
「にぃ・・・」
ヒっくヒックと泣きだすダイを、ティファは優しく抱きしめる。
「大丈夫だよ、ティファも強いんだから。きっと勝つから泣かないで。」
力強い笑みでダイの不安こたえる。自分は決して弱くはない!
勝つ算段は付けて来た。その為の方策を散々練ってきたのだから。
ダイの言う通り三人で戦う手段もあったが、二人の闘気か魔法の強さで黒の核晶が暴発する恐れがあるとまでは言えないが、これは本当に勇者一行の料理人案件。
兄や周りに言っている通り、一行を軽傷で最大の敵の下に送り込むためにも。
「父さん、ダイ兄と下がっててください。」
ティファの言いたい事に納得したダイを下げたティファは父の隣に並びたつ。
兄も分かっている。この戦いには本当に-世界全て-の命運が掛かっている。妹可愛さで動いていい時ではもうないのだと。
使えるものすべてを使ってでも自分達は勝たなくては。
「ティファ・・・・万が一の時は割って入ると心得よ。」
「大丈夫だよ父さん!私も竜の娘なんだよ!!!」
「ティファ・・・」
「ダイ兄みたいに紋章使えなくても竜の騎士の父さんの子供で、その父さんを守ろうとした母さんの娘だ!!弱いはず無いもん!!!」
ティファの言葉に、その時浮かべられた笑みにバランは亡き妻・ソアラの面影をティファに重ねた。
ソアラは力はともかく心が途轍もなく強かった。ティファは心が弱いかもしれぬが、芯の強さを受け継いだか。
「分かった!ティファよ!ハドラーを打ち倒してこい!!!」
「はい!行ってきます!!!」
先程の弱々しい承諾ではなく、バランは力強く我が子を戦場へと送り出した。
先程の突発的な戦闘にも怯まない娘の実力は切り結んだ自分が一番知っている!ならばその強さを信じて送り出す。いざとなれば、この身を割り込ませればいいのだから。
「話はついたのか?」
「お待たせしましたハドラー。待っていてくださりありがとうございます。」
「ふん!湿っぽい事で邪魔されてはかなわんからな!!ようやくか!!これで何の邪魔立ても無かろうな⁉」
今まで自分達が戦おうとする毎に入る邪魔立てに、ハドラーは相当怒り心頭であったのか、その鬱屈をはらす様に広間の中央に一人立つティファに挑む様に威圧を掛ける。
これ以上何の邪魔立ても無かろうな!!
「ありません!!!」
両足に力入れ、いつの間にか武器を収納したティファは空いた左手を横一閃に薙ぎ払い威圧を霧散させる。
自分だとて待ったのだ!料理人案件を差し引いても戦いたかったハドラーとのこの時を!!
「お待たせしました魔王ハドラー。」
一閃した左手を胸に当て、ティファはハドラーに一礼する。待たせた事とを詫び、決闘を受けてくれた事、兄に諭す時間を作ってくれた事に感謝をして。
その様は礼儀に適い、普段と先程のあのとんでもない娘とは大違いで。
「クックックック、ハッハッハッハッハ!お前は本当に愉快な奴だ!面白い者だ!!とんでもなく礼儀正しく、次は一体どのようなお前を俺に見せてくれる!!!」
「さて、それは貴方次第かと。」
「そうか・・・ならば-戦うティファ-を見せて貰おう!!!」
最後の言葉と共に、ハドラーから気が満ち溢れ、耐え切れなかった兜は砕け散り、纏っていたマントとローブも引き千切れ、出現したのは。
「・・・・・綺麗だ・・・」
戦う為だけに誂えられた超魔生物ハドラーに、ティファは見惚れ思わず呟いてしまった。
ダイとバランは、圧倒的で暴力的な魔獣の体に驚愕したが、ティファはそれが美しいと言う。
「・・・・なに?」
「綺麗だと言ったんですハドラー!力溢れ、隠しきれないその肉体は綺麗だ!!」
戦う為に信念を体現したような肉体に流れる銀の髪すらがティファの目には煌めく宝石の如く映る。
「未だかつて誰とも戦っていない新雪の如き貴方と戦えるだなんてなんて!!」
パシン!バシン!!
ティファが讃辞を重ねるのを止めた-物-があった。
ティファの首筋にあるリング化している雪白が、発光し闘気の火花を上げているではないか。
「そうだよね!雪白もそう思うよね!!あのハドラーの最初を私達が貰えるんだよ!!嬉しいよね!」
そのことに驚かないばかりかティファはいきなり武器に向かって話し掛けたではないか!!
「ティファ・・・何と話している・・」
またとんでもない娘に戻ってしまったかとハドラーが危惧したが、きちんとした返答が返ってきた。
「この雪白には意思があるのです!思考は出来ませんが嬉しいとか嫌だとか、私がきちんと扱えなかった時は物凄く嫌だと言われてしまいましたが今は仲良しです!!その雪白も貴方と戦えるのが嬉しいそうです。」
にこやかに愛刀の気持ちを代弁し、リングから武器化する。
「アクセス!雪白!!」
ティファの求めに応じ、武器化した雪白はパリパリと帯電しているように白い闘気をまき散らしている。
「ハドラー、これは刀という武器ですがご存知ですか?」
「ああ、今はない国が作っていたと、資料でしか知らんがな。」
「ふふ博識ですね、その通りです。これはヒヒイロカネの素材で刀身は真っ赤ですが、何故私は-雪白-と名付けたか分かりますか?」
いきなりのティファの問いにハドラーは困惑し、そういえば赤い武器に何故雪を付けたのかダイ達も今更ながらい疑問を持つ。
確かに鞘と柄は白いが、武器全体を表していない。
「もったいぶらずに教えろ!」
焦らすなと言うハドラーに気を悪くした様子の無いティファは続きを話す。
「この武器はじつは私が身に付けている間ずっと私の闘気を吸っていたんです。持ち主の闘気を吸い続けて満ち足りればその刀身が吸った闘気の色になって放出してくれるんです!」
「・・・つまり闘気をストックし、満タンになれば力に還元されると。」
「はい!まさしくその通りです!!私の闘気はその・・・暗黒闘気の黒ではないですが、無色でも黄金でもないので-成った時-には白なので、完成した時の名前をずっと呼んでいたのです。」
刀身迄白くなる、まさしく雪の如き刀になる。故にこそ雪白だと。
「成る程、つまりスタミナの心配はほとんどせず、お前は全力の打ち込みを何度も俺に出来るわけだ。厄介だな。」
「嘘は駄目ですよ。どう考えてもこれでようやくあなたのスタミナとトントンになった位なんですから。」
他にも追加効果があるがそちらは実際に味わってもらおう!!
ああ、本当の雪白がようやく会える!!
雪白を右腰に佩いたティファは、雪白を解き放つ言葉を高らかに宣言する。
「我が言葉に答えよ!真の姿となりその力を示せ!雪白・リミットリリース!!!」
ヒィ―ンンンンン!!カァーッ!!!
その言葉と共に白い光の奔流が広間を満たし、奥の玉座で戦いを見ているバーン達の視界も焼き切らんとする勢いで辺りを白一色に染め上げる。
ジャキン!!
光が収まりかける中、ティファが雪白を抜き放ちまじまじと見る。刀身は白く、白い雷が帯電する様に刃の上を横滑りにうねらせている。
完成した愛刀と戦えれば怖いものなど何もない!!
「行こう雪白!!!」
そして勝つんだ!
今宵ここまで
主人公の武器の全容の一端を明らかに出来ました・・・・物語の初めに書いてそれ以降フラグ建てもしていませんが、雪白の能力開示でした。