書かせてくださいこういう話!!
読まなくともパレスへの突入時の話しは分かるようにしますので、シリアス壊すなという方は途中でバックしてください。
「はい。」
たった一言、たったの一言だった。
偉大なる先代勇者がティファに対して贈った言葉の返答は、本当にたったの一言であった。
だが、ティファを知る者達にとって、その一言のが万金に値する、ずっと欲しかった言葉であった。
ティファはまるでこの大戦の為だけに生きようとする危うさが、そこかしこで見てとれていた。
だからこそティファを思う誰もがティファに言った。
今も大切だが未来を夢見てその先を歩く事を。
散々他者に歩ける道を用意し、歩きやすいように整えてきてくれたティファは、いつも自分だけが歩く中に入ろうとうせず、見送ろうとうしている様に見えていた。
怖かった、恐ろしかった。
この大戦が終わる頃に、ティファは自分達だけをその先に送り出して手を振って消えてしまうのではないかと!
だが、アバンの言葉に返事をした。
今まで似たような事を言われても透明な笑みを浮かべ沈黙してきたあのティファが、たった一言であってもその言葉を肯定したのだ。
・・・・・・皆が私の事じっと見てる・・・・何となく理由分かるけど恥ずかしい・・
私は今までずっと目を向けてこなかった。自分を-ティファ-を生きるという事を。
確かに十二年の年月は生きていた。バーン大戦の為だけに、起こる不幸を少なく、最後には-皆-が笑っていける世界にする為に-ティファ-としての人生を歩んできたとは到底言えない生き方を。
本当だったらバーン大戦の事やその事を考えながらでもティファとしての人生を生きることは出来た筈なんだよ。
お洒落して、恋をして、大戦関係者以外の身近なお友達を作って愉しく生きてその先を望んでとか・・・・自信がなかった。
お洒落している間に取り返しのつかない何かを見落としているのではないか
修行しなければ強大な敵と戦えないのではないか
でも一番の理由は、話をすればどこかで襤褸が出て、仲良くなれたお友達に普通と違うと言われるのが怖かった
ずっと・・・・怖かった
何時か普通ではない自分が、親しき人たちに恐れの目を向けられるのが
我武者羅に守る方が楽だ、何かを課して突っ走っている方が楽だ、装っている方が楽だった・・・・今までは・・
「先生・・・」
「何ですかティファ?」
・・・・先生もう私に-さん-付けてない・・・・・何か・・・嬉しいし気恥ずかしい
「先生に眼鏡お返しします。」
「おや、その眼鏡は私が力を付けたのを示さなければ返してくれないと言っていましたよね。」
「う!!・・・先生悪趣味です・・・・」
あぁ!偉そう言ってた数か月前の自分ぶん殴りに帰りたい!!先生も人が悪すぎる!!
ニカっといい笑いしながら私の反応楽しまないで!!
「・・・・・じたばたと足搔いて帰ってきてくれた時点で返すつもりでした・・・私はもうこの眼鏡から卒業したいんです。」
「おや?」
「んとですね・・・・これを付けて先生みたいにしようとしていましたが、先生帰ってきて・・・だから・・」
「・・・・偽物は不要と言いたいのですかティファ?」
「う!!違います!!だからおっかない声出さないでください!!」
二人の遣り取りにダイ達はハラハラとする。
アバンは徹底的にティファの-悪い事-を潰す気満々のようだ。
軽率な程の敵味方無しの態度に、そして己を羽毛よりも軽んじるティファの悪い癖すらも。
あまり厳しく言ってほしくないと、漸く戦場が一段落しそうなので竜騎衆達にティファの側に居て欲しいと懇願されたバランも息子共に、様々な事から娘を守らんとしてくれている恩人のアバンをハラハラとしながら見守っている。
息子に生き残れる力を与えてくれ、こうして娘の全てを救わんとしてくれている偉大なる先代勇者だが、あまり厳しすぎないで欲しいとつい親心が出そうになるのを我慢して押さえつけながら。
「あう・・・・料理人の看板は下ろしません。上に行った直後とその後暫くは罠と敵兵達との戦闘になるでしょうが、合間を見てご飯食べさせる予定ですから。」
料理人は、最後まで一行と共に行動を共にし、どのような状況であれ料理を出す。
其れがティファが自分で定めた料理人の定義の一つ。
「それでも、-導く-料理人はもういらないかと・・・」
その言葉の後、ティファは一旦言葉をきりダイ達を見回せば、ティファの言いたい事が分かったダイ達は力強く頷き、一人ずつアバンの前に出る。
「俺達はもう自分のやる事が分かっています。俺は最大の敵大魔王を討つためにここにいます。」
「俺は一行全員を纏めながら全員で大魔王に辿り着く方法を考える。」
「そしてポップが決めた事を」
「俺達は十全の力で実行して全員で勝ちに行きます。」
「「「「「この大戦を全員で勝つ為の全てを料理人のティファから授かったから」」」」
・・・・・見事です。
心・技・体の全てを兼ね備えた自分の弟子達を、アバンは愛おし気に見まわす。
自分だけでは決してここまでの子達には育てられなかっただろう。ティファが、この子達の良さの全てを表に出してくれたおかげだ。
クロコダインとチウも力強く頷き、メルルに至っては涙を流してティファの変化を喜んでいる。
本当は優しい子のヒュンケルの心の闇を払えず、高い能力と勇気を心の底に持ちながらも表に出してあげられなかったポップ、強さと優しさを兼ね備えたが故に自己に責任を一身に背追わせようとしていたマァム、一国の跡取りとして砕けた態度を取りながらもどこかで他者と一線を引いていたレオナが、ダイとティファに出会い、ダイの天真爛漫さとティファの深い優しさに包まれ、素敵な一行を作ってここまで来て・・・なんという優しい笑みをみんなが浮かべている事か。
「先生、私も・・・・ティファも皆の中に入って歩きたい・・・・だから・・・」
「この-眼鏡-を確かに返してもらいましょうティファ。」
「!!・・・はい!」
導き手を本来の下に、私も歩いてみたい・・・皆と一緒に・・・・・でも難問が出来た・・・
「あの・・・でも・・・・・私大戦以降何していいのか・・・・」
ずっと考えた事が無かった・・・・そもそもが、-この後-やりたい事して私生きていられるか・・・・勝算は上がったけど不安だ。
私の魂が大魔王級なら、生き残れる要素がぐんと上がっただろうけど・・・とにかく分からない。
生き残れた後何していいのか・・・
「そうですか・・・・其れはゆっくりと考えていきま・・・」
「ティファ!!!!」
その事は追い追い考えましょうという言葉を、戦場でティファの言葉を聞きつけたノヴァがダッシュでやってきた!
行ってこいとガルダンディー達が送り出したのだ。
戦場は支えるから、ティファの幸せをお前が守る宣言して来いと。
「今日この戦いに勝ったら明日教会に行こう!!!」
「はい⁉・・・・・ちょっとノヴァ!!」
「大丈夫!男子は十五にならないと結婚できないけど!!女の子は十二からでも結婚できるから!
一緒に僕が君とずっと歩く!!だから安心して!!」
・・・・・・・これってまさかの戦場プロポーズ⁉
ノヴァの言葉に、アバンとティファとカール騎士達-だけ-が固まった。
戦場では戦っているのでそんな事に構っている暇は・・・・作りたいというのが双方の心に燃え上がる!!
ティファ達の味方は若き二人を祝福する為に!
敵はティファ様に触るな下がれ下郎者と、其れは主と親友の者だと内心で叫びまくっている-某影-ばかり。
ダイ達に至ってはそうすべきだと固まるティファにやいやいと催促する!
「そうしなよティファ!先生!!ノヴァはとってもいい人で俺にとってもお兄ちゃんなんだよ!!」
「ティファ!ノヴァとだったら絶対に幸せになれんぞ!!」
「ティファをお願いねノヴァ!!」
「ノヴァ!娘を頼む!!私も竜騎衆達も其方とティファを全力で守る!!ディーノもレオナ姫其方も・・・・もうこの場にいる全員丸ごと守るぞ!!!」
「明日か・・・・俺とエイミも明日行くか?」
・・・・・ちょっと待て・・・
「・・・・ヒュンケル?今何と言いました?」
ノヴァとティファを全力応援団の中に、ぽつりと一言違う言葉が入ってた・・・
「お!ヒュンケル達はそうしろよ。俺はやっぱメルルがも少し育つまで・・・」
「ちょっとポップさん!!!」
「ちょっとポップ君!言いたい事分かるけどストップよ!!!・・・けどメルルもそうだけど私もマァムも三年待った方が・・・」
・・・・・ちょっと待って、これ何の話になって来てるの?何を三年待つの?
メルルさんなんでそこで赤くなってるの⁉
「・・・・姫様、皆何の話して・・・メルルさんとマァムさんは何を赤くなっているのですか?」
ティファはこの十日間のダイ達の-恋人進展-を全く知らない為に、爆弾発言を聞く事になった。
即ち
「あら、私達が子供産むにはまだ早いから、十五よりもしっかりと-色々-と育った十八の方が良いと思わない?」
・・・・・・何ですかそれは!!!
「ちょっとレオナ!!」
「いくらなんでもストレートすぎます姫様!!」
「え?だってメルルもマァムの好きな人の子ども何人も欲しいって言ってたし?」
今更何照れているのとしれっとしているレオナであったが、爆弾落とされさしものアバンはフリーズ起こし、ティファも衝撃で眼鏡割れる思いがした。
ちょっと待って!恋人としてのお付き合いすっ飛ばしていきなり子供云々てどうなってるの⁉
ファブニールの話を直接アバンから聞かされたダイ・ポップ・ヒュンケルと、戦場のど真ん中であってもティファとダイに危機が及んでも対処できるように聞き耳立てていたラーハルト達とロン・ベルクは、神に感謝した。
神よ!自分達が好意を寄せた女性達が素晴らしき者達であることに感謝します。
ファブニールの竜の悪女のなんと酷き者か!!そんなのが目の前にいたら全力排除したくなる!!
引き換え自分達の側に居る女性達は、皆優しく賢くそして強さを内にも外にも秘めている素晴らしき者達ばかり。
其れはバランにとっても同じであり、同じ姫であっても太陽の様なソアラを思い、出会えたことに再び神に感謝していたほどだった。
おそらく彼女達がいなければきっと・・
「俺達全員女性不振になってたな!」
「うんうん。」
「その通りだな。」
「・・・・俺にもどこかにいい人は・・・」
「おっさんの男っぷりを分かってくれる人絶対いるって!!それよりも先生!結婚式先生も出てくれるよな!!」
「そうだ!俺のにも絶対に!!」
「ダイは俺達と合同だろう?」
「あ・・・そうだった・・・へへ・・」
「うっかりだなダイは。」
「・・・・・あのさポップ兄・・・ジャンクさん達に結婚報告は?」
「あぁ昨日した。」
「はい⁉」
「昨日一日使ってルーラであちこち飛び回ったんだよ。敵さんももう俺達待ち構えるだろうから偵察もさして意味無いだろうって。案の定監視していた敵さん引き上げてたな。
まぁきちんとばれないようにやったから大丈夫だ!!」
・・・・何が大丈夫なんだんだろう?大丈夫の意味ってなんだったろう・・
「ちなみにフローラ様もこの件には賛同してくれてるかろもっと大丈夫だ!!」
・・・・だから何が大丈夫なの!!フローラ様!!!!??
「・・・・・勇者とその一行は戦い終われば後は-碌な事しない-ので・・」
ティファとアバンのもの凄い視線に顔を明後日の方向に向けながら、冷や汗流してもフローラは懸命に弁明する。
そもそもが!大戦終わってもフラフラと旅をして自分から逃げ回るアバンが悪い!!
自分に好意を寄せてくれていながら、はっきりと結婚するとも、結婚しないとも言わず!!態度を保留したまま逃げたアバンにこの件だけはとやかく言われたくない!!
心当たりのあるアバンは強くは言えずフローラ以上に冷や汗流して押し黙ってしまい、ティファも皆幸せならそれでもいいのかなと許す気配を出した事でホッとしたポップがまたもや色々と教えてくれる。
「マァムの所も行ったぞ。」
「・・・は?」
「あぁそうかティファと先生は知んねぇか。実はさ、ラーハルトといい感じになれて、三年後に結婚しようって事になって、ロカさん達に報告しに行ったんだよ。」
「ウェ!!」
・・・ラーハルトよく生きてたな・・・・・いやそれよりも何よりも病人のロカさんにいきなりそれって・・
「・・・ロカさん血吐かなかった?」
「まぁ憮然としてたけどさ、戦いの最中でも惚れた女に子供産ませた俺がとやかく言えることは無いって了承してくれたぞ。」
その後に言い方があるでしょうとレイラさんにシバかれていたが、。ラーハルトの保護者として付き添ったバランが、ご息女との仲を認めて欲しいと言った後に、ロカはぽつりと、レイラはふつつかな娘ですがと笑って了承したのだと。
「・・・なんともロカとレイラらしいですね~。」
「そうなんすよ、そんで俺の親父とお袋で終了したんです。」
何とも明るい未来を築いているものだとアバンが微笑みかけた時、またもやレオナが爆弾発言落とした。
「そういえばヒュンケル、昨夜エイミと二人きりになった後、エイミ私の部屋に帰っ来なかったけど・・・・・」
何ですと⁉
今宵ここまで・・・・
もう筆者限界です!!ザオリク復活しましたが!シリアス続きすぎてHP1状態です!!
勇者様達諸々の幸福案件解決の為でもあり、先代勇者様にも年貢の納め時にもしたいので、強行突破させていただきます!!
そしてお知らせです。
筆者の稚拙さで色々とやってしまいました。
先ずは「gmgn様」よりのご指摘です。
-仮初の果ては-の回にて、大魔王の本来持っているハイ=エント能力の数を三と表記してしまいましたが、正しくは四つです。
物体移動させるラド=エイワーズ
記憶を操作するリャナンシー
記憶を覗くヴレ=アナリュシス
命を与えるマスター=エンゲージ
の四つとなっています。
またバーンが使ったハイ=エントの回数も、七回ではなく九回が正しいです。
続きまして「地元民様」からのご指摘で、アバン先生のフルネームを間違えていたと事に気が付きました。
直す前はアバン=デ=ジュニアールと表記してしまいましたが、正しくはアバン=デ=ジニュアールです。
原作に対するミスと、自身の作った設定に対する二重ミスをしてお恥ずかしい限りです。
誤字脱字を報告してくださる皆様にも感謝させていただきます。
本当にいつもありがとうございます。
今後も諸々のミスを気を付けて書いていきたいと思います。