勇者一行の料理人   作:ドゥナシオン

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勇者一行のいつもの日常回・前編

「そっちにお皿置いて~。」

「これってグラスじゃんかよ!ティファ~、木のコップの方が気楽でいいんだけど~。」

「・・・・式・木のコップ・・」

「サンキュー。」

「もうポップったら!ティファの料理の邪魔しないの!!」

「マァムさん、ポップ兄は水とパンだけ出すのでいいですよ。」

「げっ!!ティファ・・・・」

「嫌ならお前もさっさと手伝え。ティファ、焼けたベーコンステーキ運ぶぞ。」

「ティファ~、飲み物の中身みんな一緒なら俺とチウで注いじゃうね。」

「僕はハドラーさん達から注いでいきますね。」

「-ティファ~、僕は-この子達-の面倒見るね~。-」

「ベほちゃんよろしく!しょっぱいのは体に毒だから、果物だけあげてね。」

「-分かってるよ。ティファは心配性だな。-」

 

・・・・・この状況はどうなのでしょうか・・・

 

「諦めろアバン。あれがあいつ等だ。もういい加減慣れろ。」

 

敵の居城のど真ん中、ティファ曰くホワイトガーデンという名の噴水と会談がある広場で休憩となった。

休憩は良い、自分も軽食用のサンドイッチをハドラー達にも大量に作ってきたのだから。

 

何が問題かというと・・・・ティファが普通に調理しているのだ!それも・・

 

「アンリさん、セシリさん、スープの味見どぞ。」

「・・・あのねティファちゃん・・」

「私達はね・・」

「「てきどうしなのよ?」」

 

二人の言う通り!魔族の双子の女性をお食事ご招待とはティファは一体何を考えているのやら・・・

 

アバンは右手を額に当てながら少し前の記憶を遡る。一体どうしてこうなった?

 

 

 

死ぬ・・・もう嫌だ・・・・何なのだあの罠の数と、気合の入った仕掛けの数々・・一つ一つが必殺技の域に達してる罠ってどういう事?

 

抱えて貰っていただけのティファがぐったりとし、ベホイミしすぎてヒュンケルの肩でべほちゃんも半分お亡くなり状態となり、先頭のクロコダインももとより死に態となって、そこそこ元気なのはハドラーとハドラーに抱っこされているチウのみ。

 

結局罠突破の後半はティファも手伝った。とはいえ武器持ってぶち破るではなく、式の目を借り罠を見つけて結界で封じ込め、安全圏外に出てから解除してまたその繰り返しで、魔力枯渇寸前まで追い詰められた。

 

当然ティファを抱えていたヒュンケルと、魔法はカウンター返されたら困るのポップ以外の全員で罠の数々をぶち破った。

ティファとチウ以外の全員の脳裏に変態・疫病神退散を叫びながらの強行軍。

傷つく端からベほちゃんが都度怪我人の肩に飛び乗って素早くベホイミで癒し、とうとうクロコダインが致命傷を負ってしまった時は、ポップが目覚めた。

 

「死なせるかよおっさん!!死なせてたまるかよ!!!」

 

止まった一行を罠が容赦なく襲い来る中、ポップがぼろ泣きしながら死なせてたまるかと叫び上げてザオリクにも匹敵しそうなベホマを発動させて事なきを得られた。

これでポップも賢者の仲間入りとなり、名実共に二代目大魔導士を名乗れそうだが素直に喜べる状況ではない。

 

 

バーンが狙っていたのとは別の意味で色々とガリガリに削り取られた一行の脳内には最早キルバーン=壊す者がインプットされた。自業自得である。

 

 

「やっとここで中間です。この噴水と階段があるこの場所は、ホワイトガーデンと言ってパレス内で-三番目-に綺麗な所です。」

「ほぇ~。白い大理石ふんだんに使った此処が三番目なのか?」

 

うん、ポップ兄の感想は-原作-だったら当然の感想だ。確か原作ではここで休憩した後ミストバーンが来てパレス一美しいところとか言った後に、アバン先生がサブダさ(見ていて寒々しくなるダサい奴)気障野郎キルバーンに任意で拉致られた地、助けに行こうとしたダイ達をレオナ姫が-全ての戦いは勇者の為にせよ-とか教えを授ける場面がある場所なんだろけど、そんな事はここではなしでしょう。

ちなみにそんな基本的な教えはうちの一行の子達は序盤で体得しているかしてそれはいらんのだ(エッヘン)

 

ミストはバーンが待つと言ったから、今頃はバーンもこっちに合わせてワインにクッキー摘まみながら優雅に待つ事にして、そんな主の給仕してるだろうし、キルもキルなりの時間の潰し方(チウ君やお爺ちゃん学者に思い馳せたりとか)して、こっちに来ることないだろうし。

そうするとパレス観光協会のミストが動かないのであれば私が解説せねばならんだろう(ドヤァ!)

 

「パレスにはここの他にも太陽の光りを受けて煌めく小さな池が設置されてる玉座の間もあるし、一番は庭園かな。あそこは死の大地に埋まってた時から陽光が入る様にしていたみたいでデルムリン島系の植物植わってた。」

 

ちなみにお茶会は毎日そこだ。昨日も最後のお茶会してきたし。

 

「他にも都市部には図書室から資料館もあって軍用の食堂と大魔王用の食堂があって、大浴場二つに専用風呂一つだったかな。お湯はヒャドで氷作ったのをメラで溶かして適温にして入って、残り湯は冷まして庭園の植物さんいきだった。」

 

 

・・・・・ホワイトガーデンだけの情報利く積りだったのに、がっつりとここでの生活満喫してたティファ情報まで来るなんて・・・

 

もう聞いたポップはさいですかしか言える事は無かった・・・

 

兎も角として、ホワイトガーデンと周囲百メートルを全員で見回り輪なの類から敵が隠れ潜んでいないかを徹底的に検証する事になった。

 

食事のときに狙われては堪らない。ダイ達もティファも、少々敵である大魔王達を信用しすぎているのではないかというアバンのマックス警戒センサーに引っかかった-者-がいた。

 

・・・矢張り何かしらの刺客を!!・・・・・・刺客を・・

 

「ピぃ~。」

「・・・・・・スライム?」

 

アバンの見回っている階段の隅から、ちょこんと青い小さなスライムがプルプルと震えて隠れていながらちらりと辺りを見ようとしたのに出くわして、うっかりと目が合ってしまった。

 

 

「えぇぇぇ!!!何でスラリンちゃんがここにいんの!!!⁉」

「-・・ティファ・・・-」

 

 

どうしよう・・・庭園にいる筈のスライムの子がここにいるって不味いよ!!

 

は!!罠に引っかかってる子いるんじゃ!!・・・そもそもが!スラリンちゃんはあの庭園の中の子で一番臆病で一人でこんなところに来れる子じゃない!!

 

「これは布にあらず!まこと鳥!!!」

 

アバンの小声が聞こえて様子を見に来たティファは、スラリンちゃんこと水色スライムの子を見て様々に理由で大絶叫して、急ぎ持っていた布を千切って大量の鳥を作って庭園からこのホワイトガーデンへの道すがらと、周囲五百メートルを探索させたところ、十四匹のスライムを発見して急いで式鳥達に保護させ罠回避させながら連れてこさせ、すぐさま取り押さえて逃走防止に布に包みながら身体チェックした。幸い誰も怪我一つないのだが問題はそこじゃない。

 

ど・・・どうしよう・・・・・庭園の子達が全員此処にいるって・・・大魔王に迎えに来てくださいともいかないしどうしよう!!

何でパレスで大魔王の寝所と魔力装置の場所と同じくらいの結界で守られてる超安全な場所から出てきちゃったのよ皆!!!




今宵ここまで・・・・

沢山のプヨプヨ系のスライム捕虜(?)にしてしまった一行の処遇決断は果たして・・

そして保護者達(保護者大魔王バーン・食事係魔影参謀ミストバーン)は迎えに来るのか!


その頃のバーン様達

バ「放せミスト!!余の、余のスライム達が泣いているではないか!!」
ミ「ティファが保護したのです!!万が一にも傷付けることはないでしょうからご安心を!!」
バ「スラリンなどは震えているではないか!!かくなる上はティファ諸共にラドを・・」
ミ「戦う前にお力が!!お前もお止めとせよキル!!」
キ「むしろ僕がお迎えに・・」
ミ「馬鹿者!!お前が残したトラップと妙な置き手紙のせいで勇者達のお前に対する心情は最悪なんだぞ!!行ったが最後瞬殺されるわ!!」
キ「え〜なんでそんな事に?」
ミ「何でもかんでもあるか馬鹿者!!とにかくお前は絶対に行くな!!」

魔王軍保護者達は迎えに来れない模様です。

以上現場からお伝えしました。
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