-勇者-全般に対してのアンチではありませんが、それでも不快に思われた方はバックして頂きたくお願いいたします。
今のミストの有様に、結界外のミストを知る者達は呆然とする。
しかし一番この状況にあり得ないと驚愕しているのはヒュンケルであった。
自分のかつての片方の師は途轍もなく寡黙な男であった。
修行の時も食事の時でも、面倒くさいと風呂に入らなければ無言で人の服を剝ぎ取り湯船に放る、そんな男であった。
万事視線かジェスチャーか実技化の三通りでしか話した事がない自分からすれば、-今-のミストバーンなぞあり得ない!!
「貴様大魔王バーン様を愚弄するか!!」
「本当の事でしょう!三界全て知る者などこの世に居る筈も無し!!-多少-を他より多く知っているからと言って全て知ってますなど言っているとしたら鼻で笑ってやりましょう!!!」
「あのお方の叡智を!慈悲を!!大器を悪し様に言いおって!!!」
ティファとミストは完全な打ち合い試合に縺れ込んだ。ティファとしては距離を取りながらちまちまとミストの全てを削りながらいきたかったところではあるが、ミストが我武者羅に突っ込んできたのでやむおえずに乱打戦に付き合わされている。
ミストとしては、ティファの発言を撤回させたいと躍起になっている。
主が知らぬことなどあるものか!全てを知り!!それでも魔界を憂えて二界を敵に回して大戦を起こしたというのに!!
もう技の応酬もへったくれも何もない。ミストが双剣でティファを叩き切らんとし、ティファは闘気だけでは追い付かないのでジ=アザーズを両手拳に纏わせ地味にハイ=エントの魔力も削られている。
ミストは本体が暗黒闘気の集合体であるだけに、体力は考えなくてよく闘気の心配も全くない。
ジリ貧となるのはティファの方なのである意味作戦があると言えばあるのだろう。偶然の産物ではあるが。
感情の剝き出しなど自分には全く縁が無いと思っていた。声と雰囲気から主とのつながりを看破される事を怖れ時に数十年でもだんまりをしていたのが嘘の様に打ち合いながら小さき少女と本気の怒鳴り合いをしている。
だが!何としても前言撤回を引き出してからその身を貫く!!
その光景は-ミストバーン-を知る者達にとっては天地がひっくり返るほどあり得ず、ロン・ベルクを筆頭にクロコダインと元弟子のヒュンケルなぞ唖然として口をぽかんと開けている。
そして-ミスト-をよく知るパレスの二人はその様を苦笑してみている。
「いやぁ~、お嬢ちゃんに掛ればミストも本質剥き出しにさせられるようですね。」
「うむ、あれは本来とても短気で直情的だが、余とのつながりを知られる事を厭うて相当な無理を強いて来た故な。」
キルとバーンはミストの本質をよく知っている。普段は取り付くしまもないほど他を受け入れないが、ひとたび懐に入れると決めれば情深く、本質を垣間見せ短気で直情傾向を読まれてしまう可愛い性格をしているを。
ティファは本当に良くも悪くも相手の中に入り込んでくる。その結果がどうなろうともだ。
時に顔を突き合う程の肉薄をし、少し離れてもミストが追撃し距離が取れない。
「さっさと前言撤回したらどうだ!!」
「地上の素晴らしさの一端を知りもしない人の何が三界全部知っているというのですか!
貴方達は知っていますか⁉大雨の後の虹を、雪の下にても健気に咲く花を、命を繋ぐ為に渡る鳥達が夕暮れの中を飛ぶところを。
この地上は素晴らしい宝物が詰まっているのです!!」
「そんなものは!悪魔の目玉を通じて我等も知って・・」
「実際に死の大地から出た事の無い映像だけの代物を見て知っているというな!!
地上だとて過酷な所は多々ある!!大雨の為に山は崩れ水に流され生き埋めになったところがいくつあるか!!雪の中にて餓死した者達がどれほどいるか!命繋げずに死んで逝く者も多く!!!疫病もあれば貴方達が讃辞だけを送っている太陽に干殺しにあって滅んだ国もいくつもある!!!
地上は楽園じゃない!!災害!天災によって滅びの手前まで来たことが幾つあるのか知っているのですか!!!」
魔界は確かに瀕死でそして凄惨の一言でしか言い表せない。それでも、地上がぬくぬくとしていたと思われれば心外だ!
あの太陽の起こす大干ばつでいくつの国が滅び!自然災害の前で無力感を味わってきたかが書物によって後世の私にも無念が伝わる程に酷かった。
魔界が過酷なのは間違いないが!だからと言って地上が楽園と断じられるのがティファには我慢できない!!
「魔界の現状がどうにもならなくなるまで声を上げなかったのはそちらでしょ!!」
「ではなんだ!我等が地上に訴えていれば何か変わったかもしれないのか!!人同士でも諍い、モンスター達が凶暴でなくとも迫害してきたお前達に言ってどうなったというのだ!!お前ならば訴えていたとでもいうのか!!」
「その通りです!!!」
ミストの問われたティファは、ミストを弾いて後方に飛んで距離をとり、腰に手を当ててどきっぱりと答えた。
「百年でも千年でも万年でも!!魔界の環境悪化を止める手立てを同時進行で勧めながら毎日毎晩朝・昼・晩を問わずに分かって助けてくれる迄訴え続けます!!
分かってくれる人がきっと現れてくれのを信じて!!」
・・・・・・其れは助けを求めるのではなく呪いをかけているのではないのか⁉
きっと相手もずっと言われ続けた果てに、呪いを説くべう窮状訴えを聞いてくれよう・・・決して善意からではなく楽になりたいが為に!!
聞いていたバーンは本当にあれならやるだろうと頭が痛いと手をこめかみに持っていき、結界外の全員もティファならやるだろうと溜め息を吐く中、問うたミストは静かな声でティファに問い続ける。
「ならばお前は我等が助けて欲しいと言えば助けんとするのか?」
「はい!魔界の瘴気はお友達の精霊に助けてもらう事になりますが、そちら解決している間に地上界で余っている食料・医薬品類の支援物資は可能でしょう。割と地上も手つかずの地があるので薬草類はそちらで見込めますし、何より喫緊の事態が解消されれば魔界だけでも何とかなるのでは?」
ティファがずっと考えていた事。もしも神々の協力がない世界でこんな事態になった所から助けを乞われた時はどうしていたのかを。
そこは矢張り精霊王達の繋がりありきになる矛盾した未熟な考えでお粗末この上ないが、それでもその本気の度合いは分かる。
ティファなれば魔界を助けようと手を差し伸べるのが。
「なれば、大魔王様が争いを辞めると言えばどうする?」
「本当ですか!!」
「・・・・仮にだ。」
「チェです。その時は何処にでもご案内します!!それこそ私のとっておきの場所!ダイ兄と私が育った地上の宝石箱・奇跡の島たるデルムリン島にご招待して浜鍋ご馳走しますよ!!!」
百万が一にもあり得ないもしもの筈であるのに、ティファは両手を握りしめ瞳を煌めかせて笑って言い放つ。
その言葉に、様々な感情が生み出されたのを知らず。
ある者達は子供の戯言だと呆れ、ティファならするんだろうと溜め息を吐く中、有り得ない声がロロイの谷に響き渡った。
「ふっふっふっふ、はぁはっはっはっはっはっは!!!」
其れはミストがこの世に生を受けて初めての笑い声であった。
主に褒められた時とてもほんのりと笑うだけであったミストの呵呵大笑とした反応に、今度子をヒュンケル達は息をのみこれは現実であろうかと自分の頬をつねり痛みでこれが現実だと知り尚更狼狽し遂にミストバーンも怒りでどうにかなったかとやや心配をしだし、さしものティファもポカンとした顔をしたが、すぐさま真っ赤になって怒鳴り上げた。
「笑うな!!!!」
顔を真っ赤にしてティファの言葉に、ミストの笑いはクスクス笑いにまで落ちたがまだ笑っているのにティファは更に怒りを募らせ地団駄を踏み怒鳴る。
「何がおかしい!!人が真剣に答えた言葉がそんなにおかしいか!!!」
ティファは、己の短い一生を掛けて考えた答えが笑われたと思い怒っているが、ミストは笑いを漸く収めて双剣の形状はそのままでも地面に向けて追撃の構えを解いてティファに答えた。
「おかしいが、お前の真剣な答えを笑ったのではない。」
「・・・・・じゃあ何を?」
「お前がどの様な者相手でもお前であるからだ。」
「・・・・・意味不明です。」
「世の常識で測れない程の器の大きさを持ち、優しいが故だ。」
ティファの言動は全て一貫している。死に掛ける寸前であっても媚びへつらわず本当の微笑みを絶やさず、誰が相手であっても怒りそして優しくする。
こんな命の遣り取りをしている相手であってもだ。
認めようこの娘・・・・ティファを。この者は本物の大馬鹿であり心直ぐるものなのだと。
そのような者を相手にしているのが不思議と楽しいと、本気で感じたが故に自然と笑いが出てしまったのだと。
「流石は地上界初の竜殺しの英雄-初代勇者-相手てでも罵倒した者だけの事はある。」
「・・・・・竜殺しの初代勇者を?私がいつ?」
「・・・・・・お前は覚えていないのか?バーン様に向かって-初の竜殺しをした勇者-を否定したあの話を。」
ミストは静かに話し出す。
三日前の夕食でのあの時の事を。
「私が戦う理由ですか?」
「そうだ。今まで魔界の魔王と戦ってきた勇者共にはそれぞれの正義がありそれを掲げて戦ってきた。」
大半は故郷を、国を守る為にと魔王と戦ってきた。
中には家族や友人というコミュニティの最小限を守るだけという奇特な者達もいたが、果たしてティファが掲げる-正義-とは何か、バーンは興味本位で聞いてみればティファは良い顔をしていなかった。
「どうした?食事が口に合わなんだか?」
「まさか・・・美味しいですよ・・。」
今日はティファのような子供でも飲めるデザートワインを出したのが合わなかった様子は・・・まだ口を付けてもいないのだからないだろう。
苦い顔は一体何を示しているのだろうか。
「私は・・・・そうですね・・・・守りたいから戦うんであって、正義の為に戦う積りは金輪際ありませんよ。」
「ほう、其れは珍しい。」
正義の使途の代名詞とも言える勇者一行の者が正義を掲げる気も従う気もないとはバーンにとっては少し以外であった。
「正義って・・・正しい儀ってそれぞれにあるじゃないですか?それがぶつかって起こるのが戦であって・・・地上でも人同士が正義を掲げ合って酷い事するのも腐るほどあるのは貴方も魔界で散々見て来たのでは?」
ティファは苦い顔をしながらグラスにようやく口をつけた瞬間カっと全身が熱くなり、くらくらしそうになるのを堪えながらバーンの答えを待った。
「確かに・・・・だがそち達勇者一行は常々正義の名の下にと奮い立ってきたではないか。
初の竜殺しを成した勇者とても・・・・」
ダン!!
「-あんな者-が勇者であるものか!!!」
捕虜となってティファは初めて、バーンを相手に声を荒げその言葉を真っ向から否定した。
「貴方が言っているのは-ファブニールの竜を殺して勇者と呼ばれた卑劣な男-の話か⁉」
「・・・・そうだ。」
ティファの態度に檄したミストが前に出ようとするのを手で制しながら、ティファの様子をつぶさに見ながらバーンはそうだと肯定する。
地上界でも魔界でもこの話は有名だ。
地上では初めて魔界から来た竜を倒した英雄譚として。
魔界では人間等に倒された間抜けな竜の話として。
そのどちらにもティファがここまで否定する要素はない筈だと。
数千年前、その討たれたとされる魔界から地上に出た竜は、討たれた地の名をとってファブニールの竜と後世に名を遺す。
ある時地上に出た竜が、その地上の美しさに目を眩ませる中で、美しい姫を一目見て恋に落ち、人の字を学んで恋文を出した。
その竜は太古よりの竜の先祖帰りをし、人型にも竜の姿にもなれる古代竜であり人に化けて地上の読み書き一切を覚えた上で姫に求婚をしたが、叶う筈も無かった。
姫は身分高き者であり、そこは魔界も地上も変わらず地上では何の身分もない男に姫が会うはずも無い。
分かっていても一度だけ、たった一度だけでも笑って欲しいのだと、竜は焦がれた思いを暴発させて姫を攫ってしまった。
王はすぐさま国中に竜を討つよう命じ、幾度も軍を送ったがその度に手加減をされ死者は出ないがボロボロになる軍を迎えるだけであった。
成果はなく、己の威信も地に落ちかけたその時、一人の男が王の前に現れた。
自分なれば竜を討てると
攫って半月、その間姫に自分の使い魔に作らせた豪華な食事を出し、衣服も与え、未開の鉱山から手ずから掘ってきた金銀宝石を贈っても姫は竜を罵倒し続けた。
汚らわしい醜い者が私の目の前に現れるなと。
人型になれてもうろこが目立ち、耳はとがったままで、瞳も爬虫類と同じなのを姫は醜いと評し、食事を食べても宝石類を受け取っても竜を罵倒し続けた。
それでも竜は、いつかは姫も自分に笑いかけてくれるのを待つ。たった一度でも微笑んでくれたのならば返すつもりで。
そんな折に、いつもの様に食料を取りに行った道すがら、吟遊詩人の話を聞いた。
その話と歌を聞いた者はたちまちどのようなものも笑いだすと。
これだ!姫も楽しい話を聞けばきっと笑ってくれる!!
早速金を掘り起こし、竜はフードを目深に被り、件の吟遊詩人のもとを訪れた。
どうか我が城にて歌って欲しいと。
吟遊詩人は優しく笑って共に城に着いてきた。
「姫!!貴女に素晴らしい贈り物があるのです!」
今度こそ笑ってくれるとのではないかと期待した竜は、はやる心を抑えきれず姫の部屋に入ろうとしたその瞬間、それは起きた。
「正義の名の下に!!滅ぶがいい悪き竜よ!!!今天の罰が下されん!!!!」
吟遊詩人は王に竜討伐の命を受けた男であり、剣をマジックリングに隠し持ち竜が油断したその時を逃さず後ろから首を斬り落とし、姫を助け出してめでたしとなった。
攫われた姫の部屋から竜の思いを寄せた手紙を見つけた男がとった作戦が見事に成功したのだと。
当時魔界の竜を倒した勇者はおらず、その男は初の竜殺しの異名をも贈られた。
「そして、男は地上にて初代勇者と呼ばれたのであろうが。」
「そんな卑劣な作戦を敢行した者が!勇者であるものか!!」
バーンの言葉はティファは益々怒りの炎を増していく。
勇者とは!平和の世になれば権力を欲さず在野に降りて平和の芽を育てたアバン先生や、たとえ相手がどの様な者であっても常に真正面から正々堂々と戦い打ち破るダイ兄達の様な者こそが相応しい!!
相手の恋心を利用し闇討ち紛いを平然としてのけ恥じ入る事も無く正義の名の下にと言った場面がしっかりと書かれていた。
ティファの読んだ物語にはきちんと竜が秘めに恋をし手紙を出したところも書いてあった。
其れは美しい悲恋などではなく、身の程知らずな竜が高貴なる姫に懸想したのがそもそもの間違いだと貶める為に!
「確かに竜は悪い事をした!姫を攫ってそして人々を傷つけたのだから!!だからと言って闇討ちをして良いはずが無い!そんなものを正義と言っていい道理もない!
恥知らずの男が恋に心狂わせてしまった哀れな竜を闇討ちしただけじゃないか!!」
しかも姫は竜の残した宝の在りかを聞き出しておりそれを父王に教えて国を富ませた聖女扱いなのも納得がいかない!!
その後男と姫は結婚したとある!今現存しているかは分からないが!!哀れな竜を討った男は卑劣な真似をしあまつさえそれを功績として王にまでなったのだ!!!
「竜が恋に落ちたのが悪なのですか!攫ったのを差し引き身分さを超えようとしたのも鑑みても誰も男がとった非道を疑問に思わず称賛しているのですよ⁉」
相手が人間ではなく竜であるという!それだけで!!
「・・・・・・十位の時に、私は似たような人間に会いました。」
近隣に住むモンスター達を駆逐し、偶々行き会ったティファの後ろに逃げ込んだホーンラビットの群れを追いかけてきた男に。
おじさん、この子達は悪さしないよ。山奥に連れて行くからもう許してあげて。
人里に居るのがいけないのだと考えて言ったのを鼻で笑われた。
そいつらはモンスターだ!下賤な命にもならない奴等を庇うんじゃねぇ!!
聞いた瞬間、自分は危うくその男を殺しかけていた。命を、種族だけで差別しそして殺すのが当然だと言い放つその男を。
気が付けばガルーダに取り押さえられ、男に殺されかけたホーンラビット達すらも自分にのしかかり止めてくれた。
そうでなくば素手であっても自分に殴られズタボロになった男は死んでいただろう。
怒りに駆られながらも辛うじて生きている男から手を放し、ホーンラビット達を筒に入れ秘密基地のある森に逃がし今も元気に過ごしている。
後日知ったのは、その男は近隣から正義の人だとたいそうな評判であった。
モンスターを駆除してくれる頼もしい戦士として。
その半月後に兄も正義を口にするようになった。
正義の味方として悪者をやっつけるのだと子供らしい事を。
だが自分はその言葉に恐怖した。
優しいダイ兄が卑怯な男や酷い男と同じ事を言っていると。
「兄に正義の意味を尋ねました。」
うんと・・・・正しい事?
正しい事って何?ダイ兄に正しい事でも相手にとっては酷い事かもしれないんだよ
・・・・難しいよ
にぃ!やっつけるって倒すって事だなんだよ。自分でも分かっていな事で相手を倒していいの?
その時ダイに逃げを許さず、ティファは徹底的にダイに考えて貰った。
己にとっての正義とはないか。
先の大戦の恐ろしさは二人ともブラスやウォーリアー船長達から聞いて身に沁みている。
戦いの怖さ、倒される事の怖さ、死ぬ事の恐ろしさを。
そんな中、十日以上掛けてもダイは答えを出した。
「えっとね、俺はさ、じいちゃんとティファと島の皆と船長さん達大好きで、何時までも笑っていたい。
だから、俺の大好きな人達を泣かせる奴を倒すよ。」
例え自分がどれほど強くなろうとも、自分から戦わない-専守防衛-の正義を。
其れも正面から正々堂々と戦うのだと。
どれほどホッとした事かしれない。
兄ならば正しく己の儀を貫くだろう。綺麗な心のままその道をひた走って。
「その通りになって私は嬉しい。」
ダイの話をする事で落ち着きティファは朦朧としながらもほんのりと笑う。
初めての酒に酔い、終生他の者に明かすまいと決めた想いを話しながらも。
兄はこの大戦で自分に応えてくれた事を実践してくれている。
正々堂々と真正面から戦い、其れを誇ることなく和気藹々としている素敵な勇者一行に居られて自分は幸せだと。
バーンとキルが、己を可哀そうなものを見る目で見ているのに気が付かず。
ティファの考えは人の中では異質すぎる。初代勇者と呼ばれた男を、モンスターを倒す男を卑劣な男と言えば、其れだけで今の時世では人類の敵となるのを堂々と言ってのけてしまう。
ティファの居場所は、本当に人の世にあるのだろうか?
だがミストだけは憐れみながらもティファに感心したのだ。
同族であろうと、間違えていると思えば堂々と言い切るティファのすぐる心に。
・・・・・・・・・・・・・・ファブニールの竜の鬱憤を私大魔王達にしちゃたの!⁉
「忘れて!!いや忘れて欲しくは!!けど!あぁぁぁ!!」
墓場まで持っていくはずだったあの思いを!!敵の総大将にカミングアウトって私ってば何しちゃったのと別の意味で真っ赤になったティファは思わずその場で埋まりたくなってきた!
いっそ殺せと口走りかけたがそこは止めたが!!恥ずかしくて死ねる!!!
もろに厨二で青臭い奴と思われた事だろうと想像するだけで死ねる!!!!
「・・・・ダイ、お前正義って言葉使った事ないな・・」
「だってポップ、俺の正義は俺のであって他の人のじゃないでしょう?」
「確かに・・」
「ティファさんて小さい頃から凄い事考えてるんですね。」
「私結構あの話好きなんだけど・・・・改めて聞いてみると確かに酷いかも・・」
ファブニールの竜と勇者の話は知らぬ者が無く、其れに憧れて勇者を目指した者達が数多居り、マァムもその一人であったがこう聞くと確かに彼は勇者としてどうかと疑問が出て来てしまい、周りも引きずられてどうなのだろうと談議が始まる始末。
ある者はマァムの様に改めて考えさせられ、ある者は子供の青臭い考えだと。
ノヴァは元々あの話が好きではなくどうでもいいと周りを警戒しているが気が付かない事もある。
先程から様々な感情をティファに向けられる中に大きくなる思いを。
-アレ-は本当に勇者一行の者であるのか?
それに相応しい者なのか?
今宵ここまで
長文となりましたが、主人公の根っこと策動し始める謀略の楔を打ち込んだ回となっていれば幸いです。
ダイの大冒険の[とある国]の初代勇者をでっち上げましたが、ファブニールの竜は原典はなく、筆者は竜を討った男をそこまで悪いとは思いません。
主人公が自分で言った通り悪いと感じるのは青臭い考えだと思いますが、その男が初代勇者と言われる程とも思いません。
先代勇者アバン達やダイ君達が、筆者にとっても勇者だと思っています。
この話をきちんと物語に反映させられる様に頑張っていきますので、お付き合いの程どうかよろしくお願いします。