勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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今回はあり得ない出会いのお話の第一幕です。
よろしくお願いします。


縁は異なものひょんなもの?

(まったく・・なんで俺がこんなことを・・でもあのガキの言う通り、ルードの奴の歯が

弱くなってきやがったし・・癪だがガキに貰ったメモ通りにするしかねえか。)

ガルダンディーはひと月前に出会った子供に貰った処方箋の材料を探している。

黒髪を長く伸ばした人間の娘で・・超が付くほど生意気で!!・・ルードの命の恩人が

くれた処方箋には、ルードの歯を磨く薬草数種と歯の隙間の汚れを取る道具が書かれてた。

 

無論自分には人間の字なぞ読めないが、主のバランに読んでもらい、薬草と、-道具-

の材料となる生物の住処も教えてくれた。

―面白いことを考え着く娘だ・・。-処方箋を読みつつ、人間嫌いのバラン様を紙一枚で

笑顔にしてしまう妙ちくりんなガキにまた会いそうな場所だが仕方がない。

材料はどちらもテランが手に入りやすい。

あのガキに遭遇する前にさっさと探して帰ろう!

(それにしても、ラ―ハルトとボラホーンの奴!!遠くで高みの見物決め込みやて!!!)

自分一人では騒ぎを起こしそうだからと付いてきて・・材料揃ったら戻って来いって完全に面白がって付いてきただけだろ!!・・さっさと探してとっとと帰ろう・・。

歯磨きの薬草はすぐに揃った。

化膿止めのフレイとハッカ、消毒になる赤いギシタリカの実とこれに粗塩を混ぜればいいと説明も書かれている。

後は道具の材料になる動物の巣を探せば・・「あれか?」見つけた。

森の出口に大きなリンゴの木の下に、こんもりと土が盛り上がった箇所がある。奴の巣だ。

さっさと掘り出して「そこに触らないで!!」

「・・ああ?」

木の下の土を掘ろうとしたガルダンディーを、大きな声で止めに入ったものがいた。

(誰だ?ガキの声だったが・・まさか!!)ガルダンディーは先日会った者を脳裏に描いて

振り返ったが、いたのは茶色の髪を左右に三つ編みにした先日の子供よりも小さな女の子だった。

(何だよ驚かしやがって、・・それにしても・・)

「俺がここを掘ったら文句あんのか?」

(つくづくガキとは縁がありやがる・・。)

「あるわよ!そこはニーナの大切な妹ミーナの墓よ!!触ったらダメなんだからね!!」

(・・しかもまた気の強いガキでやがる・・。ニーナ・・このガキの自分の名前か・・)

いかにがガルダンディーが人間嫌いであっても、幼子が時折自分の事を自分の名前で言ってしまうの位は知っている。そこは言語を持つ種族共通だ・・自分も大昔はそうだった。

となると・・「おいガキ!嘘つくんならもっとましな嘘つけ!!」「何よ!嘘なんて・」

「人間のガキが何でこんなところに埋められるんだよ!!」それくらいも知っている。

「で?本当は何隠して・・。」

「・・うそじゃないもん・・。」

「・・あのな・・」

「ミーナは火竜の赤ん坊で!ニーナが孵したんだもん!!だからミーナは私の妹だ!!!」

ニーナと名乗る子供は目を真っ赤にしながらガルダンディーに怒鳴り上げる。

種族は違えど・・たったの半年しか居られなかったけれどもミーナは確かに自分の妹だと。

ガルダンディーはその言葉に衝撃を受けた。

 

(竜と姉妹って・・俺とルードと同じじゃねえかよ!!)

ガルダンディーとルードのいた群れは人間の迫害によって壊滅をし散り散りになって、

幼かった一人と一匹は偶然に出会い、以来年上の自分が兄となり共に育ち、二年前に

今の主に拾われた。

バラン様は人間ではない・・故にこそ自分とルードの仲をすぐに理解してくれた。

だが目の前のニーナという子はどう見ても人間だ!!

他種族を忌み嫌い、何の理由もなく酷い事をする人間の・・。

なのに・・自分と同じ竜の姉妹を持ち・・今も―墓―からどけばそれ以上は何も言わずに

掘った跡を綺麗に土を盛り直し花を添えて、掘った自分に文句を言わずに迷惑そうな顔も

せず、しゃがんで静かに祈りを捧げている。

(あのガキといい・・こいつといい・・一体何だってんだよ!!)

群れを滅ぼされた光景は今でも忘れられない・・人間とは酷い者しかいない・・そう思っていたのに・・・この子供たちは一体・・。

 

「フエックショーン!!・・何だろう急に。」

「-汚いぞティファ―」

「ごめんごめん、ん~一月ぶりのお外は気持ちいい~。」

「-・・よくぞブラスは一月で外出を許したものだ・・我なら許さんぞ―」

「そこはじいちゃの優しさだよガルーダ。でも心配してくれてありがとう。」

「-ふん-」

 

ありがとうしたらガルーダ赤くなって照れてる。ツンデレさんだガルーダは。

でもガルーダの言う通り、じいちゃよく一月で外出許してくれたな。

一月前父さん達に会って物凄くいろんなことに疲れ果てて、島に帰ってすぐに寝て・・

次の日も眠りっぱなしでじいちゃんとダイ兄をものすごく心配させて、一月外出禁止令を出されたのは当然の話だ。言ったら何だけど私なら心配かけられたら一年は禁止するが、

そこは優しいじいちゃんのお陰で、深く反省をしたら許してくれた。

島にいる間は気を練る以外の修行はせずにのんびりとして体を休めてダイ兄と遊びまくった。

自分だけ父さんに会ったのがずるい気がして兄のお願いは全部聞いた。

「ティファ遊ぼう。」

「お菓子作って~」

「一緒に寝よう」

「冒険ごっこしよう」

子供らしい可愛いお願いだらけ。ゴメちゃんを肩に乗せて島で伸び伸びと過ごし、

じいちゃんとウォーリアさん達に優しく見守られてすくすくと育っている大切な兄。

・・絶対父さんとの事はハッピーエンドにしようと決心した・・原作の死に別れなんてさせない。

島でののんびり生活は私に大切なことを再認識させてくれた。

「ティファよ、この間作ってくれた薬はよく効くの。」

「へへ、よかった~。」

「ティファ~一緒にオレンジのみ食べよう。」

「ありがとうダイ兄。」

「ティファちゃん、ダイ君、お菓子持ってきたよ。」

「「ありがとうウォーリアさん。」」

一月外に出られない私を皆が労わってくれた。

笑う宝石袋たちは可笑しな小話で、一角ウサギさんたちはモフモフな体を摺り寄せて、

ゴメちゃんも寝る時はお布団に潜り込んできてくれた。

優しい皆がいるこの島に・・父さん達を・・呼んで・・って・・あそこ居るのは・・

何でラ―ハルトとボラホーンがいるの⁉

考え事してたらテランの湖について・・畔に二人発見・・テランて超竜軍団の秘密基地があんの?

・・勘弁してほしいけど・・ラ―ハルトと目がバッチリ合っちゃった・・シカトは駄目か。

とりあえず降りて挨拶して、薬草採りしよう。

ーバサリー「ガルーダ、しばらくは大丈夫だから好きにしてて。」

「-分かった-」

ーバサー行ったか・・さて「こんにちはおじさん達。」 

やっぱり名前は呼べないのでこうなるけれども、「・・ああ・・」「・・・・」

ボラホーンは一応返事返してくれた。気になってる事ダメもとで聞いてみよう。

「あのう、鳥のお兄さんとルード君は・・」

「-おねいちゃ~んー」どか!

わ!・・名前言ったら・・いきなりルード君が空から降りてきた・・私の気配読みもまだまだね・・。

「ルード君、元気になってくれたのは嬉しいけど今のは痛いよ。」

「-・ごめんない・・-」

「うん、反省してくれたらいいよ。あのね歯を見せて。」「-うん!!-」

叱ってしょげたルード君に歯を見せてって言ったら元気よく口をかっぱり開けてくれた。ほんとなんて良い子!!・・そして・・「ああ!!奥歯が虫歯寸前!!・・あんの鳥のお兄さんめ!!  羽むしってやろうかしら!!!」

奥の歯数本危なし!!「ちょっと待ってて・・えっとこれとこれ・・」-ゴリゴリ-

ガルダンディーは悪い子だった!!歯の治療は薬を塗ってすぐに、終わりガルダンディーはどうしようもないと思案していると、ルード君に手を舐められたりふんふんされたりと

甘えてくれているのでルード君の鼻面を撫ぜてあげてると、ボラホーン達が何かを言いたそうだ。

「・・何か・・」

「いや・・」・・聞いても答えてくれないか。

 

(この娘は・・バラン様の言った通りとても変わっている。)

(変な小娘だ。)

ボラホーン達は内心でティファをとても呆れていた。

無謀か勇敢なのか・・自分たちにまた会っても平然として挨拶をして・・ルードの歯の事でガルダンディーに腹を立てつつルードの面倒を優しく見ている変わり者。

・・ガルダンディーが目の前にいても羽むしるとか言いそうだが・・口悪くても面倒見がいい。

(ラ―ハルトも呆れてみているな。「この娘は我らが知っている人間とは全く違う。

何よりも人間嫌いのバラン様を笑わせたくらいだな。)

 

・・何だろう・・視線がとても痛い。穴開きそうなほど私の事を見てる・・なんでだろ?

理由・・きいて・・ん?・・・んん~⁉

「お前が間違ってるんだよガキ!!!」

「なんですって!!この分からず屋!!!」

・・前から怒鳴りあってこっちに来る二人って・・ガルダンディーと・・ニーナ⁉

なんで・・あの・・二人が?・・どうなってんのよ・・誰か説明プリーズ!!!

 




出会うはずのない者たちが次々に・・。
次号もそんなお話が盛りだくさん。
お楽しみに。
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