勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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とある子供達の決意の回です。
よろしくお願いします。


強くなる!!・勇者になる!!

今日は三日ぶりにノヴァに会いにリンガイアに来た。

ノヴァの側にマトリフさんが居ないとウキウキして来たけど・・珍しく鋼の剣を腰に佩いた。

何故かそうした方がいいと・・後年思い返すと、虫が知らせたのだ。

ノヴァと会えるはずの森の泉で待っていても来ず、来たのは大勢の精霊達 

 

「-ティファ!ノヴァ助けて!!-」

 

ノヴァの親友の精霊のティンクを筆頭に大勢の精霊達が血相を変えて飛んできた!

 

「皆どうしたの!ノヴァに・・」

「-バシリスクの群れが・・-」

「-私達の仲間食べようとしてー」

「-ノヴァが庇って逃げて・・-」

バシリスク・・それって不味い!!今のノヴァじゃ・・

 

「ノヴァどこ!!式!!!」

 

大量の紙を千切って闘気を流して鳩を作り森に飛ばせば・・ここから遠くないところを逃げ回るノヴァが居た!

懐に精霊を入れて必死になって・・

 

「皆ここも危ない!!・・もしかしたら近くにマトリフさんいるかも・・助け呼んできて!!」

「「「-分かった!!!」」」

 

・・あんなに会いたくないと思ってたのに・・虫のいい・・でも今は助けてほしい!!

そんな事を考えながら森の広い部分に出ると・・三匹のバシリスクが・・倒れてるノヴァを・・

 

        「き・・さ・・まっらー!!!!!」

 

倒れ伏し、出血をしているノヴァを見て、心の中の何かが切れたが・・構わない!!

こいつ等を・・許すものか!!!!

ーぎっしゃー!!- 向こうもこちらに気が付いて纏めてかかってきたが丁度いい!!

「土龍閃!!!」抜剣と同時に地面の土砂に闘気をを乗せて大量の土砂でバシリスク達を怯ませ、動きが鈍ったところを「龍巣閃・咬!!!!」纏めてバラバラにぶった斬ってやった。

・・返り血が数的飛んできて肌を焦がしたが気にもならない・・ノヴァにした事を思えば!!!

それよりも!

 

「ノヴァ・・ノヴァ!!」

 

慎重に仰向けにして呼んでも返事はなく、呼吸も浅い!!

傷は‥内臓まで・・万能薬の試作品はある・・でも・・ホイミを使わないと今のノヴァは

 

       「私の役立たず!!なんで魔法が使えないの!!!」

 

初めて・・魔法が使えない自分を呪った。そんなことしても・・ノヴァは助けられないのに・・たった一人の親友を・・助けられないなんて・・。

 

(無茶しやがって!!無事でいてくれよ坊や!!)

ティファがマトリフに助けを求めるように精霊達に言った後、マトリフも案外近くにいたのですぐに伝えられ、マトリフはトベルーラで森の上からノヴァを必死に探しなかなか見つからないと焦っているとー私の役立たず!!なんで魔法が使えないの!!!(あの声は!!) 

 聞き覚えのある少女の悲痛な叫びが聞こえ、急いで行ってみれば、そこには一月前に会った少女と・・倒れ伏したノヴァの姿があった!!

少女は自分に気が付かず、ノヴァの腹部を手で押さえ必死に出血を抑えようとしている。

「嬢ちゃん!!」

 

声をかけて走って近づけば少女はパット顔を上げる!

 

「おじ・・さん・・ノヴァ・・傷が・・内臓まで・・」

 

泣きながら・・それでも必死に状況を教えようとしてくれている。

 

「分かった、見せてみろ。」

 

-ネイ-をどかして傷を見てみれば確かに内臓まで傷が達している。

・・この内臓までの傷では、果たしてベホマであっても効くかどうか・・。

新薬研究前までならば何の疑問もなく回復魔法で終わりと思っていたが、十日前に山の鉱山で落石事故があり、実験の為リンガイアに居合わせた自分も救出活動に加わったが、体内深くまで岩に貫かれ傷ついたものはベホイミをかけ傷をふさいだが救えなかった。

遺体を解剖して調べてみれば、ホイミ系は内臓の奥深くまでは届いておらず出血が原因で亡くなっていたのだ。

今のノヴァも同じ・・どうすれば「おじさん!!これ!テランの回復の泉使った薬!!!

試薬品だけど、体内重傷していたあばれザルたすけられたの・・だからノヴァにも!!」

「・・駄目だ・・」

「どうして⁉あの時・・」

「そいつは人の子には濃すぎる!!水か・・せめて酒でも・・。」

 

(・・濃い・・液体ならなんでも?なら・・)ざしゅ!!

「おい!何を・・」

 

ネイが腰にしていたポーチから薬瓶を出したが使えないというと・・瓶のふたを開けて地面に置き・・いきなり右腕を斬って・・薬の中に入れ始めた!!

 

「もういい!!ベホイミ!!」-パー!-少女の腕を治し、

「ベホマ!!」ノヴァには上級回復魔法を全力出掛ける・・死なせてたまるか!!

 

傷口に直接薬かけたのに・・ノヴァ・・呻き声一つ立てない・・死んじゃヤダ!!ノヴァ!!

もっと一緒にいたい!!笑い合ってお喋りして・・大きくなって勇者になるんでしょ!!

 

「起きてよバカノヴァ!!!!」・・戻って・・来てよ。

「バ・・カ・・ヒッ・・ク・・ノ・・ヴァ・・」

手を握りしめて・・どのくらい泣いたか分からない頃-ピクリ-

 

「・・ノヴァ?」

 

握りしめていたノヴァの右手が微かに動いた・・

 

「バ・・カは・・酷い・・よ?うる・・さくて・・おき・・たよ」

 

・・なんか暢気言ってる・・。

 

「バカだよ・・それも大馬鹿!!なんで逃げてる時!!ヒャド唱えなかったの⁉

唱えていれば!ノヴァになら皆マヒャドくらいのは無理でも、中級氷系呪文並みの力貸してくれたかもしんないのに!!」

 

ノヴァは本当に精霊・・それも氷系の精霊達に愛されている。

術者の能力以上の力を貸すのはルール違反らしいが、ノヴァが窮地に陥ればもしかしたら

・・その考えを裏付けるように、精霊達も同様な事を言って怒ってる。

 

「死にたくなかったら頭使いなさいよ!!使えるもの何でも使って・・次は私とマトリフおじさんがいるとは限んないんだからね!!!」「・・ごめん・・」

 

ノヴァは素直に謝ってきたけど・・私の怒りは半分八つ当たりだ。

私だって島の外で何があるか分かんないのに力を信してホイミスライムの一人もつけずに出歩いて・・大切な親友を失いかけた。マトリフさんが居てくれたからこそ助けられた。

・・強くなりたい・・どんな状況でも大切な人達をきちんと守れるように・・強くなる!!

 

「嬢ちゃんもういいだろ。坊やの傷は治ったが血が出過ぎて弱ってるんだ。勘弁してやれ。」

「・・うん・・」

「城に行く。ゆっくりと飛ぶから俺の背に捕まりな。」

「分かった・・」

 

ノヴァを抱えてかがんだマトリフさんの背に負ぶさり、トベルーラで城に戻った。

・・その前にメラゾーマでバジリスクの死骸を燃やしてたけど・・なんでだろ?

城内に入ってバウスンさんが血相変えて何か言ってるけど・・ 

 

「・・ちゃん・・」‥何か

「嬢ちゃん!!」

「・・おじさん・・なに?」「お前も少し休め。」

「・・ノヴァは?」

「通常の眠りについた。お前も寝ろ。」

「そう・・」

 

もう・・いいんだ。

私も少し・・・やす・・もう・・

 

(ようやく休んだか)

 

気絶するように眠りについた少女を抱え上げ、ノヴァの血で衣服が血塗れになっているため城の侍女に子供服だけを持ってこさせベッドのある部屋に連れ込み、衣服と水の入った洗面器と手ぬぐいを受け取ると後は自分で面倒を見ることにした。

ベッドに横たえ衣服を着せ替え、頭部の生え際にできた極小の火傷をホイミで治し落ち着いた所で持ってきた鋼の剣を見れば、

 

「やっぱり・・あのバシリスク達を-殺した-のは嬢ちゃんか・・」

 

倒したのではない!!はっきりといえばあれは惨殺をしたのだ!怒りに任せて・・。

先の大戦時でも他でも・・いやというほど死体を見てきた。そして自分も多くのモンスターや魔族たちを・・それでも・・あんな死骸は初めて見た!!

切り口は見事で・・斬った者の怒気が切り口に残り伝わる死骸なぞ・・ありえない!!

こんな小さな・・まだ十にも満たない少女が・・・。

バシリスクは冒険者にとっても連携されてこられれば厄介な敵となり、初心者ならば下手をすれば命を落とすほどのモンスターなのに、傷は僅かな火傷で傷とも呼べないもので、

調べた剣にも血は薄っすらとしかついておらず、素人目には分からない程で・・この娘は達人と呼べるほどの腕を持っている事になる。知識だけではなく、力も・・並外れているという言葉だけでは片づけられない・・この国の兵士があの死骸を見て、万が一この娘の仕業と分かれば、間違いなく少女は化け物呼ばわりをされ下手をしたら魔物として処断されよう。

そうならない様に死骸を灰にしたのだが。

 

「・・お前さんは一体何なんだよ・・」ぼやきたくなる。

 

それでも、この娘を信じてみていい気がする。

知識・力がとんでもなくても、友の為にぼろ泣きをしながら必死に助けようとし、必要であれば己の血を使う事も厭わないあの姿を見れば。・・何の根拠もなく、甘くなったものだと自分自身に呆れるが。

毛布を掛け、ゆっくりと寝かすために部屋を後にし、バウスンにはノヴァは自分が助けたと説明をし、夕刻目を覚ましたノヴァには-本当の事-を告げた。

話を聞いたノヴァは驚いて目を大きく開き、様々な事を考えた後マトリフの顔を見上げ、

 

「僕は勇者になります!!今度は僕が大切な人達を守れる強き勇者に必ずなります!!」

少年の漠然とした夢は一人の少女によって明確な目的となり、真剣な表情でマトリフに誓いを立てた。




主人公が自分の血を使って薬を薄めましたが、とっさの事なので自身の中にある―竜の血-の力は全く思いついていませんが、ノヴァが助かったのは未完成な薬だけではなく、竜の血ののお陰も多分にあり、以降両者の心は遠く離れていても伝わる瞬間が出来るようになります。
以降主人公とノヴァは互いを親友以上に思い合います。
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