勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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原作始めましたが、原作の二日前に戻ります。
アバンさん視点で島に来た経緯を書きます。
よろしくお願いします。


原作開始
一人多いですね~


大戦が始まる二日前。

アバンは今は一人だけの弟子のポップを連れて、ロモス王国の城に登城した。

宿泊施設にいきなりロモス王の使者がやってきた。

「勇者の家庭教師のアバン様ですね。」

「はい、そうです。」

先の大戦より十三年の時が経ち、どこに行こうともこの身分を通してほしいと各王室に、頼み、

今でも約束は守られている。

「我が王が是非お目に掛かり直接頼みたき事があるので、急ではありますがご足労願います。」

「分かりました。ポップ、貴方は留守番を・・」

「アバン様、そちらのお弟子さんも共にと王から仰せつかっております。」

「・・何故でしょう。」

宮廷は子どもが近寄ってもあまりいい影響はないというのが持論で、弟子にはなるべく権力の側に近づいてほしくはない。

ポップの心はまだ柔らかい。素直なのが美徳だが、あまり人を疑うことをせずまだまだ庇護の対象である。

自分と伝手を持ちたいという輩の奸計に搦めとられてはと思うのだが・・。

「分かりました。ポップ貴方も行きましょう。」

「はい!先生!!」

(素直な子ですね~。)

ポップの返事につい顔が緩んでしまう。

自国の王ではないにしろ王命には変わらない。

何よりも留守と言えば落ち込み、共にと言えば大喜びをするこの素直な弟子が可愛くてたまらない。

ヒュンケルにもこの明るさの半分でもあったらと・・つい考えてしまう。

ついに見つけられなかった一番弟子を・・せめて今育てているこのお調子者で少し逃げ癖のある、

魔法の才に溢れた弟子をしっかり守り切ろう。

城内では自分から離れない様に言えばいい事で、それをきちんと守るのがポップだ。

修行もこの位素直にうけてくれればいのだが・・贅沢な悩みか。

 

そうして二人はロモス王の御前にやって来た。

「アバン殿、久しぶりじゃの~。」

「はい、お元気そうで何よりです。ロモス王。」

(あれ?先生と王様って知り合いなのか?・・先生ってすごい人なんだな~。)

ポップはアバン先生の事が大好きだ、家出して押し掛け弟子をするほどに・・。

最初は何度も家に帰りなさい言われても、石にかじりつく執念で認めて貰えて早一年。

魔法の才は飛びぬけているが、体術・座学は苦手で感覚で魔法を使うので時折惨事を引き起こしかけてしまう。

メラミを習得して使ってみればメラゾーマ並みの威力であわや火事になりかけた事もある。

体力に自信はなく、楽な事が好きだったりと不安定なポップをアバンはつい甘やかしてしまい、

可愛がる。世に言う駄目な子程というやつで。

だがポップの為にも厳しい事もする。

一番厳しく無茶だったのは、苦手なヒャド系習得の為にドラゴラムで竜化し、炎を吐いてヒャダルコを発動させたことだ。

そんな優しくてハチャメチャなアバン先生をポップは慕い、敬愛している。

 

「そちらが今のお弟子さんかの?」・・俺⁉

「はい、弟子のポップです。ポップ、王様にご挨拶をなさい。」

「・・はい。」マジかよ~なんて挨拶したらいいんだよ・・こうなったら!

「初めまして!アバン先生の弟子でポップと言います!!」言い方違うかもしんねえけど堂々とすりゃいいか。

「ほう、元気のいい子じゃの~。そなたは何を教わっておる。」

「魔法です。」

「ふーむ、得意呪文は何かの~。」

「火炎呪文です。」なんか質問多くね?

「では今それをこの城の中庭にて披露してもらえんかの?」

「え⁉」どうして!!

「王よ、座興の為に私の弟子を呼びつけたのですか?」あ、アバン先生助かった・・顔がちょい怒ってる。

「いやアバン殿それは違う。その答えはお弟子さんの力を見せてもらった後にする。」

「・・分かりました。ポップ。」

「・・先生・・」失敗したらどうすりゃいいんだ?先生に恥かかせて・・「ポップ。」

「・・はい。」

「スマイルですよ~」-グニ~-

「せんせい・・ひったい・・顔伸ばしたら痛いですよ・・。」

「いつもと同じ、リラックスですよ。分かりましたか?」

「分かりました先生。」・・へへ・・先生凄いや。今ので緊張が解けちまった。やってやる!!

「先生!メラゾーマ思いっきりやっても・・」

「・・メラミくらいにしておきましょう。」

中庭にはもう薪が詰まれ、人も大勢いる・・それでも先生が近くで見守っていてくれる。

怖いもんは何も無え!!

メラミでは薪に狙いを定め「メラミ!!」-ゴオウ!!-灰にしてやったぜ!

大勢の人達が拍手称賛の声を送ってくれてっけど、「ベリーグッドですよポップ。」

先生からの誉め言葉が一番だ。

「見事じゃ少年。アバン殿もお弟子さんを見世物のような真似をさせてすまんかった。」

「何かのっぴきならぬ理由がおありのようですね。」

「先ほどの所に移ってからしますかの・・。」

 

「実はアバン殿に頼みたい事がある。新たに弟子を採ってほしい。

その相手もこちらで決めさせていただいている。

その子はまだ子供で今回の件は全く知らせておらぬが、力のある優しい子じゃ。

早急にそなたの弟子にして鍛えてほしい。」

「何故でしょう?優秀な方は宮廷には幾人もおりましょう。

将来を見込める子供ならばロモス国で育ててあげればよろしいのでは?」

このロモスは他の国ほどの高い国力はないにしろ、良き国である。

わざわざ自分とポップまでもが呼ばれた理由が分からない。

「いや・・先ほどのポップ君の火炎術を見て確信をしましたぞ!

回りくどい事はいわぬ。次代の勇者を速やかに育ててほしい!」

・・おかしい。

先の大戦から十三年経つが、旅回りで各王国を訪ね歩いてもどこにも不穏の影は見当たらず、

それどころか何故か聖なる気配が高まっているのを感じるほどだが。

 

-これはティファがばら撒いた破魔の石の聖結界効果があらわれ始めている結果だが、

アバンは知る由もない。-

 

今の世は自分の目から見れば平和そのものだが、王はまるで敵がすぐそこまで近づいているような口ぶりだ。

「お話を詳しくお聞きさせていただきます。」自分は何かを見落としていたのだろうか?

「アバン殿、これは途方もない話から始まるが信じていただくしかない。」

「分かりました。」

 

「夢じゃ。それもただの夢ではなく、毎夜城内の者全員が見る夢なのじゃ。」

ロモス王は真剣な眼差しで話を始めた。

始まりは今から一年ほど前からで、毎夜獣系モンスターが魔の森より溢れ人々を襲う夢。

初めのころはただの夢と放っておいたが、それは城内の大臣から下働きの者たちも見ているのが判明し、何かの呪いがかけられたのかと宮廷付きの占い師に調査を命じた結果、

この夢は正夢となり予知夢である可能性が高いとの卦が出た。

それから半年後不思議な出来事が起きた。

夢の内容が変わり始めたのだ。

黄金に輝く羽の付いたスライムを肩に乗せた黒髪の少年が襲ってくるモンスター達を次々に倒し、この国を救ってくれる夢を。

額にはこの国の秘宝-覇者の冠-を被っていた。

その夢を見て五日後に-偽勇者事件-が起きた。

黒い髪の青年ではあったが、黄金のスライムを連れてモンスター達で有名なデルムリン島にて

捕獲をしたと。

夢はこの青年と一行の事を指し、ロモスを救ってくれる希望の星になるのではと期待をして

覇者の冠を授けようとしたところに件の-少年-が空から降ってきた。

ゴールデンスライムをゴメちゃんと呼び、デルムリン島から大切な友を助けに来たと大声で告げ、

珍しいモンスター筒からカニのモンスターを出してスライムを閉じ込めた檻を開けさせ、自身も青年と戦い追い払い、力尽きたのを何と人を襲うモンスター達が少年を守るように囲いを作り、

何かを訴える眼差しで自分達を見るだけで襲ってはこなかった。

もしやして、モンスターは最早人を襲うものではなくなっているのだろうか?

だとすれば勇者を名乗ったでろりんの-凶暴なモンスタ-退治―の話は偽りであったのか。

ゴールデンスライムも少年の肩口に留まり、案じて涙を流しているのを見て、夢の少年はこの

子供を指していたのだろうかと考えに至った。

眠っている少年に覇者の冠を被せて島に送り届けたところ、使者たちは島で人語を話せる鬼面導士と出会い、今回の件の一部始終を聞いて戻ってきた。

礼儀正しく道理をきちんと弁えた人物で、少年の育ての親であり、眠っている少年を受け取り、

とてもホッとしていたと。

島の大切な家族と少年の身を案じていたのがとてもよく分かったとも報告を受けた。

島のモンスター達は全て凶暴化をしていない旨を含めて。

その日を境に城の者たちは夢の内容を真剣に討議をし、国家予算を侵食しない程の武具・石火矢を

購入し、もう一つの策が「アバン殿にその少年を育てていただく事です。」

本当はもっと早くに頼むはずが旅回りや洞窟修行で居場所を転々とするアバンを中々見つけられずに、今日まで来てしまったと、ロモス王は結んだ。

 

「以上が儂からの話のすべてじゃ。」・・これは本当に・・

「途方もないお話ですね。」

「・・やはり駄目かの・・。」

「いえ、お引き受けさせていただきます。」

「何と!!」 「先生⁉」

(マジかよ、先生こんな胡乱な話を受けちまった。)

ポップは驚き、ロモス王は心底喜び島の位置地図と‐少年・ダイ-と-鬼面導士・ブラス-の

情報を羊皮紙に書かせて渡し、アバンは準備をして必要品を購入し、次の日鍛錬も込めてポップの手漕ぎ小舟で一路デルムリン島へと向かった。

「・・先生・・なんでこんな胡散臭い話引き受けちまったんですか?

王様の命令だからですか・・。」

「ポップ、私は常々貴方に自身の直感を信じなさいと言ってきましたね。」

「・・つまりあの変な話が本当になるって先生の勘が告げたんですか?」

「その通りですよ・・それにポップ・・先ほどから感じませんか?」

「・・何スカ・・」おや、表情が曇っていますね。

これはポップが分かっていても嫌な予感がするから答えたくないときの表情ですね。

「ポップ。」

「・・分かりましたよ!なんとなくですけど、嫌な気配が濃くなってきてるような・・。」

「その通りです島に急いだ方がよさそうです。」

ポップを促し島が目視でき始めたところに-ギャオウ!!--グワーッ!!-

島からモンスター達の咆哮と邪悪な気配がする!!

もう少し近づくと、「嫌だよ!!じいちゃん置いてけないよ!!!」少年の泣き声と、

「ダイ!!・・分かっておくれ・・儂の理性が持つうちに・・」

「嫌だ!!俺逃げないよ!!!ずっと一緒だってじいちゃん言ってたじゃないか!!」

あれがダイ君とブラスさんですね。

ブラスさんの方は狂暴化しかかっている。

「ポップ、島に着き次第すぐに結界を島全体に張ります。あなたはダイ君を頼みます。」「分かりました。」

島に近づき、「こりゃダイ!!」

「嫌だ!逃げない!!」

「その通りですよダイ君。」

「「・・へ?」」二人とも呆気にとられましたね。無理ない事ですが。

「説明は後程、今から聖結界をこの島に超特急で張ってきま・・す・・!!」

 

「あちょっと!!」

いきなり現れた赤ずくめの服の男が枝で何かを地面に書きながら猛烈な勢いで走っていき止めようとしたダイを「いいから、先生に任せておけよ。大丈夫だから。」

緑の服の少年に止められた・・この二人何と、ダイは?だらけだ。

 

おかしい・・島のモンスター達の大半が蔦で手足を縛られ眠っている・・一体誰が・・

今はそれよりも。

島に巨大な五芒星を描き終え出発地点の海岸に戻り「マホカトール!!」-カアー-

聖結界を張り終えれば当然ブラスの狂暴化は止まり、ダイを喜ばせ泣きながらブラスに抱き着いた。

家族を見捨てて逃げることなく終わり、ホッとしたのだろう。

その二人の頭上を黄金のスライムが飛んでニコニコしている。

王よりの情報に偽りはなく、-この二人-は間違いなく家族のようです。

 

アバンがほのぼのと見ていると直後に敵が来て、一体をポップがメラゾーマで、もう一体はダイが、

・・そして三人目は何故か・・どこからもなく現れたガルーダが連れ去ってしまった。

唖然と見ていると森から何かがこちらに来る気配がした。

この島のモンスターかとアバンは考えたが、-べちゃ!-「いった!!」・・人の女の子だった。

「ダイ兄!じいちゃん!!無事⁉大丈夫⁉」

・・王よりの情報は島に住んでいる人の子は男の子一人の筈が「・・一人・・多いですね・・」




宮廷の使者の言葉とロモス王の言葉遣いに苦労しました。
次はアバンの結界張り中の島での主人公視点から始まります。
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