勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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あの人もう空気なので落としどころ此処にします。

そして六大将軍もサクサクと進めていきます。
(新生六大将軍と書いて主人公の或いは主要キャラの踏み台と読む)


奇妙な戦場故に、憐れな道化は窮地に陥る

私をまたアバン先生に渡したハドラーは、さっさとガルヴァスに突っ込んでいった。

 

「さっきの礼は存分にさせてもらうぞガルヴァス!!」

「あのようなバケモノ娘にうつつを抜かした愚か者が!!!!」

 

初手から暗黒闘気のぶつかり合いを空中でしたせいで、その余波で周りで戦闘している人達にも影響が行ったのは仕方がない。

 

まぁもう新六大将軍は壊滅の憂き目にあうのは決定しているからいいんだけど。

 

ラーハルトとのラウシースピアの乱舞に、メネロの茨の鞭も捌き切れなくなって、援護を喪ったブレーガンも、其の波状攻撃の猛攻に三節根を粉々に砕かれ、強化された防御をも突破され二人同時に止めのハーケンディストールを横一文字に喰らい、辛うじて息をしている間にチウの配下、アリクイのアリババが地面からモコモコと出て二人をモンスター筒に封じる。

 

ダブルドーラは手強いと、ガルダンディーはボラホーンの相手をしているザングレイと互いに敵を交換しあう。

 

ダブルドーラとしては、力自慢が自分を砕いたと思った瞬間に、分裂して驚愕した敵を挟み込んで止めを刺す戦闘スタイルなので却って好都合だと内心ほくそ笑んだ。

案の定ボラホーンの鋼鉄の錨を振り上げて襲ってきた。

 

驚きながら死ね!!

 

「なんと!!

 

切り裂かれる瞬間に三つに分裂したダブルドーラに、矢張りボラホーンは驚き一瞬の隙を作ってしまった。

 

これでしまいだ!!

 

 

「鎧化!!!窮鼠包包拳!!!!」

 

グシャシャシャジャリン!!!!

 

「何だと!!!!」

 

-邪魔-が入った事に、今度はダブルドーラの方が驚愕の声を上げる羽目になった。

 

ボラホーンが挟まれてやられてしまうと見たチウは装備していた籠手を鎧化させ、自分に近い方のダブルドーラの分裂した体の一つに、乗せられるだけの闘気を上乗せして突っ込んでいった。

 

これはオリハルコン製でちょっとやそっとじゃ壊れない!!ダイ君のあの剣を作ったロン・ベルクさんが僕の為に拵えてくれた武器なんだ!!!

 

ロン・ベルクの腕を信じ抜き、躊躇いも無く突っ込んでいった技の威力は相当なものとなり、加えてダブルドーラの突進する威力も加わり、お互いの力で弾け飛び合う事でボラホーンは難を逃れる中、回り切って着地する寸前のチウと目が合った。

 

「上出来だ。」

 

歴戦の戦士は、まだまだのチウにニヤリと笑いかけ最上の褒め言葉を贈る事で礼としながら、凍える息吹で驚いて動きを止めてしまったダブルドーラの二つの欠片を凍らせ、三つの地面に落ちた欠片もしっかりと凍らせた。

 

「チウ、筒を持っているのならばお前が入れよ。」

「え?僕がですか・・・・ボラホーンさんもお持ちですよね?」

「お前の力なくば俺はこいつの術中に間抜けにも嵌って首を落とされていた。お前の手柄だ。お前が入れよ。」

「!!分かりました!イルイル!!!」

 

戦場の熱い師弟愛が開花する。チウとその配下達が戦場で死んでしまわない様、竜騎衆総出で特訓をした甲斐有り、しかも負うた子に助けられた。

 

「へ・・やるなぁチウ・・・」

 

隣の戦場を横目で見ながら、ガルダンディーも満更でもない顔をして笑っている。

 

チウは兎に角素直で、配下達も隊長に続けてばかりに気絶しかけても弱音を吐かずに特訓を受けてくれた。

 

「どこを見ている!!!」

 

あの努力があったればこその戦果に、ガルダンディーも教えた一人として誇らしくなるのを、無粋な怒鳴り声が霧散させやがった・・・

 

「うるせぇ・・・お前とやるのにはもう飽きた・・・・羽で相当弱ってんなら大人しくしろってんだよ!!!!」

 

超魔生物の防御力があるとはいえ、其れは決して無敵ではない。

 

ガルダンディーは派手な技をルードとのコンボで決めるのが好きだが、仕方ないと地道にレイピアで同じ個所を何度も切りつけ、漸くザングレイの右腕に切り傷を作り、瞬間に五本ものレッドフェザーを突き刺しジワリと体力を消耗させていた。

もう興味はないとばかりに、吠えているが膝を付いて身動きの取れなくなったザングレイの頭を右足で思い切り踏みつけ地面にめり込ませた。

 

「・・・・・お前らみたいな三下野郎は俺達は反吐が出る程嫌いなんだよ。」

 

こいつらから、昔魔王軍で大乱闘をしたあの下種野郎たちと同じ匂いがするのが気に入らなぇ!

 

レイピアで滅茶苦茶に斬りつけてやればすっきりするか?

 

こいつ等がティファ様を侮辱したのも許せねぇし・・・むしゃくしゃしてるしな~。

 

ガルダンディーも、リュート村の、ひいてはニーナのおかげで大分温厚な性格になったとはいえ、性である残虐性が消え果たわけではない。

生まれた時からガルダンディーは、何かを滅茶苦茶にしてやりたくなる時があった。

其れは一族を皆殺しにされ、人間を恨むようになってからは更に手が付けられなくなっていた。

自身もそれを止める積りも無く、坂を転がるようなそんな時期にティファとニーナに出会い、おかげで最悪な性格にならずに済んだがそれでも残滓が魂の端にこびりついている。

 

ちらりと冷たい目で無様に這い蹲っているザングレイに、レイピアを振りかざそうとした時・・・・声がした。

 

優しいあんたが好きだよ・・・・

 

 

 

・・・・あぁ、これしちまったら、ニーナ怒んだろうな~。

 

残虐性を振るう事は、私欲で戦う事であり、主であるバランの顔に泥を塗り、自分を好きだと言ってくれているティファにもニーナにも嫌われてしまう。

 

・・・あの二人は底抜けにお人好しだから嫌わないでいてくれんだろうけど・・・悲しみそうだから止めるか。

 

 

怒りを溜め息で吐き出し、レイピアを仕舞いながら左手でモンスター筒を持ちザングレイをその中に納める。

 

 

一大決戦の戦場である筈なのに、其れは奇妙な戦場であった。

 

死者が少ない。其れも地上軍は言うに及ばず零であり、魔王軍も数十の死者が出たのみであり、それらは死ぬ寸前にメガンテをして散りはて、或いはノヴァのマヒャデドスで凍らされ粉々に砕かれ、()()()()()戦場となっていた。

 

残りは止めを刺されずに全てティファの作った筒に入れられ囚われていく。

そして奇妙な戦場が出来あがったのだ。

 

 

 

 

い・・・・如何!!!これでは儂の長年の研究の果てに完成した-アレ-が使えんではないか!!!!!




今宵ここまで


例のあの人はもうここらでご退場して頂きます。

其れよりも筆者お気に入りのキャラナンバーワンのチウ君に大活躍の場を与えられた方が嬉しいです(* ´艸`)

・・・・・筆者にまでこの扱いをされている道化は次の回で終わります。
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