人間は色々とあると混乱し、思考が逃避する事が多々ある。
人外どころか生き物ですらない式とやらの出現、軽薄そうでいて有能ぶりを発揮している魔族の青年の乱入に!とうとうフローラが本気で切れた!!
「もう結構!!!!!」
先程よりも荒々しい声で叫び上げながら立ち上がるフローラの目は据わっており、しかも薄っすらと笑っているから凄味が増している!!
良いでしょうティファさんとやら!!貴方が様々な策をしているとういうのであれば私は!!!!
「魔王だろうが元魔王軍だろうが式神とやらだろうが!!!私カール王国の女王フローラの名の下に!!全員の一切合切の面倒を見ようではありませんか!!!!」
全てを丸ごと飲み込んで受け入れて上げようではありませんか!!!
「陛下!!」
「お待ちください!魔王はその・・・先程の意気込みを聞いた我等は少しは得心がいきましたがしかし!!」
「この得体のしれない・・・」
「世界の危機である時こそ確かに冷静な判断が求められましょう!!しかしこの件に口をはさむことは誰であっても許しません!各国に使者を走らせなさい!カール王国フローラの権限において、勇者一行の料理人ティファが命を掛けて救た者達の中にハドラー達がいた事、今起きている事包み隠さず全て知らせる様に!!」
世にこのような言葉がある。
毒を食らわば皿まで
確かにハドラー達は敵であって何をしでかすか分からない!だが!!その力の有用性は自分がよく分かっている。
フローラは戴冠してから賢女王と名高いが、ハドラー大戦以前は、レオナ以上のお転婆王女で勝つ敗けず嫌いであった。
そのフローラは、次々と押し寄せてくるティファからの無理難題としか取れない協力者派遣が、まるで自分という人間の度量を図っていると感じて高らかに宣言する!!
その挑戦受けて立ちましょう!貴方が送ってくれた有用な人材を余すことなく使い切ろうではありませんか!覚悟なさいティファさん!!
待って!待ってください女王様!!私はそんな大それたこと考えていません!!良かれと思ってやった事です!!皆で大魔王の悲願を止めましょうよ!!
とか、ティファが聞いたら半泣きしている事を言い放つ。
完全覚醒したフローラは為政者として兵達に次々に命を飛ばし、今後の事もダイ達と話し合うが、兵士達全員持ち場に戻した。
パンパンパン
「采配御見事。」
兵達が下がり、残ったのはダイ達と、兵士関係ではバウスンとアキームが残った中、ザムザが拍手をする。
先程の軽薄さが微塵も見られず、ザムザは改めてフローラの前に立ち片膝をつき、周囲とフローラ本人も驚かす。
「この部屋に入ってからの無礼の数々どうかお許しを。この大戦終わりし後、いかようなる罰も受けましょう。」
「貴方は・・・先程はハドラーへの悪感情をわざと貴方に!」
「まぁそこまで大したことはありませんが、話がまとまるきっかけにくらいになればいいとは思いましたが、皆様にも不快な思いをさせてしまい申し訳ない。」
ザムザとしては、ティファと式から得た情報で、おそらくハドラー様がダイ君達と共に逃げた事で砦の雰囲気は最悪であろうと推察はついていた。
何とかハドラー達が生きている事で生じるメリットを説きたいところだが、元敵で・・・・言ってはなんだが陰キャラの自分が物を言ったところで通るまい。
声が大きく多少風変わりなものの方が目立ち、怒りを自分に向けさせつつそこから話術で取り込む積りであったが、最後の最後はフローラの本物のカリスマで事が収まった。
本気を出した女王の言葉に逆らう者はいないようで、-全ての命令-が今実行されようとしている。
であるならば自分も無理せずに済みそうだとお礼も言いたいところだ。
「ザムザ・・・・お前何をどこまで知ってんだ?」
真相を知っても押し黙った一同を代表してポップが聞く。一体ティファからどのような頼まれ事を予めされていたのかを。
「そうですね~。私も座ってもいいですか?」
・・・・・こいつ軽薄は演技であっても、図太さは素だろう。
「ふぅ~、ではご説明は・・・・・その前に寝て下さいねダイ君達。」
今ダイ達は案内された席に座り、ハドラー達と見事に分けられている。そのダイ達に向け、ザムザは粉の入った袋を取り出し、瞬時にダイ達に振りかけた直後、ダイ達は何かを言う前に混とんするように深く眠りについてしまった。
一人を除いて
ロン・ベルクはザムザが何かしそうな気配を感じ、素早く椅子を蹴立てて後ろに飛んで難を逃れた。
「随分と思いきったことをする奴だなお前さんは・・・」
「はい、これもティファさんからの頼まれごとの一つで、起きて立ち直っているようであればその後はぐっすりと夢も見ずに寝かせて欲しいと。
女王陛下、ダイ君達を寝室にに運んでも?」
「俺も手伝おう・・・」
「ハドラー・・」
「ハドラー様・・・・いいえ、親衛騎団達の方にはお願いしますが、貴方は私の診察を受けていただき、私が許可を出すまでは力を使わないでいただきたい。」
ダイ達は兎も角、クロコダインやボラホーンの巨体は人には無理だと申し出たハドラーを改めて見直したフローラとは反対に、ザムザは困った様な顔でそれを押し止める。
もし万が一ティファと自分が考えだしたハドラーの治療が成功していない最悪の場合意を考えて。
その日の未明に起きたカールの隠し砦の大騒動は、奇しくも引き起こすきっかけになった料理人の寄越した新たな味方の手により収束し、本当にティファとはどのような人物なのかフローラは分からなくなり、この後様々な事を知るたび頭を痛めることになる運命が待っているのを誰も知らない。
今宵ここまで・・・・・
着々と纏まりつつあるカオス集団です。その為に一人の高貴なるお方が犠牲に!
シリアスかつ正統派な高貴なる女王陛下がとんでもない開き直りなお方に!!
これでは全国のフローラ様ファンからお叱りが!
何故だ!一体誰のせいだ!!誰の!
・・・・筆者と主人公のせいでした。開き直った女性は元の数百倍強くなり、カオスなこの集団を纏め上げる女王陛下にお成りあそばしたのです!!
・・・・寒い時代になったものだ、そうは思わんかね