勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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今までの甘い話とは真逆な話です。

其れとドラクエと全くかすりもしないハイ=エント呪文が出ますがこれで最後ですのでお見逃しを!!




仮初の果ては

あ!お空見てダイ兄!じいちゃんとゴメちゃんも!!嵐の後の大虹だよ!!ふふ、嵐すごく怖いけどこの虹みられると思うといいもんだね。

 

綺麗な星ですね~。ところで傷の具合はもう大丈夫ですか?どうせですからこのまま一緒に野宿しちゃいますね。お礼?薬の効能の評価だけでいいですよ〜

 

夕日が凄く綺麗だよ船長!!このままあの夕日に向かって突っ走れ!!!

 

じいちゃん大好き!!ダイ兄も好き好き~。

 

-みんな大好き-

 

 

 

トプン

 

 

 

ここまでは見られるのだが、-ここより先-は・・・・封ぜられている?違う、意図的に入られないように何かしらの術を施しているのともまた違う。

 

封ぜられているにしても、術を施しているにしても一体-誰の力と知識を使って、何時-他者の記憶を見るハイ=エント、ヴレ=アナリュシスに対する防御策を施されているというのだろうか?

 

 

夕食と軽い夜食の後に眠ったティファをバーンは自室に抱えて連れ込み、寝台に上げシュルリと着ている衣服を慣れた手つきで全て取り払う。

 

今まで寵愛を与えていた女達は全て自分から脱いで着ていたので衣服を脱がせるという行為はティファが初めてであったが、体格が小さく、半ば気絶するかのごとく深い眠りについて脱力しきっているティファの服を脱がせるのは造作もなく、脱がせ、自身も寝台に横たわり一糸纏わぬティファを抱きしめ詠唱を始める。

 

緑の蔦、銀の道筋を辿りて在りし日を咲かせ蘇らせよ、ヴレ=アナリュシス

 

 

ハイ=エント使いはそれぞれが少なくとも三つ、多くて五つの能力を有している。

自分は中間の四つ。

命を与える事、記憶を奪う事も操作する事も任意で返す事も出来る事、

任意の者も物も限定範囲内を移動させる事、そして最後が他者の記憶を覗けるこのヴレ=アナリュシスの四つ。

 

今まで自分がハイ=エントを使ったのは七千年生きてきたが、これを入れても九回。

一つはキルに命を吹き込み真なる生物の領域に高め、その事を忘れさせた事で二回。

後は全てティファとその周辺に使ったのみ。

 

もしもティファが最初自分が疑った通り、天界より使命を帯びて遣わされたっ者であったとしても、自分がハイ=エント使いのハイティーンである事を知られている筈も無く対策は取れまいとティファの記憶に三度潜ってみた。

 

全てが素晴らしい体験であった。これまでティファが見てきた地上界の美しい自然、命の横溢に満ちたモンスター達の営みの中に混じり育ってきた事、出会いし者達との美しくも時に残酷な出会いの数々が、大戦前のティファから見られた。

 

神獣ガルーダの背に乗り世界各地の飛び立つ爽快感も心地よく、何処までも真っ直ぐに飛んで行く様は今のティファ其の物の様で・・・だが、ある所からは記憶が見れなくなる。

正確に言えば-黒い液体の様なもの-が記憶の空間に満ち、記憶が塗りつぶされ見れなくなる。

 

ヴレ=アナリュシスは、無差別に記憶を見るものでは無い。発動詠唱後に、その者の中にあるであろう記憶のキーワードを入れれば-検索-をして見ることが出来る。

 

だがこの術は簡単には記憶を見る事は出来ない。大事な記憶程意識の中にしっかりと仕舞われており、深層心理が働くのか-他者に見られる事-を拒絶する事が多く、無理やり見ようとすれば最悪は廃人となると文献には記されていた。

 

そうなってはこれを堪能できなくなる上に、捕虜を虐待する主に見切りをつけ去る者も出よう。ミストやキル、ガルヴァス辺りは残ろうが、他に残って付いてくる部下などたかが知れているのでしない。

ティファの情報を今日も暴けずに残念だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雪白・・・ですか?それはですね・・・お宝洞窟に死ぬほど突撃を繰り返して何回も死掛けても挑戦して手に入れたのです!!!」

「ハイ=エントですか?はりゃ、バー・・・大魔王も知っている術だったのですね。

こちらも

お宝洞窟の奥で出会いを果たして契約してもらったのです!!」

「いやぁ~中には魔界の料理レシピやお茶の淹れ方なんて言うのもありましてね~。持っていたらミストに是非見て貰いたいのですが、生憎とデルムリン島の我が家の本棚にありまして。」

「強い理由ですか?お宝洞窟に挑戦し続けた結果ですかな~。」

 

起きて話している時に、他の話の後に何気なくティファに上記の物の出所や術を契約出来た経緯、強さの理由を問うてみれば、全部が-お宝洞窟-で片づけられて憮然としてしまったのは仕方がないと自分でも思う。

 

世の中何もかもがお宝洞窟から出る訳がない。ハイ=エントの術等は古代精霊でもない限り契約することなぞ不可能だからだ。

 

そんな古代精霊と会え、若しくは神話級の武具をドロップするお宝洞窟など、其れこそカールにある破邪の洞窟など目ではなく、子供が一人で攻略しましたなどと絵空事以前の狂人の戯言に等しい。

 

ティファの-正体-を調べるべく、体力が戻るまで待ち、最初は-浅瀬-の何気ない日常の記憶から潜り、徐々に深度を深めていき、重要な記憶の底へと潜るが拒絶などの失敗ではなく、何かの力が働き突然記憶が真っ黒くなり見れなくなる。

 

日常会話からお宝洞窟の話の真意を掴もうとしているが、こちらも芳しくない。ティファは-会話-に長けている。

相手と話を愉しみながらも、言いたくない事をするりと躱し、言わざる得ない時も本当の事を嘘で覆い隠すのではなく、本当の事を-全て-言わない代わりに少しだけ話した後に、その話は終わりだとばかりに食事に手を付け、あるいは飲み物を飲んで-飲み込んで-終わりにさせてしまう。

会話を執拗に追うても意味が無く、直ぐに別の話になるのがお決まりと化している。

 

 

これはティファの前世と大いに関係している。

ティファはティファとなる前は死を待つだけの半病人であり、話す相手も自然と似たような入院患者か看護する者達となり、つまるところいつ死んでもおかしくないのをきちんと知っている者達とだけ。

 

会話をしても、未来の無い者達が暗い話をして精神を殺しても仕方がないと考えついたのが-禁止ワード-を会話の中で出した者をみんなでくすぐるゲーム。

 

-病気の話--死--希望が無い--いつ死んでもいい-など、後ろ向きになるワードはほぼ禁止で、それ以外の話を探す事が生きる目的になった者が結構な人数となり-ティファ前-の人生をそれなりに謳歌できるようになった。

一輪の花の話でもいい、出た特別メニューのデザートが美味しかった、新しく入った新人の子が鶴を折ってきてくれた等些細な事にも美を見出し嬉しさと喜びを感じられるようになり、自然禁止ワードも出なくて済む話の仕方をそこで身に付けたのが、偶然とはいえ己の秘密を守れるようになっているとはティファ本人は気が付いていない。

己の秘密を如何なる会話の流れでも出さない技術を身に付けたとは当人はトンと思っていないからだ。

 

其れは苦しみも悲しみも全て同じであり、ティファが表に出すのは全て優しさで出来たものだけで、見せたくない物を隠す術にも長けていると言えよう。

 

 

だが、前世だの転生者だのがいるとは知識としても持っていない者達からすれば、いつかの時ダイが叫んだように-ティファが分からない-となる。

 

其れは魔界の神とても例外ではなく、黒い液体の事は天界とのつながりが全く見られないティファに作為的に施された術ではなく、ティファの強固な意志が見られることを阻んでいると結論付けざるおえない。

 

無論ティファに対して-天界からの刺客-説は捨てる気はないが、其れにしては自ら捕まるだの死に掛けるだのと言動も一貫せずにふらふらとしている。

 

敵を倒す傍ら敵と戦いたくないと泣き、敵を救うなどと言う訳の分からない行動をする者が天界からの刺客であるのだろうかと。

 

 

 

「・・・・んん・・」

 

シーツもかけず、素肌のままのティファが身じろぎ、思考の海から引き上げられる。

目の淵は赤く、恍惚とした表情を浮かべたティファはなんとも愛らしい。

 

ヴレ=アナリュシスは、記憶を覗き込める術だが相手に快楽と悦楽を与える。記憶を覗かれる事を拒む意思を、快楽を流し込み屈させる為なのだが・・・

 

するりとティファのなだらかな肢体に指を奔らせれば

 

「あぁ・・・や・・・いや・・・」

 

 

パチン

 

ティファは無意識に手を振り拒絶するかのように-黒い闘気-で弾き返そうとする。

どうやらティファにはまだ快楽は早いようだ。その感覚をよいものだと受け入れるにはまだまだ幼く、そもそもこの術の対象者は大人を想定している事は容易に想像できる。

何処の世界の子供が、三界の決戦時に重要な立ち位置になるというのだ・・・・ダイかティファしか思い浮かばん。

大人を想定して編み出されたであろう術はティファには相性が悪く、無意識レベルでの抵抗が激しすぎるが故に潜り込む力を弱めているのも術が失敗する原因の一つであろうがもう時間が無い。

 

「明日に決戦の場所を告げ、四日後に激突をするか・・・」

 

こちらの地上消滅のスケジュールは最早決まっている。ダイ達を逃がしたが一つ目のピラァを落としたた日を入れた十日と。

 

ティファの正体が本当に天界よりの刺客だとしても最早変更する事は出来ず、後は対処法を万全にするのみ。

 

その為にキルのトラップ陣とガルヴァス達を筆頭とした人員配置を想定よりも三倍としたのだ。

全てはティファが引き起こした事に殺意すらが湧くが、そんな事とは露知らずにまたスゥスゥと寝息を立て始めるのだから毒気も抜かれてしまう。

 

 

 

このティファが、こちらに堕ちてくることは期待していない

 

 

どれ程仲を深めている様に見えようとも、結末が決まっている自分達の今の楽しさは所詮は仮初。

ティファも其れは承知で、時折話している最中でもぼんやりと遠くを見ている。

 

焦点が定まらず、微かに哀愁を漂わせ寂しそうな表情からは、ダイ達の事を恋しがっているのは一目瞭然。

 

体はここにあれど、心は勇者達の下に置いてきているかのように。

 

最早互いを殺し合いかねないキルも双子もその様を見るのを嫌うのは一致しており、ティファが勇者達の事を考えないようにあの手この手で楽しませようとしても、日に何度か見る事になる真実。

 

故にこそ、ティファは殺さなければならない。

 

其れは肉体となるか、精神となるかはティファと周囲の-人間-次第。

 

「死して余のもとへと戻ればいい。」

 

太陽と、太陽の申し子の様なティファを手に入れる為にも、三千世界を朱に染めぬく。

 

その為の布告を、明日勇者達に通告をする。

 

 

地上か魔界か、互いの生存を賭けた戦の時間の始まりを告げる言葉を全世界に




今宵ここまで

・・・・どうしてもドラクエ系では記憶を見るだのの呪文もアイテムも見つけられずにハイ=エントに逃げました!!

もうドラクエと関係なくないというお言葉も貰いましたが、これで最後ですのでお許しを~・・・・


大魔王もただ甘いだけで主人公を好待遇していた訳ではなく、其の力とアイテムとハイ=エントの出所を聞き出す機会を虎視眈々としていたのです。
決してただ甘やかしていただけではありません!!
(書けば書くほどホントかという突っ込み来そうな・・・)

次回からは勇者達に話しを返します。

その後は主人公と勇者達の話を交互に書くかもしれませんが、話をサクサク進められればと思います。
(サイドストーリー減らせればですが・・・)

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