勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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自責の念

希望の五芒星を光らせる。

 

ダイの青い光、レオナの白い光、ヒュンケルの紫の光、ポップの緑の光が着々と灯されて・・・・なのに・・・

 

 

失敗だ!!

これではミナカトールが出来ない!!

マァムのせいで・・・・

何故お前のだけが光らない!!

 

私の、私のせいで!!

 

マァムさん・・

 

ティファ!私・・・私どうしても・・・

マァムさんが失敗したからほら

 

ミナカトールが失敗し、自分を詰っていた周りの者達がいなくなり、代わりにティファが悲しそうな顔で自分に近寄り、後ろの方向を指さしている。

 

振り返ってみれば、大地が消滅し何もかもが消え失せてた!!

私のせいだ!私が、皆と違ってアバン先生の印を光らせることが出来なくて

そうです、マァムさんのせいで地上は滅びました。

ティファ・・・・

 

両手をまだ残っている大地につき嘆き悲しむ自分に、ティファの無慈悲で冷たい声が降ってくる。

きっと、肝心な最後の最後で役に立たなかった自分に失望している。自分のせいで、アバン先生やバランが救ってくれた地上を消滅させてしまった。

父も母も村の皆もあの世で会った時に自分を許してくれまい・・・・いるであろう先生も、きっと失望した顔をして・・・

 

マァムさんが-殺した-のは地上だけではありません。

ティファ?

 

打ちひしがれてもティファの言葉の意味が分からずに顔上げたそこには・・・・

 

 

首を斬り落とされ倒れ伏しているティファの体が!!

 

そしてティファの首は、死神キルバーンが両手で持ち愛おしそうに頬ずりをしているではないか!!

首から滴る血が服につくのも構わずに蕩けそうな恍惚の表情を浮かべて!!

 

返して!!

 

首だけとなっても!ティファを冒涜する事を許せるはずが無い!!

 

怒りを力の言動に変え討ちかかる自分を制止いた者があった

 

首だけになっている筈のティファの目がキロリと自分を見たて口を開いた!!

 

 

貴女のせいで私も死んだのですよ

 

残酷で容赦のない真実を突きつけられ、心が抉られる

 

 

わたしは・・・・あなたを・・・

もう結構です。二度と貴女の顔など見たくもない。失せなさい!!

そんな待ってティファ私は!!

 

行かないで懇願しても、キルバーンが笑いながらティファの首を抱きしめ空間に消え、気が付けば体すらも無く、真っ暗な暗闇に居るのは自分だけで・・・・

 

「行かないでティファ!!!!」

 

 

「さん・・・マァムさん!!!」

「起きてマァム!!」

「それは夢だ!!早く目を覚ませ!!」

「起きなさいマァム!」

「目を覚まされよマァム様!!」

 

 

 

 

ハァハァハァ・・・・・ここは・・・そうか・・・・私は・・・

 

魘されているマァムをメルルが気が付き揺り起こし、レオナとフローラと、ラーハルトとフラメルが必死に呼び掛けようやく目を覚ましたマァムは、夢の出来事と現実の情けない自分に嫌になり、両手で顔を覆って膝に顔を埋める。

 

どうして自分は・・・先生の弟子の筈なのに輝聖石を光らせないの・・・

こんな大変な時なのに、役にもたたない自分など消してしまいたい!!

 

「・・・マァム、泣くなとは言わないが、少し気配を落とせ。ここはモンスター達が比較的来ないところだが・・・」

「・・・・うん・・」

 

ラーハルトはマァムを労わるように優しい声で注意を促す。今自分達がいるのはカール王国の破邪の洞窟。

輝聖石の光の事で大騒ぎになった後、急遽レオナにミナカトールを習得させる事態が持ち上がった為に、光が揃わなくとも来る羽目になった。

 

 

マァムの輝聖石が光らず、周りが騒ぎ当のマァムが呆然としている中に、更に驚愕を上回る報告が広間に飛び込んできた。

 

「申し上げます!!魔界の神を名乗る者より、鏡の通信文字が届きました!!!」

 

それは、先程フローラが言った事が現実に現れた瞬間であった

 

 

各国の王達に告げる

勇者達は敗れ、最早この地上を消すのみ。

この事を祝し、魔王軍が捕えし勇者ダイ一行の料理人・ティファの公開処刑を開く事とする。

仔細知りたくば今日より三日後の真夜中までに、パプニカ王城に以下の者達全てを揃えよ。

 

勇者ダイ

魔法使いポップ

武闘家マァム

剣士ヒュンケル

戦士クロコダイン

 

殲滅の騎士団長ノヴァ

 

魔王ハドラー

 

大魔導士マトリフ

 

魔界の剣士ロン・ベルク

 

以下の者達が一人でも欠けてた時は、その時は料理人のティファの命で贖ってもらう事になる。

 

真夜中に使者を送る。

努々逆らおうなどと愚かな事を考えぬこと願おう      魔界の神・大魔王バーン

 

 

「そんな・・・・早すぎる・・・」

 

内容は短文であるが、ティファを慕う者達を動かすには十分な効力を持ち、敵は本腰をいれ、障害となり得る者達を早急に一堂に集める積りのようだ。

恐らくはティファの囮としての効力がどこまで働き、誰迄を引きずり出せるかを知る為に。

 

だが!内容よりも期限が問題であった!

ここに書かれている人物達は全員が砦に居るので問題はない!問題なのは、今日より三日後にパプニカ王城に行かなければならないという事だ!

全員が集められればもしかしたら次の日が公開処刑だと告げられる恐れがある!!

その前に・・・

 

パン!!!

 

鏡通信に動揺しているダイ達を諫める為に、闘気を乗せた柏手を打ったフローラが全員に告げる。

 

「急ではありますが、これから急いでレオナ姫にミナカトールを習得してもらいにカール王国の破邪の洞窟に言って貰います。」

 

突然の事で驚く周囲を、危惧している事を伝えれば反対意見はなくなり、万全な準備をマトリフとザムザが手掛け、その間ダイとポップ達は青褪めるマァムを労わっている。

 

「大丈夫だよマァム!きっと緊張してうまくいかなかっただけだよ!!」

「それも大事だけど、洞窟の中では考えなくていいからな。それよりも命が大事だ。とんでもねぇ洞窟行くんだから気を付けろよ。」

「二人共・・・ありがとう・・・」

 

洞窟に行くメンバーは、習得するレオナと、危機に対する感知能力が上がっているメルルが立候補した。

 

メルルは敵からの攻撃に対する託宣があると反対されかけたが

 

「でしたら私をお連れ下さい。この鏡はティファ様が式で作られたもので、ティファ様か私のメッセージのみを受信する物です。メルル様が託宣を受けた時はこれに送信しましょう。

ちなみに効力は、破邪の洞窟クラスの結界内でも使えているので大丈夫ですよ。」

 

何かあり得ない、其れこそ輝聖石並みの伝説級アイテムをさらりと渡されたダイ達は超微妙な顔をして受け取る・・・・ティファって、他に何とんでもない物拵えているのだろうか?

 

喜ぶよりも溜め息を吐いて受け取るマトリフ達であったりする。

 

他のメンバーは、洞窟を古文書のマップではあるが熟知しているフローラと、そしてマァムとラーハルトになった。

 

ラーハルトは槍の遠距離で、マァムは近接近戦の能力で選ばれた。

 

ラーハルトととしては、主達の下を離れたくはなかったが仕方がない。ティファ様を救う為だと思う事にして、ガルダンディーとボラホーンに、くれぐれにも頼んだと念を押し、二人も必ず全員守り抜けよと発破をラーハルトに掛ける。

 

万能薬をマトリフ達が用意し、防御力と聖なる力を増幅させる衣装に身を包んで支度を終えたレオナ、メルル、フローラ、マァム達をダイ達は激励して送り出し、ラーハルトとフラメルには、女性たちを守り抜く様に野郎一同が凄んでいる。

 

ポップとしてはメルルには残ってほしいが世界の命運が掛かっている時にそんな事は言っていられない。

せめてもの救いが頼れる味方のラーハルトが護衛についた事だ。

そのラーハルトに、マァム達を守ってほしいと手を握って送り出し、レオナ達は洞窟へと入ったのであった。

 

一階はスライムの巣で、ラーハルトが槍の一閃で退け、残りはマァムが脚の一閃でで風圧を起こしてさして時間を掛けずに進み、五階層、十階層と楽々と降りていけた。

途中レオナが宝箱を開けようとするのをメルルの高い探知能力で偽者か碌なものが入っていないと断言し、レオナが開ける前にラーハルト槍で串刺し倒すか中身をぶちまけさせて確認していくという効率的な作業で物凄く時間が稼げ、これならば十分間に合うと、時計代わりの蝋燭で知らせるフローラの言葉で交代で仮眠をとる事になった。

目当ての二十五階は、モンスター達の巣だと書かれている為、ラーハルトとマァムがいても万全な状態で挑めるのならば休んでいくべきだと。

その仮眠をとっている最中に、マァムの騒ぎが起きたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慈愛なんて言われても分からない・・・・だって・・・・今私は・・・・ティファとこの世界に酷い事をしている敵を倒したいとしか浮かばない・・・・浮かばないの・・・




今宵ここまで


最後に短文ではありますが、マァムの輝聖石が光らない一端が書き切れていればと思います。
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